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今年期待されること・今年注目したいこと(2016年〔平成28年〕1月3日公開)

 新年の夜(現在は元日の夜を指すが、大晦日〔おおみそか〕の夜を指す説や1月2日の夜を指す説があり、定説はない)に見る夢を初夢といい、「一富士二鷹三茄子(なすび)」というように富士山や鷹、ナスの夢(どんな夢なのだろうか…?)を見ると縁起が良いとされているようですが、そこで今回の「不定期刊・きょうのトピックス」では今年中国地方で期待されることや今年注目したいことを本サイトが対象とする分野について書いてみることに致しました。どうぞご覧下さい。

今年中に開通する可能性のある中国地方を通る道路

※ここで取り上げる道路は2015〜2016年度(平成27〜28年度)に開通する可能性がある中国地方を通る道路(取り上げないものもありますがご了承願います)を国土交通省公式サイトの道路開通情報などを参考に紹介しております。また、開通が2017年(平成29年)になると思われる路線は取り上げておりません。

県名 路線名称 開通予定時期 備考
鳥取県 国道178号線
岩美道路
2016年
(平成28年)
地域高規格道路に指定されている鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道ともいう)の一部を構成する道路で、岩美郡岩美町陸上(くがみ)〜岩美郡岩美町浦富(うらどめ)間に計画されている道路である。2016年(平成28年)春に開通する予定なのは浦富インターチェンジ(岩美郡岩美町浦富)〜岩美インターチェンジ(岩美郡岩美町浦富)間である。岩美インターチェンジでは2014年(平成26年)3月22日に開通した国道9号線駟馳山(しちやま)バイパスと直接接続することになっており、国道178号線岩美道路→国道9号線駟馳山バイパス→国道9号線鳥取バイパスと連続して走ることによって鳥取市中心部と岩美郡岩美町中心部の往来が更に楽になる。なお、岩美道路の全線開通は2010年代末期の予定となっている。
都市計画道路
滝山・桜谷線
2016年
(平成28年)
鳥取市滝山と鳥取市桜谷を結ぶ道路で、全線が鳥取県道247号卯垣(ぼうがき)・正蓮寺線に指定されている。今年春開通する予定なのはそのうちの鳥取市滝山〜鳥取市岩倉間で、途中には滝山トンネル(全長:311m)がある。鳥取県道247号卯垣・正蓮寺線は鳥取県道43号鳥取・福部線と国道29号線を鳥取市中心部を通らずに結ぶ路線であり、全線開通すると鳥取市南東部の環状道路的役割を有するようになる。案内さえ充実すれば鳥取自動車道・山陰自動車道鳥取インターチェンジ(鳥取市本高)と岩美郡岩美町中心部・鳥取砂丘・浦富海岸を結ぶ新たな経路になり、鳥取市中心部の混雑が緩和されることになることが期待されている。
島根県 国道9号線
浜田・三隅道路
(山陰自動車道)
2016年度
(平成28年度)
浜田市原井町〜浜田市三隅町三隅間に計画されているバイパスで、そのうちの西村インターチェンジ(浜田市西村町)〜石見三隅インターチェンジ(浜田市三隅町三隅)間が開通することになっている。これにより国道9号線浜田・三隅道路は全線開通することになり、有料区間と無料区間が混在することにはなるが江津市中心部と浜田市三隅地区中心部が自動車専用道路で結ばれることになる。なお、石見三隅インターチェンジ以西は国道9号線三隅・益田道路という自動車専用道路が計画されているが、昨年11月21日に起工式が行われたばかりであり、開通は早くても2020年代前半になるものと思われる。
岡山県 倉敷大橋 2016年
(平成28年)
1月24日
倉敷市西阿知町〜倉敷市水江間の高梁川に架かる橋で、全長は512m。井原市・小田郡矢掛町方面から倉敷市中心部に入る場合、これまでは新川辺橋(国道486号線。全長:459m)か船穂(ふなお)橋(岡山県道60号倉敷・笠岡線。全長:552m)のどちらかを渡るしかなく、混雑が常態化していたがこの倉敷大橋の開通により岡山県道281号大曲・船穂線→岡山県道470号柳井原・上二万線→岡山県道279号下原・船穂線→倉敷大橋を通って倉敷市中心部に入る経路が有用になる(注1)。一方で倉敷大橋のそばにあった水江の渡しは今春をもって廃止されることになり、高梁川の風情がまた一つ失われることになる。今後の課題としては岡山県道279号下原・船穂線の倉敷市船穂町柳井原に残る狭隘箇所の解消や倉敷大橋が含まれる都市計画道路高砂町・中島・柳井原線の倉敷市西阿知町以南の建設が挙げられよう。
岡山県道471号南浦・金光線 2016年
(平成28年)
岡山県道471号南浦(なんぽ)・金光線は本来は倉敷市玉島黒崎字南浦と浅口市金光町佐方を結ぶ路線であるが、なぜか浅口市金光町大谷〜浅口市鴨方町六条院東間の国道2号線玉島・笠岡道路の側道も岡山県道471号南浦・金光線に編入されている。今回開通する予定なのは浅口市金光町大谷〜浅口市金光町佐方間であり、岡山県道430号玉島黒崎・金光線と岡山県道471号南浦・金光線を結ぶ道路が開通することになる。今回の開通予定区間は浅口市金光町内で収まるため県道471号南浦・金光線の支線として位置付けられることであろうが、問題は浅口市金光町佐方〜浅口市鴨方町六条院東間が開通した時である。浅口市金光町佐方〜浅口市鴨方町六条院東間についても岡山県道471号南浦・金光線にするには無理が生じるからであるが、果たして岡山県はどのようにこの問題を解決させるのだろうか。私としては新規に県道路線を認定したほうが良いと考えているのだが…(注2)
国道180号線
総社・一宮バイパス
2016年
(平成28年)
岡山市北区楢津〜総社市井尻野間に計画されているバイパスで、現道重用部分の全区間(岡山市北区門前〜総社市窪木)と総社地区の一部区間(総社市窪木〜総社市総社間)がこれまでに開通しているが、今回は一宮地区(岡山市北区楢津〜岡山市北区門前間)の一部区間、すなわち岡山市北区楢津〜岡山市北区一宮山崎間が開通することになっている。開通区間の終点では県道路線との接続はないため地域住民の生活道路としての利用しか見込めないのでは…と見る向きもあるようであるが、開通区間の終点の少し先には山陽自動車道吉備サービスエリア・吉備スマートインターチェンジ(岡山市北区今岡)があり、山陽自動車道吉備スマートインターチェンジへのアクセス改善を念頭に置いた可能性が考えられる。せめて岡山空港(岡山市北区日応寺)に通じる岡山県道61号妹尾・御津線に接続するところ(岡山市北区福谷)まで開通すれば有用な道にはなるがその時期がいつになるかは今のところはっきりしていない。
国道374号線
湯郷・勝央道路
2016年
(平成28年)
地域高規格道路に指定されている美作(みまさか)・岡山道路の一部を構成する道路で、勝央ジャンクション(美作市上相〔かみや〕)〜勝央インターチェンジ(勝田郡勝央町黒土)間が開通し、中国自動車道と接続することになっている。既に勝央インターチェンジ〜湯郷温泉インターチェンジ(美作市位田)間は開通しているので京阪神地方から美作三湯(注3)の一つとして知られる湯郷温泉(美作市湯郷)に行きやすくなるように思う方がいるかもしれないが実は湯郷温泉インターチェンジは湯郷温泉から南西に少し離れたところにあり、どれくらいの利用があるか疑問が残る(注4)。もっと有用な道になるには湯郷温泉インターチェンジ以南への延伸が望まれるが今のところそのメドは立っていない。
岡山県道/広島県道9号
芳井・油木線
天神峡バイパス
2016年度
(平成28年度)
岡山県道/広島県道9号芳井・油木線の井原市芳井地区の景勝地・天神峡付近にある狭隘箇所を解消すべく井原市芳井町吉井〜井原市芳井町川相間に建設されたバイパスで、途中には天神峡トンネル(全長:907m)がある。岡山県道/広島県道9号芳井・油木線の沿線にはJFEミネラル芳井鉱業所(井原市芳井町上鴫)があり、そことJFE西日本製鉄所(倉敷市水島川崎通一丁目〔倉敷地区〕/福山市鋼管町〔福山地区〕)を往復するダンプカーが頻繁に往来するため天神峡では安心して水遊びや釣り、紅葉狩りが楽しめないという問題があったが、このバイパスが開通するとダンプカーがバイパスを通るようになるため安心して水遊びや釣り、紅葉狩りが楽しめるようになる。ただ、天神峡トンネルには岡山県道/広島県道9号芳井・油木線沿線住民の署名活動も空しく歩道は設置されないことになったため岡山県道/広島県道9号芳井・油木線沿線に住む子供達の通学には不安が残ることになる。
広島県 広島県道54号福山・尾道線
三成バイパス
2016年度
(平成28年度)
尾道市美ノ郷町三成の藤井川右岸に建設されたバイパス。広島県道54号福山・尾道線は一応全線が上下2車線化されているのだが道路規格が低いことや終点の尾道市美ノ郷町三成/福山分かれ交差点で渋滞が頻発していたことから企図された。バイパスの沿線には数軒の旅館があり、日帰り入浴もできる養老温泉(尾道市美ノ郷町三成)がある他なぜか今まで尾道市に進出していなかったスーパーマーケット・ニチエー(福山市南松永町二丁目)が養老温泉の近くに進出することも決まっており、注目の道になる可能性を秘めている。

今年期待されること・今年注目したいこと

1 今年注目したい地方自治体の選挙

 今年は7月に参議院議員選挙が実施される。安倍晋三総理の方針に審判を下す選挙の一つとなるだけにその結果が注目されるところであるが、中国地方でも注目したい地方自治体の選挙がある。それは広島県安芸郡府中町(以後府中町と記載するものとする)の町長選挙(5月実施予定)と町議会議員選挙(9月実施予定)、福山市の市長選挙(8月実施予定)と市議会議員選挙(4月実施予定)、そして岡山県知事選挙(10月実施予定)である。それぞれについて注目したい点を記すことにしたい。
 まず、府中町は2010年(平成22年)暮れ以降浮上している市制施行問題が焦点の一つになるのではないかと考えている。自動車製造会社・マツダ(広島県安芸郡府中町新地)の本社があるために財政力が高く、広島市との合併には拒否を貫いている府中町は1990年(平成2年)以降人口は5万人を超えているが、市制施行を目指す動きはこれまで全くというほど起きていなかった。ようやく市制施行を目指す動きが起きたのは2010年(平成22年)暮れのことだったのだが、地元紙・中国新聞の報道では町長は市制施行に向けて準備を進めていると何度か発言しているものの目立った動きは見られず、遂に運命の分かれ目になる2015年(平成27年)10月1日、すなわち最新の国勢調査が実施された日を迎えてしまった。まだ速報値も確定値も出ていないのだが、もし府中町の人口が5万人の大台を割ってしまった場合市制施行はご破算になるし、市制施行を推進してきた町長などの責任が大きく問われるのは間違いないであろう。
 そもそも府中町は本当に市制施行したいのか、私はずっと府中町の態度を疑っている。こちらで書いたように積極的に話を進められない状況にあることは理解できるのだが、(あまり印象の良いことではないのだが)なぜそこで「私どもは市制施行したいのです。理解して下さらないなら広島県や広島市の提案してきたことには一切協力しません」などと強硬的な態度をとらないのだろうか。なぜ広島県が定めている「市としての要件に関する条例」(1948年〔昭和23年〕3月31日条例第28号)に定められている「学校教育法(1947年〔昭和22年〕3月31日法律第26号)に規定する高等学校若しくはこれに準ずる学校又は中等教育学校が、三以上設けられていること」(一部改変して記載)という要件に(俗な言葉を書くが)ツッコミを入れないのだろうか(注5)更に人口5万人台維持に向けて何の行動も起こしていないのも気になる。こちらで書いたように府中町は開発できるところは全て開発され尽くした感があるし、少子・高齢化が進展していることを考えれば昨年10月1日実施の国勢調査の結果が5万人の大台を割っても何の不思議もないわけであるが、これほどやる気のない市制施行問題は私は見たことがない。私はいずれ府中町―他の安芸郡に属する自治体、すなわち海田町・熊野町・坂町もだが―は何らかの重大な選択を迫られる時が来ると見ているのだが、国勢調査の結果と併せてその動向は今後も注目していきたいと思っている。
 次に福山市はいろいろ課題はあるのだが、特に注目しているのが市内の市立小学校・中学校の再編計画である。昨年8月に発表されたその計画の概要は下表の通りである。

種類 対象校名と
所在地
統合先 備考
小学校 内浦(内海町) 千年(沼隈町草深)
内海(内海町)
服部(駅家町助元) 駅家東(駅家町法成寺) 駅家東小学校の児童と服部(はっとり)小学校の児童は原則として同じ中学校、すなわち駅家中学校(駅家町法成寺)に進学する。
東村(東村町) 今津(今津町) 今津小学校の児童(高西町の全域と南今津町の一部地域に住んでいる方を除く(注6))と東村小学校の児童は原則として同じ中学校、すなわち大成館中学校(神村〔かむら〕町)に進学する。
広瀬(加茂町北山) 加茂(加茂町中野) 2002年(平成14年)から休校中の山野北小学校(山野町山野)については言及はないが、統合実施時点で正式に廃校になる可能性が高い。
山野(山野町山野)
中学校 内海(内海町) 千年(沼隈町草深)
広瀬(加茂町北山) 加茂(加茂町下加茂)
山野(山野町山野)

 もし上表の再編計画が実行された場合、再編計画が実行された場合、旧沼隈郡内海(うつみ)町(現在の福山市内海町)からは学校が全てなくなることになり、旧深安郡加茂町(現在の福山市加茂町及び山野町)の全域を学区とする小学校・中学校が発足することになる。地域社会の破壊に繋がるとか遠距離通学を余儀なくされるなどということで対象となった学校のある地域では反対運動が起きており、今のところ正式に廃校が決まったところはないのだが、その矢先に市議会議員選挙と市長選挙が控えているのである。関係のない方にとってはどうでも良いことに映るかもしれないことではあるのだが、実は市長選挙の結果で流れが変わったところがある。それは福山市に次いで中国地方で人口の多い都市である下関市である。
 下関市は1980年代中期以降主力産業(造船業・漁業)の低迷や若年者を中心とした人口流出、過疎化、福岡・北九州方面へのストロー効果の激化などにより中国地方の人口上位5都市では初めて人口が減少に転じ、現在に至るまでその傾向には歯止めがかかっていない。そこで2008年(平成20年)3月、市域全体を対象とした市立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する答申を公表したのだが、住民からの反発が強く、翌2009年(平成21年)3月に市長が交代する一因となった。市長が交代したのでこの再編計画には待ったがかかる格好になった(注7)のだが、私はこのことから福山市でも同じような動きが起きるのではないかと考えているところである。まあ対象になった学校のある地域に住んでいる方はそんなに多いわけではないし、市民全体の関心事にはなっていないわけであるが、地域社会や児童・生徒の幸福を考えるならもう少し市民が関心を持って頂きたい問題だと私は考えている。福山市だっていつまでも人口が増加し続けるわけではないし、岡山市や尾道市、呉市では中心部の学校も統廃合の対象になったと聞く。福山市がいつ下関市のように市域全体を対象とした市立小学校・中学校再編案を示してくるか分かったものではない。福山市は選挙の投票率が低い傾向があるし、何にしても市域全体の問題になり得ていないという問題はあるが、今のやり方がおかしいと思うのなら選挙に行って自分の考えに合う人に一票を投じて頂きたいものだと思っている。
 最後に岡山県であるが、やはり課題は1990年代中期以降の財政難である。この財政難の影響を強く受けたものの一つが県道路線である。何と今年11月15日で県道路線の新規認定が途絶えて20年になるのである。その県道路線、すなわち岡山県道703号備前・柵原(やはなら)自転車道線の認定議案が岡山県議会に提出されたのは長野士郎(1917〜2006。知事在任期間:1972〜1996)が知事だった1996年(平成8年)2月のことだったからその後の石井正弘知事(知事在任期間:1996〜2012)→伊原木隆太知事(知事在任期間:2012〜)は全く県道路線認定議案を岡山県議会に提出してないことになる。この間県道路線になってもおかしくない道はいくつもあったのに…と思いたくなるのだが、岡山県は反対に県道路線の再編(市町村への移管による廃止)には一切手を出していないから致し方のないことなのかもしれない(お断りしておくが私は都道府県道路線の廃止を声高に叫ぶ考えは一切ない。自身の考えに合わないし、沿線住民の感情を害する恐れがあるからである)。
 岡山県には更に次に挙げるような問題もある。
・岡山市や倉敷市への一極集中が進んでいること。
・南北格差が著しくなっていること。
・全国学力テストの成績が低迷していること。
・(以前こちらで指摘したことがあるのだが)岡山県警察本部(岡山市北区内山下二丁目)に消極的な態度が目立つこと。
 岡山県は地理的に広島県より恵まれているのでもう少し発展する余地はあると考えているのだが、財政事情の厳しい中でも「大阪や神戸、広島には負けないぞ」という気概を持ち、積極的に動いているという印象を与える方が知事に就いて頂きたいと思っている(無論無駄遣いは認められるべきではないが)。そうすることで財政難も解消され、もっと発展するのではないかと思うのだがどうであろうか。

2 宙に浮いた県道路線の今後はどうなるのか

 今年暮れに発足40周年を迎える県道路線の一つに鳥取県道303号大高下・口波多線がある。口波多は鳥取県八頭郡智頭(ちづ)町の大字であることは分かるのだが大高下は鳥取県にある地名ではない。それがあるのは津山市阿波(あば)である。つまり、この鳥取県道303号大高下・口波多線は津山市阿波字大高下と鳥取県八頭郡智頭町口波多を結ぶ路線という意味があるのである(もっとも終点は地図によると鳥取県八頭郡智頭町口宇波になるのだが)。つまり、本来なら岡山県と鳥取県を結ぶ路線になり、岡山県側にも何らかの痕跡があってしかるべき路線になっているはずなのである。
 ところが、岡山県の資料を見ても大高下・口波多線なる県道路線はどこにも記載されていないのである。かつて岡山県公式サイトの「マルチメディア目安箱」(現在は〔知事が代わったこともあるのだろうが〕「県政への提言」に改称しているが投稿数は少ないし投稿の概要を公開するのも遅くなっている。やる気があるのだろうか)に認定を求める投稿がなされたことがあるのだが岡山県は「詳細は知らないが鳥取県が認定した路線であり、岡山県としては認定する気はない」というような回答で済ませている。なぜ鳥取県が岡山県に繋がる県道路線を認定したのに岡山県は認めようとしないのか。それは津山市阿波と鳥取県を結ぶ県道路線はいずれも鳥取・岡山県境の手前で途切れていることが大きいように思われる。
 津山市阿波を通る県道路線―無論岡山県が存在を認めているものに限るが―は下表の通りである。

路線名称 認定年月日 概要
岡山県道/鳥取県道117号鱒返・余戸線 1976年(昭和51年)12月28日
鳥取県告示第1,043号
津山市阿波と鳥取市佐治町余戸を結ぶ路線。津山市阿波で岡山県道/鳥取県道県道118号加茂・用瀬(もちがせ)線から分岐し、鳥取市佐治町余戸で国道482号線に合流する。県境付近(津山市阿波〜鳥取市佐治町余戸間)で途切れており、車両による通り抜けはできない。なお、この路線は「ますがえり・よどせん」と読む。
1976年(昭和51年)7月13日
岡山県告示第551号
岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線 1960年(昭和35年)3月18日
鳥取県告示第109号
津山市加茂町河井と鳥取市用瀬町安蔵(あぞう)を結ぶ路線。津山市加茂町河井で岡山県道/鳥取県道6号津山・智頭・八東線から分岐し、鳥取市用瀬町安蔵で国道53号線(国道373号線重用)に合流する。県境付近(津山市阿波〜鳥取市用瀬町江波間)で途切れており、車両による通り抜けはできない。津山市阿波からは岡山県道/鳥取県道6号津山・智頭・八東線を介してJR因美線美作河井駅(津山市加茂町山下)や津山市中心部、岡山市に行くことができるため津山市阿波の重要な幹線道路になっている。
1960年(昭和35年)3月18日
岡山県告示第335号

 鳥取県道303号大高下・口波多線は実は鳥取県側での認定は岡山県道/鳥取県道117号鱒返・余戸線と同じ1976年(昭和51年)12月28日鳥取県告示第1,043号なのだが、たださえ岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線が県境付近で途切れているというのに更に二つも県境付近が途切れている県道路線を認定してくれと言われたらどんな気持ちを抱くだろうか。しかも津山市阿波から鳥取県八頭郡智頭町中心部に向かうには未改良箇所や冬期閉鎖箇所こそあるが既に岡山県道6号/鳥取県道11号津山・加茂・智頭線(1954〜1979)(注8)があり、そんな県道路線を認定するくらいなら主要地方道に指定されている岡山県道6号/鳥取県道11号津山・加茂・智頭線や鳥取市への最短経路となる岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線を整備したほうが良いだろうという考えに傾くことは想像に難くない。そういうことから岡山県としては大高下・口波多線の認定を拒むという方針をとることになったものと思われる(前記の「マルチメディア目安箱」に大高下・口波多線の件が投稿されたのは2003年〔平成15年〕12月のことであるが、鳥取県での路線認定から27年経過していることを考えると大高下・口波多線の顛末〔てんまつ〕を知っている岡山県職員は既に退職している可能性が高い)。ただ、残念ながらそれから40年近く経った今日になっても岡山県道6号/鳥取県道11号津山・加茂・智頭線改め岡山県道/鳥取県道6号津山・智頭・八東線の整備も岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線の整備も進まなかったのだが…。
 中には大高下・口波多線は存在意義はなくなったも同然だから廃止して八頭郡智頭町に移管すれば良いのではないかという声もあるのだが、私はそのような考えは持たない。むしろ今こそその存在意義を考え、生かせる路線に変えていく必要があるのではないかと考えている。というのも、津山市阿波地区の活性化が津山市にとって大きな課題になろうとしているからである。苫田郡阿波村(1889〜2005(注9))が津山市に編入され、津山市阿波になったのは2005年(平成17年)2月28日のことであるが、それからの10年間で人口は更に減り、幼稚園は休園し、小学校は廃校になった(注10)というのである。津山市阿波は自然が豊かな村であり、見どころも多数あるのだがいかんせん交通の便が悪いのが問題である。そこで大高下・口波多線と岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線を整備し、鳥取市や鳥取自動車道智頭インターチェンジ(鳥取県八頭郡智頭町市瀬)からも楽に行けるようにしてはどうかと考えるのである。無論この考え方に対しては「落合渓谷(津山市阿波)などの自然景観をどのように保護するのか」とか「鳥取県も岡山県も財政事情が厳しいのに費用対効果が見込めないようなことを考えて何になるのか」とか「大高下・口波多線の鳥取・岡山県境付近は岡山県道/鳥取県道6号津山・智頭・八東線の鳥取・岡山県境(物見峠)より高いところを通ることになるので積雪期は通行止めにせざるを得なくなると思うのだが…」とか「津山市阿波地区が単なる通過地になったり鳥取市へのストロー効果が激化したり犯罪被害が増えたりするなどしてかえって好ましくないことが多くもたらされるのではないか」とか「津山市と鳥取市を結ぶ道としては国道53号線があるのだからもう要らないだろう」といった意見があるのだが、私が着目したのは大高下・口波多線の鳥取県側の線形が良いことと岡山県側に鳥取県側の車道端点(鳥取県八頭郡智頭町波多)に向かって延びていく林道があること(無論県境の手前で途切れている)である。これらの道を生かして大高下・口波多線を完成させることはできないだろうか。無理に上下2車線の道で整備する必要もないし、観光客が少なくなる積雪期は閉鎖すれば良い。こういう発想で整備されている道は他にもいくつもある(注11)のだが、もう少し柔軟な考えを持ってこの問題に取り組んではどうであろうか。

 この他にも中国地方には路線認定からかなりの年数が経過したが未だに区域決定に至っていないとか全く供用されないでいるといった県道路線がある。中には全くの新規で道路を作らざるを得ないところもあるのだが、もし迂回路があるならそちらを区域に編入してはどうなのだろうか。また、区域に編入されると思しき道があるのに全く編入しようという動きがない路線であればなぜそのようにしているのか説明してはいかがであろうか。そういう柔軟な発想で取り組んではどうかと思うのである。柔軟な発想がないから袋小路にはまり込んでしまうし、疑問に思った一般市民の不信を買ってしまうし、結果損をすることになる。何でもそうなのだが、そろそろ考えを改め、できる限り宙に浮いたままの県道路線を最善の形で解消していってはどうかと私は思うのである。

3 山陰放送ラジオと山陽放送ラジオはいつエフエム補完放送に乗り出すのか

 災害対策と混信対策、都市型難聴対策を目的として始まった中波放送のエフエム補完放送は昨年中国放送ラジオ(RCC、広島市中区基町)と山口放送ラジオ(KRY、周南市徳山)で始まった。中国放送ラジオは広島市南区に、山口放送ラジオは防府市と美祢市にそれぞれエフエム中継局を設置したのだが、中国放送ラジオは福山市に、山口放送ラジオは長門市・萩市・柳井市にそれぞれエフエム中継局設置を行うことを決定しており、今年中にはこれらの都市及びその周辺地域で中国放送ラジオまたは山口放送ラジオがエフエム放送で聴けるようになるものと思われる。
 その一方で何の音沙汰もないのが山陰放送ラジオ(BSS、米子市西福原一丁目)と山陽放送ラジオ (RSK、岡山市北区丸の内二丁目)である。記すまでもなく総務省はエフエム放送用の周波数をこの2局にも割り当てている(山陰放送ラジオ…92.2MHz、山陽放送ラジオ…91.4MHz)のだが、中国放送ラジオと山口放送ラジオの積極的な動きを尻目に何もしないでいるのは何かワケがあるのだろう。ならばこの2局はいつエフエム補完放送に乗り出すのだろうか。私は山陰放送ラジオは近いうちに乗り出すだろうが山陽放送ラジオはかなりかかるのではないかと考えている。なぜそのように考えるのか、ここから説明していきたいと思う。
 まず、山陰放送ラジオが近くエフエム補完放送に乗り出すのではないかと考える理由は次の通りである。
・山陰放送ラジオの中波中継局はその大半が平地にあり、水害で被害を受ける恐れがあるから。
・山陰放送ラジオ浜田中波中継局(浜田市瀬戸ヶ島町)は浜田沖の馬島にあるのだが、津波などで被災する恐れがあるから。
・日本海に面しているため混信がよく起きているから。
・隠岐諸島や山間部に中継局がなく、受信困難地域が少なくないから。
・山陰地方は過去に何度も集中豪雨や地震で甚大な被害を受けているから。
・山陰放送ラジオと放送区域が重なるNHK松江放送局(松江市灘町)が既にラジオ第一放送のエフエム中継局を飯石郡飯南町と隠岐郡隠岐の島町に設置しているから。
 つまり、山陰放送ラジオの場合は災害対策や混信対策、山間部での難聴対策が乗り出す動機になるわけである。それだったら早く手を挙げれば良かっただろうと思う方がいるかもしれないのだが、残念ながら山陰放送ラジオには重大な問題がある。
それは92.2MHzを使う中継局は米子ではなく鳥取か松江に置くとなっていることである。たださえ経営基盤が脆弱な放送局であることを考えると鳥取か松江のどちらに最初のエフエム中継局を設置したほうが効果があるかを決め、その結果で展開させていく方針を採るのではないかと思われる。恐らくエフエム山陰(愛称:V-air。松江市殿町)の開局当初のような少数精鋭方式(注12)を採るのかもしれない。
 反対に山陽放送ラジオのエフエム補完放送開始がかなり遅れるのではないかと考える理由は次の通りである。
・山陽放送は岡山エフエム放送(岡山市北区中山下一丁目)に出資しており、エフエム放送を開始すると岡山エフエム放送を裏切る結果になるから。
・山陽放送ラジオがradikoに参入した時機器調整などを目的としてその前後の日曜日早朝に何度か臨時の放送休止を設定したが、エフエム補完放送開始時にも同じようなことをせざるを得なくなる恐れがあるから。
・山陽放送の本社は岡山城跡の中にあり、増築などは不可能であるから。
・山陽放送の本社は
既に築50年を超えているから(1962年〔昭和37年〕落成)。
・山陽放送ラジオは1980年(昭和55年)に全ての中波中継局の周波数を1494kHzに統一しており、特に受信しづらいところはないから。
・山陽放送ラジオの中波中継局は岡山県内に万遍なく配置されており、特に受信しづらいところはないから。
・山陽放送ラジオの中波中継局は水害や高波、津波などの災害に遭わない場所に設置されているから。
・山陽放送ラジオは海外の放送局との混信があまり起きないから。
・エフエム補完放送を始めるに当たっては補助金が出るが山陽放送の経営自体厳しくなっているから(ラジオの自社制作のワイド番組が長続きしない、スポンサーになり得るような岡山県を代表する企業に芳しくない話が相次いでいる、民間テレビ放送では放送区域を統合している香川県と合わせても人口は300万人に満たないのに多数の民間放送局があり、競争が激しくなっているなど)。
 まあエフエム補完放送は必ずしなければならないものではないのだが、山陽放送ラジオの場合は岡山市や倉敷市で生じている都市型難聴への対策として実施する可能性が考えられる。その実現に対しては岡山エフエム放送との関係をどうするかとか老朽化が進み、改築も増築も困難な本社をどうするかが課題になってくるものと思われる。これらの課題が2020年(平成32年)3月31日までに解決でき、エフエム放送を開始しなければ周波数割り当ては破棄され、山陽放送ラジオは中波だけの放送局のまま存続することになる。山陽放送はどのように考えているかは分からないが、こんな結末は望んでいないことであろう。ただ、radikoへの参入が遅れたことやradiko参入に際して何度か日曜日早朝に放送休止を設定したが公式サイトでその旨を一切説明しなかったこと(日曜日早朝の放送終了時に何らかの説明はあったのかもしれないがそれは確認していない)、たださえ自社制作のワイド番組は長続きしないものが多いのにradiko参入を契機に平日朝の自社制作のワイド番組を刷新したこと、聴取者の要望に応えられないままでいたことなどは反省し、エフエム補完放送開始時に教訓として生かすことが求められる。
 山陰放送ラジオや山陽放送ラジオを含めてまだまだ手を挙げていないところが多いエフエム補完放送であるが、どのような展開があるのか、今後も注目していきたいと思う。

(注釈コーナー)

注1:それでも倉敷大橋及びその取り付け道路が県道にならなかったのは本文でも記している通り岡山県の財政事情が厳しいからである。岡山県道470号柳井原・上二万線の延長に関しても岡山県道470号柳井原・上二万線の認定理由(区画整理の支援)を考えればあり得ないと言って良い。

区画整理された中をまっすぐ貫いていく岡山県道470号柳井原・上二万線

注2:

注3:美作三湯のもう二つは奥津温泉(苫田郡鏡野町奥津・奥津川西)と湯原温泉(真庭市湯原温泉)である。

注4:現在の湯郷温泉の最寄インターチェンジは中国自動車道美作インターチェンジ(美作市北山)である。美作インターチェンジからは岡山県道51号美作・奈義線→国道179号線(国道374号線重用)→国道374号線経由で一度も右左折を経ずに湯郷温泉に行ける。

注5:広島県安芸郡府中町には広島県立安芸府中高等学校(広島県安芸郡府中町山田五丁目)しか要件を満たす学校が存在しない。広島県に存在した市で市制施行時点で要件を満たす学校が2校以下しかなかったところとしては他に因島(いんのしま)市(1953〜2006)や竹原市、松永市(1954〜1966)があるのでそのことを突けば理解は得られるかもしれないのだが、実は因島市も竹原市も松永市も複数の町村が統合して発足した市であり、それで要件の適用外になった可能性が考えられる。広島県で合併を経ずに市制施行したところは廿日市(はつかいち)市だけであり、その廿日市市も1988年(昭和63年)4月1日に市制施行した時には当時の市域に要件を満たす学校はきちんと3校以上あったので「気持ちは分かりますが因島市や竹原市、松永市はあくまでも特例措置。廿日市市と同じく合併を経ずに市制施行しようとしているところには適用致しません」などと言って門前払いされる可能性が高い。

注6:福山市高西町の全域と福山市南今津町の一部地域に住んでいる福山市立今津小学校の児童は原則として福山市立松永中学校(福山市松永町二丁目)に進学することになっている。

注7:待ったがかかる格好にはなったが平成の大合併で下関市の一部になった地域(旧豊浦郡菊川・豊浦・豊田・豊北〔ほうほく〕各町)では学校の統廃合や休校が相次いでいるし、更に2014年(平成26年)6月には再び市立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する答申を公表している。今後どのようにこの問題が展開していくのか、全く予断を許さない状態になっている。無論福山市も市長が代わって待ったがかかったとしても同じことになるものと思われる。

(参考資料:2008年〔平成20年〕3月以降に廃校または休校の憂き目に遭った下関市立の小学校・中学校〔予定を含む〕)

学校名 所在地 状況
下関市立三豊小学校 豊田町地吉 2008年(平成20年)に休校する。
下関市立二見小学校 豊北町北宇賀 2011年(平成23年)に休校する。
下関市立豊田西中学校 豊田町浮石 2012年(平成24年)に下関市立豊田東中学校と統合したため廃校になる。
下関市立豊田東中学校 豊田町矢田 2012年(平成24年)に下関市立豊田西中学校と統合したため廃校になる。但し跡地は下関市立豊田中学校(下関市豊田町矢田)として使用されている。
下関市立田耕小学校 豊北町田耕 2015年(平成27年)に下関市立滝部小学校(下関市豊北町滝部)と統合したため廃校。
下関市立殿居小学校 豊田町殿居 2016年(平成28年)に下関市立豊田中小学校(下関市豊田町浮石)と統合するため廃校になる予定。

注8:ここでは岡山県側の存在期間を記している(鳥取県側の存在期間は1955〜1977年〔昭和30〜52年〕)。

注9:阿波村の所属郡は1889年(明治22年)6月1日に岡山県で市制町村制が施行された時は東北条(とうほくじょう)郡だったが1900年(明治33年)4月1日に東北条郡が西西条(さいさいじょう)・西北条(さいほくじょう)・東南条各郡と統合して苫田郡に移行したため苫田郡に変わっている。なお、東北条郡阿波村→苫田郡阿波村は発足から消滅までの115年9ヶ月間一度も市町村合併を行ったことはなく、独立を貫いてきた数少ない自治体であった。

注10:津山市阿波地区には中学校は元々存在しなかった。津山市立阿波小学校を卒業した子供は津山市立加茂中学校(津山市加茂町桑原)に進学するようになっていた。
※私が津山市阿波地区に初めて行ったのは2001年(平成13年)12月1日のことだったのだが、当時津山市立阿波小学校のそばを通る岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線に信号機があったことが印象に残っている。信号機を知らないまま学校を卒業し、地域外に出るのはどうかという教育的配慮で小学校のそばに信号機が置かれる事例は井原市(井原市立共和小学校〔井原市芳井町下鴫。2008年〈平成20年〉廃校〕の近くの岡山県道/広島県道9号芳井・油木線)や島根県邑智郡美郷町(邑智郡邑智町立沢谷小学校〔邑智郡美郷町九日市。2004年〈平成16年〉廃校〕の近くの島根県道166号美郷・飯南線。なお、邑智郡邑智町立沢谷小学校は邑智郡邑智町〔1955〜2004〕が消滅する前に廃校になったので邑智郡美郷町立沢谷小学校になったことはない)でもあったが、いずれも小学校が廃校になった後信号機は撤去されている。津山市阿波の信号機も同じ運命をたどったのか、気になるところである。

井原市芳井町下鴫の岡山県道/広島県道県道9号芳井・油木線。この近くにあった井原市立共和小学校の児童のためにここにかつて信号機が設置されていた。

注11:例えば福井市と小松市を勝山市を経由して結んでいる国道416号線は現在石川・福井県境付近(勝山市野向町横倉〜小松市新保町間)で途切れているが、この通行不能を解消すべく大日峠道路の建設が進められている。車道の幅員は4mで、もし全線開通したとしても通年通行にはしないという(勝山側車道端点の手前と小松側の車道端点の手前はどちらも冬期閉鎖区間に指定されている)。近くには整備が終わり、通年通行できる道路が多数あるのでこの考え方は一理あると私は考えているところである。

注12:少ない投資で大きな効果を得ようとすることを指す。エフエム山陰の場合、開局当初の中継局は松江・鳥取・浜田の3箇所にしかなかったが、それぞれの中継局は広い範囲で受信可能であった。