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山陽放送ラジオradiko参入と気になる今後(2014年〔平成26年〕12月21日公開)
今月1日から山陽放送ラジオ(RSK、岡山市北区丸の内二丁目)がradikoに参加した。中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局としては中国放送ラジオ(RCC、広島市中区基町)・広島エフエム放送(HFM、広島市南区皆実町一丁目)・山陰放送ラジオ(BSS、米子市西福原一丁目)に次いで4番目にradikoに参加することになったわけである。中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局は8社あるからやっと半数の放送局が参加することになったわけである。
恐らく多くの方は山陽放送ラジオが今になってradikoに参加したことを遅いと感じているのではないのだろうか。中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局で初めてradikoに参加した中国放送ラジオ(注1)とは政令指定都市を擁する県を放送区域とする民間放送局であることや中国放送ラジオとほぼ同じ時期に中波ステレオ放送をやめたこと(注2)といった共通点があることや山陽放送ラジオが放送区域としている岡山県は広島県に次いで人口が多いことを考えれば山陽放送ラジオが岡山エフエム放送(岡山市北区中山下〔なかさんげ〕一丁目)とともに中国放送ラジオと広島エフエム放送の次にradikoに参加するのではないかとする見方があったのだが、いろいろあって残念ながらそうはならなかった。岡山県では位置誤判定が起きない限り長い間日経ラジオ社(愛称:ラジオNIKKEI。東京都港区虎ノ門一丁目)と放送大学(千葉市美浜区若葉二丁目)しかradikoで楽しめない状況が続いたのだが、やっとその状況が解消されることになったのである。
そこで今回は山陽放送ラジオのradiko参加をめぐるあれこれを綴り、今後どのようにしていくべきなのか、そして今後どのようになっていくのかについて触れていくことにしたい。
山陽放送ラジオのradiko参加で達成された二つのあること
あまり知られていないことであるが、山陽放送ラジオのradiko参入により達成されたことが二つある。どういうことなのか記すと次の通りになる。
・政令指定都市のある道府県(注3)に本社を置く民間中波放送局が全てradikoに参加することになったこと。下表に示した通り2012年(平成24年)4月までには岡山県以外の政令指定都市のある道府県に本社を置く民間中波放送局がradikoに参入しており、それ以降は山陽放送ラジオだけが不参加になっていた。
※同じ道府県に政令指定都市が複数ある場合、道府県庁所在地は都市名の前に◎を付けている。
道府県名 | 政令 指定都市名 |
所属道府県に本社を置く 民間中波放送局 |
radiko 参加年月日 |
備考 |
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北海道 | 札幌市 | STVラジオ (STV、札幌市中央区北一条西八丁目) |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
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北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
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宮城県 | 仙台市 | 東北放送 (TBC、仙台市太白区八木山香澄町) |
2012年 (平成24年) 4月2日 |
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埼玉県 | さいたま市 | (なし) | ― | |
千葉県 | 千葉市 | (なし) | ― | |
神奈川県 | ◎横浜市 川崎市 相模原市 |
RFラジオ日本 (RF、横浜市中区長者町五丁目) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
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新潟県 | 新潟市 | 新潟放送 (BSN、新潟市中央区川岸町三丁目) |
2012年 (平成24年) 4月2日 |
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静岡県 | ◎静岡市 浜松市 |
静岡放送 (SBS、静岡市駿河区登呂三丁目) |
2011年 (平成23年) 10月3日 |
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愛知県 | 名古屋市 | CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
|
東海ラジオ放送 (SF、名古屋市東区東桜一丁目) |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
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京都府 | 京都市 | 京都放送 (KBS、 京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
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大阪府 | ◎大阪市 堺市 |
朝日放送 (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
|
大阪放送 (OBC、大阪市港区弁天一丁目) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
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毎日放送 (MBS、大阪市北区茶屋町) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
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兵庫県 | 神戸市 | ラジオ関西 (CRK、神戸市中央区東川崎町一丁目) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
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岡山県 | 岡山市 | 山陽放送 (RSK、岡山市北区丸の内二丁目) |
2014年 (平成26年) 12月1日 |
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広島県 | 広島市 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
2011年 (平成23年) 7月20日 |
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福岡県 | ◎福岡市 北九州市 |
RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
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九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
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熊本県 | 熊本市 | 熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
2012年 (平成24年) 1月30日 |
・中波ステレオ放送を実施したことのある民間中波放送局が全てradikoに参加することになったこと。下表に示した通り2012年(平成24年)1月までには山陽放送ラジオ以外の中波ステレオ放送を実施したことのある民間中波放送局がradikoに参入しており、それ以降は山陽放送ラジオだけが不参加になっていた。
放送区域 | 放送局名/ 略称・所在地 |
実施 中継局名 |
中波 ステレオ放送 開始年月日 |
中波 ステレオ放送 終了年月日 |
radiko参加年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | STVラジオ (STV、札幌市中央区北一条西八丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 8月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
|
北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 10月7日 |
2010年 (平成22年) 3月29日 |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
||
東京都 | TBSラジオ&コミュニケーションズ (TBS、港区赤坂五丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2011年 (平成23年) 1月31日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
中継局は本局以外存在しない。 |
ニッポン放送 (LF、千代田区有楽町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
(実施中) | 2010年 (平成22年) 3月15日 |
中継局は本局以外存在しない。 | |
文化放送 (QR、港区浜松町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2012年 (平成24年) 2月6日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
中継局は本局以外存在しない。 | |
岐阜県 愛知県 三重県 |
CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
(実施中) | 2011年 (平成23年) 3月25日 |
|
東海ラジオ放送 (SF、名古屋市東区東桜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
2012年 (平成24年) 5月14日 |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
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京都府 大阪府 |
朝日放送 (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
本局 |
1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
全中継局で実施。 |
京都局 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||||
大阪放送 (OBC、大阪市港区弁天一丁目) |
本局 | 1993年 (平成5年) 3月29日 |
(実施中) | 2010年 (平成22年) 3月15日 |
全中継局で実施。 | |
京都局 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
(実施中) | ||||
毎日放送 (MBS、大阪市北区茶屋町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
全中継局で実施。 | |
京都局 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
||||
和歌山県 | 和歌山放送 (WBS、和歌山市湊本町三丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 7月14日 |
(実施中) | 2011年 (平成23年) 4月12日 |
|
岡山県 | 山陽放送 (RSK、岡山市北区丸の内二丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月28日 |
2014年 (平成26年) 12月1日 |
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高梁局 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月21日 |
||||
広島県 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月1日 |
2011年 (平成23年) 3月14日 |
2011年 (平成23年) 7月20日 |
福山・府中・三原各中継局の開始時期は推定(便宜上福山・三原両中継局の周波数が変更された日を開始年月日としている)。 |
福山局 府中局 |
1994年 (平成6年) 11月14日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
||||
三原局 | 1995年 (平成7年) 2月13日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
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福岡県 | RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 5月31日 |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
|
九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2007年 (平成19年) 4月2日 |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
||
熊本県 | 熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
本局 | 1993年 (平成5年) 10月1日 |
2008年 (平成20年) 9月29日 |
2012年 (平成24年) 1月30日 |
山陽放送には早期のradiko参加を求める意見が聴取者から寄せられたことであろうし、山陽放送としても2012年(平成24年)春以降政令指定都市のある道府県に本社を置く民間中波放送局でも中波ステレオ放送を実施したことのある民間中波放送局でも唯一のradiko未参加放送局になっていたことと聴取者の意見に応えられないでいたことを苦々しく感じていたことであろう。ではなぜ山陽放送ラジオのradiko参加は遅くなってしまったのか。次の章で考えることにしたい。
なぜ山陽放送ラジオのradiko参加は遅くなったのか
なぜ山陽放送ラジオのradiko参加は遅くなってしまったのか。「経営が厳しいからだろう」とか「参加に消極的だったからだろう」という声もあるのだが、私はそれ以外にも理由はあったと考えている。私が考えている理由は次の通りである。
・岡山県は比較的地形に恵まれていること。岡山県の人口の大半が集中している岡山平野は中国地方随一の広さを誇るし、内陸部も岡山県三大河川(吉井川・旭川・高梁川)に沿って交通路や都市が成立している。
・岡山県は岡山・倉敷両市及びその周辺地域への一極集中が著しいが、実は拠点となる都市は万遍なく存在すること。人口規模はともかくとして岡山県内各地に存在する都市はその地域の中心都市としての地位を確固たるものにしている。
・山陽放送はラジオの中継局を放送区域である岡山県内に万遍なく配置していること。中継局のある都市(岡山・笠岡・高梁・津山・新見・備前・真庭(注4))の位置を地図で確認するとそのことはよく分かる。
・山陽放送はラジオの全ての中継局の周波数を1980年(昭和55年)7月7日に1494kHzに統一していること。中国地方にある民間中波放送局としては今に至るまで唯一の存在である。
無論岡山県内であっても山陽放送ラジオが受信しにくいところはあることであろうが、これらの事実を考えると山陽放送の経営陣やラジオ放送に携わる方々が急いでradikoに参加する必要はないという判断に傾いたことは想像に難くない。
しかし、今年4月1日に有料ではあるがradikoに参加している大半の放送局の番組を日本全国で聴取できるサービス「radiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)」が始まったことで風向きが変わることになった。山陽放送ラジオではJリーグ二部に所属するファジアーノ岡山の公式戦をホームゲーム限定ではあるが中継放送しているのだが、radikoに参加し、なおかつradiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)にも参加すればファジアーノ岡山の公式戦中継を他地域、特にファジアーノ岡山が属するJリーグ二部に属しているチームの本拠地がある都道府県(注5)でも聴いてもらえるしファジアーノ岡山の知名度向上にも繋がる。この話に乗らない手はないということでようやく重い腰を上げたのだろう。
山陽放送ラジオをめぐる二つの気になる動き
本作の冒頭でも記したように山陽放送ラジオは中国放送ラジオ・広島エフエム放送・山陰放送ラジオに次いでradikoに参加した中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局となったわけであるが、このradiko参加と前後してどうかと思う動きが二つ起きたのでここで触れることにしたい。
一つ目のどうかと思う動きは番組改編期でもない11月末に平日朝の自社制作のワイド番組「おかやま 朝まるステーション1494」(2008〜2014年〔平成20〜26年〕放送)を終了させ、radikoに参加した今月1日から新たな平日朝の自社制作のワイド番組「朝です。全員起立!」を始めたことである。山陽放送ラジオの自社制作のワイド番組は中国放送ラジオや岡山エフエム放送のそれと比べると短命に終わる傾向がある(注6)のだが、山陽放送ラジオの聴取者の中には「radikoに参加するそのことだけで多くの聴取者に長らく親しまれてきたワイド番組を打ち切るのか。どういう魂胆をしているのか」とか「もっと長期的視野に立って番組を作れないのか」というような感情を抱いた方もいるのではないのだろうか。一つだけだったのでそんなに問題にはならなかったのかもしれないのだが、山陽放送ラジオを全く聴かない私としても山陽放送のこのやり方はどうかと感じてしまう。
二つ目のどうかと思う動きは今年11月以降日曜日の午前3時〜午前5時に放送休止を設定することが多くなったことである。その時間帯の山陽放送ラジオは午前3時台はTBSラジオ&コミュニケーションズ(TBS、東京都港区赤坂五丁目)制作の「デブッタンテ」、午前4時台はラジオ番組制作会社の綜合放送(東京都港区芝公園二丁目)制作の「山田パンダ 素晴らしきフォーク世代」を放送しているのだが、これらの番組が流されない週が少なくないのである。しかも山陽放送は公式サイトで日曜日早朝に臨時に放送休止時間を設けた理由を一切説明しておらず、更にradiko参加後も今月14日早朝と今月21日早朝に放送休止を設定しているため(前記番組の聴取者はそれほど多いわけではないだろうが)何のための放送休止なのかと思う方も少なくない。
山陽放送公式サイトに掲載されている基本番組表にはきちんと前記番組が記載されているので機器調整を理由とした臨時の放送休止ではないかと思うのだが、私として気になるのはなぜ何の理由説明もなく日曜日早朝だけに臨時の放送休止を設定したのかということである。機器調整を理由とするのなら集中的に行えば良い(注7)し、radiko参加を前提とした機器調整を理由とするのなら11月だけで終えれば良いと思うのだが、わざわざ何度も日曜日早朝に放送休止を設定するのは次に挙げるような理由があるからではないかと思われる。
・山陽放送の本社は岡山城跡の中にあり、増築などは不可能であること。
・山陽放送の本社は既に築50年を超えており(1962年〔昭和37年〕落成)、改修には時間をかけざるを得なくなっていること。
・中国放送ラジオや広島エフエム放送が最近日曜日早朝に自社制作番組の再放送を挿入していること(注8)でもうかがえるようにどの放送局も日曜日早朝の番組の聴取率は低迷しており、番組編成に苦慮していること。
・山陽放送の経営事情が芳しくないこと。
・日曜日早朝は岡山県を貫いて通っている山陽自動車道や中国自動車道、国道2号線などを通る貨物輸送のトラックが少なくなること。
・岡山県には山陽放送ラジオ以外にも終夜放送を実施しているラジオ局がいくつもある(注9)ので山陽放送ラジオが日曜日早朝に放送を休止しても問題はないという判断がなされていること。
基本番組表に度々放送休止の憂き目に遭う「デブッタンテ」と「山田パンダ 素晴らしきフォーク世代」が掲載されている以上いずれは日曜日早朝の放送休止はしなくなるのではないかと思うのだが、一方では近い将来山陰放送ラジオのように月曜日早朝だけでなく日曜日早朝にも放送休止を設定するようになるのでは…と考えたくなる(注10)。山陽放送ラジオには日曜日深夜の放送終了時間を1時間繰り上げた過去があること(2009年〔平成21年〕春の改編から放送終了時間を月曜日午前2時から月曜日午前1時に繰り上げた)を考えるとあり得ない話とは言えないと思うのだがどうであろうか。
山陽放送ラジオといえば…を考える
山陰放送ラジオには開局当時からほとんど休まず続いている邦楽リクエスト番組「音楽の風車」があり、中国放送ラジオには開局5日目にして早くも始め、今も重要番組として位置付けられている広島東洋カープの公式戦中継(注11)があり、広島エフエム放送には広島県を放送区域とする民間テレビ放送局ではあまり見られない広島東洋カープとサンフレッチェ広島それぞれについて取り上げた番組がある。これまでの中国地方にあるradikoに参加した民間ラジオ放送局を見るとその放送局特有のものがあることが感じられる。
そこで山陽放送ラジオについてそれはないのかという話になるのだが、私はJリーグ二部に所属するファジアーノ岡山の公式戦をホームゲーム限定ではあるが中継放送していることを挙げたいと考えている。Jリーグの公式戦中継は中国放送ラジオもサンフレッチェ広島の試合で実施しているが最近はあまりなく(重要な試合に限る傾向がある(注12))、ホームゲーム限定ながら公式戦を中継するというのはあまりないことと言える。
なぜ山陽放送ラジオはJリーグ二部に所属するファジアーノ岡山の公式戦をホームゲーム限定ではあるが中継放送しているのか。私は地元にせっかくできたプロスポーツチームをみんなで盛り上げようという意図があるからだと考えている。その思いは岡山県を訪れるとよくうかがえる(注13)のだが、冷淡な目で見る方も少なくない中でこのような努力をしていることは評価できる。ファジアーノ岡山と同じJリーグ二部に属するチームのファンの方で山陽放送ラジオがファジアーノ岡山の公式戦をホームゲーム限定ではあるが中継放送していることを知っている方がどのくらいいるのかは分からないが、(金はかかるが)radikoで山陽放送ラジオを受信してご贔屓(ひいき)のチームとファジアーノ岡山の試合を楽しもうという方は今後出てくるのではないのだろうか。無論ファジアーノ岡山が一部昇格プレーオフに出場できれば、そこで一部昇格を果たせば、そして経営難や二度の二部降格などの苦難を経ながらも2012〜2013年(平成24〜25年)にJリーグ一部で連覇を果たしたサンフレッチェ広島と(当然一部で)対戦するようになれば(注14)もっと盛り上がることであろう(それはそう遠くない将来に実現するのでは…と思っているが果たして…)。
山陽放送ラジオへの苦言
一方で私が気にしているのは山陽放送ラジオには長く続いている自社制作のワイド番組がないことである。対抗局の岡山エフエム放送(注15)には二つも長く続いている自社制作のワイド番組があることや中国放送ラジオには40年以上続いている自社制作のワイド番組があることを考えるとなぜこうなるのかと思いたくなるのだが、私は次のように考えている。
・アナウンサー事情の変化。山陽放送には井上いつのり(井上凱文)や石田好伸、滝沢忠孝、浜家輝雄といった名物アナウンサーがいる(このうち井上いつのりと浜家輝雄は既に退職してフリーに転身している)が、採用が抑制され、人員が削減され、男女とも移籍やフリーランスへの転向が少なくない現状ではそういう名物アナウンサーが育ちにくくなっている。
・聴取率至上主義。たとえ番組開始当初の聴取率が悪くても我慢し、努力して花を咲かせる考えがあってしかるべきなのに山陽放送にはそういう考えの職員がいないのではないか。
・有力なタレントの不在。岡山エフエム放送の長く続いている自社制作のワイド番組を見ると実績を持った方が担当しているものが多い(注16)。山陽放送ラジオでもタレントが出演する番組はあるのだろうがどうなのだろうか。
山陽放送ラジオはかつては28年半にわたり日曜日深夜に放送された音楽番組「サンデーベスト」(1973〜2002年〔昭和48年〜平成14年〕放送)や中国放送ラジオでも放送されていた「井上いつのりの男と女のアイラブ湯」(1985〜1993年〔昭和60年〜平成5年〕放送)などの名番組を輩出してきた。それがなぜこのようになってしまったのだろうか。考えられる理由は次の通りである。
・岡山県南部で良好に受信できる西日本放送ラジオ(RNC、高松市丸の内)との兼ね合いからか長らくJRN(詳細はこちらを参照のこと)にしか加盟していなかったが1997年(平成9年)にNRN(詳細はこちらを参照のこと)に加盟し、他の中国地方にある民間中波放送局と同じJRN・NRNクロスネット局に転換したこと。これにより山陽放送ラジオはニッポン放送(LF、東京都千代田区有楽町一丁目)制作の長寿深夜番組「オールナイトニッポン」をネットするようになった(注17)が独自性がなくなったとする声が少なくない。
・1999年(平成11年)春に岡山エフエム放送が開局したこと。山陽放送ラジオから岡山エフエム放送にネット局を変えた番組がいくつかあったが、岡山エフエム放送開局からしばらくして「サンデーベスト」が終了したことを考えるとその影響はあったのでは…と思いたくなる。
・バブル景気終焉後景気が良い時期があまりなく、次々と不況が押し寄せたこと。山陽放送ラジオは2009年(平成21年)春に日曜日深夜の放送終了時間を月曜日午前2時から月曜日午前1時に繰り上げ、現在も特別な事情がない限り月曜日午前1時で放送を終了しているが、背景にはその少し前に起きた世界的な不況があったのではないかと考えられる。
・岡山県を代表する大企業に最近残念な話が多発したこと。トレハロースの開発で名をはせた林原(岡山市北区下石井一丁目)の経営破綻や通信教育大手のベネッセコーポレーション(岡山市北区南方三丁目)の個人情報漏洩(ろうえい)事件などは記憶に新しいところである。
・岡山市は中国・四国地方随一の交通の要衝になっているにもかかわらず、広大な平野の中に都市があるにもかかわらず目覚ましい発展を遂げるには至っていないこと。2009年(平成21年)にようやく政令指定都市に移行したが人口は70万人程度であり、なぜ発展できないのだろうと思いたくなる。
・岡山県全体の人口が減少していること。更に岡山・倉敷両市への一極集中や南北格差も著しくなっている。
・岡山県の財政事情が厳しいままになっていること。この事実が県民に与える影響は決して小さくない。
・人材不足が深刻なこと。特にアナウンサー事情の変化は山陽放送だけでなく各地の民間放送局にとって痛い問題になっている。
・山陽放送テレビの視聴率が芳しくないこと。長らく低迷が続いているTBSテレビ系列に属しているから致し方のないことではあるのだが…。
・ラジオ聴取者が減っていること。インターネットの急速な普及なども背景にあるといえ、致し方ないことではあるのだが…。
まあ今から「サンデーベスト」などのような数十年続く番組を作ることは難しいだろうが、私は山陽放送はもう少し長期的視野に立って番組を制作したほうが良いのではないかと考えている。たとえファジアーノ岡山の公式戦をホームゲーム限定ではあるが中継放送しているとしても他の番組が短命に終わったりコロコロ企画を変えたりするというのでは何のためにradikoに参加したのかとかなぜradiko.jpプレミアムに参加したのかという声が上がり、最悪の場合radikoからの撤退もあり得る恐れがあるからである。せっかくradikoに参加したのだから他地域に住む方に金を払ってでも聴いてもらえるものを作ることを考えて欲しいものである。
今後の展望
山陽放送ラジオの参加で中国地方にある民間ラジオ放送局は8社中4社がradikoに参加することになった。ようやく半分に到達したわけであるが、問題がないわけではない。残る4社、すなわち岡山エフエム放送と山口放送ラジオ(KRY、周南市徳山)、エフエム山陰(愛称:V-air。松江市殿町)、エフエム山口(FMY、山口市緑町)の参加のメドは立っていないし、radiko.jpプレミアムについても山陰放送ラジオ・山陽放送ラジオ・広島エフエム放送は完全参入しているのに対し中国放送ラジオは広島東洋カープの公式戦中継と月曜日夜の自社制作番組「ラジプリズム」しか対象にしなかったためにradiko愛好者からなぜ完全参入にしないのかという声が上がっている(注18)。これらの問題は今後どうなっていくのか。外れたことで批判を受けることを覚悟で私の予想を紹介し、本編を終えることにしたい。
1 中国放送ラジオのradiko.jpプレミアム完全参入はあるのか?
中国放送ラジオは当初広島東洋カープの公式戦中継と月曜日夜の自社制作番組「ラジプリズム」しかradiko.jpプレミアムの対象にしていなかったが、今年8月20日未明に起きた広島市北部における集中豪雨災害を契機に枠を次の通り拡大している(枠は2014年〔平成26年〕12月1日現在)。
・月曜日・金曜日…午前7時〜午前0時
・火曜日・水曜日・木曜日…午前7時〜午後7時
・土曜日…午前7時〜午後4時
・日曜日…午前9時〜午後3時
中国放送ラジオの一週間の放送時間は通常164時間30分(月曜日午前5時〜翌週月曜日午前1時30分)なので半分を少し超えた85時間まで増えたということになるが、それでも対象になっていない番組は少なくない。なぜ中国放送ラジオは制限をかけたのか、多くの方は疑問に思うことであろうが、私はやはり広島東洋カープあっての中国放送という意識が高いことがあるからではないかと考えている。中国放送ラジオは開局5日目にして早くも広島東洋カープ(当時の名称は広島カープ)の公式戦中継を流しており、試合開始から中継しなかったり全く中継しなかったりしたことは何度かあったものの60年以上広島東洋カープを追い続けてきたということになる。確かに低迷の時期は長く、いろいろ言われはしてきたが、広島県民はラジオから流れる広島東洋カープの試合に一喜一憂してきたし、勇気付けられてきたことを考えるとそういう自負が生まれるのは当然の帰結と言って良いであろう。
しかし、当然のことながら中国放送ラジオには人気番組が多く存在する。これらの番組を聴きたいが…と思う方々の思いを中国放送はどのように受け止めているのだろうか。その点を考えて頂きたいのである。枠の拡大は非常に残念な出来事が契機だったが、私は中国放送は近い時期にradiko.jpプレミアム完全参入を決めるのではないかと考えている。もし広島市北部における集中豪雨災害がなかったとしてもいずれは同じことになっただろうと私は思うのだが、果たしてどのような選択をとるのだろうか。
2 残り4社、すなわち山口放送ラジオとエフエム山陰、岡山エフエム放送、エフエム山口のradiko参加はいつのことになるのか?
現在radikoに参加していない中国地方にある民間ラジオ放送局は山口放送ラジオとエフエム山陰、岡山エフエム放送、エフエム山口の4社である。特に山口県は民間中波放送局・都道府県域民間エフエム放送局双方が参加しておらず、中国地方で唯一位置誤判定が起きない限り日経ラジオ社と放送大学しかradikoで楽しめない状況が続いている。どの放送局についても早期の参加を求める声は多数寄せられていることであろうがいろいろあって参加を決断するに至らないのであろう。
ならばこの4社に参加しても良い(と思う)理由は存在しないのか。更に参加をためらわせている事情には何があるのか。各社について見ると下表の通りになる。
※複数の放送局に共通する理由または事情は下表では記していない。
放送局名 | 参加しても良いと思う理由 | 参加をためらわせている事情 |
---|---|---|
山口放送ラジオ | ・山口県に隣接する県を放送区域とする民間中波放送局は全てradikoに参加しており、radikoに関しては四面楚歌の状態になっているから。 ・日本海に面している地域については国内外の放送局との混信が起きる可能性があるから。 |
・上層部に保守的な考えを持つ方が多数いるから。中国地方の大動脈である中国自動車道や国道2号線が県内を貫いているのに終夜放送移行が平成時代初頭にずれ込んだのはそのことが原因だとする声がある。 ・名物アナウンサーがアナウンサー事情の変化により少なくなったから。山口放送の場合は更に今も生きていれば番組に出続けていたであろう井上雪彦(1946〜2006)や吉田治美(1950〜2003)の早すぎる逝去も痛かった。 ・中継局を放送区域である山口県内に万遍なく配置しているから。無論受信困難地域はあるだろうが中継局の平均担当区域の面積は山陰放送ラジオ・山陽放送ラジオ・中国放送ラジオのそれより狭く、受信状況は恵まれているほうと言える。 ・radiko参加よりもエフエム電波を用いた補完中継局の整備に力を入れているから。既に今月1日に中国放送ラジオとともにエフエム電波を用いた補完中継局を整備することが決定している。 ・周南本局と須佐田万川・山口両中継局の周波数を765kHzに統一していることからいずれは山陽放送ラジオと同じように全ての中継局の周波数を765kHzに統一することを考えているのではないかと思われるから。ただ違う周波数を用いている岩国・下関・萩各中継局にはそれぞれコールサインが設定されていることや765kHzは山梨放送ラジオ(YBS、甲府市北口二丁目)も使用していることから実現には紆余曲折が予想される。 |
エフエム山陰 | ・山陰放送ラジオが中継局を設置していない隠岐や山間部にも中継局を設置しているが、それでも島根県鹿足郡など受信が困難な地域があるから。 ・日本海に面している関係上、山陰放送ラジオと同じく国内外の放送局との混信が起きる可能性があるから。 ・山陰地方出身で、山陰地方を中心に活動している歌手(安来のおじ、六子〔ろこ〕など)が担当する番組がいくつかあるなど経営環境が厳しい中でも地域色豊かな番組を放送しているから。 |
・JFN系列に加盟している都道府県域民間エフエム放送局とラブエフエム国際放送(福岡市中央区今泉一丁目)の放送をスマートフォンで楽しめるドコデモFMの宣伝にアニメ「秘密結社 鷹の爪」の登場人物で島根県(雲南市吉田町)出身の設定がなされている吉田くんが出演していること(更に宣伝では自分の故郷の島根のエフエム放送が聴けるようになると喜ぶ場面がある)からradikoに参加することはドコデモFMを裏切る結果になると考えているから。吉田くんは島根県によって島根県の宣伝大使に任命されているし、吉田くんを用いた土産物も多数売られていることからradiko参加は絶望的だとする見方がある。 |
岡山エフエム放送 | ・1999年(平成11年)に開局した時から全く中継局の新設を行っていないために受信が困難な地域があるから。 ・岡山県内でも受信できるFM802(大阪市北区天神橋二丁目)の本局と周波数の近い周波数を使っている中継局が三つ(笠岡・津山・新見各中継局。いずれも80.4MHz)もあり、混信を起こしやすくなっているから。 ・岡山県南部地域で聴いている人の多いエフエム香川(高松市西宝町一丁目)には自社制作番組の割合や一週間の放送時間などで劣るもののエフエム香川はまだradikoには参加しておらず、もし参加すればその点で優位に立てる可能性があるから。 ・自社制作番組のパーソナリティーの中には他の放送局などで経験を積んだ方が少なくないこと(注16)を思うと知名度の低さはもったいないと感じられるものがあるから。 |
・現状で参加したとしても象徴的なものに乏しく、他地域では聴いてもらえないのではないかと考えているから。開局があまりにも遅くなったことが招いた問題ではあるのだが…。 ・岡山エフエム放送はコミュニティ放送局のエフエムくらしき(倉敷市白楽町〔ばくろちょう〕)の自社制作番組(「平成健康アラカルト」)を流しているから(注19)。エフエムくらしきはJCBAインターネットサイマルラジオ参加局でもあり、もし岡山エフエム放送がradikoに参加することになれば調整が問題になってくるものと思われる。 |
エフエム山口 | ・日本海に面している地域については国内外の放送局との混信が起きる可能性があるから。 | ・中継局を放送区域である山口県内に万遍なく配置しているから。中継局は11箇所ある(エフエム北海道〔愛称:AIR-G'〈エアージー〉。札幌市中央区北一条西二丁目〕と同数)が、広島エフエム放送(13箇所)に次いで多いことやエフエム北海道・広島エフエム放送より放送範囲面積は狭いことを考えるとその充実ぶりはよく分かる。 ・平成時代初頭と比べると自社制作番組が少なくなっているから。長らく活躍しているアナウンサーまたはタレントは少なくないし、経営基盤が脆弱な中で健闘してはいるのだが…。 |
ではどの放送局が中国地方5番目のradiko参加局になるのか。現状では見当は付けられない。受信環境改善を目的とするならエフエム山陰や岡山エフエム放送が早く参加しそうであるがどちらの放送局にも参加を見送っている事情があるから難しいだろう(特にエフエム山陰は当分ないのではないのだろうか)。中国地方で唯一位置誤判定が起きない限り日経ラジオ社と放送大学しかradikoで楽しめない状況が続いている山口県を放送区域としている山口放送ラジオとエフエム山口が波に乗り遅れまいとして次に参加に名乗りを挙げる可能性もあるがこちらも他地域で楽しんでもらえるかどうかで二の足を踏んでいるのだろう。よって見当が付けられないのである。あえて記せば私は山口県を放送区域とする民間ラジオ放送局が次に続くのではないかと考えているのだが、果たしてどうなるのだろうか。
4社しか実施しているところがない中波ステレオ放送や開始後間もなくインターネットが普及したことで普及せず、今年3月末でほとんどのサービスが終わったエフエム文字多重放送、いわゆる「見えるラジオ」の二の舞をradikoは演じるのではないかとする声もあるが、対応機種が多いことを考えればそうはならない可能性が高い。しかし、サービスが始まって5年経った現在でも中国地方では半分の放送局が参加せず、中国地方の対岸にある四国地方に至っては南海放送ラジオ(RNB、松山市本町一丁目)しか参加していない現状をradikoを運営する会社(radiko〔東京都港区新橋二丁目〕)はどのように考えているのだろうか。現状のままで良いと考えるのではなく、参加しやすくなる手段を考えなければ中波ステレオ放送や「見えるラジオ」と同じ結末が待ち構えていることを肝に銘じて欲しいものである。
今後どのようになっていくのか。これからも注目していきたいと考えているところである。
(注釈コーナー)
注1:中国地方にある民間ラジオ放送局で初めてradikoに参加したのは中国放送ラジオだけではない。なぜなら中国放送ラジオと広島エフエム放送は同じ日、すなわち2011年(平成23年)7月20日にradikoに参加したからである。同時に参加したこともあり、当時中国放送ラジオと広島エフエム放送で中国放送の泉水(せんすい)はる佳アナウンサーと広島エフエム放送の笹原綾乃アナウンサーが出演するradiko参加開始を知らせる宣伝が流されていた。
注2:本文でも記している通り、中国放送ラジオは2011年(平成23年)3月14日未明の放送終了をもって、山陽放送ラジオはその2週間後の2011年(平成23年)3月28日未明の放送終了をもってそれぞれ中波ステレオ放送をやめている。
注3:「都道府県」と書かなかったのは東京都には政令指定都市がないからである。
注4:真庭市内にある山陽放送ラジオの中継局は落合中継局と称されることがほとんどである(真庭市杉山、すなわちかつての真庭郡落合町杉山にあるため)。
注5:2015年度(平成27年度)のJリーグ二部に所属するチームは下表の通りである。
※チーム名を赤太字で表記しているものは過去にJリーグ一部に所属していたことがあるチームである。
本拠地設置 都道府県名 |
チーム名 | 備考 |
---|---|---|
北海道 | コンサドーレ札幌 | |
茨城県 | 水戸ホーリーホック | |
栃木県 | 栃木SC | |
群馬県 | ザスパクサツ群馬 | |
埼玉県 | 大宮アルディージャ | |
千葉県 | ジェフユナイテッド千葉 | |
東京都 | 東京ヴェルディ | |
神奈川県 | 横浜FC | |
石川県 | ツエーゲン金沢 | |
岐阜県 | FC岐阜 | |
静岡県 | ジュビロ磐田 | |
京都府 | 京都サンガF.C. | |
大阪府 | セレッソ大阪 | |
岡山県 | ファジアーノ岡山 | |
徳島県 | 徳島ヴォルティス | |
香川県 | カマタマーレ讃岐 | |
愛媛県 | 愛媛FC | |
福岡県 | アビスパ福岡 | |
ギラヴァンツ北九州 | ||
長崎県 | V・ファーレン長崎 | |
熊本県 | ロアッソ熊本 | |
大分県 | 大分トリニータ |
注6:中国放送ラジオと岡山エフエム放送で2014年(平成26年)12月1日現在10年以上続いている自社制作のワイド番組は下表の通りである。
※途中改題した番組については中断期間がない限り一つの番組と考え、改題前の番組の開始時期をその番組の放送開始時期と見なしている。
放送局名 | 番組名 | 放送開始 年月日 |
備考 |
---|---|---|---|
中国放送ラジオ | おはようラジオ | 1973年 (昭和48年) 4月16日 |
|
平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま | 2003年 (平成15年) 3月31日 |
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バリシャキNOW | 2004年 (平成16年) 9月27日 |
2006年(平成18年)秋の改編までは月曜日のみの放送だった。 | |
一文字弥太郎の週末ナチュラリスト 朝ナマ! | 2003年 (平成15年) 10月4日 |
2007年(平成19年)春の改編までは「一文字弥太郎の週末ナチュラリスト」という題名だった。 | |
岡山エフエム放送 | Fresh Morning OKAYAMA | 1999年 (平成11年) 4月1日 |
開局当時から続いている番組。 |
TWILIGHT PAVEMENT | 1999年 (平成11年) 4月1日 |
開局当時から続いている番組。 |
詳細なデータは得られなかったのだが、山陽放送ラジオには10年以上続いている自社制作のワイド番組は存在しないようである(もし存在するというのなら大変申し訳ないのだが…)。なぜ対抗局の岡山エフエム放送には二つもあるのに山陽放送ラジオには全くないのか、はっきりしたことは分からない。
注7:あまり例がないことであるが、中国放送ラジオでは1994年(平成6年)11月に福山・府中両中継局で、1995年(平成7年)2月に福山・府中・三原各中継局でともに一週間にわたり深夜・早朝(午前0時30分〜午前5時)に臨時に放送休止を設定したことがある。理由は福山・府中・三原各中継局の周波数を1530kHzに統一したこと(福山中継局〔福山市北美台〕と府中中継局〔府中市土生〈はぶ〉町〕の周波数統一は1994年〔平成6年〕11月14日実施、福山・府中両中継局と三原中継局〔三原市明神三丁目〕の周波数統一は1995年〔平成7年〕2月13日実施)で生じた問題を深夜・早朝に放送を止めて機器調整を行うことで解消しようとしたことであった。
注8:中国放送ラジオは2013年(平成25年)春から日曜日午前4時台は自社制作番組(2013年度〔平成25年度〕…「オコノミックス」、2014年度〔平成26年度〕…「広島歌謡曲ナイト」)の再放送に充てているし、広島エフエム放送は今年9月に日曜日午前3時30分〜午前4時に放送されていた「TOKYO No.1 カワイイラジオ」(JFN系、2012〜2014年〔平成24〜26年〕放送)を最終回まであと3回というところで打ち切り、自社制作番組の「一隅の仕事びと」の再放送に差し替えた。
注9:山陽放送ラジオ以外で終夜放送を実施している岡山県にあるラジオ局は次の通りである。
・NHKラジオ第一
・NHK-FM
・岡山エフエム放送(但し月曜日午前1時〜午前5時は放送休止)
・岡山シティエフエム(愛称:Radio momo。岡山市北区中山下二丁目)
・エフエムゆめウェーブ(笠岡市笠岡)
・エフエムくらしき
・つやまコミュニティFM(愛称:エフエムつやま。津山市南新座)
注10:かつては広島エフエム放送も日曜日早朝に放送休止を設定していたことがあった(1990年代半ば頃まで)。
注11:但し広島東洋カープ(1967年〔昭和42年〕までは広島カープ)の公式戦全てを完全中継したわけではない。数年前には長期に及んだ成績低迷が原因なのか試合開始から中継しなかったり全く中継しなかったりしたこともあった。また、オープン戦はほとんど中継しない。
注12:最近では今年11月8日に開催されたヤマザキナビスコカップ決勝戦(埼玉スタジアム2002〔さいたま市緑区中野田〕で開催されたサンフレッチェ広島対ガンバ大阪戦)がある。
注13:主たる例を挙げると次の通りになる。
・各地にファジアーノ岡山の公式戦の日程を記したポスターが貼られている。
・西日本旅客鉄道岡山電車区(岡山市北区野田四丁目)所属の普通列車用車両にファジアーノ岡山のホームゲームの日程を記した中吊り広告が取り付けられている。
・(岡山エフエム放送でしか聴いたことがないのだが)山陽新聞社(岡山市北区柳町二丁目)の記者(?)と山陽放送・岡山放送(OHK、岡山市北区学南町三丁目)・テレビせとうち(TSC、岡山市北区柳町二丁目)の男性アナウンサー、更に岡山エフエム放送の人気パーソナリティー・牛嶋俊明が出演するファジアーノ岡山への応援を呼びかける宣伝が流されている。
注14:現在のところサンフレッチェ広島とファジアーノ岡山の公式戦は実現していない。サンフレッチェ広島がJリーグ二部に属していた時期(2003年度〔平成15年度〕・2008年度〔平成20年度〕)にはまだファジアーノ岡山はJリーグ二部に属していなかったからである(ファジアーノ岡山がJリーグ二部に参入したのは2009年度〔平成21年度〕)。
注15:あまり知られていないことであるが山陽新聞社・山陽放送・岡山放送・テレビせとうちは岡山エフエム放送の主要株主の一つになっており、山陽放送は対抗局に対して(表現に問題はあるかもしれないが)敵に塩を送ったことになる(前記のファジアーノ岡山への応援を呼びかける宣伝が流せるのはそのことも背景にあるのだろう)。なぜこのようになったのかというと岡山県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局の開局が496もあった申請者の一本化調整に難航し、1999年(平成11年)春までずれ込んだからである。当時既にインターネットが普及していたことや平成時代初頭までに岡山県を取り囲む各県には全て都道府県域民間エフエム放送局が開局したことから苦戦を強いられることは必至であり、既存の主に岡山県を対象区域とする報道機関などが支えるべきだという話になったのではないかと思われる。
注16:岡山エフエム放送の長く続いている自社制作のワイド番組のパーソナリティーの主な実績は下表の通りである。
番組名 | パーソナリティー名 | 担当曜日 | 主な実績 |
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Fresh Morning OKAYAMA | 大橋 由佳 | 月・火 | ・NHK金沢放送局(金沢市大手町)でキャスターを務めていた。 |
森田 恵子 | 水・木 | ・高校時代NHK杯全国高校放送コンテストで優勝した。 ・学生時代山陽放送ラジオの「サンデーベスト」に出演していた。 ・大学卒業後瀬戸内海放送(KSB、高松市西宝町一丁目)に入社し、アナウンサーとして活躍した。 ・瀬戸内海放送退職後フリーに転身し、NHK岡山放送局(岡山市北区駅元町)で番組を持っていた。 |
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牛嶋 俊明 | 金 | ・中部日本放送(CBC、名古屋市中区新栄一丁目)のアナウンサーとして活躍した。 | |
TWILIGHT PAVEMENT | 藤岡 明美 | 月・火 | ・1990年代中期に中国放送福山支社(福山市北美台)が制作し、中国放送ラジオ福山・府中・三原各中継局だけで流されていたワイド番組や中国地方初のコミュニティ放送局・エフエムふくやま(愛称:レディオBINGO。福山市西町二丁目)の番組で活躍していた。 |
藤沢 俊一郎 | 水・木 | ・競輪場の場内実況を担当するアナウンサーを務めていた。 ・ラジオ関西(CRK、神戸市中央区東川崎町一丁目)でも番組を持っている。 |
注17:NRNに参加しないでいたことで生じた不都合の一つに山陽放送ラジオではNHK杯全国高校放送コンテストとともに高校放送部の主たる全国大会となっていた全国高校放送コンクール(1963〜1998年〔昭和38年〜平成10年〕開催。千代田工科芸術専門学校〔東京都台東区東上野五丁目。2004年〈平成16年〉休校〕・産経新聞社〔東京都千代田区大手町一丁目〕・ニッポン放送主催)の優秀作品を流す番組(大体年末に流れていたが平成時代になってからは2月頃流れていたこともあったらしい)が流れなかったことがある。岡山県内の高校からもこのコンクールに参加したところはあったことだろうが、たとえ作品が優秀賞をとってもそれが流れないことを残念に思う方はいたのではないのだろうか。
※私の友人で「下関市立大学・大学祭実行委員会事務局OB会公式サイト」というサイトを運営している中島孝祐(なかしま・こうすけ)さんによると中島さんの出身高校には全国高校放送コンクールの教職員部門で毎年朗読作品を出し、入賞していた女性教諭(国語担当。無論放送部顧問でもある)がいたそうである。
注18:本文でも記したように今年8月20日未明に起きた広島市北部における集中豪雨災害を契機にradiko.jpプレミアムの対象は臨時ではあるが拡大されている(下表参照。配信時間と自社制作番組はいずれも今年12月1日現在のものを記している)。
曜日 | 配信時間 | 配信時間にある 主な自社制作番組 |
備考 |
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月・金 | 午前7時〜午前0時 | ・おはようラジオ ・平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま ・おひるーな ・バリシャキNOW ・ココだけスポーツ&ニュース ・ラジプリズム ・金曜ビート |
「ココだけスポーツ&ニュース」は金曜日の放送はなし。 「ラジプリズム」は月曜日のみ放送。 「金曜ビート」は金曜日のみ放送。 |
火・水・木 | 午前7時〜午後7時 | ・おはようラジオ ・平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま ・おひるーな ・バリシャキNOW ・ココだけスポーツ&ニュース |
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土 | 午前7時〜午後4時 | ・一文字弥太郎の週末ナチュラリスト 朝ナマ! ・マツダミュージックドライブ ・山野秀子の小さなパティオ ・俊雄と裕見子のおもいっきり土曜日 |
「俊雄と裕見子のおもいっきり土曜日」は午後5時までの放送だが午後4時台は対象外になっている。 |
日 | 午前9時〜午後3時 | ・新里カオリのうららか日曜日 ・ショコラジ |
注19:岡山エフエム放送でも流しているのはエフエムくらしきが受信できない地域の方にも聴いてもらえるようにすることが目的である。