トップページ>ニュースダイアリー>ニュースダイアリー・2023年(令和5年)分>ニュースダイアリー・2023年(令和5年)9月分
ニュースダイアリー・2023年(令和5年)9月分
←2023年(令和5年)8月分|2023年(令和5年)10月分→
9月30日(土曜日)… 件
分野 | 関係 都道府県名 |
出来事 | 概要 |
---|---|---|---|
ラジオ | 宮城県 | エフエムわたりが放送を休止する。 | 宮城県南部の太平洋沿岸にある亘理郡亘理町を主たる放送区域としていたコミュニティ放送局・エフエムわたり(愛称:FMあおぞら。亘理郡亘理町吉田。周波数:79.2MHz)が本日午後1時をもって放送を休止した(注301)。 エフエムわたりは東北地方太平洋沖地震(東日本大震災。2011年〔平成23年〕3月11日)の際に設置された臨時災害放送局を前身とし(注302)、2018年(平成30年)11月27日に宮城県13番目のコミュニティ放送局として開局した。いわゆるきらら方式(注303)を採用しており、放送休止時点で放送時間は月曜日〜金曜日は午前10時〜午後5時、土曜日・日曜日は午前10時〜午後4時となっていた。 放送休止は今年9月22日に公表されたものであるが、放送休止8日前に公表したことや理由を明らかにしていないこと、監督官庁である総務省東北総合通信局(仙台市青葉区本町三丁目)の公式サイト(それはこちら)を見てもエフエムわたりの運用休止に関する報道発表資料は一切ないこと(注304)が気になる。放送時間が短縮傾向にあったこと(注305)を考えると経営が厳しくなったことが背景にあるのだろうかと思いたくなるのだがいかなる事情があるにせよ早急に態勢を立て直して放送再開に漕ぎ着けることを願わずにはいられないところである。 (出典) ・エフエムわたり公式サイト |
(注釈コーナー)
注301:エフエムわたり公式サイトでは9月30日午前11時〜午後1時に特別番組「また逢う日まで」を放送することやその「また逢う日まで」が放送休止前最後の番組であることが記されており、そのことから9月30日午後1時で放送を終了したものと判断したものである。
注302:但し亘理郡亘理町における臨時災害放送局は2016年(平成28年)3月24日をもって放送を終了しており、臨時災害放送局がそのままエフエムわたりに移行したわけではない。
注303:宇部市を主たる放送区域としているコミュニティ放送局・エフエムきらら(宇部市新天町一丁目)が実践しているコミュニティ放送局の運営方法を指す言葉。特色を挙げると次の通りになる。
・全ての番組は生放送とする。
・全ての番組は自社制作とする。
・曲をかけた後に必ず企業などの宣伝を流す。
・個人・法人の会員クラブを結成する。
・宣伝料金を格安に設定する。
・深夜・早朝は放送を休止する。
注304:宮城県では2007年(平成19年)1月に仙台市民放送(愛称:FMじょんぱ。仙台市宮城野区原町三丁目。1999〜2007)が放送を休止したこと(結局放送再開に漕ぎ着けられずに廃業している)があったのだが、その時は総務省東北総合通信局は仙台市民放送から運用休止届が出され、それを受理したことをきちんと伝えている(当時の報道発表資料はこちら)。放送局が諸事情により1ヶ月以上放送を休止する時は総務大臣に届け出なければならないことは電波法第16条第2項に規定されていることを考えるとエフエムわたりは運用休止をきちんと総務大臣に届け出たはずなのだが、なぜ総務省東北総合通信局はきちんとそのことを報道しなかったのだろうか。
注305:「放送休止時点のエフエムわたりの放送時間は月曜日〜金曜日は午前10時〜午後5時、土曜日・日曜日は午前10時〜午後4時となっていた」と記しているが、今年6月までは月曜日〜金曜日は午前9時〜午後5時、土曜日・日曜日は午前9時〜午後4時となっていた。但しエフエムわたり公式サイトで公開されている今年4〜6月の番組表(それはこちら〔PDF文書〕)を見ると今年4〜6月についてはどの曜日も午前9時台に放送される番組については休止すると記されており、実質的には今年4月から放送時間は月曜日〜金曜日は午前10時〜午後5時、土曜日・日曜日は午前10時〜午後4時となっていたのではないかと思われる。