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ナゾの半永久封鎖区間を探る(2024年〔令和6年〕7月 日公開)

 ある道路について管理者が期限を定めないか期限を定めてもその時期が近付くと新たな期限を設定して延長する(注1)かして全面通行止め規制をかけ続けることを本サイトにおいては半永久封鎖と称している(注2)。半永久封鎖措置を行う理由として最も多いのが通行者の安全が確保できないことであるが、有名な半永久封鎖区間(ここでは現道でなおかつ通行止め規制がかけられてから5年以上経過し、通行再開への動きが全く見られないものに限る)の一部を挙げると下表の通りになる。

都道府県名 路線名称 封鎖区間 概要
神奈川県 県道515号三井・相模湖線 相模原市緑区三井〜
相模原市緑区千木良
・半永久封鎖区間は相模川をせき止めて作られた沼本ダム(左岸:相模原市緑区三井/右岸:相模原市緑区寸沢嵐)のダム湖・沼本調整池と、城山ダム(左岸:相模原市緑区城山一丁目/右岸:相模原市緑区太井)のダム湖・津久井湖の北岸に沿って延びている。
・半永久封鎖区間は急な斜面の中腹を通っている。
・路線の大部分が異常気象時通行規制区間に指定されている(時間雨量20mm以上または連続雨量100mm以上になった場合通行止めになる)。
・よく知られている半永久封鎖区間は路線後半部の名手集落(相模原市緑区三井)〜赤馬集落(相模原市緑区千木良)間であるが、実は路線前半部の三井集落(相模原市緑区三井)〜名手集落間も2020年(令和2年)2月7日午後3時から土砂崩落の危険性がある斜面を調査することを理由として通行止め規制がかけられており、現在に至るまで解除されていない。この結果、名手集落に赴くためには相模原市道名手・又野線を通るしかなくなっている。
岐阜県 国道418号線 加茂郡八百津町南戸〜
恵那市飯地町
・半永久封鎖区間は木曽川の右岸(北岸)に沿って延びている。
・半永久封鎖区間は急な斜面の麓を通っている。
・半永久封鎖区間については異常気象時通行規制区間には指定されていないのだが半永久封鎖区間の恵那側入口は異常気象時通行規制区間の起点になっている(1時間雨量30mm以上または連続雨量100mm以上になった場合通行止めになる)。そのことから半永久封鎖区間についても通行ができていた頃は同じような規制をかけていた可能性がある。
・市販の道路地図帳では1970年代後半の時点
(注3)で既に自動車通行不能扱いにしている。しかし、半永久封鎖区間について紹介しているサイトを見ると古びた幅員制限に関する標識があることに触れているため自動車が通れた時代があったことが考えられる。
・半永久封鎖区間の大半は現在建設中の新丸山ダム(左岸:可児郡御嵩町小和沢/右岸:加茂郡八百津町八百津)のダム湖の底になるため現在その北方の高台を通る付け替え道路が建設されている。付け替え道路の全線開通時期は今のところはっきりしないが新丸山ダムの完成予定時期が2029年度(令和11年度)になっていることを考えると2020年代中期〜後期になるのではないかと思われる。
静岡県 県道288号大嵐・佐久間線 浜松市天竜区水窪町奥領家〜
浜松市天竜区佐久間町佐久間
・半永久封鎖区間は佐久間ダム(左岸:静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間/右岸:愛知県北設楽郡豊根村古真立)のダム湖・佐久間湖の東岸に沿って延びている。
・半永久封鎖区間は急な斜面の中腹を通っている。
・通行できる部分がわずかしかないこと
(注4)もあってか県道288号大嵐・佐久間線には異常気象時通行規制区間に指定されているところはない。しかし、県道288号大嵐・佐久間線の通行可能区間に赴くために通る必要のある県道1号飯田・富山・佐久間線(注5)は長野県下伊那郡天龍村神原(注6)〜静岡県浜松市天竜区佐久間町中部間が異常気象時通行規制区間に指定されている(注7)ためもし前記区間に規制がかかれば自動的に県道288号大嵐・佐久間線にも規制がかかることになる。
・半永久封鎖区間のおおよそ北半分については1994年(平成6年)3月18日静岡県告示第216号に基づいて1994年(平成6年)3月18日をもって道路の供用が廃止されている。

 上表に掲げた半永久封鎖区間はいくつかのサイトでその様子を見ることができるのだが、今から十数年前までは中国地方にはそういうところは全く存在しなかった。しかし、2000年代(ここでは2000〜2009年〔平成12〜21年〕を指す)末期から災害の危険があることを理由とした半永久封鎖区間が各地で見られるようになった。現在中国地方各県の道路情報サイトで確認できる半永久封鎖区間(ここでは現道でなおかつ通行止め規制がかけられてから5年以上経過し、通行再開への動きが全く見られないものに限る)を挙げると下表の通りになる。

都道府県名 路線名称 封鎖区間 概要
鳥取県 県道103号若桜・湯村温泉線 八頭郡若桜町諸鹿 ・半永久封鎖区間は千代川支流の来見野川が形成した諸鹿渓谷(八頭郡若桜町諸鹿)に沿って延びている。

・半永久封鎖区間については異常気象時通行規制区間には指定されていない。しかし、半永久封鎖区間の入口まで異常気象時通行規制区間に指定されていること(時間雨量が40mm以上になった時または連続雨量が200mm以上になった時、更に積雪深1.5m以上でなおかつ雪崩注意報が発令された時通行止めになる)や有用な迂回路または脱出路が存在しないことから半永久封鎖区間も異常気象時通行規制区間に編入されていると見なすこともできる。
・諸鹿神社(八頭郡若桜町諸鹿)のそばから第一車道端点
(注8)(八頭郡若桜町諸鹿)までの区間が2013年(平成25年)4月5日午後3時から土砂崩落を理由に通行止めになっている。
・県道103号若桜・湯村温泉線は諸鹿渓谷の北方の斜面が自動車通行不能区間になっているため実質的に自動車通行不能区間が起点方向に延びた格好になっている。
・しかし、半永久封鎖箇所入口付近の「Googleストリートビュー」を見ると簡易なバリケードで封鎖してあるだけであり、しかもなぜか二つあるバリケードのうちの一つを開けてあるのがうかがえる。第一車道端点(注8)まで自動車で乗り入れて第一車道端点付近で撮った写真を公開しているブログもある始末なのだが真相はどうなのだろうか。
島根県 国道488号線 益田市匹見町匹見 ・半永久封鎖区間は高津川支流の広見川が形成した裏匹見峡(益田市匹見町匹見)に沿って延びている。
・半永久封鎖区間は異常気象時通行規制区間に指定されている(時間雨量が30mm以上になった時または連続雨量が100mm以上
(注9)になった時通行止めになる)。また、冬期閉鎖区間にもなっている。
・2011年(平成23年)4月28日午後2時から落石を理由に通行止めになっている。現在は半永久封鎖区間は鉄柵で封鎖している。
・島根県では半永久封鎖区間は通行不能区間として取り扱っている。それを受けて広島県では広島県側最後の幹線道路(注7)との接続点、すなわち廿日市市吉和/中津谷交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する国道186号線(国道434号線重用)にある案内標識に島根県側は通行不能になっている旨の注意書きを付している。
・半永久封鎖区間の廿日市側入口は島根・広島県境から7kmほど益田市中心部方面に進んだところにあるのだが、その間にどこかへ脱出する道は全くない。つまり、半永久封鎖箇所を迂回するには広島県を経由しなければならなくなっている。
・最短で済む迂回路としては廿日市市吉和と益田市匹見町紙祖を結ぶ三坂・八郎林道がある。この三坂・八郎林道を国道488号線に編入しようという動きもある
(注8)のだが道路環境が厳しいこと(注9)や島根県側と広島県側で考え方に著しい温度差が生じていることなどから具体化しないままになっている。
・なお、国道488号線に並行する形で益田・廿日市道路という地域高規格道路が企図されているが、費用対効果が低いことなどから進展はないままになっている。
島根県/
広島県
県道109号邑南・高宮線 広島県安芸高田市美土里町生田〜
島根県邑智郡邑南町戸河内
・半永久封鎖区間があるのは広島県安芸高田市美土里町生田〜島根県邑智郡邑南町戸河内間。江の川支流の長瀬川に沿ったところである。
・島根県西部地震(2018年〔平成30年〕4月9日)の際に起きた落石により通行止めになっている。
・島根県では半永久封鎖区間は通行不能区間としている。しかし、島根県益田市匹見町匹見の国道488号線とは異なって半永久封鎖区間の入口は「Googleストリートビュー」を見ると遮断桿を下ろしているだけであり
(注10)、厳重に封鎖していない。
・島根県西部地震の際に起きた落石で通行止めになった区間はもっと長かったのだが、大所集落(島根県邑智郡邑南町戸河内)以東については2018年(平成30年)6月13日に落石対策が完了したことを理由に通行止めを解除している。このことから考えて半永久封鎖区間についても落石対策を行う予定ではあるのだが交通量が少ないことや費用対効果が見込めないことなどを理由として見送り続けていることが考えられる。
・なお、半永久封鎖区間は広島県に属しているところもあるが全区間島根県が管理している
(注11)。島根県に入ることなく広島県側から半永久封鎖区間の邑南側入口に赴くことはできるのだが途中で通るのは安芸高田市道であり、広島県が管理する道路は一切通ることがないためである。
岡山県 県道437号下郷・惣田線 高梁市備中町平川 ・半永久封鎖区間があるのは高梁市備中町平川。田原ダム(右岸:高梁市備中町平川/左岸:高梁市備中町西油野)のダム湖の南岸に沿ったところである。
・2013年(平成25年)12月21日午前10時から落石を理由に通行止めになっている。半永久封鎖措置を始めた時は下郷側・惣田側とも簡易なバリケードで封鎖していた
(注12)が、田原ダム本体のそばにある半永久封鎖区間の惣田側入口については最近鉄柵が設けられた(注13)。下郷側入口については今年8月30日まで道路改良工事を行っているため近付けなかったので確認していないのだが、同じ措置をとっている可能性が高い。
・封鎖措置をとってからかなりの年数が経っているが道路管理者である岡山県は案内標識は封鎖を踏まえた修正を未だに行っていない。その一方で終点の高梁市備中町平川/惣田交差点(信号機・交差点名標なし)に設置されていた大型車の通行が困難であることと最小幅員が2.5mであることを記した標識は最近撤去されている
(注14)。ちぐはぐな印象を受けるのだが岡山県としては県道437号下郷・惣田線を今後どのようにしようと考えているのだろうか(注15)。その点が気になるところである。

岡山県道437号下郷・惣田線の惣田側半永久封鎖区間入口に設置された鉄柵。
分かりにくいのだが鉄柵のすぐ先に草木に埋もれた県道標識がある。

高梁市備中町平川/惣田交差点(信号機・交差点名標なし)にあった大型車の通行が困難であることと最小幅員が2.5mであることを記した標識。

 上表に掲げた半永久封鎖区間で有名なのは益田市匹見町匹見の国道488号線ぐらいではないかと思うのだが、上表に掲げた箇所はいずれも道路改良が進んでいない、地形が険しい、人家・事業所がない、異常気象時通行規制区間に指定されている(注16)などの共通点を有している。交通量は少ないし改良するにしても費用対効果は見込めないしもし事故が起きたら面倒なことになるし…でそのようにしているのだろうが、実は半永久封鎖状態になってからかなりの年数が経っているのに道路交通情報サイトでは全く取り上げられていない県道路線が岡山県に存在するのである。先日そこに行って様子を見てきたのでその時の様子を紹介することにしたい。

 半永久封鎖状態になってからかなりの年数が経っているのに道路交通情報サイトでは全く取り上げられていない岡山県にある県道路線は新見市豊永赤馬の県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)である。本作公開時点で道路交通情報サイト、すなわち日本道路交通情報センター公式サイトを見ても、岡山県公式サイト内の「岡山県道路規制情報」を見てもその辺りの県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)に通行止め規制がかけられていることは記されていない。ではいかなる経緯でその存在を知ったのか。それはTanba roadさんが動画投稿サイト「YouTube」で公開している県道58号北房・川上線と県道320号若代・方谷停車場線の走行動画を見たことであった(県道58号北房・川上線の通行止め区間を含む部分を通った動画はこちら/県道320号若代・方谷停車場線の通行止め区間を含む部分を通った動画はこちら)。(同じ日だったのかどうかは分からないのだが)いずれも2022年(令和4年)5月に撮影されたそれらの動画を見てどういう様子なんだろうと興味を持った私は県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の南方約4kmのところにある鍾乳洞・満奇洞(新見市豊永赤馬)に行ったついでにその様子を見てくることにした。
 新見市豊永赤馬/満奇洞入口交差点(信号機・交差点名標なし)から県道320号若代・方谷停車場線を5kmほど北上すると県道58号北房・川上線との合流点、すなわち県道58号北房・川上線との重用区間の起点となる新見市豊永赤馬/新見市・真庭市境西交差点(信号機・交差点名標なし)に到達する。そこから県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)を400mほど北上すると道路が二手に分かれる場所(新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点〔信号機・交差点名標なし〕)に差しかかる。県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)北房方面から進んできた場合、右の高度を上げていく道が県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)、左の高度を下げていく道が新見市道留倉・たかの巣線となっているのだが、右の高度を上げていく道には簡易なバリケードが設置され、通れないようになっていた(下の写真参照)。

 簡易なバリケードの手前にはいくつも看板があり、それらの看板から何らかの工事を行っているが故に通行止めになっていることがうかがえたのだが、バリケードの先の道を見ると何らかの工事を行っているどころか長期間放置されている様子がうかがえた(下の写真参照)。道は未舗装のように見えるのだが、長期間放置されたが故に土砂などが堆積し、そのように見えるようになったのかもしれない。

 無論バリケードの先の道を歩いてみるというようなことはせず、新見市道留倉・たかの巣線→県道442号豊永赤馬・長屋線→県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)を通って半永久封鎖区間の反対側、すなわち川上側の入口となる新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)へ向かった。県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間、すなわち新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)間の距離は約0.7kmだが新見市道留倉・たかの巣線と県道442号豊永赤馬・長屋線、県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)を経由した場合の新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)間(新見市豊永赤馬/留倉交差点〔信号機・交差点名標なし〕新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点〔信号機・交差点名標なし〕経由)の距離は約3.1kmとなり、4倍以上の距離を費やすことになる。もっとも、県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の迂回路は新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/留倉交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)間となることや県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の川上側入口となる新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)から1.2kmほど県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)を起点方向、すなわち真庭市北房地区方面に戻ったところにあること、そして県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の川上側入口となる新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)で接続するのは県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の迂回路にはなっていない阿新広域営農団地農道(通称:阿新広域農道)であることからこういう迂回をする方はまずいないことであろうが…。
 さて、半永久封鎖区間の川上側の入口となる新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)は東西方向に延びる県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)に南方から延びてきた阿新広域営農団地農道が接続するという丁字路になっている。無論現在は県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)新見市大佐地区方面と阿新広域営農団地農道高梁方面との往来しかできなくなっているわけであるが、では進めなくなっている県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)真庭市北房地区方面はどうなっているのか。その様子を撮ったのが下に掲載した写真である。

 上に掲載した写真から読み取れることを挙げると次の通りになる。
・簡易なバリケードが置かれている。
・看板は岡山県が設置した通行止めである旨が記されたものしかなく、通行止めにしている理由を記したものは設置されていない。
 岡山県が設置した通行止めである旨が記された看板の色褪せ具合が著しいことやクッションドラム・バリケード・矢印板の傷みが著しいこと(注17)、道の真ん中に高さが3〜4mほどに達した木が生えていること、そしてその先の道は草木が繁茂した広場のようにしか見えなくなっていたこと(下の写真参照)から封鎖措置がとられてからかなりの年数が経過したことを感じさせた。

 無論半永久封鎖区間の川上側入口から半永久封鎖区間に入るというようなこともしなかったのだが、現地で見た様子と現地周辺の地図から考えられる半永久封鎖区間の状況は次に記す通りである。
・道幅は狭い。
・安全施設は十分整備されていない。
・急な屈曲が1箇所ある。
 今挙げたことから円滑かつ安全に走行できる道路ではないことがうかがえるのではないかと思うのだがそれにしては謎だらけの半永久封鎖区間である。そこでここからは残されている謎を考えていきたいと思う。

1 いつから通行止めになっているのか

 まずは下に掲げた写真をご覧頂きたい。下に掲げた写真は新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)にある、新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/木原交差点(信号機・交差点名標なし)間が道路工事のために全面通行止めにしているので新見市道留倉・たかの巣線(判読しづらいのだが看板では新見市道留倉・鷹の巣線と記されている)→県道442号豊永赤馬・長屋線で迂回して下さいと記した看板(以降全面通行止め看板と記すものとする)を撮ったものである。

 この全面通行止め看板には注目すべき点が二つある。それを記すと次の通りになる。
・全面通行止めの期間。年月日はなぜか空欄になっている(元々記載しなかったのか、設置した時は記載していたが何らかの理由でなくなったかのどちらかが考えられるが真相は不明)のだが、年号は平成(使用期間:1989〜2019)を表す「H」が記されている。
・路線名称。看板に名称が記されている県道路線または市道路線で平成時代(1989〜2019)に発足したことが明らかなのは県道58号北房・川上線である(注18)。県道58号北房・川上線は1994年(平成6年)4月1日岡山県告示第250号で発足したのだが、そのことからすれば新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)間について道路工事のために全面通行止めにしたのは少なくとも1994年(平成6年)以降のことになる(注19)

全面通行止め看板に記されている北房・川上線の路線名称。
路線名称はシールで看板に貼り付ける格好をとっているがこれは他の路線も同じである。

 では新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)

2 なぜ通行止めにしているのか

3 なぜ通行止めは解除されないままになっているのか

4 なぜ道路交通情報サイトでは全く取り上げられていないのか

5 今後この半永久封鎖区間はどのようにするつもりなのか

(注釈コーナー)

注1:それが見られるのは広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の三原市高坂町許山〜三原市久井町坂井原間である。広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の三原市高坂町許山〜三原市久井町坂井原間は2015年(平成27年)7月15日午後6時から道路損壊を理由に通行止めになっているのだが、広島県の道路情報サイト「ひろしま道路ナビ(道路防災情報システム)」を見ると通行止め解除予定時期(現在は2025年〔令和7年〕12月下旬)は記しているもののこれまで何度もその時期が近付くと新たな通行止め解除予定時期に書き換えて通行止め解除を延期している。広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の三原市高坂町許山〜三原市久井町坂井原間は幅員が狭いことや軽自動車でも一度で通過できないような急な屈曲が何箇所かあること、災害に遭いやすいこと、人家・事業所がほとんどないこと、既に迂回路が確保されていること、不法投棄や死体遺棄の現場になる恐れがあることを考えれば通行止めを解除する必要性はないと言って良いのだが半永久封鎖状態にしているとはいえ供用状態が続いていることや通過自治体である三原市への移管作業に何らかの事情で滞りが見られることなどからこの状態が続いているのではないかと思われる。
なお、広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の三原市への移管作業であるが、広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間について最近県道であることを示す物件の撤去を行ったことや三原市は広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間について市道路線の認定を行っていること(本郷側…高坂町78号線/久井側…久井町坂井原93号線)からある程度進んでいることがうかがえる。このことから考えるとそう遠くない将来に広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道は区域から外されることになるのではないかと思われるのだが果たしてどうなるのだろうか。

注2:他の言い方としては通年通行止めや通年通行不能などがある。

注3:1970年代末期の時点ではまだ国道418号線は発足しておらず、国道418号線の半永久封鎖区間付近は岐阜県道69号恵那・川辺線(1966〜1983。路線名称は廃止時点のものを記している)になっていた。国道418号線が発足したのは1982年(昭和57年)4月1日のことである。

注4:静岡県道288号大嵐・佐久間線で通行可能になっているのは起点側が1.7kmほど、終点側が0.6kmほどとなっている(いずれも「Googleマップ」で測ったものである)。

注5:静岡県道288号大嵐・佐久間線と長野県道/愛知県道/静岡県道1号飯田・富山・佐久間線の接続方法は起点側と終点側で大きく異なっている。終点側では静岡県道288号大嵐・佐久間線は長野県道/愛知県道/静岡県道1号飯田・富山・佐久間線と静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間/佐久間ダム東交差点(信号機・交差点名標なし)で直接接続しているのだが、起点側では愛知県北設楽郡豊根村富山/鷹巣橋西詰交差点(信号機・交差点名標なし)で分岐する愛知県道426号/静岡県道287号津具・大嵐停車場線を介しないと接続できないようになっている(静岡県道288号大嵐・佐久間線の起点〔=愛知県道426号/静岡県道287号津具・大嵐停車場線の終点〕がJR飯田線大嵐駅〔静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家〕の西口駅前広場にあるため)。

注6:長野県道/愛知県道/静岡県道1号飯田・富山・佐久間線の異常気象時通行規制区間の起点は愛知県北設楽郡豊根村富山(長野・愛知県境)となっているのだが、長野県下伊那郡天龍村神原/(信号機・交差点名標なし)長野・愛知県境間は有用な迂回路または脱出路が存在しないため実質的な起点は長野県下伊那郡天龍村神原になっている。現に長野県下伊那郡天龍村神原の長野県道/愛知県道/静岡県道1号飯田・富山・佐久間線には愛知県が設置した異常気象時通行規制区間があることを知らせる標識がある。

注7:長野県道/愛知県道/静岡県道1号飯田・富山・佐久間線の異常気象時における通行止めの条件は愛知県と静岡県(浜松市)で大きく異なっている。愛知県側では時間雨量20mm以上または連続雨量100mm以上になった場合通行止めにするのに対して静岡県(浜松市)側は連続雨量150mm以上になった場合通行止めにすることにしている。愛知県側と静岡県(浜松市)側で条件を統一しなかったのは通過しているところの地形が異なることや佐久間ダムとの往来ができるように基準を緩和していることが考えられる。
※静岡県(浜松市)と書いたのは2007年(平成19年)4月1日に浜松市は政令指定都市に移行し、それまで静岡県が管理していた国道路線・主要地方道路線・一般県道路線を浜松市が管理するようになったためである。

注8:鳥取県道/兵庫県道103号若桜・湯村温泉線は3箇所も自動車通行不能区間を有する路線である。本文で触れた鳥取県八頭郡若桜町諸鹿(諸鹿渓谷の北方の斜面)以外には鳥取県八頭郡若桜町諸鹿(広留野高原〔鳥取県八頭郡若桜町諸鹿〕の北側から兵庫・鳥取県境の少し南側までの部分)と兵庫県美方郡新温泉町岸田〜兵庫県美方郡新温泉町中辻間で自動車の通行が不可能になっている。このため最初の車道端点を第一車道端点と表記したものである。

注9:島根県内の国道488号線の異常気象時通行規制区間の終点は島根・広島県境であるが、広島県側も異常気象時通行規制区間に指定しているため廿日市市吉和/中津谷交差点(信号機・交差点名標なし)まで異常気象時通行規制区間が続く格好になっている。但し広島県の通行止め要件は時間雨量が30mm以上になった時または日雨量が100mm以上になった時としており、島根県側とは若干条件が変わっている。

注6:撮影時期は特定できないのだがあるブログの記事で鳥取県道/兵庫県道103号若桜・湯村温泉線の第一車道端点の写真が公開されている。そのブログの運営者は屏風岩を背景として自分の愛車を撮った写真も同じ記事で公開していることから自分の自動車で半永久封鎖区間に入ったのではないかと考えられる。

注7:ここでは国道路線・都道府県道路線を指す。

注8:寸断状態にあった国道路線が並行する市区町村道や林道を区域に編入して寸断状態を解消した事例を挙げると次の通りになる。
・国道299号線の群馬県多野郡上野村楢原。
・国道309号線の奈良県吉野郡上北山村西原〜奈良県吉野郡天川村北角間。
・国道482号線の兵庫県美方郡香美町小代区秋岡〜兵庫県美方郡香美町小代区新屋(兵庫・鳥取県境)間。
一方で寸断箇所に並行する市区町村道や林道があるのに区域編入への動きが起きていないところも多数あるのだが、いかなる理由で並行する市区町村道や林道を区域に編入するか否かを決めているのだろうか。その点が気になるところである。

注9:最高地点の標高が約1,010mになること(ちなみに国道488号線の最高地点の標高は約960m)や廿日市側の入口は国道488号線の冬期閉鎖区間の中にあるため積雪期は通り抜けできないことが挙げられる。

注10:2020年(令和2年)12月6日に邑南側の半永久封鎖区間入口に赴いた時は下に掲載した写真で見られるように遮断桿は上げられていて、簡易なバリケードで封鎖してあった。

なお、高宮側の半永久封鎖区間入口についてはその時は行っていない。

注11:島根県道/広島県道109号邑南・高宮線は途中で7回島根・広島県境を跨ぐという稀有な路線である。このため島根県に属していても広島県が管理する区間や反対に広島県に属していても島根県が管理する区間が存在する。なお、島根県と広島県の管理境は下り方向に進んだ場合4回目の県境越えとなる場所に架かっている両国橋(全長:17.4m)を渡ってから1.3kmほど高宮方面に進んだところにある(「Googleストリートビュー」を見るとそこには管理者が変わることを示した標識が設置されている。但しその標識に記されている路線名称は前身の瑞穂・高宮線〔1996〜2006〕となっている)。

注12:その当時の写真は下に掲載したものである(左:下郷側/右:惣田側)。

 

なお、惣田側の簡易バリケードが置かれていたところは半永久封鎖区間の惣田側入口から300mほど東進したところにある。半永久封鎖区間の惣田側入口のそばには中国電力田原ダム管理所(高梁市備中町平川)があることやそこには十分な機回し場があることを考えるとなぜ中国電力田原ダム管理所のはるか手前にバリケードを設置したのか疑問に思うのだが、真相はいかなるものなのだろうか。

注13:そのことは夢幻走女まさこさんが昨年9月9日に「YouTube」に投稿した動画(それはこちら)で確認できる。その動画ではセミの鳴き声が聞こえることから撮影したのは昨年8月頃のことではないかと考えられる。

注14:高梁市備中町平川/惣田交差点(信号機・交差点名標なし)付近の「Googleストリートビュー」を見ると昨年11月時点では大型車の通行が困難であることと最小幅員が2.5mであることを記した標識はまだあったことがうかがえる。落石により岡山県道437号下郷・惣田線が全面通行止めになっている旨を記した看板が新調されているのでその際に撤去されたのではないかと思われる。

高梁市備中町平川/惣田交差点(信号機・交差点名標なし)の脇にある標識・看板の現状。
標識の撤去・看板の新調を経ても「平川→」と書かれた小さな案内標識(写真中央)は残されており、ちぐはぐ感は否めない。
復旧させる考えがないのなら「平川→」と書かれた小さな案内標識も撤去したほうが良いように思うのだが…。

注15:岡山県道437号下郷・惣田線の考えられる今後を挙げると次の通りになる。
・現状のまま維持する。
・復旧させて再度通行できるようにする。
・県道路線の認定を解除して通過自治体の高梁市に移管する。
・県道路線の認定は解除しないで通過自治体の高梁市に移管する。
・半永久封鎖区間について供用廃止措置をとる。
今掲げた事柄で可能性が最も高いのは現状のまま維持することだと私は思うのだが果たしてどうなるのだろうか。

注16:中国地方にある半永久封鎖区間の異常気象時における通行止めの要件は下表の通りである。

都道府県名 路線名称 通行止め要件 備考
鳥取県 県道103号若桜・湯村温泉線 ・時間雨量が40mm以上になった時
・連続雨量が200mm以上になった時
・積雪深1.5m以上で雪崩注意報が発令された時
異常気象時通行規制区間は半永久封鎖区間の手前の部分(延長:5.0km)にかけられているものであるが迂回路が存在しないため半永久封鎖区間も異常気象時通行規制の対象に含められていると見なすことができる。
島根県 国道488号線 ・時間雨量が30mm以上になった時
・連続雨量が100mm以上になった時
規制区間終点は島根・広島県境であるが、広島県側にも同様の通行止め要件が定められている(広島県は連続雨量は日雨量として要件を定めている)。
また、異常気象時通行規制区間は冬期閉鎖区間にもなっている。
島根県/
広島県
県道109号邑南・高宮線 ・時間雨量が20mm以上になった時
・連続雨量が80mm以上になった時
広島県を通過しているが島根県が管理しているため島根県の通行止め要件が適用されている。
異常気象時通行規制区間の終点がある大所集落は邑南町道を通って島根県邑智郡邑南町の他の地域と往来ができるようになっている。
岡山県 県道437号下郷・惣田線 ・時間雨量が30mm以上になった時
・連続雨量が100mm以上になった時

注17:県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間の川上側入口となる新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)に置かれているクッションドラムの損傷状況は下の写真の通りである。

注18:新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)にある、新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/赤馬大橋南交差点(信号機・交差点名標なし)が道路工事のために全面通行止めにしているので新見市道留倉・たかの巣線→県道442号豊永赤馬・長屋線で迂回して下さいと記した看板に記されている県道58号北房・川上線以外の発足時期は次の通りである。
・県道442号豊永赤馬・長屋線…1974年(昭和49年)2月26日(1974年〔昭和49年〕2月26日岡山県告示第212号による)
・新見市道留倉・たかの巣線…不明

注19:県道58号北房・川上線(県道320号若代・方谷停車場線重用)の半永久封鎖区間付近の1960年(昭和35年)3月18日、すなわち岡山県で現行道路法に基づく一般県道路線の認定が実施された時からの路線履歴は下表の通りになっている。

※下表の路線名称は廃止時点または現在のものを記している。

期間 路線名称 備考
1960年(昭和35年)3月18日〜
1979年(昭和54年)1月5日
県道157号北房・大佐線/
県道320号若代・方谷停車場線
1976年(昭和51年)4月1日建設省告示第694号で県道157号北房・大佐線(1960〜1979)は全区間が主要地方道北房・新庄線(1979〜1994)に再編されることになったため1979年(昭和54年)1月5日岡山県告示第9号により廃止された。
1979年(昭和54年)1月5日〜
1994年(平成6年)4月1日
県道58号北房・新庄線/
県道320号若代・方谷停車場線
1993年(平成5年)5月11日建設省告示第1,270号で県道58号北房・新庄線は全区間が主要地方道北房・川上線に再編されることになったため1994年(平成6年)4月1日岡山県告示第251号により廃止された。
1994年(平成6年)4月1日〜
県道58号北房・川上線/
県道320号若代・方谷停車場線

上表から新見市豊永赤馬/鷹の巣交差点(信号機・交差点名標なし)新見市豊永赤馬/川筋大橋北交差点(信号機・交差点名標なし)間の通行止めが始まったのは少なくとも県道58号北房・川上線が発足した1994年(平成6年)4月1日以降であることがうかがえる。