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ニュースダイアリー・2023年(令和5年)4月分

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4月1日(土曜日)…2件

分野 関係
都道府県名
出来事 概要
道路 岩手県 県道303号平泉停車場線が認定される。 JR東北本線平泉駅(西磐井郡平泉町平泉)の西口駅前広場(注1)と県道31号平泉・厳美渓線及び県道206号相川・平泉線を結ぶ県道303号平泉停車場線が2023年(令和5年)4月1日岩手県告示第240号により認定され、2023年(令和5年)4月1日県南広域振興局長告示第28号により全線の区域が決定した。
県道303号平泉停車場線は2023年(令和5年)3月31日岩手県告示第224号により廃止された県道110号平泉停車場・中尊寺線(1959〜2023)のうちの西磐井郡平泉町平泉/平泉駅西口駅前広場西磐井郡平泉町平泉/平泉駅西入口交差点(交差点名標なし)間を区域として発足した全長54.0mの県道路線である。「Googleストリートビュー」を見たところ駅前広場と駅前ロータリーで構成される県道路線なのだが、西磐井郡平泉町に移管するのではなく新規の県道路線を発足させたのは平泉駅が2011年(平成23年)に国際連合教育科学文化機関(略称:UNESCO)の世界文化遺産に指定された奥州藤原氏の史跡群の最寄駅になっていることが大きいように感じられる。県道110号平泉停車場・中尊寺線のうちの県道206号相川・平泉線に移行させた部分
(注2)以外は西磐井郡平泉町に移管させても良かったのだろうが岩手県としては西磐井郡平泉町に新たな負担を課したくなかったことや岩手県を代表する観光地となっている奥州藤原氏の史跡群の最寄駅に通じる道路は引き続き岩手県が管理したほうが妥当だと考えていたのだろう。
鉄道の利用が減少し、それとともに都道府県道○○停車場線の在り方が問われる可能性が出てくる昨今であるが、そんな中でも著名な観光地の玄関に当たる駅に通じる県道路線を発足させたことは評価しても良いことではないのだろうか。

(出典)
・2023年(令和5年)4月1日岩手県告示第240号
・2023年(令和5年)4月1日県南広域振興局長告示第28号
道路 京都府 府道665号浜詰・網野線が府道665号木津・網野線に改称される。 京丹後市網野町浜詰と京丹後市網野町網野を結んでいた府道665号浜詰・網野線が2023年(令和5年)4月1日京都府告示第196号により府道665号木津・網野線に改称され、2023年(令和5年)4月1日京都府告示第197号により府道665号浜詰・網野線だった部分以外の区域が決定した。
府道665号浜詰・網野線が府道665号木津・網野線に改称された理由は昨年10月29日に開通した国道178号線木津道路の旧道処分(2023年〔令和5年〕4月1日京都府告示第198号による)に伴い起点となる京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)でどの国道路線または府道路線とも接続しなくなったため京丹後市網野町木津/木津道路東口交差点(交差点名標なし)京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)間の国道178号線浜詰旧道を編入して路線を延伸したことである。京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)京丹後市久美浜町湊宮/箱石東交差点(信号機・交差点名標なし)間の国道178号線浜詰旧道を編入する選択肢もあった
(注3)のだが、京丹後市網野町木津は温泉街や鉄道の駅がある人口集積地であることや府道665号浜詰・網野線は京丹後市網野地区西部と京丹後市網野地区中心部を日本海に沿って結ぶ路線であり、沿線住民の貴重な生活道路になっていること、財政事情が厳しい京都府が引き続き管理する部分を短くしたかったこと(注4)が決め手になったものと思われる。途中に国道路線または都道府県道路線との接続箇所がある旧道の再編はどのようにするか難しいものがあるが京都府は費用対効果に重きを置いたのだろう。その点で考えれば今回の再編は妥当だと言っても良いのではないのだろうか。
(出典)
2023年(令和5年)4月1日付京都府公報号外第18号(PDF文書)

4月3日(月曜日)…1件

分野 関係
都道府県名
出来事 概要
道路 広島県 県道22号福山・鞆線の経路が大幅に変更される。 福山市入船町一丁目と福山市鞆町鞆を結ぶ県道22号福山・鞆線のうちの福山市光南町三丁目/野上町2丁目(東)交差点福山市水呑町/水呑大橋西詰交差点間の経路が2023年(令和5年)4月3日広島県告示第609号により福山市沖野上町経由(以降沖野上ルートと表記。おおよその経路はこちら)から福山市草戸町経由(以降草戸ルートと表記。おおよその経路はこちら)に変更された。
県道22号福山・鞆線は1954年(昭和29年)9月17日に発足した時点では草戸ルートを経由していたのだが、1980年(昭和55年)10月2日に水呑大橋(全長:358.2m)が開通した時に距離の短い沖野上ルートに変更されていた。
今回発足当初の経路、すなわち草戸ルートに戻された理由ははっきりしないのだが、福山市光南町三丁目/野上町2丁目(東)交差点福山市沖野上町四丁目/沖野上町4丁目(西)交差点間は福山市道福山駅・箕沖幹線
(注5)と重用していることや福山市沖野上町四丁目/沖野上町4丁目(西)交差点から北東方向に延びる道は福山市道手城・沖野上幹線(注6)になっていることから道路管理の一元化を目的として福山市が広島県に対して移管を求めていたことが考えられる(注7)
また、沖野上ルートの場合右左折を3回経なければならないのに対して草戸ルートの場合右左折は1回だけで済むことや草戸ルートのほうが経路が分かりやすいこと、草戸ルートは福山市草戸町/半坂橋交差点で福山市瀬戸地区に通じる福山市道草戸・瀬戸幹線と接続していること、草戸ルートは福山市草戸町四丁目で県道72号福山・沼隈線のバイパスとして建設が進められている地域高規格道路福山・沼隈道路と接続することも経路変更の理由として考えられるところである。
草戸ルートは沖野上ルートに比べて600mほど長くなることや上下4車線区間が短くなることなどの難点もあるのだが、経路が分かりやすくなったことや福山市中心部と沼隈半島の主要部を結ぶ幹線道路としての役割を担うことになったことを考えれば今回の経路変更は妥当なものなのかなと思う次第である。
(出典)
2023年(令和5年)4月3日広島県告示第609号

4月4日(火曜日)…1件

分野 関係
都道府県名
出来事 概要
道路 静岡県 県道419号愛鷹インター線が認定される。 伊豆縦貫自動車道(国道1号線東駿河湾環状道路)愛鷹インターチェンジ(仮称。沼津市東椎路)と国道1号線または県道22号三島・富士線を結ぶ県道419号愛鷹インター線が2023年(令和5年)4月4日静岡県告示第277号により認定された。
県道419号愛鷹インター線は2023年(令和5年)4月4日静岡県告示第277号によると起点・終点とも沼津市東椎路にあることだけが示されており、区域決定もなされていないためどのような道路になるかははっきりしていない(そのため伊豆縦貫自動車道〔国道1号線東駿河湾環状道路〕愛鷹インターチェンジと国道1号線または県道22号三島・富士線を結ぶ…と書いたものである)。恐らく伊豆縦貫自動車道(国道1号線東駿河湾環状道路)愛鷹インターチェンジ〜沼津岡宮インターチェンジ(沼津市岡宮)間の整備に合わせて建設が進められ、伊豆縦貫自動車道(国道1号線東駿河湾環状道路)愛鷹インターチェンジ〜沼津岡宮インターチェンジ間の開通と同時に区域決定や供用開始がなされるものと思われる。
ところで、伊豆縦貫自動車道(国道1号線東駿河湾環状道路)愛鷹インターチェンジの北方数百mのところには東名高速道路愛鷹パーキングエリア(下り線:沼津市宮本/上り線:沼津市宮本)に併設される形で愛鷹スマートインターチェンジ(下り線:沼津市宮本/上り線:沼津市宮本)が設置されている。そのため伊豆縦貫自動車道(国道1号線東駿河湾環状道路)愛鷹インターチェンジについては何らかの混同回避措置が取られることになるのではないかと思うのだが果たしてどうなるのだろうか。
(出典)
2023年(令和5年)4月4日静岡県告示第277号

4月10日(月曜日)…1件

分野 関係
都道府県名
出来事 概要
ラジオ 岡山県 RSK山陽放送の本社・演奏所の移転が完了する。 テレビ放送については岡山・香川両県を、ラジオ放送については岡山県をそれぞれ放送区域としている都道府県域民間放送局・RSK山陽放送(RSK、岡山市北区天神町)の本社・演奏所の移転が本日完了した。
RSK山陽放送は1962年(昭和37年)から岡山市北区丸の内二丁目1番3号(場所はこちら)にあった旧本社で業務を行ってきたが、老朽化が進展したことなどから旧本社の北西約400mのところにある岡山市立後楽館中学校・高等学校
(注101)(岡山市北区南方一丁目)の跡地(岡山市北区天神町)に新本社(岡山市北区天神町9番24号。場所はこちら)を建てて移転することにした。新本社は2021年(令和3年)6月6日から業務を開始したが機器更新の問題からその時はテレビ部門全般とラジオ部門の一部が移転しただけにとどまり(注102)、ラジオ部門の大部分は旧本社で業務を続けていた。
旧本社からの放送は本日午前0時15分で終了し、新本社からの放送は午前5時21分から開始した
(注103)。新本社からの最初の番組はRSK山陽放送の代表取締役社長・里見俊樹氏の挨拶であった。
また、平日午前中の自社制作ワイド番組もラジオ部門移転が完了したことを機に刷新されることになり、本日午前7時から「天神ワイド 朝」(月曜日〜金曜日午前7時〜午後0時)が放送されることになった。
今春からラジオ放送の月曜日の放送開始時間が2時間繰り下げになる
(注104)など厳しい環境下での船出となったRSK山陽放送の新本社であるが、この厳しい環境下をどのように乗り切っていくのか、今後が注目される。
(出典)
RSK山陽放送公式サイト

(注釈コーナー)

注1:平泉駅には西側にしか出入口がないのだが、両側に出入口がある駅が多数あることから本サイトでは出入口の方向を分かりやすくするために片側にしか出入口がない場合でも出入口の方角を明記することにしている。

注2:岩手県西磐井郡平泉町平泉/平泉駅西入口交差点(交差点名標なし)岩手県西磐井郡平泉町平泉/伽羅楽西交差点(信号機・交差点名標なし)間を指す。前記区間の岩手県道206号相川・平泉線への編入は2023年(令和5年)4月1日県南広域振興局長告示第29号によってなされている。

注3:京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)京丹後市久美浜町湊宮/箱石東交差点(信号機・交差点名標なし)間の国道178号線浜詰旧道は京丹後市道浜詰・箱石線に再編されている。

注4:京丹後市網野町木津/木津道路東口交差点(交差点名標なし)京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)間は約1.3km、京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)京丹後市久美浜町湊宮/箱石東交差点(信号機・交差点名標なし)間は約2.1kmとなっており、京丹後市網野町木津/木津道路東口交差点(交差点名標なし)京丹後市網野町浜詰/まつや旅館前交差点(交差点名標なし)間のほうが短くなっている。

注5:駅前大通りとして福山市民には知られている道で、JR山陽新幹線・山陽本線・福塩線福山駅(福山市三之丸町)の南口駅前広場と箕沖工業団地(福山市箕沖町)を結んでいる。全線が上下4車線以上になっている。

注6:福山市手城町一丁目と福山市沖野上町四丁目を結ぶ予定の道で、現在のところ福山市手城町一丁目部分が未開通のままになっている(開通すれば国道2号線笠岡方面と沼隈方面を短絡する道路として有用になるのだが民家密集地を通り抜けることになっており、用地買収が難航する恐れが高いことや交通量が見込めないこと、近隣に広い道路がいくつもあることから着手されるメドは今のところ立っていない)。沿線には福山市立大学(福山市港町二丁目)や国立病院機構福山医療センター(福山市沖野上町四丁目)がある。

注7:そのことを象徴した話と言えるのが福山市内のJR山陽本線の駅の駅前広場を起点とする県道路線が2010年(平成22年)までに全て廃止され、福山市に移管されたことである。そのことはこちらでも触れたことがあるのだが、福山市内のJR山陽本線の駅の駅前広場を起点とする県道路線はいずれも国道2号線を終点としているが道路自体は国道2号線との交差点から先に延びており、国道2号線との交差点以遠は福山市道に変わるという共通点を持っていた。それが福山市が都市計画を推進するに当たって不都合となり、県道路線の認定を解いて福山市に移管するということになった。
参考までにかつて存在した福山市内のJR山陽本線の駅の駅前広場を起点とする県道路線とその状況を示すと下表の通りになる。

路線名称 状況
県道190号福山停車場線 ・JR山陽新幹線・山陽本線・福塩線福山駅の南口駅前広場と国道2号線を結んでいた路線で、1960年(昭和35年)10月10日広島県告示第682号により県道56号福山停車場線という名称で認定された。廃止直前の名称である県道190号福山停車場線に改称したのは1972年(昭和47年)11月1日のことである(県道標識〔正式名称は都道府県道番号〕が導入されたことや広島県と隣接する県、すなわち島根県・岡山県・山口県に跨る県道路線の路線番号を統一する必要が生じたことが理由である)。
・起点は福山市元町/福山駅前交差点、終点は福山市延広町/福山郵便局前交差点となっていた。
・路線自体は福山市延広町/福山郵便局前交差点で終点となっていたが道路自体は福山市道に切り替わって更に南に延びていた。
・福山駅は広島県南東部最大の都市・福山市の代表駅であり、優等列車も多数停車する駅でもあったが、そういう状況でも主要地方道にならなかったのは広島県が主要地方道を広域路線として位置付けており、短距離路線を主要地方道に指定するのを避けていたことが考えられる(ちなみに広島県内で完結する主要地方道路線で最短なのは廿日市市を通る県道43号厳島公園線で実延長は約3.1kmとなっている)。
・その後福山市が周辺自治体と合併したことや大規模な製鉄所が進出したことなどで大きく発展したことや福山駅が山陽新幹線の停車駅になったことから福山駅南口の整備を進めることになり、県道56号福山停車場線改め県道190号福山停車場線の地下に地下道や地下駐車場を建設することになった。そのようになると広島県が管理する道路の下に福山市が管理する駐車場が存在することになり、管理の一元化が求められるようになった。その結果県道190号福山停車場線は1974年(昭和49年)2月19日広島県告示第136号により廃止され、福山市に移管された。
・県道190号福山停車場線が廃止された時点ではまだ山陽新幹線は開通していなかった(広島県内区間が開通したのは1975年〔昭和50年〕3月10日)が、開通時点の広島県内における停車駅(福山・三原・広島)で駅前広場を起点または終点とする県道路線を有していたのは福山駅だけであった(1960年〔昭和35年〕10月10日時点では三原駅〔三原市城町一丁目〕にもあったがその路線、すなわち県道59号三原停車場線〔一般県道。1960〜1965〕は県道25号三原・東城線の延伸などの事情により1965年〔昭和40年〕3月31日広島県告示第260号によりに廃止されている)。県道190号福山停車場線の廃止により広島県は新幹線停車駅の駅前広場を起点または終点とする都道府県道路線が存在しない数少ない都道府県となっている(ちなみに建設中のものも含めて新幹線が通る都道府県で現在新幹線停車駅の駅前広場を起点または終点とする都道府県道路線がないのは宮城県・大阪府・広島県だけである〔宮城県には新幹線停車駅の名称が路線名称に入っている県道路線はあるがその路線は駅前広場を起点または終点としていないし駅から離れたところを通っているため新幹線停車駅の駅前広場を起点または終点とする都道府県道路線がない都道府県に含めている〕)。
・県道190号福山停車場線だった道路の地下に地下道や地下駐車場を建設する工事は1980年(昭和55年)3月に完成し、周辺の再開発事業などで改修は経ているが完成から40年以上経った現在も多くの市民に利用されている。
県道191号備後赤坂停車場線 ・JR山陽本線備後赤坂駅(福山市赤坂町赤坂)の北口駅前広場と県道54号福山・尾道線(国道2号線旧道)を結んでいた路線で、1960年(昭和35年)10月10日広島県告示第682号により県道57号備後赤坂停車場線という名称で認定された。廃止直前の名称である県道191号備後赤坂停車場線に改称したのは1972年(昭和47年)11月1日のことである(改称理由は県道190号福山停車場線の項で触れたので繰り返さない)。
・起点は福山市赤坂町赤坂/備後赤坂駅北口駅前広場、終点は福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点となっていた。
・路線自体は福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点で終点となっていたが道路自体は福山市道に切り替わって更に北に延びていた。
・発足時点では終点の福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点で接続する道路は一級国道2号線(その後1965年〔昭和40年〕4月1日に現行名称である国道2号線に改称)だったが福山市赤坂地区の渋滞解消を目的として企図された国道2号線赤坂バイパスの全線開通(1998年〔平成10年〕3月14日)に伴う旧道処分で1999年(平成11年)3月31日広島県告示第386号により県道54号福山・尾道線に再編されている。
・備後赤坂駅は田園地帯の中にあり、市街地化も他の福山市内の山陽本線の駅周辺ほど進んでいないため駅前通りである県道191号備後赤坂停車場線の整備に乗り出す必要はないように感じられるのだが、実は県道191号備後赤坂停車場線は道幅が狭いことや終点の福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点の手前に急な勾配が入ること(恐らく1950年代後半の一級国道2号線、すなわち現在の県道54号福山・尾道線建設の際に入れられたものと思われる)、そのことから停止線は福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点の直前には設置できなかったことなどの難点が存在した。しかし交通量が少ないことや費用対効果が見込めないことなどから広島県が改良を行うことはなかった。
・一方で福山市は備後赤坂駅の近くに1974年(昭和49年)に福山市地吹町から移転させていた福山市立福山高等学校(福山市赤坂町赤坂。1969〜2004)を中高一貫校化させたこと(2004年〔平成16年〕。その際現行名称である福山市立福山中学校・高等学校〔福山市赤坂町赤坂〕に改称している)や備後赤坂駅の近くに国道2号線福山道路と国道2号線赤坂バイパス、地域高規格道路福山西環状線(県道463号津之郷・山守線バイパス)の結節点ができることになったことから備後赤坂駅周辺の開発の必要性を感じるようになった。しかし、人口減少時代を見据えた市政を展開しなければならなかったことやJR福塩線・井原鉄道井原線神辺駅(福山市神辺町川南)の西側で実施している川南土地区画整理事業が地域住民の強硬な反対によりなかなか進まないでいることなどにより大規模な事業を展開することは困難な状況にあった。そこで着手可能な事業として備後赤坂駅の駅前通りを拡幅することを企図した。その結果県道191号備後赤坂停車場線は2010年(平成22年)2月8日広島県告示第88号により廃止され、福山市に移管された。
・県道191号備後赤坂停車場線の廃止を最後に広島県では県道路線の異動は一切行われていない。最後の異動からの年数は13年を超えているがこの年数は岡山県(17年)に次いで全国第2位になっている。また、2009年(平成21年)11月に就任した湯崎英彦広島県知事が関わった唯一の県道路線の異動にもなっている。
・県道191号備後赤坂停車場線の廃止により福山市内の山陽本線の駅を起点または終点とする県道路線は全てなくなった。現在の広島県に存在する市区町村としては初めての事例となった(現在の中国地方に存在する市区町村では他に柳井市がある)。
・県道191号備後赤坂停車場線だった道路の改良は2015年(平成27年)に完成したが、県道191号備後赤坂停車場線時代の道路敷はそのほとんどが福山市道赤坂駅前線の歩道の下に埋もれている。
・また、県道190号福山停車場線(1960〜1974。福山市道福山駅・箕沖幹線に再編)や県道192号松永停車場線(1960〜2005。福山市道松永駅・今津幹線に再編)の場合とは異なって県道191号備後赤坂停車場線だった道と、県道191号備後赤坂停車場線の終点となる福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点より北に延びる道は別の市道路線(福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点以南…福山市道赤坂駅前線/福山市赤坂町赤坂/赤坂駅前交差点以北…福山市道赤坂25号線)になっており、市道路線の統一はならなかった。福山市道赤坂駅前線と福山市道赤坂25号線はどちらも都市計画道路に指定されていないため同じ市道路線にする必要がなかったことが理由と思われる。
・備後赤坂駅の駅前通りの整備が完了したのは良いのだが、備後赤坂駅は福山市内の山陽本線の駅では唯一昇降機が設置されておらず、更に2020年(令和2年)3月1日には駅員無配置駅になったため身体障害者や高齢者が利用しにくい駅になっている。一方では昔ながらの駅舎が残る数少ない駅にもなっているのだが、今後福山市や西日本旅客鉄道(JR西日本。大阪市北区芝田二丁目)は備後赤坂駅をどのように整備していくのであろうか。その点が気になる。
県道192号松永停車場線 ・JR山陽本線松永駅(福山市松永町)の北口駅前広場と国道2号線松永・尾道・木原旧道(県道54号福山・尾道線重用)を結んでいた路線で、1960年(昭和35年)10月10日広島県告示第682号により県道58号松永停車場線という名称で認定された。廃止直前の名称である県道192号松永停車場線に改称したのは1972年(昭和47年)11月1日のことである(改称理由は県道190号福山停車場線の項で触れたので繰り返さない)。
・起点は福山市松永町/松永駅北口駅前広場前交差点(信号機・交差点名標なし)、終点は福山市今津町/松永駅入口交差点となっていた。
・路線自体は福山市今津町/松永駅入口交差点で終点となっていたが道路自体は福山市道に切り替わって更に北に延びていた。
・松永駅は現在は橋上駅舎になったことや松永駅南口周辺で区画整理事業が行われたことなどにより北側・南側双方に駅前広場を有するようになっているが、県道192号松永停車場線が発足した時は北側にしか出入口がなかった。それ故県道192号松永停車場線は北に延びる道になっている。
・松永駅の駅前通りである県道192号松永停車場線は都市計画道路駅前・府中線に指定されている。長らく着手されないでいたが、山陽自動車道や尾道自動車道、尾道・福山自動車道、西瀬戸自動車道、国道2号線松永道路の整備によりこれらの幹線道路と福山市松永地区中心部を結ぶ県道48号府中・松永線の交通量が増加し、終点の福山市今津町三丁目/今津町3丁目交差点では渋滞が頻発するようになったことなどから整備されることになった。
・しかし、福山市今津町/松永駅入口交差点を境に管理者が異なることや県道192号松永停車場線の延伸という形をとると県道48号府中・松永線のすぐそばに別の県道路線が並行する形になり、無駄ではないかという批判が出る恐れがあったことが問題となった。そこで都市計画道路駅前・府中線の整備を推進したかった福山市は県道192号松永停車場線の廃止→福山市への移管を考えるようになった。
・県道192号松永停車場線の廃止への過程は2005年(平成17年)3月24日広島県告示第408号で大幅に区域を削ることで始まった。その告示により203mあった総延長は何と5mにまで削減されてしまったのである。残った区域は起点から5mだけということになり、他のどの国道路線や県道路線とも接続しない孤立路線になった(なぜこういう措置をとったのかは不明)。日本で最も短い都道府県道路線は解釈によりいろいろな説があるのだが、単独区間基準では2005年(平成17年)3月24日以降の県道192号松永停車場線は長野県道162号上田停車場線(実延長:7m)を抜いて日本で最も短い都道府県道路線の座に就いたことになる。ただ、県道192号松永停車場線は一切路線識別手段は設置されていなかったし、そのことを掲載した2005年(平成17年)3月24日付「広島県報」定期第22号を見た方は多くはなかったと思われることからこのことを知っている方はほとんどいないものと思われる。
・その後広島県議会定例会での議決を経て2005年(平成17年)8月8日広島県告示第933号により県道192号松永停車場線は廃止され、福山市に移管された。県道192号松永停車場線が日本で最も短い都道府県道路線の座に就いていたのはわずか4ヶ月半、日数に換算すれば138日間だけであった。
・都市計画道路駅前・府中線の整備は用地買収の難航などから長らく進んでいなかったが、2020年代に入ってから整備は急速に進められるようになっており、2023年度(令和5年度)開通予定となっている。

注101:岡山市立後楽館中学校・高等学校は2012年(平成24年)に現在地(岡山市北区南方一丁目3番15号。場所はこちら)に移転している。

注102:そのことはRSK山陽放送テレビは2021年(令和3年)6月6日未明(午前1時28分〜午前5時29分)に放送休止を入れたのに対しRSK山陽放送ラジオは一切放送休止を入れなかったことでもうかがえる。

注103:RSK山陽放送ラジオの本来の放送休止時間は月曜日午前0時15分〜午前5時となっているが、4月10日だけ放送開始時間を21分繰り下げたのは機器調整の時間を確保するためではないかと考えられる。

注104:RSK山陽放送ラジオは2021年(令和3年)春の番組改編で月曜日の放送開始時間を午前4時から午前3時に1時間繰り上げていた。日曜日深夜(月曜日早朝)に放送休止を設定している民間ラジオ放送局では最も早く放送を開始するところになっていたものと思われるのだが、結局2年間で取りやめになってしまった。背景にはRSK山陽放送の経営事情が厳しいことや聴取率が低かったことなどが挙げられるが午前3時に放送を開始する点はもう少し注目されても良かったことであり、「日本で最も早く起きる放送局」というような宣伝を展開していれば違った展開があったのでは…と思いたくなる。
なお、(既に注103で触れていることであるが)RSK山陽放送ラジオの日曜日深夜の放送終了時間は午前0時15分となっており、これは中国地方にある民間中波放送局としては最も早い。
※参考までに今年4月時点でのRSK山陽放送ラジオ以外の中国地方にある民間中波放送局の日曜日深夜の放送終了時間は次の通りである。
・山陰放送ラジオ(BSS、米子市西福原一丁目)…午前0時30分
・中国放送ラジオ(RCC、広島市中区基町)…午前1時30分
・山口放送ラジオ(KRY、周南市徳山)…午前1時
なお、放送開始は山口放送ラジオが午前4時、山陰放送ラジオと中国放送ラジオが午前5時となっている。