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郡名一覧表・東京府→東京都の部

（本ページをご覧頂くに当たっての注意）

・発足年月日欄に「―」を記している郡は市制町村制施行前から存在したところである。なお、東京府の市制町村制施行年月日は1889年（明治22年）４月１日（北多摩・西多摩・南多摩各郡。北多摩・西多摩・南多摩各郡は1889年〔明治22年〕４月１日時点では神奈川県に属していたため神奈川県で市制町村制が施行された日を市制町村制施行年月日としている）と1889年（明治22年）５月１日（東京市〔1889〜1943〕及び荏原・北豊島・東多摩・南足立・南葛飾・南豊島各郡）、1908年（明治41年）４月１日（伊豆大島）、1908年（明治41年）10月１日（八丈島）、1923年（大正12年）10月１日（神津島・利島・新島・御蔵島・三宅島）、1940年（昭和15年）４月１日（硫黄島・青ヶ島・父島・母島）である。
※東京府→東京都の行政区域のうち須美寿島・孀婦岩・鳥島・八丈小島・ベヨネース列岩については結局市制町村制の施行は見送られたが八丈小島については地方自治法が施行された1947年（昭和22年）５月３日に宇津木・鳥打両村が発足している。また、須美寿島・孀婦岩・鳥島・ベヨネース列岩については現在に至るまで所属自治体が確定していない。

・郡の読み方には諸説あるところがある（特に明治時代に消滅した郡についてはそういう傾向がある）。ここで記しているのは一例なのでご了承願いたい。

・「読み方」欄では「郡」の部分の読み方は省いている（全て「ぐん」と読むため）。

・「所属令制国名」欄は市制町村制施行時点で存在した郡がどの令制国に属していたかを示すために設定したものであるため市制町村制施行後に発足した郡については令制国名を記していない。

えの部（１郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
荏原郡 えばら 武蔵 ― 1932年
（昭和７年）
10月１日		 ― ― ― 所属自治体だった池上・入新井・荏原・大井・大崎・大森・蒲田・駒沢・品川・世田ヶ谷・羽田・東調布・碑衾・馬込・目黒・矢口・六郷各町及び玉川・松沢両村が東京市に編入されたことにより消滅。

きの部（２郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
北多摩郡 きたたま 武蔵 ― 1970年
（昭和45年）
11月３日		 ― ― ― 1893年（明治26年）４月１日神奈川県から編入。
所属自治体だった村山町が市制施行して武蔵村山市に移行したことにより消滅。
北豊島郡 きたとしま 武蔵 ― 1932年
（昭和７年）
10月１日		 ― ― ― 所属自治体だった板橋・岩淵・王子・尾久・巣鴨・高田・滝野川・長崎・西巣鴨・日暮里・練馬・三河島・南千住各町及び赤塚・大泉・上板橋・上練馬・志・石神井・中新井各村が東京市に編入されたことにより消滅。

との部（１郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
豊多摩郡 とよたま ― 1896年
（明治29年）
４月１日		 1932年
（昭和７年）
10月１日		 ― ― ― 所属自治体だった井荻・大久保・落合・渋谷・杉並・千駄ヶ谷・高井戸・戸塚・中野・野方・淀橋・代々幡・和田堀各町が東京市に編入されたことにより消滅。

にの部（１郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
西多摩郡 にしたま 武蔵 ― （現存） 3 1 4 1893年（明治26年）４月１日神奈川県から編入。

ひの部（１郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
東多摩郡 ひがしたま 武蔵 ― 1896年
（明治29年）
４月１日		 ― ― ― 南豊島郡と統合して発足した豊多摩郡に移行したことにより消滅。

みの部（４郡）

郡名 読み方 所属
令制国名		 発足年月日 消滅年月日 所属町村数  備考
町 村 合計
南足立郡 みなみあだち 武蔵 ― 1932年
（昭和７年）
10月１日		 ― ― ― 所属自治体だった梅島・千住・西新井各町及び綾瀬・伊興・江北・舎人・花畑・東淵江・淵江各村が東京市に編入されたことにより消滅。
南葛飾郡 みなみかつしか 武蔵 ― 1932年
（明治31年）
10月１日		 ― ― ― 所属自治体だった吾嬬・大島・奥戸・金・亀戸・小岩・小松川・砂・隅田・寺島・新宿・本田・松江・南綾瀬各町及び葛西・亀青・鹿本・篠崎・瑞江・水元各村が東京市に編入されたことにより消滅。
南多摩郡 みなみたま 武蔵 ― 1971年
（昭和46年）
11月１日		 ― ― ― 所属自治体だった稲城町が市制施行して稲城市に、多摩町が市制施行して多摩市にそれぞれ移行したことにより消滅。
南豊島郡 みなみとしま 武蔵 ― 1896年
（明治29年）
４月１日		 ― ― ― 東多摩郡と統合して発足した豊多摩郡に移行したことにより消滅。

所属郡なし

※東京府→東京都のうちの島嶼部分。所属郡が設定されていない理由を伊豆諸島（構成自治体は大島・八丈両町及び青ヶ島・神津島・利島・新島・御蔵島・三宅各村。この他所属自治体未定の須美寿島・孀婦岩・鳥島・ベヨネース列岩がある）と小笠原諸島（構成自治体は小笠原村）それぞれについて示すと下表の通りになる。

諸島名 読み方 所属
令制国名		 所属町村数  所属郡が設定されていない理由
町 村 合計
伊豆 いず 伊豆 2 6 8 ・中世までは伊豆国本土部分にある賀茂郡に属していたが江戸時代以降江戸→東京との関係が強まったために伊豆国・賀茂郡への帰属意識が薄れたこと。
・伊豆諸島に属する島々は広範囲に点在しているためにそれを束ねるものの必要性が生じなかったこと。
小笠原 おがさわら ― 0 1 1 ・本土からかなり離れていること。
・航海技術が発達した近世になってようやくその存在が詳らかになったこと。

郡の内訳

状況 郡数 備考
現存 1
消滅 9 理由は次の通りである。
・郡の統合…２郡
・市町村合併に伴う所属自治体消滅…５郡
・市町村合併を伴わない市制施行に伴う所属自治体消滅…２郡
合計 10

令制国別所属郡一覧表

※下表に掲載している郡は市制町村制施行当時のものであり、その後発足した郡については掲載していない。

令制国名 読み方 所属郡名 備考
伊豆 いず ― 東京府→東京都のうちの大島・八丈両町及び青ヶ島・神津島・利島・新島・御蔵島・三宅各村と、所属自治体未定の須美寿島・孀婦岩・鳥島・ベヨネース列岩に相当する区域。
中世までは伊豆国本土部分にある賀茂郡に属していたが江戸時代以降江戸→東京との関係が強まったことやそれに比例して近くにあるが大きな都市がない伊豆国・賀茂郡への帰属意識が薄れていったことなどから賀茂郡という地名表記が使われなくなったものと考えられる。
区域は現在は東京都と静岡県に分かれている。
武蔵 むさし 荏原郡・北多摩郡・北豊島郡・西多摩郡・東多摩郡・南足立郡・南葛飾郡・南多摩郡・南豊島郡（９郡） 北多摩・西多摩・南多摩各郡は1893年（明治26年）４月１日神奈川県から東京府に編入。
武蔵国の区域は現在は埼玉県と東京都、神奈川県に分かれている。
― ― ― 東京府→東京都のうちの小笠原村に相当する区域。
本土からかなり離れたところにあることや航海技術が発達した中世・近世になってようやくその存在が詳らかになったことから所属令制国も所属郡も設定されずじまいになったものと考えられる。

郡数の変遷と郡の異動

東京府時代

年月日 郡数 異動内容 備考
1889年（明治22年）４月１日 6 神奈川県で市制町村制が施行される。 当時神奈川県に属していた北多摩・西多摩・南多摩各郡について施行。
1889年（明治22年）５月１日 6 東京府で市制町村制が施行される。 東京市及び荏原・北豊島・東多摩・南足立・南葛飾・南豊島各郡について施行。
1893年（明治26年）４月１日 9 神奈川県から北多摩・西多摩・南多摩各郡を編入する。
1896年（明治29年）４月１日 8 豊多摩郡が発足する。 豊多摩郡は東多摩・南豊島両郡が統合して発足。
東多摩・南豊島両郡が消滅する。
1908年（明治41年）４月１日 8 伊豆諸島のうちの伊豆大島について市制町村制が施行される。
1908年（明治41年）10月１日 8 伊豆諸島のうちの八丈島について市制町村制が施行される。
1923年（大正12年）10月１日 8 伊豆諸島のうちの神津島・利島・新島・御蔵島・三宅島について市制町村制が施行される。
1932年（昭和７年）10月１日 3 荏原・北豊島・豊多摩・南足立・南葛飾各郡が消滅する。 荏原郡の消滅は所属自治体だった池上・入新井・荏原・大井・大崎・大森・蒲田・駒沢・品川・世田ヶ谷・羽田・東調布・碑衾・馬込・目黒・矢口・六郷各町及び玉川・松沢両村が東京市に編入されたことによる。
北豊島郡の消滅は所属自治体だった板橋・岩淵・王子・尾久・巣鴨・高田・滝野川・長崎・西巣鴨・日暮里・練馬・三河島・南千住各町及び赤塚・大泉・上板橋・上練馬・志・石神井・中新井各村が東京市に編入されたことによる。
豊多摩郡の消滅は所属自治体だった井荻・大久保・落合・渋谷・杉並・千駄ヶ谷・高井戸・戸塚・中野・野方・淀橋・代々幡・和田堀各町が東京市に編入されたことによる。
南足立郡の消滅は所属自治体だった梅島・千住・西新井各町及び綾瀬・伊興・江北・舎人・花畑・東淵江・淵江各村が東京市に編入されたことによる。
南葛飾郡の消滅は所属自治体だった吾嬬・大島・奥戸・金・亀戸・小岩・小松川・砂・隅田・寺島・新宿・本田・松江・南綾瀬各町及び葛西・亀青・鹿本・篠崎・瑞江・水元各村が東京市に編入されたことによる。
1940年（昭和15年）４月１日 3 伊豆諸島のうちの青ヶ島と小笠原諸島について市制町村制が施行される。 左記の異動が地方自治法施行前最後の東京府→東京都における市制町村制施行となったため須美寿島・孀婦岩・鳥島・八丈小島・ベヨネース列岩は市制町村制対象外地域のまま地方自治法施行の日を迎えている。
1943年（昭和18年）７月１日 0 東京府と東京市が統合して東京都が発足したことにより北多摩・西多摩・南多摩各郡は東京都に属する郡に移行する。

東京都時代

年月日 郡数 異動内容 備考
1943年（昭和18年）７月１日 3 東京府と東京市の統合による東京都発足により北多摩・西多摩・南多摩各郡が東京都に属する郡になる。
1947年（昭和22年）５月３日 3 八丈小島に宇津木・鳥内両村が発足する。 地方自治法施行と同時に発足。
残る須美寿島・孀婦岩・鳥島・ベヨネース列岩については常住者がいないことなどから現在に至るまで所属自治体は確定していない。
1970年（昭和45年）11月３日 2 北多摩郡が消滅する。 所属自治体だった村山町が市制施行して武蔵村山市に移行したことによる。
1971年（昭和46年）11月１日 1 南多摩郡が消滅する。 所属自治体だった稲城町が市制施行して稲城市に、多摩町が市制施行して多摩市にそれぞれ移行したことによる。