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2019年(平成31年/令和元年)の「重大」ニュースを斬る(2019年〔令和元年〕12月31日公開)

 振り返れば今年もいろいろなことがあった。腑に落ちないこと、腹が立つこと、嬉しいこと、驚かされたことなどいろいろあったが、そこでこの「不定期刊・きょうのトピックス」では2019年(平成31年/令和元年)最後の企画として今年の重大ニュースを斬ることにした。但し、ここで取り上げる重大ニュースは本サイトの内容に沿ったもの、すなわち中国地方の地域・ラジオ・道路に関係したものであり、広く知られたものは取り扱わない。その点を踏まえた上でこのページをご覧頂きたい。
 なお、取り扱ったニュースは地域編とラジオ編は3個、道路編は4個とした。また、順位は付けないことにした。その点はご理解頂きたい。

地域編

JR宇部線・JR小野田線の廃止→バス専用道路転用構想が発表される

(概要)

 今年1月12日付中国新聞朝刊の一面で宇部市が2035年(令和17年)をメドに山口県西部を通るJR宇部線とJR小野田線について廃止して跡地をバス専用道路に転用することを検討していることが報じられた。工業都市である宇部市と山陽小野田市を通るこれらの鉄道路線は昔は旅客・貨物とも多くの利用があったが、貨物列車は全廃され、沿線人口の減少や経済情勢の変化、並行して通る道路の整備により旅客利用も減少していることから宇部市はこの構想を企図したものと思われる。

(コメント)

 日本国有鉄道(東京都千代田区丸の内一丁目。1949〜1987)の経営再建の過程における鉄道路線の整理(注1)が中国地方で終わった1990年(平成2年)4月1日以降中国地方で廃止された日本国有鉄道→西日本旅客鉄道(JR西日本。大阪市北区芝田二丁目)が管理する鉄道路線で廃止されたものは次の通りである。

※下表の「延長」欄の数値の単位はいずれもkmである。

通過県名 路線名称 区間 延長 廃止年月日 備考
島根県
広島県
三江線 江津〜三次 108.1 2018年
(平成30年)
4月1日
全区間廃止。
広島県 可部線 可部〜三段峡 46.2 2003年
(平成15年)
12月1日
一部区間廃止。
可部駅から1.6km区間については2017年(平成29年)3月4日に復活しているが、途中にあった河戸(こうど)駅(広島市安佐北区亀山二丁目。1956〜2003)は復活していないことから復活というよりは新規開業と見なしたほうが良いと思われる。
山口県 美祢線 南大嶺〜大嶺 2.8 1997年
(平成9年)
4月1日
通称大嶺支線。
一部区間廃止。

 上表に掲げた路線はいずれも西日本旅客鉄道から廃止提案があったことを契機に廃止問題が表面化したのだが、今回の宇部線・小野田線の例は西日本旅客鉄道ではなく宇部市が提起した点が大きく異なっている。宇部市としては将来の都市像を描くに当たって貨物輸送はなくなり、旅客輸送も減少の一途をたどっている宇部線や小野田線はもう役目を終えた路線であり、路線バスに転換しても問題はないと考えたのであろう。今年4月1日に廃止されたJR石勝線夕張支線の例(鉄道事業廃止は確実な情勢にあったがそれが表面化する前に夕張市が条件付きで鉄道事業廃止を北海道旅客鉄道〔JR北海道。札幌市中央区北十一条西十五丁目〕に提案したこと)を念頭に置いて企図した可能性も考えられる。
 しかし、私は宇部市のこの提案は実施するのはどうかと考えている。その理由を挙げると次の通りである。
・西日本旅客鉄道としては宇部線・小野田線の利用者数は廃止を検討するほど少なくなっているとは認識していないこと。
・鉄道事業廃止→路線バス転換は十数年も先のこととしていること。
・宇部線・小野田線の振興策を全く考えていないこと。
・宇部市中心部への往来を更に不便にしようとしていること。
・宇部市の都市的魅力や中枢性を減退させる行為でしかないこと。
・宇部市は昨年暮れに市内唯一の百貨店だった宇部井筒屋(宇部市常盤町一丁目。1933〜2018)が廃業する(注2)など中心部の空洞化が顕著になっているのにそれを更に助長するようなことを考えていること。
・宇部線・小野田線の廃止を提案する一方で宇部市は代表駅の宇部新川駅(宇部市上町一丁目)及びその駅前広場の整備を進めようとしていること。
・人口10万人以上の都市で鉄道路線が全くないところはごくわずかであること(注3)
・宇部市が宇部線・小野田線の廃止→路線バス転換を実施しようとしているのは16年も先の2035年(令和17年)としているが、その時点の宇部市の人口は大きな社会的変動でも起きない限り10万人台を維持している可能性が高いこと。
・路線バスは電車に比べて遅いし運賃が高いという難点があること。
・鉄道事業を廃止してからその跡地を利用したバス専用道路が完成するまでいくらかの時間がかかること。
・宇部線・小野田線を廃止して建設されるバス専用道路は他の道路との平面交差が多いために都市部での渋滞が更にひどくなる恐れがあること。
・バス専用道路は多くの場合歩行者などの進入を禁じているが、いくら標識や看板でそのことを知らせても守らない人が多数出る可能性があること。
・宇部線・小野田線は全線が単線であり、バス同士のすれ違い箇所を多数設ける必要が生じること。
・宇部線・小野田線に並行して整備が完成した幹線道路がいくつもあるためあえてバス専用道路を建設する必要はないこと。
・鉄道時代からの施設が老朽化したなどの理由でバス専用道路としての使用を取りやめる箇所が出る可能性があること(注4)
・市が路線バス事業を運営しているところは財政事情の悪化などにより少数派になりつつあること(注5)
・宇部市は夕張市の例を参考にしたのではないかと書いたが、宇部市は夕張市ほど経済情勢も人口減少も深刻になっているとは言い難いこと。
・確かに鉄道利用者は減っているがまだまだ多い鉄道利用者を蔑(ないがし)ろにしていること。
・宇部線・小野田線沿線には多数学校があることや宇部線・小野田線を利用して山口市・下関市・防府市などにある学校に通う方がいることを全く無視していること。
・宇部線も小野田線も宇部市で完結する鉄道路線ではなく、路線が延びている山口市や山陽小野田市の理解を得る必要があるが賛同するかどうかは分からないこと。
 中心部を通る線路を引っ剥がしてそこに路線バスを走らせて宇部市は何を目指したいのかと言いたくなるわけであるが、何度も記す通り実施しようとしているのは16年も先のことである。更に現在は検討段階であり本当に実施すると決まったわけではない。その間には何度も市長選挙(次は2021年〔令和3年〕7月頃実施予定(注6))や市議会議員選挙(次は2023年〔令和5年〕4月23日実施予定(注7))が実施されるのでそこで宇部線・小野田線の存廃問題が争点になる可能性は十分考えられるわけであるが、果たして宇部市民はどのような選択を宇部市長や宇部市議会に突き付けるのであろうか。今のところ新しい情報は伝わってこないが今後ともこの問題には注目し続けていきたいと思っている。

尾道市中心部の市立小学校の統合問題が浮上する

(概要)

 尾道市教育委員会は今年11月5日、中心部にある尾道市立久保・土堂・長江各小学校を2021年(令和3年)春に廃校にし、2023年(令和5年)春に現在の尾道市立久保小学校(尾道市東久保町)の敷地に統合小学校(以降X小学校と記載するものとする)を開校させることを発表した。人口減少やドーナツ化現象、少子化により児童数が減っていることに加えてどの小学校も建物が耐震基準を満たしていないこと、どの小学校も敷地が土砂災害警戒区域に入っていることが学校再編の主たる理由である。久保・土堂・長江各小学校を廃校にしてから久保小学校の敷地でX小学校が開校するまで2年かかるのはその間に土砂崩落に巻き込まれる恐れのある久保小学校の校舎を解体し、久保小学校の敷地の西側にX小学校の校舎を改めて建設するためであり、その間は久保小学校の児童は尾道市立山波小学校(尾道市山波町)に、尾道市立土堂小学校(尾道市西土堂町)と尾道市立長江小学校(尾道市長江二丁目)の児童は尾道市立栗原小学校(尾道市西則末町)にそれぞれ通うことにするとした。尾道市教育委員会としては児童の安全や安心に配慮したと言うのだが、地域の象徴である学校がなくなることに加えて2年間で二度も転校を余儀なくされることに対して地域住民や久保・土堂・長江各小学校に通う児童の保護者などからは不満の声が上がっている。

(コメント)

 尾道市中心部における市立小学校の統廃合はもし実施されると2000年(平成12年)に久保小学校に統合された尾道市立筒湯小学校(尾道市東久保町。1920〜2000)以来となるわけであるが、今回の小学校統廃合問題の理由に含まれているのは災害対策である。「天災は忘れた頃にやってくる」という名言があるが2010年代の日本はそんな名言も吹き飛ぶほど自然災害が多く、またいつ起こるか分かったものでもないため久保・土堂・長江各小学校の児童は2年間だけ少し離れたところの小学校に移し、その間に久保小学校跡地にX小学校の施設を建てようとしたのである。
 尾道市教育委員会としては児童の安全や安心に配慮したが故にこのようにせざるを得なかったと言っているわけであるが、私は次に挙げる点からどうなんだろうと考えている。
・久保小学校の児童(注8)は山波小学校に通わざるを得なくなるのだが、山波小学校への通学路は交通量が多い上に歩道は狭い国道2号線松永・尾道旧道が指定される可能性が高いこと。
・長江小学校の児童(注8)は栗原小学校に通わざるを得なくなるのだが、栗原小学校への通学路は交通量が多い上に狭く、更に歩道はほとんどない広島県道363号栗原・長江線(注9)が指定される可能性が高いこと。
・土堂小学校の児童(注8)は栗原小学校に通わざるを得なくなるのだが、栗原小学校への通学路は交通量が多い上に狭く、更に歩道はほとんどない尾道市道(かつての広島県道239号栗原・西御所線〔1960〜1971〕)が指定される可能性が高いこと。
・短期間で場合によっては二度学校を変わることになり、該当する児童にとってはかなりの心理的負担がかかること(注10)
・久保小学校区と土堂・長江両小学校区は進学する中学校が異なっており、小学校卒業をもってお別れになる場合が多くなること(注11)
 尾道市の考えていることは理解できないわけではないが、これでは子供の安全・安心だけでなく感情も蔑ろにしていると思われても致し方ないであろう。
 学校の統廃合はどの市区町村も取り組まざるを得ない課題になっている。それは私が住む福山市も同じことである(注12)が、私がいつも思うことは子供はどの時代も窮屈な思いを抱いて学校生活を送っているのではないかということである。1980年代の児童数・生徒数が多かった時期は1クラスの定員は40人としていたのに教職員が足りないとか児童数または生徒数が基準を下回ったといった理由を付けて40人以上学級が常態化していた学校が少なくなかった(しかもそのようにせざるを得なくなったことについての説明は一切なし…)し、児童数・生徒数が少なくなった現在は大人数の中で揉まれて育つのが好ましいとか少人数だと部活動が難しくなるとか少人数なのに多くの教職員を配置するのは好ましくないといった理由を付けて学校の統廃合を推進し、子供に遠距離通学を強いようとしている。結局子供は大人の都合の犠牲にいつもなっているのではないかと思いたくなるのだが、いつになったら子供の目線に立った学校教育は実現できるのだろうか。
 尾道市教育委員会の考えていることは分からないわけではない。しかし、まだ他にやり方はあるのではないか。地域住民や該当する学校に通う児童の声を真摯(しんし)に受け止め、どのようにすれば子供が安心して小学校生活を送れるようになるのか考えて頂きたいと思う。無論それは福山市など学校の統廃合を推進しようとしている他の地方自治体についても言えることである。

中国山口駅伝が

(概要)

 国土交通省は今年5月22日、2020年度(平成32年度(注2))からのいわゆるご当地ナンバー導入地域17箇所を公表した(下表参照)。

(コメント)

 

ラジオ編

山陽放送が認定持株会社に移行してRSK山陽放送に改称する

(概要)

 

(コメント)

 

NHK岡山放送局管内におけるエフエム補完中継局設置が決定する

(概要)

 

(コメント)

 

エフエム山口の長寿自社制作番組「ウキウキ放送局」が終了する

(概要)

 

(コメント)

 

 

道路編

鳥取県内の山陰自動車道が一本に繋がる

(概要)

 今年5月12日、

(コメント)

 

広島・呉道路の全線4車線化が決定する

(概要)

 

(コメント)

 

国道373号線志戸坂峠道路の別線建設が決定する

(概要)

 

(コメント)

 

国道2号線西広島バイパス佐方サービスエリアの規模が縮小される

(概要)

 国道2号線西広島バイパスにある佐方サービスエリア(廿日市〔はつかいち〕市佐方)はその辺りの西広島バイパス(注A)が開通した1974年(昭和49年)4月3日に開業して以来多くの方々に利用されてきたが、施設が老朽化したことから今年9月30日をもって休憩所と給油所が、今年12月27日をもって情報提供コーナー(下り線側のみ設置)がそれぞれ閉鎖された。更に来年1月5日には自動販売機の営業も終了することになっており、今後は便所と駐車場、路線バス停留所だけのサービスエリアとなる(報道発表はこちら)。

(コメント)

 いわゆる平成の大合併で大きく市域を拡大し、島根県や山口県とも境を接することになった廿日市市は三つもサービスエリアがあるという稀有な都市でもある(注B)。中国自動車道吉和サービスエリア(廿日市市吉和)と山陽自動車道宮島サービスエリア(廿日市市上平良〔かみへら〕)、そしてこの佐方サービスエリアというわけであるが、実は佐方サービスエリアは広島県初のサービスエリア(注C)でもあった。下り方向(岩国方面)では厳島(いつくしま。廿日市市宮島町)や錦帯(きんたい)橋(岩国市岩国一丁目〜岩国市横山二丁目間)、岩国城跡(岩国市多田及び横山二・三丁目)といった著名な観光地の手前にある休憩所として、上り方向(広島方面)では広島市に入る手前にある休憩所としてともに多くの方々に利用されてきたのだが、なぜ施設の営業終了という形をとったのか。施設の老朽化以外で考えられる理由は次の通りである。
・中国自動車道や山陽自動車道(広島・岩国道路を含む)の整備により国道2号線を通る長距離運転者が少なくなったこと。
・佐方サービスエリアの岩国寄りの国道2号線沿線に多くのロードサイド店舗が進出したことで休憩所にある店舗の売り上げが減ったこと。
・駐車場が狭いこと。
・敷地を拡張することは周辺の宅地化が著しく進展したことから困難になったこと。
・佐方サービスエリアの岩国寄りに廿日市高架橋が建設されたことにより下り線では佐方サービスエリアから本線に入る車と速谷ランプ(廿日市市平良〔へら〕一丁目)で本線から出る車が、上り線では本線から佐方サービスエリアに入る車と速谷ランプで本線に入る車がそれぞれ交錯する格好になったため佐方サービスエリアが利用しにくくなったこと。
 西広島バイパスの開通が広島市西郊の宅地開発を促し、結果佐伯郡五日市町(1911〜1985)と佐伯郡廿日市町(1889〜1988)がともに市制施行要件の一つである人口5万人を超えたことはよく知られていることである(注D)が、それが結局は佐方サービスエリアの規模縮小に繋がったことは否めない事実であろう。致し方ないとは思うのだが、気になるのは便所と駐車場、路線バス停留所だけのサービスエリアとなる来年1月5日以降についてである。次に挙げるような問題が起きる恐れがあるからである。
・自動販売機を撤去したことに対して不満が出ること。
・便所と駐車場、路線バス停留所だけのサービスエリアにしたとしても速谷ランプが近接する以上利用しにくいことには変わりはなく、終日閑散とした状況になること。
・便所の清潔感が維持できなくなること。
・便所を安心して利用できなくなること。
・利用者が少ないことを良いことに深夜に若者が集まって近隣住民の安眠を妨げる行為を起こすこと。
 それらの点を西広島バイパスを管理している国土交通省中国地方整備局広島国道事務所(広島市南区東雲〔しののめ〕二丁目)はどのように考えているかは分からないのだが、西広島バイパスはほとんどの区間が自動車専用道路であり、休憩できる場所は限られることから便所と駐車場、路線バス停留所だけのサービスエリアになったとしても安心して休憩できるよう努めることを求めたいところである。

(注釈コーナー)

注1:日本国有鉄道の経営再建の過程で廃止された日本国有鉄道→西日本旅客鉄道が管理する鉄道路線は下表の通りである(いずれも全区間廃止)。

(下表をご覧頂くに当たっての注意)

・下表の「延長」欄の数値の単位はいずれもkmである。

・鉄道事業を別の企業が継承した若桜(わかさ)線と岩日線は西日本旅客鉄道が経営を手放した日を廃止した日としている。

通過県名 路線名称 区間 延長 廃止年月日 備考
鳥取県 倉吉線 倉吉〜山守 20.0 1985年
(昭和60年)
4月1日
第一次廃止対象特定地方交通線指定路線。
若桜線 郡家〜若桜 19.2 1987年
(昭和62年)
10月14日
第一次廃止対象特定地方交通線指定路線。
鉄道事業は若桜(わかさ)鉄道(八頭郡若桜町若桜)が継承し、現在も営業中である。
島根県 大社線 出雲市〜大社 7.5 1990年
(平成2年)
4月1日
第三次廃止対象特定地方交通線指定路線。
山口県 岩日線 川西〜錦町 32.7 1987年
(昭和62年)
7月25日
第二次廃止対象特定地方交通線指定路線。
川西〜森ヶ原信号場間1.9kmはJR岩徳線との共用区間となっているため実際の廃止対象区間は森ヶ原信号場〜錦町間30.8kmとなる。
鉄道事業は錦川鉄道(岩国市錦町広瀬)が継承し、現在も営業中である。

注2:宇部井筒屋閉店の様子は宇部市及びその周辺の事象を紹介しているサイト「宇部マニアックス」で触れられているので興味のある方はご覧頂きたい。

注3:鹿屋(かのや)市・うるま市・沖縄市の三つである(このうち鹿屋市はかつて鉄道路線が通っていた)。

注4:例えば紀伊半島中央部を縦断する目的で建設されながら途中で建設が放棄された国鉄阪本線(五新線とも称する)の建設済みの部分を用いたバス専用道路は施設(隧道・橋梁)が老朽化したことなどから2014年(平成26年)に使用を取りやめている。

注5:中国地方で市が路線バス事業を運営していたところは9市(島根県…松江市・出雲市、岡山県…倉敷市、広島県…尾道市・呉市・三原市、山口県…山口市・岩国市・宇部市)あったが現在は松江市と宇部市の二つだけになっている。

注6:久保田后子(くぼた・きみこ)宇部市長の任期は2021年(令和3年)7月17日となっているので2021年(令和3年)7月17日の直前の日曜日、すなわち2021年(令和3年)7月11日までに実施されるものと思われる(2021年〔令和3年〕の曜日パターンはこちらに示しているので併せてご覧頂きたい)。

注7:統一地方選挙の後半戦となる政令指定都市以外の市区町村の首長や議会の選挙は西暦を4で割ると3余る年(現在の年号では4で割ると1余る年)の4月21〜27日の間にある日曜日に実施されることになっている。2023年(令和5年)は4月23日が日曜日になる(2023年〔令和5年〕の曜日パターンはこちらに示しているので併せてご覧頂きたい)ので任期を全うした場合次の宇部市議会議員選挙は2023年(令和5年)4月23日に実施されることになる。

注8:今回の統廃合に関係する尾道市立久保・栗原・山波・土堂・長江各小学校の通学区域は下表の通りである。

(下表をご覧頂くに当たっての注意)

・校名は「尾道市立」「小学校」を省いている。

・町名は「尾道市」を省いている。

・注記のない町は全域が通学区域となっている。

校名 所在地 通学区域 備考
久保 東久保町 尾崎町
尾崎本町
久保一丁目(一部を除く)
久保二丁目
久保三丁目
久保町
高須町(一部のみ)
長江三丁目(一部のみ)
西久保町(一部を除く)
東久保町
防地町(一部を除く)
栗原 西則末町 栗原町(一部のみ)
栗原西一丁目(一部を除く)
栗原西二丁目
栗原東一丁目(一部を除く)
栗原東二丁目(一部を除く)
桜町
長江三丁目(一部を除く)
西則末町
東則末町
久山田町
門田町
吉和町(一部のみ)
山波 山波町 山波町
新高山一丁目
新高山二丁目
新高山三丁目
高須町(一部のみ)
東尾道
土堂 西土堂町 土堂一丁目
土堂二丁目(一部を除く)
西御所町
西土堂町
東御所町
東土堂町(一部を除く)
長江 長江二丁目 久保一丁目(一部のみ)
栗原東二丁目(一部のみ)
土堂二丁目(一部のみ)
十四日町
十四日元町
長江一丁目
長江二丁目
長江三丁目(一部を除く)
西久保町(一部のみ)
東土堂町(一部のみ)
防地町(一部のみ)

注9:広島県道363号栗原・長江線は土曜日・日曜日・休日以外の午前7時30分から1時間、尾道市長江三丁目/千光寺公園入口交差点(信号機・交差点名標なし)尾道市長江一丁目/御袖天満宮入口交差点(信号機・交差点名標なし)間で南行一方通行規制を実施している。時限一方通行規制区間付近の広島県道363号栗原・長江線は都市計画道路長江線に指定されており、幅12mの道路になる予定になっているが多くの民家の立ち退きを要することや財政事情が厳しいことなどから進展していない。
※ちなみにこの広島県道363号栗原・長江線は二級国道184号松江・尾道線(1953〜1965)→国道184号線だった道である。国道184号線が栗原川沿いに付け替えられた時に旧道処分で県道になったものである(その引き換えに廃止され、尾道市に移管されたのが広島県道239号栗原・西御所線となる)。

注10:尾道市の中心部の小学校統廃合計画がこのまま進められた場合の出生時期ごとの通学状況を見ると下表の通りになる。

出生時期 現在の学年 状況
2007年(平成19年)4月2日〜
2008年(平成20年)4月1日
6年生 ・現在通っている小学校(久保・土堂・長江各小学校)で2020年(令和2年)春に卒業できる。
2008年(平成20年)4月2日〜
2009年(平成21年)4月1日
5年生 ・現在通っている小学校で2021年(令和3年)春に卒業できる。
・記すまでもないが久保・土堂・長江各小学校にとっては最後の卒業生となる。
2009年(平成21年)4月2日〜
2010年(平成22年)4月1日
4年生 ・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校(山波・栗原両小学校)に転校する。
・受け入れ先の小学校で2022年(令和4年)春に卒業する。
2010年(平成22年)4月2日〜
2011年(平成23年)4月1日
3年生 ・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校に転校する。
・受け入れ先の小学校で2023年(令和5年)春に卒業する。
2011年(平成23年)4月2日〜
2012年(平成24年)4月1日
2年生 ・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校に転校する。
・2023年(令和5年)春にX小学校に転校する。
・X小学校で2024年(令和6年)春に卒業する。
・記すまでもないがX小学校初の卒業生となる。
2012年(平成24年)4月2日〜
2013年(平成25年)4月1日
1年生 ・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校に転校する。
・2023年(令和5年)春にX小学校に転校する。
・X小学校で2025年(令和7年)春に卒業する。
・記すまでもないがX小学校初の卒業生となる。
2013年(平成25年)4月2日〜
2014年(平成26年)4月1日
・入学先に指定した小学校(久保・土堂・長江各小学校)に2020年(令和2年)春に入学する。
・記すまでもないが入学先に指定した小学校最後の入学生となる。
・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校に転校する。
・2023年(令和5年)春にX小学校に転校する。
・X小学校で2026年(令和8年)春に卒業する。
2014年(平成26年)4月2日〜
2015年(平成27年)4月1日
・2021年(令和3年)春に受け入れ先の小学校に入学する。
・2023年(令和5年)春にX小学校に転校する。
・X小学校で2027年(令和9年)春に卒業する。
2015年(平成27年)4月2日〜
2016年(平成28年)4月1日
・2022年(令和4年)春に受け入れ先の小学校に入学する。
・2023年(令和5年)春にX小学校に転校する。
・X小学校で2028年(令和10年)春に卒業する。
2016年(平成28年)4月2日〜 ・2023年(令和5年)以降の春にX小学校に入学する。
・記すまでもないが2023年(令和5年)春入学者はX小学校初の入学生となる。

上表から転校回数は下表の通りになる。

回数 出生時期
0 ・2007年(平成19年)4月2日〜2009年(平成21年)4月1日に生まれた子供。
・2016年(平成28年)4月2日以降に生まれた子供。
1 ・2009年(平成21年)4月2日〜2011年(平成23年)4月1日に生まれた子供。
・2014年(平成26年)4月2日〜2016年(平成28年)4月1日に生まれた子供。
2 ・2011年(平成23年)4月2日〜2014年(平成26年)4月1日に生まれた子供。

ただでさえ小学生は家庭の都合で学校を変わることが多いのだが、学校の統廃合のために二度も転校させられたらどういう気持ちになるのだろうか。「別れは人生の中で何百回、何千回、何万回もあることだから我慢するしかない」と教えるしかないのだろうが、それでも相当な負担になることは避けられないであろう。それをどのように緩和するかもこの統廃合計画においては大切なことだと思うのだが…。

注11:久保小学校区に住む児童は尾道市立久保中学校(尾道市防地町)へ、土堂・長江両小学校区に住む児童は尾道市立長江中学校(尾道市長江三丁目)へそれぞれ進学することになっている。
※学区により進学先の中学校が異なる例は福山市でも見られる。例えば福山市立今津小学校(福山市今津町)は児童が住んでいるところによって進学する中学校が福山市立大成館中学校(福山市神村〔かむら〕町)と福山市立松永中学校(福山市松永町二丁目)に分かれている。

注12:21世紀に入ってからの福山市立の小学校・中学校の統廃合状況は下表の通りである。

(下表をご覧頂くに当たっての注意)

・校名は「福山市立」を省いている。

・町名は「福山市」を省いている。

統廃合対象校 所在地 統合先 概要
2002年
(平成14年)
山野北小学校 山野町山野 山野小学校 休校。
現在校舎は福山市民病院附属田原診療所として利用されている。
2006年
(平成18年)
中条小学校
三谷分校
神辺町三谷 中条小学校本校 休校。
休校になったのは深安郡神辺(かんなべ)町時代(1929〜2006)の2003年(平成15年)のことである。休校状態のまま深安郡神辺町が福山市に編入されたため深安郡神辺町が福山市に編入された時点(2006年〔平成18年〕3月1日)をもって福山市が休校にしたと見なしている。
2015年
(平成27年)
走島小学校 走島町 鞆小学校 廃校。
走島中学校 走島町 鞆中学校 廃校。
2019年
(平成31年)
鞆小学校 鞆町後地 鞆の浦学園 鞆の浦学園は正式名称を義務教育学校福山市立鞆の浦学園と言い、福山市立鞆小学校の施設を利用して開校した小中一貫校である。
鞆中学校 鞆町後地
2020年
(令和2年)
今津小学校 今津町 遺芳丘小学校 遺芳丘(いほうがおか)小学校(今津町)は今津小学校の施設を利用して開校。
東村小学校 東村町
駅家東小学校 駅家町法成寺 駅家北小学校 駅家北小学校(駅家町法成寺)は駅家東小学校の施設を利用して開校。
駅家東小学校は駅家小学校(駅家町倉光)の児童数増加対策で1977年(昭和52年)に開校した学校であり、福山市の人口急増期に開校した学校としては初めて名称が消滅することになった。
服部小学校 駅家町助元
協議中 内浦小学校 内海町 千年中学校 2022年度(令和4年度)開校を目指して協議中。
鞆の浦学園(鞆町後地)に次ぐ福山市内二つ目の義務教育学校として開校する予定。
なお、旧沼隈郡内海(うつみ)町域(現在の福山市内海町に相当する地域)は全ての学校が対象になっているが、旧沼隈郡沼隈町域(現在の福山市沼隈町に相当する地域)の学校は対象になっていないところがある(山南〔さんな〕小学校〔沼隈町中山南〕と至誠中学校〔沼隈町上山南〕。至誠中学校が熊野町を学区に含めており、再編が困難になるのが理由と思われる)。
内海小学校 内海町
千年小学校 沼隈町草深
常石小学校 沼隈町常石
能登原小学校 沼隈町能登原
内海中学校 内海町
千年中学校 沼隈町草深
加茂小学校 加茂町中野 加茂小学校 2022年度(令和4年度)開校を目指して協議中。
実現すれば旧深安郡加茂町域(現在の福山市加茂町・山野町に相当する地域)の小学校は一つに集約されることになる。
この統廃合により2002年(平成14年)から休校状態にある山野北小学校(山野町山野)は正式に廃校になるものと思われる。
広瀬小学校 加茂町北山
山野小学校 山野町山野
加茂中学校 加茂町下加茂 加茂中学校 2022年度(令和4年度)開校を目指して協議中。
実現すれば旧深安郡加茂町域(現在の福山市加茂町・山野町に相当する地域)の中学校は一つに集約されることになる。
広瀬中学校 加茂町北山
山野中学校 山野町山野
新市中央中学校 新市町新市 新市中央中学校 2022年度(令和4年度)開校を目指して協議中。
実現すれば旧芦品郡新市町域(現在の福山市新市町に相当する地域)の中学校は一つに集約されることになる。
常金中学校 新市町金丸

福山市の市立小学校・中学校で統廃合の対象になっているところは市の端、すなわち学区が海に面しているか他の市町との境に接しているところが多い(下表参照)。確かに対象になっている学校のある地域はいずれも人口減少が著しいところであり、今後の人口減少を見据えた行政を展開しなければならない福山市としては非効率的に映るのであろう。

(福山市の統廃合対象校の学区境の状況一覧)

学校名 統廃合実施時点の通学区域 概要
山野北小学校 山野町矢川
山野町山野(一部のみ)
中条小学校
三谷分校
神辺町三谷
走島小学校 走島町 走島町は瀬戸内海に浮かぶ島々で構成されている。
走島中学校 走島町
鞆小学校 鞆町後地
鞆町鞆
走島町
鞆町後地・鞆町鞆は瀬戸内海に面している。
走島町は瀬戸内海に浮かぶ島々で構成されている。
鞆中学校 鞆町後地
鞆町鞆
走島町
今津小学校 今津町
今津町二丁目
今津町三丁目
今津町四丁目(一部を除く)
今津町五丁目(一部を除く)
今津町六丁目
今津町七丁目
高西町一丁目
高西町二丁目
高西町三丁目
高西町四丁目
高西町川尻
高西町真田
高西町南
松永町一丁目(一部のみ)
南今津町
今津町・高西町三丁目・高西町四丁目・高西町川尻・高西町真田・高西町南は尾道市と境を接している。
高西町南・南今津町は瀬戸内海(松永湾)に面している。
東村小学校 東村町 東村町は尾道市と境を接している。
駅家東小学校 駅家町法成寺
駅家町万能倉(一部のみ)
服部小学校 駅家町雨木
駅家町助元
駅家町新山(一部を除く)
駅家町服部永谷
駅家町服部本郷
内浦小学校 内海町(一部のみ)
内海小学校 内海町(一部を除く)
千年小学校 沼隈町草深
沼隈町下山南(一部のみ)
沼隈町常石(一部のみ)
常石小学校 沼隈町常石(一部を除く)
能登原小学校 沼隈町能登原
内海中学校 内海町
千年中学校 沼隈町草深
沼隈町下山南(一部のみ)
沼隈町常石
沼隈町能登原
加茂小学校 加茂町芦原
加茂町粟根
加茂町上加茂
加茂町北山(一部のみ)
加茂町下加茂
加茂町中野
加茂町中野一丁目
加茂町中野二丁目
加茂町中野三丁目
加茂町百谷
広瀬小学校 加茂町北山(一部を除く)
山野小学校 山野町矢川
山野町山野
加茂中学校 加茂町芦原
加茂町粟根
加茂町上加茂
加茂町北山(一部のみ)
加茂町下加茂
加茂町中野
加茂町中野一丁目
加茂町中野二丁目
加茂町中野三丁目
加茂町百谷
広瀬中学校 加茂町北山(一部を除く)
山野中学校 山野町矢川
山野町山野
新市中央中学校 新市町上安井
新市町相方
新市町下安井
新市町新市
新市町戸手
新市町宮内
常金中学校 新市町金丸
新市町常
新市町藤尾

しかし、

注A:その時開通したのは広島市佐伯区千同二丁目/羽出石交差点終点(廿日市市阿品一丁目)間である。前記区間の開通により国道2号線西広島バイパスは全線開通した。

注B:廿日市市は1988年(昭和63年)4月1日に佐伯(さえき)郡廿日市町が市制施行して発足したのだが、その時点では宮島サービスエリアと佐方サービスエリアが存在した。吉和サービスエリアが廿日市市にある施設となったのはその15年後の2003年(平成15年)3月1日に廿日市市が佐伯郡佐伯(さいき)町(1955〜2003。但し発足当初の読み方は「さえきぐんさえきちょう」で、「さえきぐんさいきちょう」と読むようになったのは1982年〔昭和57年〕4月1日からである)と佐伯郡吉和村(1889〜2003)を編入した時である。

注C:広島県内の国土開発幹線自動車道上における初めてのサービスエリアは中国自動車道七塚原サービスエリア(庄原市山内町)である。七塚原サービスエリアが開業したのは佐方サービスエリア開業から約4年半後の1978年(昭和53年)10月28日のことである。

注D:佐伯郡五日市町と佐伯郡廿日市町で市制施行するか否かで対応が分かれた背景にあるのは次に挙げることだと思われる。
・広島市中心部からの距離が近いかどうかということ。
・中枢性が高いかどうかということ。
・昔からの住民が多いかどうかということ。
・財政力が高いかどうかということ。
・本社を置いている著名な企業がいくつもあるかどうかということ。
後に佐伯郡五日市町改め広島市佐伯区五日市地区と佐伯郡廿日市町改め廿日市市はどちらもコミュニティ放送局を持つに至ったのだが、廿日市市のそれは市内の大型商業施設に演奏所を移し、更に終夜放送に移行して現在も放送を続けているのに対し、広島市佐伯区のそれは身の丈に合わない放送(自社制作番組の大量展開や開局当初からの終夜放送実施など)を展開したことや中心部から離れたところに演奏所を置いたことがたたってわずか3年半程度で放送を休止し、結局廃業している。やり方に問題があったという面はあるが地理的事情が明暗を分けたのではないかと思うのは私だけだろうか。

注E: