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表紙写真展示室・2024年(令和6年)分

写真 説明文
1月 多くの名勝負を見てきた洞門
(撮影場所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本)
※国道1号線箱根旧道(注1)にある函嶺洞門(全長:100.9m。1931〜2014。重要文化財指定)は落石対策として1931年(昭和6年)10月に完成し、2014年(平成26年)2月7日にそのすぐそばを流れている早川の対岸に建設されたバイパスが開通するまで80年以上の長きにわたり使用されました。
ところで、函嶺洞門がある辺りの国道1号線箱根旧道は毎年1月2〜3日に開催され、今年100回目となる東京・箱根間往復大学駅伝競走(通称:箱根駅伝)の経路になっていることで知られています。函嶺洞門を走者が通っていたのは第13回大会(1932年〔昭和7年〕1月9〜10日開催
(注2))から第90回大会(2014年〔平成26年〕1月2〜3日開催)までの78回となり、実に100回中78回(注3)について函嶺洞門が東京・箱根間往復大学駅伝競走の舞台になったことになります。今は老朽化などを理由に封鎖されていますが、函嶺洞門を走者が駆け抜けていく様子を覚えている方は多いのではないかと思います。
なお、国道1号線箱根旧道を管理している神奈川県県西土木事務所小田原土木センター
(注4)(小田原市東町五丁目)では防災工事が完成したことから今年1月2〜8日に特別に公開することにしたそうです(詳細はこちら)。その後はどのように扱うのかは今のところ分かりませんが、各地にある覆道(注5)の草分け的存在であり、多くの方々が注目する行事の舞台になったこの洞門はいつまでも大切に残して頂きたいと思います。
2月 4年ぶりに開催される早春の風物詩
(撮影場所:三原市東町一丁目)
※2月第二日曜日とその直前の金曜日・土曜日の3日間開催される三原神明市は室町時代末期から続く伝統行事であり、早春の風物詩として親しまれていますが、2020年(令和2年)を最後に新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響により開催は見送られてきました。しかし、新型コロナウィルス感染症が昨年5月8日に5類感染症に移行したことにより今年2月9〜11日に4年ぶりに開催されることになりました。
3月 新道に移ることなく廃止される予定のバス停留所
(撮影場所:福山市今津町)
※矢捨バス停留所(福山市今津町)はバス会社・鞆鉄道
(注6)(福山市佐波町)が運営するバス路線の一つで、福山市松永地区と尾道市原田地区東部・福山市芦田地区西部を結ぶ小原線(注7)にあるバス停留所の一つです。しかし、利用者が減ったことや乗務員の確保が困難になっていることなどから小原線は今月31日の運行を最後に廃止され、それに伴い矢捨バス停留所も役目を終えることになりました。
ところで、矢捨バス停留所の東方(写真では奥)では現在都市計画道路駅前・府中線
(注8)の建設が進められており、近く開通する予定になっています(今のところ開通時期は公表されていないが今春の可能性が高い)。JR山陽本線松永駅(福山市松永町)と福山市松永地区北部・尾道市原田地区を最短経路で結ぶことになるこの道路に小原線が設定されるのでは…と見ていたのですが、それは実現しないことになりました。道路が良くなっていく一方で公共交通機関は不便になっていくというのはどうなんだろうと思いたくなるのですが、小原線沿線に住む方はどのようにこの状況を見ているのでしょうか。その点が気になります。
4月 今春節目を迎える二つの学校
(撮影場所:福山市西深津町七丁目)
※同じ福山市西深津町五丁目を所在地としている
(注9)福山市立中央中学校(写真中央左)と福山市立西深津小学校(写真右上。小さくて分かりにくいのはご容赦願いたい)。今春福山市立中央中学校は開校50周年の節目を、福山市立西深津小学校は開校45周年の節目をそれぞれ迎えます。福山市立中央中学校は福山市立東中学校(福山市三吉町南二丁目)の生徒数増加対策として、福山市立西深津小学校は福山市立深津小学校(福山市東深津町二丁目)の児童数増加対策としてそれぞれ設置されたのですが、どれだけ当時の福山市の発展や人口増加が著しかったのだろうかと感じたくなります。
少子・高齢化などの事情により福山市の人口は数年前から減少に転じ、郊外では学校の統廃合が実施されるようになりました
(注10)。今のところ福山市は中国地方では岡山市・尾道市・呉市・府中市・下関市で見られたような中心部の学校の統廃合について行うことは考えていないようですが、果たしてどうなるのでしょうか。
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月

(注釈コーナー)

注1:本サイトではバイパスが開通しても路線再編が行われず、バイパス開通前と同じ路線名称を名乗っている箇所をそのように表記している(こちらでも触れているので併せてご覧頂きたい)。国道1号線箱根旧道の場合はその南方に国道1号線のバイパスとして箱根新道が建設されたことによる。
※国道1号線箱根旧道が国道1号線のまま留め置かれている理由としては箱根新道が自動車専用道路であることやもし路線再編を行うと国土交通省から補助が出なくなる一般県道路線になる区間が生じる可能性があること、沿線住民の国道1号線に対する愛着が根強いことなどが考えられる。

注2:東京・箱根間往復大学駅伝競走が1月2〜3日に開催されるようになったのは第31回大会(1955年〔昭和30年〕1月2〜3日開催)からである。それまでは基本的には1月上旬に開催されていたが2月中旬や4月上旬に開催した年もあった。

注3:第1回東京・箱根間往復大学駅伝競走は1920年(大正9年)2月14〜15日に開催されたので今年1月2〜3日に開催される東京・箱根間往復大学駅伝競走の回数は本来なら105回になるのだが、1941〜1942年(昭和16〜17年)と1944〜1946年(昭和19〜21年)は第二次世界大戦(1939〜1945)の影響により中止されたため今年1月2〜3日に開催される東京・箱根間往復大学駅伝競走の回数は100回となる。また、それに伴い函嶺洞門が東京・箱根間往復大学駅伝競走の舞台になった回数も78回となる。
※第二次世界大戦真っ只中の1943年(昭和18年)だけはなぜか中止は免れているが、
これは靖国神社・箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会と銘打って開催したものを第22回大会(1943年〔昭和18年〕1月5〜6日開催)としているためである。一方で1941年(昭和16年)に二度代替競技として明治神宮水泳場前・青梅熊野神社間往復駅伝を開催しているが経路が全く異なるからか東京・箱根間往復大学駅伝競走の回数には含めていない。

注4:国道1号線は全て国土交通省(東京都千代田区霞が関二丁目)が管理しているのではないかと思う方が多いのではないかと思うのだが、実は都道府県や政令指定都市が管理している区間もいくらか存在する。国道1号線箱根旧道もその一つなのだが、国道1号線箱根旧道の管理者が国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所(横浜市中区新港一丁目)から神奈川県県西土木事務所小田原土木センターに変わったのは2011年(平成23年)7月26日午前0時に国道1号線箱根旧道の南方を通るバイパス、すなわち箱根新道が無料開放され、管理者が中日本高速道路(愛称:NEXCO中日本。名古屋市中区錦二丁目)から国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所に変わったためである。

注5:洞門の正式名称。

注6:鞆鉄道は現在は鉄道事業を行っていないのだが1954年(昭和29年)までは福山市中心部と福山市鞆地区を結ぶ鉄道路線を運営していた。
※鉄道事業から撤退してからも鉄道事業を行っていた当時の社名を使い続けているバス会社は少なくなく、中国地方では他に下津井電鉄(岡山市北区大元駅前。鉄道事業は1990年〔平成2年〕撤退)や船木鉄道(宇部市船木。鉄道事業は1961年〔昭和36年〕撤退)がある。

注7:小原線の「小原」は小原線の終点がある辺りの地名ではなく、途中の尾道市原田地区東部にある地名(尾道市原田町の大字でもある)である。もし終点がある辺りの地名を採るのであれば柞磨線(柞磨は福山市芦田地区西部にある地名で福山市芦田町の大字でもある)となったのだろうが、福山市芦田地区西部まで運行する便は少ないこと(平日は5往復中2往復、土曜日・日曜日・祝日は4往復中1往復となっている)や福山市松永地区と尾道市原田地区東部を結ぶことを主たる目的として設定された路線であること(平日は5往復中3往復、土曜日・日曜日・祝日は4往復中3往復となっている)、中国バス(福山市多治米町六丁目)にも同名の路線があったこと(但し2020年〔令和2年〕10月1日に廃止されており、今は運行していない)から小原線となったのではないかと思われる。

注8:都市計画道路駅前・府中線は福山市松永町/松永駅北口駅前広場前交差点(信号機・交差点名標なし)を起点、福山市今津町/今津北公園北交差点(信号機・交差点名標なし)を終点とする道路(福山市道松永駅・今津幹線でもある)で、府中市まで通じているわけではない。

注9:福山市立西深津小学校は敷地の大半は福山市東吉津町に属しているのだが、正門(北東校門)が福山市西深津町五丁目にあるため所在地を福山市西深津町五丁目としている。

注10:福山市が現在の市域になった2006年(平成18年)3月1日以降の市立小学校・中学校の再編状況は下表の通りである。

※下表では学校名については福山市立を、所在地については福山市をそれぞれ省略している。

実施年 再編対象学校名 所在地 新設学校名 所在地 備考
2006年
(平成18年)
中条小学校
三谷分校
神辺町三谷 中条小学校 神辺町東中条 中条小学校三谷分校は管理者が深安郡神辺町(1929〜2006)だった2003年(平成15年)3月末をもって休校。
深安郡神辺町は2006年(平成18年)3月1日に福山市に編入されるが、管理者が深安郡神辺町から福山市に移っても休校状態は維持され、現在に至っている。
2015年
(平成27年)
鞆小学校 鞆町後地 鞆小学校 鞆町後地 走島小学校は福山市唯一の有人離島(旅客船でしか行けない島を指す)にある小学校だった。
走島小学校 走島町
鞆中学校 鞆町後地 鞆中学校 鞆町後地 走島中学校は福山市唯一の有人離島にある中学校だった。
走島中学校 走島町
2019年
(平成31年)
鞆小学校 鞆町後地 鞆の浦学園 鞆町後地 鞆の浦学園は福山市初の義務教育学校。
鞆小学校跡地に開校。
鞆中学校 鞆町後地
2020年
(令和2年)
今津小学校 今津町 遺芳丘小学校 今津町 遺芳丘小学校は今津小学校跡地に開校。
東村小学校 東村町
駅家東小学校 駅家町法成寺 駅家北小学校 駅家町法成寺 駅家北小学校は駅家東小学校跡地に開校。
駅家東小学校は1977年(昭和52年)に駅家小学校(駅家町倉光)の児童数増加対策で開校した学校であり、福山市で初めて児童数増加対策により開校した学校が消滅することになった。
服部小学校 駅家町助元
2022年
(令和4年)
内浦小学校 内海町 想青学園 沼隈町草深 想青学園は千年中学校跡地に開校。
福山市内海・沼隈両地区の学校再編であるが福山市沼隈地区にある学校でも山南小学校(沼隈町中山南)と至誠中学校(沼隈町上山南)は対象外となった(山南小学校に通っていた児童が進学する至誠中学校が福山市熊野町全域で構成されている熊野小学校区を学区に含めていたことが主たる理由と思われる)。
内浦小学校・内海小学校・内海中学校の廃校により福山市内海地区、すなわち旧沼隈郡内海町域の学校は全てなくなることになった。
内海小学校 内海町
千年小学校 沼隈町草深
常石小学校 沼隈町常石
能登原小学校 沼隈町能登原
内海中学校 内海町
千年中学校 沼隈町草深
新市中央中学校 新市町新市 新市中央中学校 新市町新市 新市中央中学校は芦品郡新市町(1907〜2003)が福山市に編入された時(2003年〔平成15年〕2月3日)に中央中学校から改称している。新市中央・常金両中学校の統合による新たな中学校の名称を新市中央中学校としたのは20年足らずの間に二度も改称するのはどうかという声が多かったことも考えられるところである。
常金中学校 新市町金丸
2023年
(令和5年)
加茂小学校 加茂町中野 加茂小学校 加茂町中野 山野北小学校は2002年(平成14年)3月末をもって休校。福山市加茂地区の学校再編により正式に廃校になることになった。
広瀬小学校 加茂町北山
山野小学校 山野町山野
山野北小学校 山野町山野
加茂中学校 加茂町下加茂 加茂中学校 加茂町下加茂
広瀬中学校 加茂町北山
山野中学校 山野町山野