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今年期待されること・今年注目したいこと(2021年〔令和3年〕1月3日公開)

(お断り)

 今回の企画には鉄道路線や都道府県道路線の廃止に触れる箇所がいくつかあります。「存在意義がないと感じられるから廃止すべきだ」とか「利用が少ないと感じられるから廃止すべきだ」などという、沿線住民の感情を害するような主張をするために触れるわけではなく、私は望まないけれどそういうことがあるかもしれないという考えで触れていることを理解した上で本作をご覧頂きますようお願い申し上げます。

 新年の夜(現在は元日の夜を指すが、大晦日〔おおみそか〕の夜を指す説や1月2日の夜を指す説があり、定説はない)に見る夢を初夢といい、「一富士二鷹三茄子(なすび)」というように富士山や鷹、ナスの夢(どんな夢なのだろうか…?)を見ると縁起が良いとされているようですが、そこで今回の「不定期刊・きょうのトピックス」では今年中国地方で期待されることや今年注目したいことを本サイトが対象とする分野について書いてみることに致しました。どうぞご覧下さい。

※今年から「今年開局する可能性のあるラジオ局及び中継局」と「今年実施される予定の選挙」を加えています。

今年中に開通する可能性のある中国地方を通る道路

※ここで取り上げる道路は2021年度(令和3年度)に開通する可能性がある中国地方を通る道路(取り上げないものもありますがご了承願います)を国土交通省公式サイトの道路開通情報などを参考に紹介しております。また、開通が2022年(令和4年)になると思われる路線は取り上げておりません。

県名 路線名称 開通予定時期 備考
広島県 国道2号線
木原道路
2020年度
(令和2年度)
尾道バイパスと三原バイパスを繋ぐ自動車専用のバイパスで、全線が開通する。終点となる糸崎(いとさき)ランプ(三原市糸崎八丁目)が広島方面との出入りしかできない構造になっていることから木原道路だけの通行はできないのだが、木原バイパスの開通は広島県南東部にある国道2号線の五つのバイパス(注1)が一つに繋がることやそれにより福山市赤坂町早戸/赤坂バイパス早戸ランプ交差点三原市新倉二丁目/新倉交差点間が無停車で走行できるようになること、三原市木原一丁目〜三原市糸崎九丁目間に存在する異常気象時通行規制区間(注2)の迂回路が確保されることなどの効果を持っており、個人的には期待している道路の一つである。また、高台を通っており、明かり区間が少なくないことから瀬戸内海の眺望が楽しめる点が売りになりそうである(無論脇見運転は厳禁であるが)。

今年開局する可能性のあるラジオ局及び中継局

県名 放送局名 備考
島根県 NHK松江放送局
(松江市灘町)
NHK松江放送局(松江市灘町)としては6番目のエフエム補完中継局(注3)となるラジオ第一の浜田エフエム中継局が2020年度(令和2年度)中に開局する予定になっている。現在のところ設置場所(注4)や周波数に関する情報は公開されていない。
岡山県 NHK岡山放送局
(岡山市北区駅元町)
NHK岡山放送局(岡山市北区駅元町)としては初めてのエフエム補完中継局となるラジオ第一の高梁(たかはし)エフエム中継局が2020年度(令和2年度)中に開局する予定になっている。現在のところ設置場所(注4)や周波数に関する情報は公開されていない。
広島県 NHK広島拠点放送局
(広島市中区大手町二丁目)
NHK広島拠点放送局(広島市中区大手町二丁目)としては初めてのエフエム補完中継局となるラジオ第一の大崎・尾道両エフエム中継局が2021年度(令和3年度)中に開局する予定になっている。現在のところ設置場所に関する情報は公開されていない(注4)が、周波数は大崎エフエム中継局が90.9MHz、尾道エフエム中継局が93.6MHzになるものと思われる(注5)

今年実施される予定の選挙

県名 名称 任期満了日 備考
全国
(1)
衆議院 10月21日
鳥取県
(15)
米子市長 4月23日
西伯郡伯耆町長 1月29日
西伯郡大山町長 4月23日
東伯郡北栄町長 10月22日
東伯郡三朝町長 11月14日
岩美郡岩美町長 12月6日
倉吉市議会 10月22日
西伯郡大山町議会 4月23日
八頭郡八頭町議会 4月23日
東伯郡湯梨浜町議会 4月29日
西伯郡伯耆町議会 4月30日
日野郡江府町議会 7月4日
八頭郡智頭町議会 7月29日
東伯郡北栄町議会 10月22日
東伯郡三朝町議会 11月17日
島根県
(19)
雲南市長 前市長(注6)が不祥事により昨年12月22日に辞任したことにより急遽(きゅうきょ)実施が決定した。
今年1月24日告示→1月31日投票・開票予定。
出雲市長 4月16日
松江市長 4月23日
浜田市長 10月22日
大田市長 10月29日
飯石郡飯南町長 1月29日
鹿足郡津和野町長 10月29日
鹿足郡吉賀町長 10月29日
出雲市議会 4月16日
松江市議会 4月23日
浜田市議会 10月22日
安来市議会 10月31日
隠岐郡西ノ島町議会 2月28日
邑智郡邑南町議会 4月30日
隠岐郡隠岐の島町議会 4月30日
仁多郡奥出雲町議会 4月30日
飯石郡飯南町議会 7月31日
邑智郡美郷町議会 7月31日
鹿足郡吉賀町議会 10月29日
岡山県
(17)
赤磐市長 4月16日
備前市長 4月23日
真庭市長 4月23日
瀬戸内市長 7月18日
岡山市長 10月8日
玉野市長 10月28日
苫田郡鏡野町長 4月9日
倉敷市議会 1月31日
赤磐市議会 4月16日
新見市議会 4月23日
真庭市議会 4月23日
美作市議会 4月23日
井原市議会 4月29日
瀬戸内市議会 6月3日
総社市議会 10月1日
苫田郡鏡野町議会 4月9日
久米郡美咲町議会 4月23日
広島県
(14)
知事 11月28日
庄原市長 4月16日
呉市長 11月18日
安芸郡坂町長 2月7日
山県郡北広島町長 3月12日
廿日市市議会 3月31日
庄原市議会 4月16日
三原市議会 4月23日
江田島市議会 10月31日
安芸郡坂町議会 昨年12月2日に議員1人が逝去したことにより補欠選挙が実施されることになった。
1月19日告示→1月24日投票・開票予定。
山県郡北広島町議会 3月12日
安芸郡海田町議会 3月31日
豊田郡大崎上島町議会 3月31日
山県郡安芸太田町議会 4月10日
山口県
(12)
下関市長 3月26日
萩市長 3月26日
柳井市長 3月26日
山陽小野田市長 4月23日
山口市長 11月12日
阿武郡阿武町長 4月30日
玖珂郡和木町長 9月18日
長門市議会 4月23日
山陽小野田市議会 10月9日
柳井市議会 12月31日
熊毛郡田布施町議会 2月26日
阿武郡阿武町議会 11月19日

今年期待されること・今年注目したいこと

1 中国地方の鉄道事情に大きな動きはあるのか

 今年3月13日に実施されるJRグループのダイヤ改正では多くの路線で始発列車の発車時刻の繰り下げや最終列車の発車時刻の繰り上げ、列車の運転区間の見直しなどが実施されることになっている。新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響により鉄道の利用者が減ったことが背景にあるのだが、もし新型コロナウィルス感染症の世界的な流行が終息したとしても日本では新型コロナウィルス感染症の世界的な流行が起きるはるか前から少子・高齢化などによる人口減少やモータリゼーションの進展により鉄道の利用者が減っているので大きな状況変化があり、需要が回復しない限り縮小傾向のダイヤ改正は今後も見られる可能性が高い。更に中国地方の場合21世紀に入ってからJR三江(さんこう)線の全区間やJR可部線の一部区間(可部〜三段峡間(注7))が廃止に追い込まれたこと(三江線…2018年〔平成30年〕4月1日/可部線…2003年〔平成15年〕12月1日)もあり、鉄道路線を運営する会社が利用の少ない路線の鉄道事業廃止を打診してくる恐れも否定し得ないところである。
 厳しい状況が続く中国地方の鉄道事情であるが、今のところ決まっている予定事項を示すと次の通りになる。
・JR伯備線備中高梁(びっちゅうたかはし)〜新見間の各駅(注8)へのICカード対応の自動改札機の導入(今年3月13日実施予定)
・JR山陽本線南岩国〜徳山間の各駅(注9)へのICカード対応の自動改札機の導入(2022年〔令和4年〕春実施予定)
・特急「やくも」号が使用している車両の新調(2022〜2023年〔令和4〜5年〕)
・岡山電気軌道東山本線の岡山駅東口駅前広場への延伸(2023年度〔令和5年度〕)
・広島電鉄駅前大橋線開業とそれに伴う広島電鉄本線の一部区間(広島駅〜稲荷町〔いなりまち〕間)の廃止(2024年度〔令和6年度〕)
・特急「スーパーはくと」号が使用している車両の新調(2024年〔令和6年〕頃)
・広島電鉄宇品線の出島埋め立て地への延伸(着工は2024年度〔令和6年度〕以降としていることから開業は2020年代後半になるものと思われる)
・JR吉備線のLRT化(2028年〔令和10年〕頃)
・広島高速交通広島新交通1号線(愛称:アストラムライン)の西広島駅(広島市西区己斐本町〔こいほんまち〕一丁目)への延伸(2030年〔令和12年〕頃(注10)
 中には今後どうなるか分からないものもあるが、明るい話題が多くなって欲しいものである。
 さて、ここからは今まで触れなかったことで今年もしかしたら何らかの動きがあるかもしれないことについて触れ、考えることにしたい。なお、中には結局何の動きもなく終わることや関係する方の感情を害する恐れのあることも書く場合があるがその点はご了承願いたい。

1 日本国有鉄道時代から使用されている旅客用車両の新調計画に動きはあるのか

 現在中国地方を通っているJRグループ各社が運営する鉄道路線で使用されている日本国有鉄道時代(1949〜1987)に製造された旅客用車両は下表の通りである。

(下表をご覧頂くに当たっての注意)

・「登場年」はその車両が営業運転を始めた年を記しており、走行区間における営業運転を始めた年を記しているわけではない。

・「走行区間」は当該旅客用車両が定期的に運転されているところのみを記しており、臨時に運転されるもの(臨時列車や車両点検の際の代走など)については記していない。

・山陰本線仙崎支線(通称:仙崎線。長門市〔ながとし〕〜仙崎間)・木次(きすき)線・可部線・呉線・美祢(みね)線については既に日本国有鉄道時代に製造された旅客用車両は走らなくなっている。

・小野田線本山支線(雀田〜長門本山間)は独立した名称は付けられていないが、下表では便宜上「本山線」としてとして路線名称を記している。

種類 形式 登場年 走行区間 備考
路線名称 区間
電車 105系 1981年
(昭和56年)
山陽本線 岡山〜福山
新山口〜下関
福塩線 福山〜府中
宇部線 新山口〜宇部
(全線)
小野田線 居能〜小野田
(全線)
113系 1963年
(昭和38年)
山陽本線 姫路〜三原
赤穂線 相生〜東岡山
(全線)
宇野線 岡山〜宇野
(全線)
伯備線 倉敷〜新郷
115系 1963年
(昭和38年)
山陰本線 伯耆大山〜西出雲
山陽本線 姫路〜三原
岩国〜下関
赤穂線 播州赤穂〜東岡山
宇野線 岡山〜宇野
(全線)
伯備線 倉敷〜伯耆大山
(全線)
本四備讃線 茶屋町〜児島
福塩線 福山〜府中
117系 1979年
(昭和54年)
赤穂線 播州赤穂〜東岡山
山陽本線 東岡山〜三原
123系 1986年
(昭和61年)
宇部線 新山口〜宇部
(全線)
山陽本線 宇部〜下関
小野田線 居能〜小野田
(全線)
本山線 雀田〜長門本山
(全線)
213系 1987年
(昭和62年)
山陽本線 和気〜三原
赤穂線 播州赤穂〜東岡山
宇野線 岡山〜宇野
(全線)
伯備線 倉敷〜新見
本四備讃線 茶屋町〜児島
381系 1973年
(昭和48年)
山陰本線 伯耆大山〜出雲市
伯備線 倉敷〜伯耆大山
(全線)
山陽本線 岡山〜倉敷
415系 1971年
(昭和46年)
山陽本線 下関〜門司
気動車 キハ40系 1977年
(昭和52年)
山陰本線 鳥取〜幡生
境線 米子〜境港
(全線)
山口線 益田〜新山口
(全線)
姫新線 津山〜新見
吉備線 岡山〜総社
(全線)
津山線 津山〜岡山
(全線)
芸備線 三次〜広島
岩徳線 岩国〜櫛ヶ浜
(全線)
キハ47系 1977年
(昭和52年)
姫新線 津山〜新見
境線 米子〜境港
(全線)
因美線 鳥取〜那岐
吉備線 岡山〜総社
(全線)
津山線 津山〜岡山
(全線)
芸備線 三次〜広島
岩徳線 岩国〜櫛ヶ浜
(全線)

 日本国有鉄道(東京都千代田区丸の内一丁目。1949〜1987)の経営再建を目的とした分割・民営化から既に30年以上の歳月が流れているのだが、中国地方ではまだまだ多くの日本国有鉄道時代に製造された旅客用車両が活躍していることが上表からうかがえる。未だに日本国有鉄道時代に製造された旅客用車両が活躍し続けている背景にあるのは中国地方を通っているJRグループ各社が運営している鉄道路線のほとんど(注11)を管理している西日本旅客鉄道(JR西日本。大阪市北区芝田二丁目)としては需要の多い近畿(関西)地方に重きを置いていることと、反対に需要が多いとは言えない中国地方については投資効果が見込めない地域だと考えていることが挙げられる。
 しかし、前にも記したように日本国有鉄道の経営再建を目的とした分割・民営化から既に30年以上の歳月が流れており、旅客用車両の老朽化は進展している。今後は旅客用車両の新調が順次行われることが予想されるのだが、現時点で西日本旅客鉄道が新調を公表しているのは次の通りである。
・381系電車…2022〜2023年(令和4〜5年)に約60両を新型車両に置き換える予定(こちらによると西日本旅客鉄道は昨年4月1日時点では381系電車は62両所有している。恐らく全面的に新型車両に置き換えるのであろう)。
・113系電車及び117系電車…2022〜2025年(令和4〜7年)に約170両を新型車両に置き換える予定(こちらによると西日本旅客鉄道は昨年4月1日時点では113系電車は132両、117系電車は82両それぞれ所有している。西日本旅客鉄道は置き換え対象になる地域は明らかにしていないが113系電車・117系電車とも近畿〔関西〕地方でも運用されていることから近畿〔関西〕地方が優先される可能性が高い)
 新調計画は変更する場合があるとの断り書き付きなのだが、今のところその他の日本国有鉄道時代に製造された旅客用車両は当面の間活躍が見られそうな状況である。
 そんな中で注目したいのは岡山・福山地区における普通列車用車両について新調する計画が浮上するのかということである。岡山・福山地区は中国地方第二の都市であり、政令指定都市でもある岡山市、中国地方第三の都市である倉敷市、中国地方第四の都市である福山市があることや岡山市の代表駅・岡山駅(岡山市北区駅元町)は中国・四国地方随一の鉄道の要衝になっていること、福山市は岡山県との繋がりが深いことを考えれば需要は大きいものがあると考えられる。しかし、岡山市・倉敷市・福山市を通る山陽本線を走る旅客列車はそのほとんどが日本国有鉄道時代に製造された車両である。需要が多いのだからそろそろ車両新調のメドを付けても良いのでは…と思うのだが、未だにそういう動きが起きない理由を挙げると次の通りになる。
・西日本旅客鉄道は需要が多い近畿(関西)地方に重きを置いており、需要が多いとは言えない中国地方については後回しにしていること。
・広島地区ですら数年前にようやく新調を行ったばかりであり(注12)、岡山・福山地区、更に需要が少なくなる山口地区や非電化路線に関しては最早記すまでもない状況になっていること。
・岡山・福山地区で使用されている車両(特に電車)は兵庫県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県と広範囲にわたって運用されているため新調に必要な車両が多数必要になること。
・モータリゼーションの進展や少子・高齢化などにより利用者が減っていること。
 一方では日本国有鉄道時代に製造された電車が走っている貴重な地域なのでまだまだ活躍して欲しいとか造りがしっかりしているのだから今すぐ新調する必要はないという声も少なくないのだが、果たして西日本旅客鉄道はどのような考えを示すのだろうか。

2 ICカード対応の自動改札機の対象範囲拡充はあるのか

 現在中国地方にあるJRグループ各社が運営している鉄道路線でICカード対応の自動改札機が導入されているところは下表の通りである。

(下表をご覧頂くに当たっての注意)

・山陽本線には和田岬支線(兵庫〜和田岬間。通称:和田岬線)があるが中国地方にある鉄道路線ではないことから下表には記していない。

・本四備讃線の宇多津駅(香川県綾歌郡宇多津町浜五番丁)に入らずに岡山方面と高松方面を短絡する支線(児島〜坂出〔さかいで〕間)は下表では便宜上「宇多津短絡線」としてとして路線名称を記している(注13)

路線名称 区間 備考
山陰本線 伯耆大山〜出雲市
境線 米子〜境港
(全線)
伯備線 倉敷〜備中高梁 この他新見・生山・根雨各駅にICカード対応の自動改札機が導入されているが、備中高梁以遠及び伯耆大山(ほうきだいせん)以遠との往来にしか使えない。
赤穂線 相生〜東岡山
(全線)
山陽本線 神戸〜南岩国
下関〜門司
宇野線 岡山〜宇野
(全線)
吉備線 岡山〜総社
(全線)
津山線 法界院〜岡山
芸備線 狩留家〜広島
本四備讃線 茶屋町〜宇多津
(全線)
宇多津短絡線 児島〜坂出
(全線)
福塩線 福山〜神辺
呉線 三原〜海田市
(全線)
可部線 横川〜あき亀山
(全線)

 前にも記した通り今年3月13日には伯備線備中高梁〜新見間で、来年春には山陽本線南岩国〜徳山間でそれぞれICカード対応の自動改札機が導入されることになっているのだが、次に挙げる課題をはらんでいる。
・中国地方にある人口10万人以上の都市では鳥取市・津山市・山口市・宇部市・周南市・防府(ほうふ)市に未だにICカード対応の自動改札機が導入されている駅がない(注14)
・伯備線備中高梁〜新見間の各駅にICカード対応の自動改札機が導入される今年3月13日以降も伯備線生山・根雨両駅は新見以遠及び伯耆大山以遠との往来にしかICカード対応の自動改札機が使えない状況が続く。
・山口県は人口10万人以上の都市が六つ(山口市・岩国市・宇部市・下関市・周南市・防府市)もあるのにICカード対応の自動改札機が使える駅が四つ(和木・岩国・南岩国・下関)しかなく、中国地方でICカード対応の自動改札機が使える駅が最も少ない県になっている(注15)
・津山線は大半の区間が政令指定都市である岡山市を通っている(注16)のにICカード対応の自動改札機が使えるのが法界院〜岡山間だけになっている。
・福塩線は神辺(かんなべ)駅(福山市神辺町川南)以遠も本数が多い(注17)にもかかわらずICカード対応の自動改札機が使えるのが福山〜神辺間だけになっている。
 西日本旅客鉄道としては投資効果が見込めるところからICカード対応の自動改札機を導入することにし、その結果が今書いたことになるのだろうが、では今後どこで導入することを表明するのだろうか。中国地方におけるICカード対応の自動改札機の導入が考えられる箇所を挙げると次の通りになる。
・山陰本線…岩美〜伯耆大山間/小串〜幡生(はたぶ)間
・因美線…鳥取〜郡家(こおげ)間
・伯備線…新見〜伯耆大山間(但し生山・根雨両駅は導入済)
・山陽本線…徳山〜下関間
・津山線…津山〜法界院間
・福塩線…神辺〜府中間
・芸備線…三次(みよし)〜狩留家(かるが)間
・岩徳線…全線
・宇部線…全線
・山口線…仁保〜新山口間
・小野田線…全線(注18)
 中には利用や列車本数が少ないためにどのように考えても導入はされないのでは…と考える方が少なくないところもあるのだが、果たしてどうなるのだろうか。

3 宇部線・小野田線の鉄道事業廃止→バス専用道路転用問題はどうなるのか

 2019年(平成31年)1月、宇部市は中心部を通過する鉄道路線、すなわち宇部線と小野田線を廃止してその跡地をバス専用道路に転用する構想があることを発表した。そのことに対する疑問点は私の友人で「下関市立大学学園祭情報局〜中国地方最古参の市立四年制大学の学園祭のきのう・きょう・あす〜というサイトを運営している中島孝祐(なかしま・こうすけ)さんがこちらで挙げている通りであるが、この構想が見直されるかもしれない状況が最近になって浮上している。それは次の通りである。
・宇部線と小野田線を廃止してその跡地をバス専用道路に転用する構想を公にした2019年(平成31年)1月時点の市長、すなわち久保田后子(くぼた・きみこ)市長(在任期間:2009〜2020。以後久保田前市長と記載するものとする)が昨年10月22日付で体調不良を理由に辞職したこと。
・久保田前市長は後継者を指名しないまま宇部市長を辞したが、昨年11月15日に告示され、昨年11月22日に実施された宇部市長選挙では久保田前市長の後継者として宇部市職員だった女性が立候補したこと。
・久保田前市長の後継者として立候補した女性は宇部市長選挙で落選したこと。
 つまり、久保田市政を継承するという考えで立候補した人物が宇部市長選挙で落選したことにより全てではないにしても久保田前市長が取り組んだことは新市長、すなわち篠崎圭二市長(注19)によって見直される可能性が高まったというわけである。
 そもそも宇部市が打ち出した宇部線と小野田線を廃止してその跡地をバス専用道路に転用する構想は実現させるには多数の課題が生じるものである。それを挙げると次の通りになる。
・宇部市以外の宇部線・小野田線の通過自治体である山口県や山口市、山陽小野田市の理解を得られるかどうかが分からないこと。
・宇部線・小野田線の活性化を考えもしないまま唐突に廃止しようとしているように見えること。
・宇部線・小野田線に並行して整備された幹線道路がいくつもあることを考えると宇部線・小野田線を廃止してその跡地をバス専用道路に転用することは二重投資でしかないこと。。
・鉄道路線を廃止してすぐにバス専用道路が開通するわけではないこと(記すまでもないが鉄道跡地の道路転用工事や施設建設工事が必要である)を考えると有用な交通手段になり得るとは思えないこと。
・宇部市は2018年(平成30年)暮れをもって百貨店がなくなるなど市街地の空洞化が深刻化しているが、中心部から鉄道路線がなくなるとそれに拍車をかける恐れがあること。
・鉄道に比べて路線バスは走行速度が遅いとか運賃が高いなどの難点を抱えていること。
・宇部線・小野田線沿線は人口は多いし学校も多数あることを考えれば宇部線・小野田線が必要性のない鉄道路線になったとは考えられず、その点から鉄道廃止に反対する方が多勢を占めるのが確実であること。
・人口10万人以上の都市で鉄道路線がないところは鹿屋(かのや)市・うるま市・沖縄市の三つしかないこと(注20)
 つまり、実現の可能性は低く、もし実現を強行すれば禍根を残す恐れが高い構想でしかないというしかないわけである。そんな構想を打ち上げて久保田前市長はどんな宇部市を将来の人々に残そうと考えていたのだろうか。構想が進展しないまま久保田前市長は体調不良を理由に宇部市長を辞したわけであるが、致し方ないと思う反面自分が打ち上げた構想の信を問わないまま表舞台を去ることについてどのような思いを抱いていたのであろうか。状況は分からないが何も明かさなかったのであればそれは残念なことである。
 篠崎市長がこの構想をどのように取り扱うかはまだ分からないが、もしこの構想が凍結または撤回されたとしても宇部線・小野田線を取り巻く環境は厳しいままである。特に今後が憂慮されるのが小野田線である。小野田線には次に挙げる厳しい面があるからである。
・全線にわたって整備された幹線道路が並行していること。
・全線にわたって並行して路線バスが設定されていること。
・沿線人口も利用者も減っていること。
・小野田線本線は居能〜雀田間は一日11.5往復(下り11本/上り12本)、雀田〜小野田間は一日10往復、本山支線は一日3往復しか列車が設定されていないこと(注21)
・昨年12月に宇部線・小野田線を運営する西日本旅客鉄道(JR西日本。大阪市北区芝田二丁目)は小野田線の最終列車発車時刻を今年3月13日実施予定のJRグループのダイヤ改正で大幅に繰り上げることを発表したこと(注22)
・車両も施設も老朽化が進んでいること。
・駅間距離が短いせいもあるのだが列車の速度が遅いこと。
 小野田線は列車本数が少ない一方で全線が電化されていることがどのように西日本旅客鉄道に見られているのかは分からないのだが、山陽小野田市や小野田線の沿線住民が何らかの手を打たないと三江線や可部線の一部区間と同じ運命が待ち構えていることは考えたほうが良いように思われる。私としてもこの企画の最終章の最後で書いたようにああいう企画は二度とやりたくないと思っているのだが、果たしてどうなるのだろうか。

 前にも記した通り中国地方の鉄道事情は厳しい。けれど明るい話題ももっと聞きたいものである。

2 島根県・岡山県・広島県で令和時代初の県道路線の異動は見られるのか

 令和時代が始まって1年8ヶ月が経過したが、既にいくつかの都道府県で都道府県道路線の異動が行われている。その状況を示すと下表の通りになる。

都道府県名 異動内容 備考
北海道 道道1180号きたひろしま総合運動公園線の認定(2020年〔令和2年〕3月31日北海道告示第10,488号)。 プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地球場(2023年〔令和5年〕開業予定)が建設されているきたひろしま総合運動公園(北広島市共栄)と国道36号線を結ぶ路線(一部未開通区間あり)。但し途中で道道1080号栗山・北広島線と合流し、道道1080号栗山・北広島線と重用した状態で終点に至るようになっている。
道道1179号苫小牧中央インター線の正式名称化(2020年〔令和2年〕11月24日北海道告示第11,368号) 道道1179号苫小牧(とまこまい)中央インター線は道央自動車道苫小牧中央インターチェンジ(苫小牧市高丘。2020年〔令和2年〕12月13日供用開始)と国道276号線を結ぶ路線。
道道1179号苫小牧中央インター線は2014年(平成26年)7月18日北海道告示第10,586号により認定された路線(施行は2014年〔平成26年〕7月4日付)であるが、この時点では苫小牧中央インターチェンジは正式名称化されていなかったことから「道道1179号苫小牧中央インター線(仮称)」という名称で路線認定された
(注11)。結局仮称がそのまま正式名称に移行したことから2020年(令和2年)11月24日北海道告示第11,368号で(仮称)は外され、正式名称化されることになった。
青森県 (なし)
岩手県 県道184号石越停車場・白崖線の県道184号石越・白崖線への改称(2019年〔令和元年〕5月14日岩手県告示第13号) 2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号(県道184号石越・白崖線など30路線の認定(注23))と2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第304号(県道184号石越停車場・白崖線など44路線の廃止(注23))を受けた告示だが岩手県はなぜか路線名称変更で済ませている。
この告示が令和時代初の都道府県道路線の異動となった。
県道190号石森・永井線の県道190号花泉・迫線への改称(2019年〔令和元年〕5月14日岩手県告示第13号) 2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号(県道190号花泉・迫線など30路線の認定(注23))と2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第304号(県道190号石森・永井線など44路線の廃止(注23))を受けた告示だが岩手県はなぜか路線名称変更で済ませている。
この告示が令和時代初の都道府県道路線の異動となった。
宮城県 (なし)
秋田県 (なし)
山形県 県道199号余目停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕7月21日山形県告示第570号)
福島県 (なし)
茨城県 県道271号佐貫停車場線の県道271号龍ヶ崎市停車場線への改称(2020年〔令和2年〕2月27日茨城県告示第190号に基づき2020年〔令和2年〕3月14日実施) JR常磐線佐貫駅(龍ヶ崎市佐貫町。1900〜2020)の龍ヶ崎市駅(龍ヶ崎市佐貫町)への改称(2020年〔令和2年〕3月14日)に伴う路線名称変更。
栃木県 県道168号静・藤岡線の廃止(2020年〔令和2年〕3月27日栃木県告示第178号) 県道168号静・藤岡線の西方を並行して通る県道282号中・藤岡線の発足(2020年〔令和2年〕3月27日栃木県告示第179号による)に伴い廃止。
県道282号中・岩舟線の県道282号中・藤岡線への改称(2020年〔令和2年〕3月27日栃木県告示第179号) 県道282号中・岩舟線と栃木市道を再編して発足。
県道282号中・藤岡線の発足と引き換えに県道282号中・藤岡線の東方を並行して通る県道168号静・藤岡線が廃止されている(2020年〔令和2年〕3月27日栃木県告示第178号による)。
群馬県 (なし)
埼玉県 (なし)
千葉県 (なし)
東京都 (なし)
神奈川県 (なし)
新潟県 (なし)
山梨県 (なし)
長野県 (なし)
富山県 (なし)
石川県 (なし)
福井県 (なし)
岐阜県 県道365号和知・兼山停車場線の廃止(2019年〔令和元年〕7月12日岐阜県告示第122号) 終点にあった名古屋鉄道八百津(やおつ)線兼山駅(可児市兼山。1930〜2001)は名古屋鉄道八百津線の廃止(2001年〔平成13年〕10月1日)により2001年(平成13年)9月30日をもって営業終了。
静岡県 (なし)
愛知県 県道305号碧南停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日愛知県告示第154号)
三重県 県道572号二木島港線の廃止(2020年〔令和2年〕7月10日三重県告示第446号)
滋賀県 (なし)
京都府 府道250号新田停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)
府道323号木津停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)
大阪府 (なし)
兵庫県 (なし) 2020年(令和2年)2月定例会で北近畿豊岡自動車道豊岡南・豊岡両インターチェンジに関連する県道路線の認定議案と県道路線の変更議案が提出され、いずれも可決されているが、今のところ県道路線認定告示や県道路線変更告示は出ていない(注24)
奈良県 (なし)
和歌山県 (なし)
鳥取県 県道269号松河原・名和線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日鳥取県告示第160号)
島根県 (なし)
岡山県 (なし)
広島県 (なし)
山口県 県道259号新下関停車場・稗田線の県道259号新下関停車場線への改称(2020年〔令和2年〕3月27日山口県告示第96号) 令和時代の中国地方における初の都道府県道路線の異動。
県道259号新下関停車場・稗田線と下関市道(未開通)を再編して発足。
「新下関停車場線」という名称の県道路線は1994〜2016年(平成6〜28年)に存在したが、路線番号や経路が異なる
(注25)
徳島県 (なし)
香川県 (なし)
愛媛県 (なし)
高知県 (なし)
福岡県 (なし)
佐賀県 県道351号久間・大町線の認定(2019年〔令和元年〕7月1日佐賀県告示第35号) 県道268号久間・白石線と大町町道、白石町道を再編して発足。
県道268号久間・白石線の廃止(2019年〔令和元年〕7月1日佐賀県告示第38号) 県道351号久間・大町線に再編されたため廃止。
長崎県 (なし)
熊本県 (なし)
大分県 (なし)
宮崎県 (なし)
鹿児島県 県道546号永野田停車場線の廃止(2019年〔令和元年〕8月30日鹿児島県告示第325号に基づき2019年〔令和元年〕8月31日をもって廃止) 起点にあった国鉄大隅線永野田駅(鹿屋市永野田町。1920〜1987)は国鉄大隅線の廃止(1987年〔昭和62年〕3月14日)により1987年(昭和62年)3月13日をもって営業終了。
沖縄県 (なし)

 現在のところ13道府県で都道府県道路線の異動があったことになり、反対に未だに34都府県で異動が発生していないことが上表からうかがえる。令和時代が始まってまだ1年8ヶ月しか経っていないことを考えれば当然の帰結とも言えるわけであるが、記すまでもなく今後異動が発生する都道府県は次第に増えていくことであろう。
 中国地方の場合現在のところ鳥取県と山口県で異動が起きただけになっているが、そこで気になるのが残る中国地方に属する県、すなわち島根県・岡山県・広島県でいつどのような形で県道路線の異動が起きるかということである。ここからは島根県・岡山県・広島県それぞれについて現状を記し、令和時代初の県道路線異動はどういう形で起きるのかを予測することにしたい。

3 終夜放送を取りやめるラジオ局は出るのか

 昨年11月、中国地方では中国放送ラジオ(RCC、広島市中区基町)だけがずっとネットしてきた文化放送(QR、東京都港区浜松町一丁目)制作の番組「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」(1968〜2021年〔昭和43年〜令和3年〕放送)が今年3月27日未明の放送をもって52年4ヶ月の歴史に終止符を打つことを発表した。1970年(昭和45年)秋の番組改編で終夜放送に移行した中国放送ラジオが「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」のネットを開始したのは1976年(昭和51年)12月7日未明のことだった(注301)から44年4ヶ月の長きにわたりネットしてきたことになるのだが、今年3月29日以降「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」の跡地、すなわち火曜日〜土曜日の午前3時〜午前5時にどういう番組を設定するのかが注目されることになりそうである。
 恐らく中国放送ラジオは「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」の跡地には何らかの番組を挿入することにし、50年半続けてきた終夜放送に終止符を打つことはしないのではないかと思うのだが、一方で今後終夜放送を取りやめ、毎日深夜・早朝に放送休止を設定するところが出てくるのではないかと私は考えているところである。そのように考える理由は次の通りである。
・インターネットの急速な普及や人口減少などの事情により広告収入が減っていること。
・インターネットの急速な普及や人口減少などの事情により聴取者が減っていること。
・聴取率が低迷している番組が少なくないこと。
・経営が厳しいラジオ局が少なくないこと。
・コミュニティ放送局はともかく、都道府県域民間ラジオ放送局ですら廃業に追い込まれたところが出ていること。
・青少年が早朝まで起きているのは好ましくないと考える人が少なくないこと。
・中波放送は施設の老朽化が進展しているところが多いことやエフエム放送は中継局数が多いことから放送を休止して放送施設の点検に充てたいと思う放送局が少なくないこと。
・深夜・早朝帯に緊急事態が起きることを想定して終夜放送を行うところが多いが、放送を休止している時に無変調状態(注302)にしておけばもし緊急事態が起きたとしても対応は十分可能であること。
 では中国地方にあるラジオ局(中波・エフエムに限る)の現状はどのようになっているのか。それを示したのが下表である。

(日本放送協会〔NHK〕)

放送波名 終夜放送実施状況 放送休止時間 備考
曜日 時間
ラジオ第一 実施している 原則として放送休止は設定していない。
但し機器調整により深夜・早朝に放送休止を設定する場合がある。
機器調整に伴う放送休止の日時や対象地域については鳥取・松江・岡山・広島・山口各放送局の公式サイトで通知される。
ラジオ第二 実施していない 毎日 午前0時40分〜午前6時
エフエム 実施している 原則として放送休止は設定していない。
但し機器調整により深夜・早朝に放送休止を設定する場合がある。
機器調整に伴う放送休止の日時や対象地域については鳥取・松江・岡山・広島・山口各放送局の公式サイトで通知される。

(民間中波放送局)

放送局名 終夜放送実施状況 放送休止時間 備考
曜日 時間
山陰放送
(BSS、米子市西福原一丁目)
実施している 午前3時〜午前5時
午前0時5分〜午前5時
RSK山陽放送
(RSK、岡山市北区丸の内二丁目)
実施している 午前1時〜午前4時
中国放送
(RCC、広島市中区基町)
実施している 午前1時30分〜午前5時
山口放送
(KRY、周南市徳山)
実施している 午前1時〜午前4時

(都道府県域民間エフエム放送局)

放送局名 終夜放送実施状況 放送休止時間 備考
曜日 時間
エフエム山陰
(FSK、松江市学園南一丁目)
実施している 午前2時30分〜午前5時 愛称:V-air。
岡山エフエム放送
(岡山市北区中山下一丁目)
実施している 午前1時〜午前5時 愛称:エフエム岡山。
広島エフエム放送
(HFM、広島市南区皆実町一丁目)
実施している 午前2時〜午前5時 別称:広島エフエム。
エフエム山口
(FMY、山口市緑町)
実施している 午前0時〜午前5時

(コミュニティ放送局)

放送局名 終夜放送実施状況 放送休止時間 備考
曜日 時間帯
FM鳥取
(鳥取市幸町)
実施している 午前1時〜午前5時 愛称:RADIO BIRD。
1月・3月・5月・7月・9月・11月の第一日曜日の深夜と毎月第二日曜日の深夜は放送終了時間が1時間繰り下がって月曜日午前2時になる。そのため放送休止時間は月曜日午前2時〜午前5時となる。
DARAZコミュニティ放送
(米子市法勝寺町)
実施していない 毎日 午前1時〜午前5時 愛称:DARAZ FM。
2014年(平成26年)5月末まではFM802(大阪市北区天神橋二丁目)の再送信を行っていたこともあって終夜放送を実施していたが、FM802の再送信を取りやめたことをもって終夜放送を取りやめている。
エフエムいずも
(出雲市今市町)
実施している 愛称:愛ステーション。
原則として放送休止は設定していない。
岡山シティエフエム
(岡山市北区中山下二丁目)
実施している 愛称:Radio momo。
原則として放送休止は設定していない。
笠岡放送
(笠岡市笠岡)
実施している 愛称:エフエムゆめウェーブ。
演奏所は浅口市鴨方町鴨方にある。
エフエムくらしき
(倉敷市白楽町)
実施している 原則として放送休止は設定していない。
つやまコミュニティFM
(津山市南新座)
実施している 愛称:エフエムつやま。
原則として放送休止は設定していない。
中国コミュニケーションネットワーク
(広島市中区土橋町)
実施している 愛称:ひろしまPステーション(2000〜2008)→エフエムちゅーピー。
原則として放送休止は設定していない。
エフエムハムスター
(広島市安佐南区祇園五丁目)
実施していない 午前0時〜午前9時 広島経済大学(広島市安佐南〔あさみなみ〕区祇園〔ぎおん〕五丁目)の構内に演奏所があることから平日しか放送していない。
月〜木 午後6時〜翌日午前9時
午後6時〜午前0時
土・日 終日
尾道エフエム放送
(尾道市東御所町)
実施している 愛称:エフエムおのみちまたはエフエムおのみち79.4。
原則として放送休止は設定していない。
FMはつかいち
(廿日市市下平良二丁目)
実施している 別称:FM廿日市。
原則として放送休止は設定していない。
FM東広島
(東広島市西条下見六丁目)
実施していない 毎日 午後10時〜翌日午前5時
エフエムふくやま
(福山市西町二丁目)
実施している 愛称:レディオBINGO。
原則として放送休止は設定していない。
FMみはら
(三原市宮沖五丁目)
実施している 愛称:FOR LIFE RADIO。
演奏所は三原市円一町二丁目にある。
原則として放送休止は設定していない。
エフエムきらら
(宇部市新天町一丁目)
実施していない 毎日 午後10時〜翌日午前7時
FM山陽小野田
(山陽小野田市小野田)
実施している 愛称:FMサンサンきらら(2012〜2020)→FMスマイルウェ〜ブ。
原則として放送休止は設定していない。
コミュニティエフエム下関
(下関市上田中町二丁目)
実施している 愛称:COME ON! FM。
原則として放送休止は設定していない。
エフエム周南
(周南市久米)
実施している 愛称:しゅうなんエフエム78.4。
演奏所は下松市中央町にある。
原則として放送休止は設定していない。
FMながと
(長門市仙崎)
実施していない 毎日 午後10時〜翌日午前7時 愛称:FM AQUA。
エフエム萩
(萩市江向)
実施している 愛称:FM NANAKO。
原則として放送休止は設定していない。
ぷらざFM
(防府市栄町一丁目)
実施している 愛称:FMわっしょい。
原則として放送休止は設定していない。

 中国地方を放送区域としているラジオ局で終夜放送を一切行っていないのは日本放送協会1波/コミュニティ放送局5局となる。一方でほとんどの都道府県域民間ラジオ放送局が放送を休止する日曜日深夜(月曜日早朝)も放送を続けるコミュニティ放送局があまりにも多いことに驚かされる(21社中15社)。

(注釈コーナー)

注1:岡山方面から順に記すと赤坂バイパス→松永道路→尾道バイパス→木原道路→三原バイパスとなっている。尾道バイパスは1972年(昭和47年)4月27日、松永道路は1990年(平成2年)12月15日、赤坂バイパスは1998年(平成10年)3月14日、三原バイパスは2012年(平成24年)3月31日にそれぞれ全線開通を果たしており、木原道路の開通が待たれていた。

注2:路面が高波を受ける場合通行止めになる規制。かつては全区間が国土交通省管理になっていたが、2016年(平成28年)4月1日に実施された国道2号線三原バイパスの全線開通に伴う旧道処分により三原市糸崎八丁目/糸崎8丁目交差点を境に東側(国道2号線)は国土交通省が、西側(国道185号線)は広島県がそれぞれ管理するようになった。

注3:NHK松江放送局は2014年(平成26年)以降ラジオ第一のエフエム補完中継局の設置を推進しており、これまでに赤名・隠岐(おき)・来島(きじま)・頓原・日原の5箇所に設置している。ちなみにNHKラジオ第一隠岐中継局(島根県隠岐郡隠岐の島町小路〔こうじ〕。周波数:79.4MHz)は中国地方初の中波放送局のエフエム補完中継局である(2014年〔平成26年〕12月22日開局)。

注4:浜田・高梁・大崎・尾道各エフエム中継局はもしNHK-FM及び都道府県域民間エフエム放送局(浜田…エフエム山陰〔愛称:V-air。松江市学園南一丁目〕/高梁…岡山エフエム放送〔愛称:エフエム岡山。岡山市北区中山下〈なかさんげ〉一丁目〕/大崎・尾道…広島エフエム放送〔HFM、広島市南区皆実町一丁目〕)の中継局を設置している場所と同じところに設置することになった場合、その所在地は次の通りになる。
・浜田…浜田市三隅町室谷(大麻〔たいま〕山〔標高:599m〕)
・高梁…高梁市松山(鶏足〔けいそく〕山〔標高:585.5m〕)
・大崎…広島県豊田郡大崎上島町中野(神峰〔かんのみね〕山〔標高:452.3m〕)
・尾道…尾道市向島町(高見山〔標高:283.3m〕)

注5:昨年6月1日付の総務省の報道資料による(それはこちら)。中国放送ラジオの可能性もあるのだが、中国放送は現在のところ新たなエフエム補完中継局設置計画を打ち出していないことや5箇所あるエフエム補完中継局の周波数を94.6MHzに統一していること、もし別の周波数を用いた場合、放送開始告知・放送終了告知・放送基点(中国放送ラジオでは火曜日〜日曜日の午前5時に設定している)における局名告知が長くなること、日本放送協会(NHK、東京都渋谷区神南二丁目)が昨年4月にラジオ第一の大崎・尾道両エフエム中継局を2021年度(令和3年度)に開局させることを公表していることからNHK広島放送局が使用する可能性が高いと判断している。

注6:雲南市長は昨年11月に交代したばかりである。昨年11月8日に告示され、昨年11月15日に実施される予定だった市長選挙は立候補者が新人(=前市長)しかいなかったことから立候補を締め切った昨年11月8日午後5時に当選が確定している。前市長は昨年11月28日に就任したので市長の座に就いていたのは25日間だけであった(但し昨年12月9日から病気のため入院していた)。

注7:可部線の廃止区間のうち可部駅(広島市安佐北区可部二丁目)から1.6kmの部分に関しては2017年(平成29年)3月4日に復活を果たしている。但し途中にあった河戸(こうど)駅(広島市安佐北区亀山二丁目。1956〜2003)は復活していないため新線と解したほうが良いように思われる。

注8:現在備中高梁・新見両駅についてはICカード対応の自動改札機が導入されているのでICカード対応の自動改札機が設置されるのは木野山・備中川面(びっちゅうかわも)・方谷(ほうこく)・井倉・石蟹(いしが)の5駅となる。また、新見駅の自動改札機は現在はICOCA定期券は使用できないが、今年3月13日以降は伯備線倉敷方面に限って使用できるようになる。

注9:現在南岩国駅(岩国市南岩国町一丁目)についてはICカード対応の自動改札機が導入されているのでICカード対応の自動改札機が設置されるのは藤生(ふじゅう)・通津(つづ)・由宇・神代(こうじろ)・大畠・柳井港(やないみなと)・柳井(やない)・田布施・岩田・島田(しまた)・光・下松(くだまつ)・櫛ヶ浜・徳山の14駅となる。

注10:ここでは西広島駅まで開業する時期を書いている。途中の石内東駅(仮称。広島市佐伯〔さえき〕区石内東四丁目)までの延伸は2020年代中期に開業する予定になっている。

注11:中国地方を通っているJRグループ各社が運営している鉄道路線で、西日本旅客鉄道以外のJRグループ各社が管理しているところは二つ存在する。それは次の通りである。
・本四備讃線の児島駅(倉敷市児島駅前一丁目)以南の区間…四国旅客鉄道(JR四国。高松市浜ノ町)が管理。
・山陽本線の下関駅(下関市竹崎町四丁目)以南の区間…九州旅客鉄道(JR九州。福岡市博多〔はかた〕区博多駅前三丁目)が管理。

注12:広島地区でも非電化路線の芸備線や岩徳線に関しては現在も日本国有鉄道時代に製造された車両が使用されている。これらの路線を走る車両についても新調計画は発表されていない。

注13:児島以遠と坂出以遠を往来する場合の運賃は宇多津駅に入らない場合でも宇多津駅を経由したものとして計算される(つまり宇多津短絡線は宇多津駅構内にあるものと見なされている)。なお、自分がかつて実際に宇多津短絡線を走る列車(快速「マリンライナー」号)に乗って距離標を見たところ、運賃計算上の距離より2.5kmほど短くなることを確認している(例えば児島〜坂出間の運賃計算上の距離は22.7kmとなるが実際の距離は20.2kmほどになる)。

注14:鳥取市・津山市・山口市・宇部市・周南市・防府市には西日本旅客鉄道が運営する鉄道路線しか通っていない。よって、鳥取市・津山市・山口市・宇部市・周南市・防府市には西日本旅客鉄道が管理する駅しか存在しないことになる。

注15:現在の中国地方各県のICカード対応の自動改札機が使えるJRグループ各社が運営する駅の数は下表の通りである。

※下表において複数の鉄道路線が集まる駅の所属路線はその駅で起点または終点にならない路線としている。

県名 使用可能
駅数
内訳 備考
鳥取県 20 山陰本線3
伯備線2
境線15
島根県 12 山陰本線12
岡山県 68 山陽本線21
赤穂線12
宇野線14
吉備線8
津山線1
本四備讃線4
伯備線8
広島県 87 山陽本線37
福塩線3
呉線26
芸備線8
可部線13
山口県 4 山陽本線4
合計 191 山陰本線15
伯備線10
境線15
山陽本線62
赤穂線12
宇野線14
吉備線8
津山線1
本四備讃線4
福塩線3
呉線26
芸備線8
可部線13

注16:津山線は津山市・久米郡美咲町・久米郡久米南町・岡山市北区を通っているが、このうち岡山市北区にある駅は九つ(福渡・建部〔たけべ〕・金川・野々口・牧山・玉柏・備前原・法界院・岡山)に及び、津山線にある駅(17駅)の半分以上を占めている。また、福渡〜岡山間の距離は30.3kmであり、これも全長(58.7km)の半分以上を占めている。

注17:福塩線で最も列車本数が多いのは福山〜神辺間の66本(下り34本/上り32本)である。以後神辺〜万能倉(まなぐら)間60本(下り31本/上り29本)→万能倉〜府中間58本(下り30本/上り28本)→府中〜塩町間12本(下り6本/上り6本)となっている。

注18:本山支線(通称:本山線)を含む。

注19:ここでは新字体で氏名を表記している(正式表記には機種依存文字が使用されているためここでは記せない)。

注20:このうち鹿屋市は1987年(昭和62年)3月13日まで国鉄大隅線が中心部を通過していた。

注21:小野田線本山支線は木次線出雲横田(いずもよこた)〜備後落合(びんごおちあい)間や芸備線東城〜備後落合間とともに中国地方にある鉄道路線では最も列車本数の少ない区間になっている。木次線・芸備線とも電化区間は一切ないので小野田線本山支線は中国地方にある電化されている鉄道路線としては最も列車本数の少ない区間になっている。

注22:現在の小野田線本線の最終列車の始発駅における発車時刻は下りが宇部新川発午後9時17分(小野田着午後9時49分)、上りが小野田発午後10時20分(宇部新川着午後10時48分)となっている。今年3月13日に実施される予定のJRグループのダイヤ改正では下りが宇部新川発午後7時28分(小野田着午後7時57分)、上りが小野田発午後8時3分(宇部新川着午後8時32分)となり、上下線とも大幅に繰り上がることになっている。
※小野田線本山支線については変更はない。

注23:2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号で認定された県道路線は下表の通りである。

また、2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第304号で廃止された県道路線は下表の通りである。

注24:都道府県議会で都道府県道路線の異動(認定・路線名称変更・廃止)に関する議案が出て可決されたとしてもそれからすぐに異動告示が出されるとは限らない。例えば岡山県道703号備前・柵原自転車道線は1996年(平成8年)2月定例会で路線認定議案が出され、可決されているのだが、路線認定されたのはそれから8ヶ月も経った1996年(平成8年)11月15日のことであった。

注25:「新下関停車場線」という県道路線は1994年(平成6年)3月15日山口県告示第211号によって初めて発足した。JR山陽新幹線・山陽本線新下関駅(下関市秋根南町一丁目)の南口と県道34号下関・長門線を結んでいた県道255号長門一の宮停車場線(1958〜1994。おおよその経路はこちら)を改称し、新下関駅東口と県道34号下関・長門線を結ぶ路線に再編したものである(当時の路線名称は県道255号新下関停車場線。おおよその経路はこちら)。しかし、新下関駅東口と県道247号安岡港・長府線を結ぶ県道255号田倉・新下関停車場線に再編されることになったことから2016年(平成28年)5月24日山口県告示第158号により廃止された。新旧の新下関停車場線は起点から都市計画道路長府・綾羅木線に突き当たるところ(下関市秋根南町一丁目/新下関駅東口入口交差点〔交差点名標なし〕)までの経路(おおよその経路はこちら)が共通するだけになっている。
なお、新しい新下関停車場線は国道191号線下関北バイパス垢田北ランプ(場所はこちら)が終点になることになっている。それなら新下関停車場線ではなく新下関停車場・垢田線にすれば良かったと思うのだがそのようにしなかった理由は何なのだろうか。

注301:中国放送ラジオはニッポン放送(LF、東京都千代田区有楽町一丁目)の長寿番組「オールナイトニッポン」を全部分ネットすることによって終夜放送に移行したのだが、1976年(昭和51年)12月5日未明の放送をもって第二部(午前3時〜午前5時)のネットを打ち切り、「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」に差し替えている(理由は不明だが広島県内を通る高速道路、すなわち中国自動車道の開通が近付いていたことや夜明け近くまで青少年が起き続けているのは好ましくないと考えたことが背景にあるのではないかと思われる)。2006年(平成18年)春の改編で「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」の日曜日早朝分の放送が終了した時跡地にいかなる番組を設定するかが注目されたが結局「オールナイトニッポン」第二部のネット再開はならなかったことを考えると「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ! 歌謡曲」の後番組に「オールナイトニッポン」第二部を挿入する可能性は低いのではないのだろうか。

注302:放送終了後も停波しないが音声を一切流さず、搬送波だけを送り続ける状態を指す。私の知っている範囲では広島エフエム放送(HFM、広島市南区皆実町一丁目)がそのようにしている。