トップページ不定期刊・きょうのトピックス不定期刊・きょうのトピックス2016年(平成28年)分国土交通省管理の国道路線の地方自治体移管を斬る

国土交通省管理の国道路線の地方自治体移管を斬る(2016年〔平成28年〕4月1日公開)

 中国地方にある国土交通省が管理する国道路線(国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路〔一般国道の自動車専用道路〕を含めた高速道路と、指定区間に重用区間を有している国道路線を除く)は下表の通りである。

※起点・終点の地名表記は本サイトの地名表記の規則(こちらで説明しているので併せてご覧頂きたい)に基づいている(以下同じ)。

路線
番号
管理区間起点 管理区間終点 備考
2 (兵庫県境) 下関市椋野町二丁目 松永・尾道旧道(福山市神村〔かむら〕町〜尾道市正徳町間)と佐伯(さえき)旧道(広島市西区庚午〔こうご〕北一丁目〜廿日市〔はつかいち〕市地御前五丁目間)、関門国道トンネル(下関市椋野町二丁目〜福岡県境間)を除く。
9 (兵庫県境) 下関市竹崎町四丁目
(路線終点)
全線指定。
29 (兵庫県境) 鳥取市千代水三丁目
(路線終点)
全線指定。
30 岡山市北区東中央町
(路線起点)
玉野市築港一丁目
(車道端点)
玉野市築港一丁目〜岡山・香川県境間は海上寸断区間。
31 安芸郡海田町南大正町
(路線起点)
呉市本通二丁目
(路線終点)
全線指定。
53 岡山市北区中央町
(路線起点)
鳥取市秋里
(路線終点)
全線指定。
54 広島市中区大手町四丁目
(路線起点)
松江市宍道町佐々布 管理区間終点=実質上の終点(松江市宍道町佐々布〔さそう〕以東は国道9号線と重用)。
180 岡山市北区伊福町一丁目 総社市種井 管理区間起点=実質上の起点(岡山市北区奉還町一丁目以東は国道53号線と重用)。
管理区間終点は総社市・高梁(たかはし)市境。
185 呉市本通二丁目
(路線起点)
竹原市忠海東町四丁目
188 岩国市麻里布町一丁目
(路線起点)
下松市望町一丁目
(路線終点)
全線指定。
190 山口市江崎
(路線起点)
下関市松屋東町一丁目
(路線終点)
全線指定。
正式な終点は山陽小野田市・下関市境であるが本サイトでは終点は国道2号線との合流地点としている。
191 下関市竹崎町三丁目
(路線起点)
下関市豊浦町宇賀 管理区間終点は旧豊浦郡豊浦町・旧豊浦郡豊北(ほうほく)町境。
長門市西深川 益田市中吉田町 管理区間起点は旧大津郡日置(へき)町・旧長門市境。

 国土交通省が管理している路線の区間は様々であるわけであるが、最近地方分権を推進する目的で国土交通省が管理する国道路線の地方自治体への移管を進めることが決まり(2013年〔平成25年〕12月20日に閣議決定された「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」による)、中国地方でも下表に示した箇所が地方自治体へ移管されることが決定した。

県名 路線
番号
起点 終点 移管時期 備考
鳥取県 9 岩美郡岩美町河崎 鳥取市福部町湯山 2017年(平成29年)4月1日 駟馳山(しちやま)バイパス開通による旧道化箇所(駟馳山旧道)。
島根県 9 松江市玉湯町湯町 松江市玉湯町湯町 2015年(平成27年)4月1日 玉湯バイパス(松江道路玉湯工区)開通による旧道化箇所(湯町旧道)。
9 出雲市斐川町併川 出雲市高松町 2016年(平成28年)4月1日 出雲バイパス開通による旧道化箇所(出雲旧道)。
9 鹿足郡津和野町滝元 鹿足郡津和野町直地 2015年(平成27年)4月1日 直地(ただち)バイパス(直地防災)開通による旧道化箇所(直地旧道)。
岡山県 2 岡山市北区天瀬 岡山市北区大供一丁目 2016年(平成28年)4月1日 岡山バイパス開通による旧道化箇所(岡山・倉敷旧道)。
53 勝田郡奈義町滝本 勝田郡奈義町滝本 2015年(平成27年)4月1日 上町川バイパス(上町川視距改良)開通による旧道化箇所(滝本旧道)。
広島県 2 三原市糸崎八丁目 三原市新倉二丁目 2016年(平成28年)4月1日 三原バイパス開通による旧道化箇所(三原旧道)。
54 広島市安佐北区
可部南四丁目
広島市安佐北区大林町 2016年(平成28年)4月1日 可部バイパス開通による旧道化箇所(可部旧道)。
山口県 191 下関市汐入町 下関市富任町一丁目 2015年(平成27年)4月1日 下関北バイパス開通による旧道化箇所(山の田旧道)。

 「いずれもバイパス開通に伴う旧道処分じゃないか」とか「こういうことなら昔からいくらでも行われてきたことじゃないか。今更何を言い出すのか」とツッコミを入れたくなる方がいるかもしれないのだが、そこで今回の「不定期刊・きょうのトピックス」ではこの国土交通省管理の国道路線の地方自治体への移管の状況を紹介・考察することにしたい。

既に移管が完了した箇所(4箇所)

国道9号線湯町旧道

(データ)

項目 記事
起点 松江市玉湯町湯町
終点 松江市玉湯町湯町
距離 約1km
旧道になった理由 2007年(平成19年)3月18日に玉湯バイパス(松江道路玉湯工区)が全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
県道194号玉造温泉停車場線(松江市玉湯町湯町/玉湯大橋東詰交差点〔便宜命名〕)
県道25号玉湯・吾妻山線(県道263号浜乃木・湯町線重用。松江市玉湯町湯町/玉湯大橋西詰交差点〔便宜命名〕)
※玉湯大橋東詰交差点・玉湯大橋西詰交差点は玉湯交差点にまとめられている。
備考 全区間で国道54号線と重用している。

(概要)

 松江市玉湯地区の国道9号線(国道54号線重用)は下表に示している通り近接している三つの交差点(便宜上北側から時計回りに玉湯大橋東詰交差点・畦無橋東詰交差点・玉湯大橋西詰交差点という名称を付けて記すものとする)で構成されている玉湯交差点(松江市玉湯町湯町)が途中にあり、そこを先頭とした渋滞が頻発していた。

交差点名 概要
玉湯大橋東詰
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玉湯バイパス開通当時は国道9号線(国道54号線重用。東北東方向及び西南西方向)と県道263号浜乃木・湯町線(南方向)、松江市道(北方向)が交差する十字路だった。
畦無橋東詰
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玉湯バイパス開通当時は県道263号浜乃木・湯町線(東方向及び北方向)、松江市道(南方向及び西方向)が交差する十字路だった。
玉湯大橋西詰
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玉湯バイパス開通当時は国道9号線(東北東方向及び西南西方向)と県道25号玉湯・吾妻山線(南方向)が交差するT字路だった。更に東方向から松江市道が合流していた。

 この玉湯交差点は何度か通ったことがあるのだが、おぼろげながら信号待ちの時間が長かったような記憶がある。渋滞が頻発するのも当然の結果と言えるのだが、何と朝の通勤・通学の時間帯には上り方向で5km近く渋滞したこともあったという。2001年(平成13年)3月24日には国道9号線(国道54号線重用)に並行して山陰自動車道松江玉造インターチェンジ(松江市玉湯町布志名)〜宍道インターチェンジ(松江市宍道〔しんじ〕町佐々布〔さそう〕)間が開通したのだが、実質的にわずか14km程度の有料バイパスでしかなかったため焼け石に水という状況であった。
 玉湯バイパス開通をもって松江市中心部方面と出雲・雲南方面を往来する車は複雑な形状をした玉湯交差点を通らなくても良くなった上、玉湯交差点を通る旧道は松江市中心部方面と出雲・雲南方面との往来ができないように改造された(注1)のだが、それでも長らく管理者は国土交通省のままになっていた。玉湯バイパスが開通した頃県道263号浜乃木・湯町線湯町バイパスの建設が進められていたこと(2009年〔平成21年〕8月29日開通)や松江市玉湯町布志名(山陰自動車道松江玉造インターチェンジのランプウェイと国道9号線〔国道54号線重用〕が合流するところ)〜松江市玉湯町湯町(玉湯バイパス起点)間の拡幅工事が終わっていなかったこと(2010年〔平成22年〕4月28日完成)、移管の在り方を巡って島根県や松江市との論議がなかなかまとまらなかったこともあったのだろうか。
 結局玉湯バイパス開通から8年経過した2015年(平成27年)4月1日に国道9号線(国道54号線重用)湯町旧道は国土交通省から島根県及び松江市に管理者が変更された。どのように再編されたのかを示すと下表の通りになる。

※下表の「起点」「終点」で記した交差点名は全て便宜上付けたものである。

路線名称 起点 終点 備考
松江市道湯町東通線 松江市玉湯町湯町
(旧道起点)
松江市玉湯町湯町/
溝橋東交差点
松江市中心部方面から湯町旧道へは入れるが湯町旧道から松江市中心部方面へは出られない(松江市中心部方面から湯町旧道への一方通行規制がかけられているため)。湯町旧道から国道9号線(国道54号線重用)松江市中心部方面に進むには溝橋東交差点で湯町旧道からそれ、松江市玉湯町湯町/玉湯中央交差点を経由する必要がある。
溝橋とは湯町旧道と県道25号玉湯・吾妻山線が合流した地点のすぐ西側にある全長3.5mの橋の名称である。
県道25号玉湯・吾妻山線 松江市玉湯町湯町/
溝橋東交差点
松江市玉湯町湯町/
玉湯大橋東詰交差点
県道25号玉湯・吾妻山線 松江市玉湯町湯町/
玉湯大橋東詰交差点
松江市玉湯町湯町/
玉湯大橋西詰交差点
この区間は県道194号玉造温泉停車場線と重用している。
玉湯大橋のすぐ南側に架かっている畦無橋車道用橋梁は老朽化により通行止めになっている(その更に南側にある自転車・歩行者用橋梁は通行可能)。
県道194号玉造温泉停車場線 松江市玉湯町湯町/
玉湯大橋西詰交差点
松江市玉湯町湯町/
玉湯支所北交差点
この区間は県道263号浜乃木・湯町線と重用している。
玉湯支所とは松江市役所玉湯支所(松江市玉湯町湯町)のことである。
湯町旧道と国道9号線(国道54号線重用)出雲・雲南方面との往来は玉湯支所北交差点で湯町旧道からそれ、松江市玉湯町湯町/玉湯支所西交差点を経由する必要がある。
松江市道湯町西側線 松江市玉湯町湯町/
玉湯支所北交差点
松江市玉湯町湯町
(旧道終点)
旧道終点を経由しての湯町旧道と国道9号線(国道54号線重用)出雲・雲南方面との往来はできなくなっている。

 わずか1kmほどの間に松江市道湯町東通線→県道25号玉湯・吾妻山線→県道25号玉湯・吾妻山線(県道194号玉造温泉停車場線重用)→県道194号玉造温泉停車場線(県道263号浜乃木・湯町線重用)→松江市道湯町西側線と路線が目まぐるしく変わることにはなったのだが、松江市中心部方面に進むのに使える区間と出雲・雲南方面に進むのに使える区間を県道とし、その他の部分―結果的に旧道の両端部になったのだが―を松江市道にしたのは評価しても良いことであろう。

国道9号線直地旧道

(データ)

項目 記事
起点 鹿足(かのあし)郡津和野町滝元
終点 鹿足郡津和野町直地
距離 約1km
旧道になった理由 2013年(平成25年)3月28日に直地バイパス(直地防災)が全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
なし
備考 いわゆる平成の大合併以前の鹿足郡日原町と鹿足郡津和野町の境だったところにある。

(概要)

 益田市で日本海と別れた国道9号線は山間部に入り、高津川とその支流の津和野川に沿って山口県境を目指すのだが、谷間を進む箇所が多く、災害に遭う恐れのある箇所が少なくない。中でもかつての鹿足郡日原町(1946〜2005)と鹿足郡津和野町の境があった辺りは異常気象時通行規制区間にこそ指定されていなかったのだが災害が頻発していたところであった。もしそこが塞がれれば鹿足郡津和野町日原地区と鹿足郡津和野町津和野地区の往来にも、益田市と山口市の往来にも支障をきたすことになる。そこで企図されたのが直地バイパス(直地防災)であった。直地防災の範囲は鹿足郡津和野町滝元〜鹿足郡津和野町直地間、施行区間の全長は約1.8kmとなったのだが、山口市寄りの約0.7kmの部分は現道を津和野川のほうにずらして拡幅することにしたのに対し、益田市寄りの約1.1kmの部分は二度津和野川を渡って津和野川右岸地域を迂回するようにしたところにこの地域の地形の険しさを感じ取ることができる。
 直地防災の現道拡幅部分は2011年(平成23年)12月22日に一足早く開通し、残るは直地バイパスの部分となったが、直地バイパスの部分の開通は現道拡幅完成から約1年3ヶ月経った2013年(平成25年)3月28日になった。直地バイパスの開通をもって津和野川左岸を通っていた旧道は封鎖されることになったが、管理者の変更まではその時は行われなかった。旧道の距離が短いことや途中には接続する道路も民家も事業所も全くないことを考えれば移管先は鹿足郡津和野町以外にはないわけであるが、協議がなかなかまとまらなかったのだろうか。
 結局直地バイパス開通から2年経過した2015年(平成27年)4月1日に国道9号線直地旧道は国土交通省から鹿足郡津和野町に管理者が変更された。津和野町道瀧元・直地線として新たな歩みを始めたわけであるが、処置は妥当ではあるものの今後津和野町道瀧元・直地線はどのように扱われるのか。その点が気になる。

国道53号線滝本旧道

(データ)

項目 記事
起点 勝田郡奈義町滝本
終点 勝田郡奈義町滝本
距離 約1km
旧道になった理由 2013年(平成25年)3月31日に上町川バイパス(上町川視距改良)が全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
なし
備考 バイパスの前後は直線的な道である。

(概要)

 津山市から勝田郡奈義町にかけての国道53号線はほぼまっすぐに高原の中を通り抜けていくのだが、陸上自衛隊日本原駐屯地(勝田郡奈義町滝本)の近くだけ地形的な問題から急な屈曲が入っている箇所があり、速度超過によるはみ出しや雨天時・積雪時・凍結時のスリップによる事故が度々起きていた。そこで企図されたのが上町川バイパス(上町川視距改良)である。前後の道と同じように直線化することは諸事情によりできなかったのだが、屈曲の緩和が図られていることと途中で旧道とX字状に交差する箇所があることが特徴と言える。
 この上町川バイパス(上町川視距改良)は2013年(平成25年)3月31日に開通したのだが、その際旧道は新旧両道との交差地点を境に明暗を分けることになってしまった。交差地点の津山寄りの部分は民家や事業所などがあるため幅が狭められた箇所こそあるが引き続き通れるようになったのに対し、交差地点の鳥取寄りの部分は旧道のすぐ北側が陸上自衛隊日本原駐屯地の演習場になっていることもあるのか交差地点のすぐそばで封鎖措置がとられ、上町川バイパスの終点からしか旧道には入れないようになったのである。しかし、管理者の変更まではその時は行われなかった。旧道の距離が短いことや途中には接続する国道路線も県道路線もないことを考えれば移管先は勝田郡奈義町以外にはないわけであるが、協議がなかなかまとまらなかったのだろうか。結局上町川バイパス開通から2年経過した2015年(平成27年)4月1日に国道53号線滝本旧道は国土交通省から勝田郡奈義町に管理者が変更され、奈義町道大曲線として再出発することになった。その辺りの地形図を見ても「大曲」という小字は見当たらないのだが、大きな屈曲があったから大曲線という路線名称にしたのでは…と思ったのは私だけだろうか。
 ところで、上町川バイパスの終点付近の地図(こちらを参照のこと)を見ると滝本旧道→現道のすぐ南側に並行する道があるのが見える。何箇所かで分断されており、通り抜けはできないように記されているのだが、滝本旧道から分かれ、現道に合流するという形状からかつてはこの道が国道53号線(二級国道179号岡山・鳥取線〔1953〜1963〕→一級国道53号線〔1963〜1965〕だった可能性あり)だったのではないかと見ていて感じた。「地図・空中写真閲覧サービス」というサイトで過去のその辺りの空中写真を見たところ、1972年(昭和47年)には既に滝本旧道→現道が国道53号線として使用されており、その道は旧道になっていたことがうかがえる(注2)のだが、果たして真相はどうなのだろうか。

国道191号線山の田旧道

(データ)

項目 記事
起点 下関市汐入町
終点 下関市富任(とみとう)町一丁目
距離 約6km
旧道になった理由 2015年(平成27年)3月28日に下関北バイパスが全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
県道258号武久・椋野線(下関市武久町一丁目/幡生口交差点〔便宜命名〕)
県道248号下関港・垢田線(下関市山の田本町/山の田交差点)
県道259号新下関停車場・稗田線(下関市綾羅木本町三丁目/川中交番南交差点〔便宜命名〕)
県道256号綾羅木停車場線(下関市綾羅木本町三丁目/綾羅木駅前交差点)
備考

(概要)

 下関市竹崎町三丁目を起点とする国道191号線は下関市安岡地区まで民家が密集したところを通り抜けているにもかかわらず起点から続く多車線区間(言い換えれば上下4車線以上の区間)は下関市中心部を出てまだ間もない下関市筋川町までとなっていた(注3)。それだけならまだしも下関市筋川町と下関市安岡地区の間にはJR山陽本線下関駅(下関市竹崎町四丁目)方面・下関市役所(下関市南部〔なべ〕町)方面・豊浦方面からの車が集まる交通の要衝であり、(規模はそんなに大きくはないが)商業の集積地でもあり、更に(これまた規模は大きくないが)中国地方最古参の市立四年制大学として知られる下関市立大学(下関市大学町二丁目)のお膝元でもあり、下関市だけでなく北九州市などの近隣地域に職場を持つ人が住むための団地が多数建てられた山の田という地域があり、そこでの渋滞が頻発していた。山の田交差点(下関市山の田本町)〜安岡交差点(下関市安岡本町二丁目)間では下り線(豊浦方面)は1車線、上り線(下関駅・下関市役所方面)は2車線という変則車線区間が設定されたのだがそれも焼け石に水という状態だった。そこで企図されたのが下関市中心部と下関市安岡地区を響灘に沿って短絡する国道191号線下関北バイパスである。
 この国道191号線下関北バイパスはあまり知られていないことであるが異例なことが多かったバイパスでもある。それを挙げると次の通りになる。
・全線開通までの部分開通回数が1回しかないのだが、その部分開通区間の距離は全体の5分の1程度だったこと(注4)。つまり全線開通となる二度目の開通で残りの5分の4程度が開通したことになる。
・自動車専用道路に指定されていないのだが、途中で交差する道路とは全て立体交差になっており、交差する幹線道路との接続はランプウェイ(注5)を介していること。記すまでもなく起点から終点まで信号機が全くない。
・全線開通時点で全線が上下4車線化されていること。全線開通時点で暫定上下2車線で開通するところが多いことや全線開通からかなりの時間が経過してもなかなか上下4車線化が推進されないところが多いこと(注6)があることを考えれば羨(うらや)ましい話と言える。
 なぜこうなったのかは分からないが、下関市のうちの響灘沿岸地域(注7)に住む方々からの要望が多かったことが背景にあるのではないかと思われる。
 国道191号線下関北バイパスが全線開通したのは2015年(平成27年)3月28日のことであったが、旧道処分はそのわずか4日後の4月1日に実施された。山の田交差点を境にして南側は下関市道汐入・山の田線に、北側は県道248号下関港・安岡線にそれぞれ再編されたのである。国道191号線山の田旧道を山の田交差点を境に二つの路線に分けたのは山の田交差点以北の旧道は下関市のうちの響灘沿岸地域と下関市役所方面を往来する車が多数通るが山の田交差点以南の旧道は交通量が少なくなるため一つの路線に再編する意味がないことが理由である。確かに国道191号線下関北バイパスが開通した後下関市のうちの響灘沿岸地域に住む方が自動車で下関駅方面に行こうと思ったら国道191号線下関北バイパスを、下関市役所方面に行こうと思ったら国道191号線山の田旧道→県道248号下関港・垢田線(1958〜2015)→県道57号下関港線(県道248号下関港・垢田線重用)をそれぞれ経由すれば良いということになり、国道191号線山の田旧道のうちの下関市汐入町〜下関市山の田本町間はまず顧みられなくなるのは目に見えていたわけであるが、こういう交通流動を基にした再編は評価されても良いことであろう。

今年移管された箇所(4箇所)

国道9号線出雲旧道

(データ)

項目 記事
起点 出雲市斐川(ひかわ)町併川(あいかわ)
終点 出雲市高松町
距離 約7km
旧道になった理由 2007年(平成19年)12月2日に出雲バイパスが全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
県道26号出雲・三刀屋(みとや)線(出雲市大津町/神立〔かんだち〕橋西詰交差点)
県道159号出雲・平田線(出雲市大津町/大津小学校前交差点)
県道277号多伎(たき)・江南・出雲線(出雲市大津町/出雲商工会館前交差点)
県道27号出雲市停車場線(出雲市今市町/市役所前交差点)
県道276号遥堪(ようかん)・今市線(県道278号矢尾・今市線重用。出雲市今市町/市役所前交差点)
国道184号線(出雲市渡橋町/渡橋中央交差点)
県道28号出雲・大社線(出雲市渡橋町/渡橋中央交差点)
備考

(概要)

 出雲市中心部の渋滞緩和を目的として建設された国道9号線出雲バイパスが全線開通したのは2007年(平成19年)12月2日のことであった。山陰自動車道の一部として建設されることの多い国道9号線のバイパスにあって出雲バイパスは数少ない都市型バイパス(注8)であり、早い時期に旧道処分が実施されるものと見られていたのだが、なかなか実施に移されなかった。はっきりした理由は分からないのだが、島根県や出雲市、簸川(ひかわ)郡斐川町(1965〜2011)との移管協議が進まなかったことやいわゆる平成の大合併の荒波の中で一度は独立を選択したはずの簸川郡斐川町の町政がそれで固まり切らず、もめていたこと(注9)、更に移管方法についていろいろな案が出て決め切れなかったことがあったのではないかと思われる。
 結局旧道処分が実施されたのは今年4月1日、すなわち今日のことなのだが、その方法は驚きをもって迎えられた。何と出雲市渡橋町/渡橋中央交差点を境として松江寄りの部分(すなわち東側)は国道184号線に、大田(おおだ)寄りの部分(すなわち西側)は県道28号出雲・大社線にそれぞれ再編されたのである。いろいろな案は出たことだろうがなぜ出雲市渡橋町/渡橋中央交差点を境として松江寄りの部分は国道184号線に、大田寄りの部分は県道28号出雲・大社線にそれぞれ再編されることになったのか。次に挙げる事情があったのではないかと思われる。
・国道や主要地方道にしておけば国から補助金が出るから。
・出雲市中心部を東西に貫く旧道を主要地方道や一般県道に再編することに対してどうかという声があったから。
・国道9号線出雲旧道のうちの出雲市渡橋町/渡橋中央交差点以東の部分は毎年10月第二月曜日(体育の日)に開催される出雲全日本大学選抜駅伝競走の経路になっているから。
・一度は独立を維持することを決めた簸川郡斐川町が結局出雲市への編入を選んだから。
・県道26号出雲・三刀屋線の出雲市高松町/神戸(かんど)橋北方交差点への延伸や県道28号出雲・大社線の出雲市斐川町併川/神立交差点への延伸も考えられない話ではなかったが、どちらを選んでも短距離の一般県道路線を認定せざるを得なくなる問題が生じるから。
・再編候補の一つである県道26号出雲・三刀屋線は現在出雲市築山新町〜出雲市大津町間にバイパスを建設しており、いずれは出雲市大津町/神立橋西詰交差点が起点でなくなる時が来るから
・島根県としては県道路線の新規認定や路線名称変更に消極的だったから。
 いろいろな事情が絡み合って出した結論が出雲市渡橋町/渡橋中央交差点を境として松江寄りの部分は国道184号線に、大田寄りの部分は県道28号出雲・大社線にそれぞれ再編するということになったのだろうが、旧道処分は一筋縄では行かないことを痛感させられる事例と言っても間違いではないであろう。

国道2号線岡山・倉敷旧道

(データ)

項目 記事
起点 岡山市北区天瀬
終点 岡山市北区大供(だいく)一丁目
距離 約1km
旧道になった理由 1999年(平成11年)3月24日に岡山バイパスが全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
国道30号線(岡山市北区東中央町/大雲寺交差点)
国道53号線(国道180号線重用。岡山市北区東中央町/大雲寺交差点)
備考 岡山市北区天瀬〜岡山市北区大供一丁目間は国道2号線岡山・倉敷旧道最後の未再編区間である。

(概要)

 岡山県の二大都市である岡山市と倉敷市の中心部の渋滞緩和を目的として企図された岡山バイパスであるが、開通に伴って旧道化した箇所の路線再編は全線開通をまだ果たしていなかった1970年代末期から実施されてきた。しかし、なぜか岡山市北区天瀬〜岡山市北区大供一丁目間だけが国道2号線のまま残されてきた。途中にある岡山市北区東中央町/大雲寺交差点は国道30号線と国道53号線、国道180号線の起点になっているからだとか未再編区間の終点のそばには岡山市役所及び岡山市北区役所(岡山市北区大供一丁目)があるからだとかいろいろ理由はあったのだろうがはっきりした理由は分からない。しかし、国道2号線であることを示す物件は現地には見当たらず、未だに国道2号線のままであることは道路地図でしかうかがい知ることはできなかった。
 岡山バイパスの開通に伴う旧道処分に関する論議が進まなかったもう一つの要因として考えられるのが岡山県の厳しい財政事情である。岡山市北区天瀬〜岡山市北区大供一丁目間は岡山市北区東中央町/大雲寺交差点を境に備前寄りの部分(すなわち東側)は国道250号線に、倉敷寄りの部分(すなわち西側)は県道21号岡山・児島線にそれぞれ再編すれば良く、それは簡単な話ではないかと思うことであろうが、ほんのわずかな距離でも岡山県にとっては受け入れを躊躇(ちゅうちょ)するような話であった。よく知られている例が国道53号線岡山北バイパスの全線開通に伴う旧道処分(注10)なのだが、最後の路線認定が20年も前であること(注11)を考えるといかに岡山県の財政事情が厳しいかがよく分かる。その後岡山市が政令指定都市に移行したことで岡山市北区天瀬〜岡山市北区大供一丁目間の再編後の路線は岡山市が管理することが決定的になったのだが、岡山市の財政規模は大きいとは言えないし、政令指定都市と言えど人口が多いわけでもないし、多額の税収入が見込める企業が多いというわけでもない。更に管理する国道路線や県道路線の数も多い(注12)。移管協議が難航したことは想像に難くない。やっと決着し、岡山市北区東中央町/大雲寺交差点を境に備前寄りの部分は国道250号線に、倉敷寄りの部分は県道21号岡山・児島線にそれぞれ再編されたのが今年4月1日、すなわち今日のことであるが、この経緯を見て私は財政事情が厳しい地方自治体が多いことを国土交通省はどのように考えているのだろうかと思いたくなった。記すまでもないがそれは都道府県道路線を廃止して市町村に移管させようとする都道府県(注13)にも言えることである。

国道2号線三原旧道

(データ)

項目 記事
起点 三原市糸崎(いとさき)八丁目
終点 三原市新倉二丁目
距離 約9km
旧道になった理由 2012年(平成24年)3月31日に三原バイパスが全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
県道245号糸崎港線(三原市糸崎八丁目/糸崎神社前交差点)
県道55号尾道・三原線(三原市城町三丁目/城町南交差点)
県道25号三原・東城線(三原市港町三丁目/東城分かれ〔臥龍橋東詰〕交差点)
国道185号線(三原市皆実四丁目/三原警察署入口交差点)
県道75号三原・竹原線(三原市新倉一丁目/定屋〔じょうおく〕大橋北詰交差点)
備考

(概要)

 三原市中心部の渋滞緩和を目的として企図された三原バイパスは海の近くまで山が迫っている三原市中心部の北方に建設されたことからトンネルや高架橋などの構造物が多く、歩行者や自転車、125cc以下の原動機付自転車(バイク)の通行は禁止されている(注14)。近くにある松永道路や尾道バイパス(注15)のように自動車専用道路に指定されてはいないのだが、実質的に自動車専用のバイパスであると考えても良い。このことから三原バイパス開通に伴う旧道処分では三原市中心部を東西に貫く国道2号線、すなわち国道2号線三原旧道は広島県が管理する国道2号線として存続する可能性があった。
 しかし、移管予定日から2ヶ月半も前の今年1月14日に早くも国道2号線三原旧道は国道2号線としては残さないことが公表された。2016年(平成28年)1月14日広島県告示第15号で国道2号線三原旧道は下表の通り再編することを公表したからである。

路線名称 起点 終点 備考
国道185号線 三原市糸崎八丁目/
糸崎8丁目交差点
(旧道起点)
三原市皆実四丁目/
三原警察署入口交差点
県道75号三原・竹原線 三原市皆実三丁目/
三原警察署入口交差点
三原市新倉一丁目/
定屋大橋北詰交差点
県道344号大草・三原線 三原市新倉二丁目/
定屋大橋北詰交差点
三原市新倉二丁目/
新倉交差点
(旧道終点)

 この告示から間もなく、国道2号線三原旧道にある国道2号線を示す物件は移管の日を待たずに次々となくなっていったわけであるが、なぜ三原市中心部の国道2号線は国道2号線としては残さないことになったのか。既に記している通り三原バイパスは自動車専用道路には指定されていないからである。確かに国道2号線の赤坂バイパスと西条バイパス、新広島バイパス、国道54号線の祇園新道と佐東バイパス、可部バイパス、上根バイパス、三次(みよし)バイパス、国道185号線の休山新道と仁方バイパス、安浦バイパス…というように広島県では国土交通省が管理する国道路線の自動車専用道路に指定されていないバイパスの旧道処分では旧道はもれなく他の路線に再編されているわけであるが、このやり方だと国道2号線三原旧道の沿線に住んでいる方の中に「国道2号線松永・尾道旧道のようにこちらも国道2号線のまま残せば良かったのではないか」という感情を、反対に国道2号線松永・尾道旧道や国道2号線佐伯旧道の沿線に住んでいる方の中に「国道2号線の主流はバイパスに移ったのだし他地域に住む方には二つも国道2号線があるのは紛らわしく感じる。よって他の路線に再編しても良いのではないか」という感情(注16)を生じさせる恐れがある。「松永道路や尾道バイパス、西広島バイパスは自動車専用道路に指定されているから旧道も広島県が管理する国道2号線として残した。市街地(注17)を国道路線が通らないというのはどうかと思うだろうし…」と広島県側は弁解することであろうが、どちらなら良いというのだろうか。

国道54号線可部旧道

(データ)

項目 記事
起点 広島市安佐北区可部南四丁目
終点 広島市安佐北区大林町
距離 約8km
旧道になった理由 2014年(平成26年)2月8日までに可部バイパスの大部分が開通し、バイパスとしての機能を果たすようになったこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
県道70号広島・中島線(広島市安佐北区可部南四丁目/深川〔ふかわ〕入口交差点)
県道240号可部停車場線(広島市安佐北区可部南四丁目/中原踏切前交差点)
県道267号宇津・可部線(広島市安佐北区可部四丁目/可部中央交差点)
国道191号線(国道261号線重用。広島市安佐北区可部五丁目/191号分れ交差点)
県道253号南原(なばら)峡線(広島市安佐北区三入一丁目/新南原入口交差点)
備考 全区間で国道183号線と、広島市安佐北区可部南四丁目/中島交差点(起点)〜広島市安佐北区可部五丁目/191号分れ交差点間は国道191号線及び国道261号線と、広島市安佐北区可部七丁目/191号分れ交差点〜広島市安佐北区大林町/下浜ヶ谷交差点(終点)間は県道5号浜田・八重・可部線とそれぞれ重用している。
可部バイパスは現在のところ北端部分(広島市安佐北区大林町)の約1.5kmが未開通のまま残されている(この部分が開通すると上根バイパスと直結することになるが完成時期は未定)。

(概要)

 広島市安佐北区の中心部となる広島市安佐北区可部地区の国道54号線の渋滞を解消することを目的として企図された可部バイパスは現在のところ上根バイパスと接続する北端部分が未開通のまま残されているものの2014年(平成26年)2月8日に広島市安佐北区三入二丁目/三入交差点〜広島市安佐北区大林町/下浜ヶ谷交差点間が開通したことで南側・北側とも国道54号線と接続することになり、一応広島市安佐北区可部地区のバイパスとしての機能を果たすようになった。そこで浮上したのが可部バイパスの東側を並行して通る旧道(国道54号線可部旧道)の再編問題であるが、私は広島市安佐北区可部五丁目/191号分れ交差点を境に広島市中心部寄りの部分(すなわち南側)は国道191号線(国道261号線重用)に、安芸高田寄りの部分(すなわち北側)は県道5号浜田・八重・可部線にそれぞれ再編されるのではないかと見ていた。しかし、公表された再編の内容は意外なものであった。全線を国道183号線(広島市安佐北区可部南四丁目/中島交差点〔起点〕〜広島市安佐北区可部五丁目/191号分れ交差点間は国道191号線及び国道261号線と、広島市安佐北区可部七丁目/191号分れ交差点〜広島市安佐北区大林町/下浜ヶ谷交差点〔終点〕間は県道5号浜田・八重・可部線とそれぞれ重用)に再編するというものだったからである。祇園新道開通に伴う旧道処分(2008年〔平成20年〕4月1日)に続く広島市内で二度目の国道183号線の単独区間登場と相成ったわけであるが、国道183号線を登場させたのは国道54号線の三次市粟屋町/粟屋交差点までの重用相手であったことや国道のままにしておけば国から補助が下りるため財政事情が厳しい広島市(だから平成の大合併では安芸郡海田・府中両町にフラれた〔=合併論議が破談になった〕わけだが…。それでも20世紀中に政令指定都市に移行した都市では数少ない平成の大合併経験組になっている(注18))にはありがたい話だったことが考えられる。
 しかし、この再編は今後禍根を残す可能性がある。私は前に「可部バイパスは現在のところ上根バイパスと接続する北端部分が未開通のまま残されている」と書いたのだが、その部分が開通した時、広島市安佐北区大林町に生じる旧道(国道54号線大林旧道)は国道183号線と県道5号浜田・八重・可部線のどちらに再編されるのかという問題が生じるのである。それは恐らく2020年代に入ってからの話になるのだが、果たしてどのような決着が図られるのだろうか。

来年移管される予定の箇所(1箇所)

国道9号線駟馳山旧道

(データ)

項目 記事
起点 岩美郡岩美町河崎
終点 鳥取市福部町湯山
距離 約8km
旧道になった理由 2014年(平成26年)3月22日に駟馳山バイパスが全線開通したこと。
旧道区間で接続する
国道路線または県道路線
国道178号線(岩美郡岩美町大谷/平野口交差点〔便宜命名〕)
県道319号鳥取砂丘・細川線(鳥取市福部町/細川北交差点〔便宜命名〕)
県道43号鳥取・福部線(鳥取市福部町細川/細川西交差点)
県道212号福部停車場線(鳥取市福部町海士/海士交差点)
県道265号湯山・鳥取線(鳥取市福部町湯山/福部インター北交差点〔便宜命名〕)
備考

(概要)

 国道9号線駟馳山バイパスは岩美郡岩美町と鳥取市の境にある難所・駟馳山峠(標高:約60m)を迂回する目的で企図されたバイパスで、近畿(関西)地方の日本海沿岸地域を東西に結ぶ地域高規格道路鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道)の一部を構成するバイパスでもある。駟馳山バイパス開通により旧道になった部分、すなわち国道9号線駟馳山旧道の再編までまだ一年あるのでどのようになるのかはまだ分からないのだが、国道178号線が駟馳山旧道の後釜に入ることはまずないのではないかと思われる。その理由は次の通りである。
・国道178号線の終点は岩美郡岩美町であり、鳥取市ではないから。
・岩美郡岩美町は平成の大合併で独立を貫いており、状況が大幅に変わらない限りそれは今後も維持されるであろうから。
・鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道)は国道9号線駟馳山バイパス以東の部分(岩美インターチェンジ〔岩美郡岩美町浦富〈うらどめ〉〕以東)については国道178号線のバイパスとして建設されているから。
・鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道)の兵庫・鳥取県境〜福部インターチェンジ間は2018年度(平成30年度)に全線開通する予定になっているから(現在東浜インターチェンジ〔岩美郡岩美町陸上〈くがみ〉〕〜浦富インターチェンジ〔岩美郡岩美町浦富〕間が建設中)。
・鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道)の兵庫・鳥取県境〜福部インターチェンジ間の開通後、国道178号線の鳥取県内部分は鳥取・豊岡・宮津自動車道(山陰・近畿自動車道)に移行することになるものと思われるから。
 ではどうなるのか。考えられる方法は既存の県道路線の延伸と県道路線の新規認定ぐらいである。旧道区間で接続する道路で国道178号線に次ぐ地位を有する県道43号鳥取・福部線の延伸は確実であろうがその他はどうなるのか。今後の動きが注目されるところである。

総括

 移管時期が来年4月1日になるためにまだ詳細が決まっていない国道9号線駟馳山旧道を除く8箇所の移管箇所を見て感じたことを挙げると次の通りになる。
・これまでも多数行われてきたバイパス開通に伴う旧道処分でしかないこと。
・国土交通省が管理する国道路線全部分の地方自治体への移管は全く行われていないこと。
・移管(再編)後の路線は国から補助金が出る国道路線や主要地方道路線になることが多いこと。
・理解に苦しむような路線再編が行われていること。
・バイパス開通からかなりの年月が経ってから再編が行われているところが多いこと。
・県道路線を新規認定するよりも既存の路線を延伸するところが多いこと。
 そこから見えてくることは地方自治体の財政事情は苦しいということである。国としては財政事情が厳しいし地方が自立して欲しいから移管を進めようとしているのだが、これでは話は進まないのは当然の帰結である。「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」が閣議決定されたのは国土交通省が管理する国道路線のバイパス開通に伴って発生した旧道の処分を促進したいことが目的だったのではないかと勘繰りたくなる。
 考えてみれば建設省→国土交通省が管理する国道路線において、バイパスが開通して生じた旧道の処分には新規認定の県道路線が充てられることが多かった。各路線の一次改築が完了した後―おおむね1960年代後半以降―の中国地方における事例は下表の通りとなる。

※「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」で地方自治体への移管が決まった箇所は下表には掲載していない。

県名 路線
番号
バイパス名 全線開通
年月日
認定された
県道路線の名称
認定年月日/
告示番号
備考
兵庫県
鳥取県
9 蒲生 1978年
(昭和53年)
12月7日
県道119号千谷・蕪島線 1979年(昭和54年)12月14日
兵庫県告示第2,960号
1979年(昭和54年)12月25日
鳥取県告示第1,167号
旧道のうちの鳥取県岩美郡岩美町洗井(あらい)以東の部分が新規認定の県道路線に移行。
鳥取県 9 鳥取 1992年
(平成4年)
4月18日
県道318号伏野・覚寺線 1984年(昭和59年)3月13日
鳥取県告示第220号
旧道のうちの鳥取市覚寺以西の部分が新規認定の県道路線に移行。
北条 1990年
(平成2年)
11月8日
県道320号羽合・東伯線 1991年(平成3年)3月26日
鳥取県告示第291号
旧道のうちの東伯郡湯梨浜町田後(たじり)以西の部分が新規認定の県道路線に移行。
29 津ノ井 2001年
(平成13年)
3月17日
県道323号若葉台・東町線 2001年(平成13年)2月23日
鳥取県告示第97号
津ノ井バイパスの区間の解釈はいろいろあるがここでは鳥取市祢宜谷(ねぎだに)〜鳥取市宮長間に計画されたバイパスとしている。
鳥取市祢宜谷(矢中池付近)に未開通箇所が残っているが、一応バイパスの機能が十分発揮できる状態になった時を全線開通の時期としている。
旧道のうちの鳥取市尚徳町以南の部分が新規認定の県道路線に移行。
53 河原 2001年
(平成13年)
3月17日
県道298号袋河原・八坂線 1997年(平成9年)3月21日
鳥取県告示第203号
旧道のうちの鳥取市河原町袋河原以北の部分が新規認定の県道路線に移行。
島根県 9 松江 1958年
(昭和33年)
7月2日
県道263号浜乃木・湯町線 1972年(昭和47年)8月1日
島根県告示第595号
ここでの松江バイパスとは宍道湖に沿って松江市幸町〜松江市玉湯町湯町間に建設され、日本道路公団が経営する有料道路として開通した道路を指す(1972年〔昭和47年〕4月1日無料開放)。
旧道のうちの松江市浜乃木三丁目以西の部分が新規認定の県道路線に移行。
波根 1971年
(昭和46年)
9月16日
県道285号波根・久手線 1972年(昭和47年)3月21日
島根県告示第208号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
岡山県 2 岡山 1999年
(平成11年)
3月24日
県道162号岡山・倉敷線 1979年(昭和54年)3月30日
岡山県告示第279号
旧道のうちの岡山市北区野田三丁目〜倉敷市大島間が新規認定の県道路線に移行。
広島県 2 本郷 1967年
(昭和42年)
7月13日
県道165号本郷・忠海線 1968年(昭和43年)7月23日
広島県告示第603号
旧道のうちの三原市本郷南六丁目以西の部分が新規認定の県道路線に移行。但し新規認定の県道路線が旧道を通っているのは全体のうちのわずかな部分である。
その後の主要地方道再編
(注19)により旧道は現在県道33号瀬野川・福富・本郷線下北方支線になっている。
新広島 1966年
(昭和41年)
12月20日
県道164号広島・海田線 1968年(昭和43年)7月23日
広島県告示第603号
旧道のうちの広島市中区紙屋町一丁目以東の部分が新規認定の県道路線に移行。
54 佐東 1969年
(昭和44年)
8月8日
県道270号八木・緑井線 1970年(昭和45年)7月21日
広島県告示第630号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
185 仁方 1977年
(昭和52年)
9月28日
県道261号仁方港線 1979年(昭和54年)3月23日
広島県告示第245号
旧道のうちの呉市仁方本町二丁目以西の部分が新規認定の県道路線に移行。但し新規認定の県道路線が旧道を通っているのは全体のうちの半分程度である。
山口県 2 周南 1975年
(昭和50年)
6月5日
県道347号下松・新南陽線 1978年(昭和53年)4月1日
山口県告示第308号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
小郡 1975年
(昭和50年)
2月27日
県道335号江崎・陶線 1976年(昭和51年)5月14日
山口県告示第428号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
厚狭 2008年
(平成20年)
1月26日
県道225号船木・津布田線 2008年(平成20年)3月31日
山口県告示第157号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
9 山口 1995年
(平成7年)
2月10日
県道204号宮野・大歳線 1995年(平成7年)3月31日
山口県告示第261号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
188 下松 1991年
(平成3年)
3月19日
県道366号徳山・下松線 1992年(平成4年)3月21日
山口県告示第250号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
191 三隅 1994年
(平成6年)
3月30日
県道287号長門・三隅線 1994年(平成6年)3月29日
山口県告示第257号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。
大刈 1977年
(昭和52年)
3月25日
県道343号宇田・須佐線 1978年(昭和53年)4月1日
山口県告示第308号
旧道の全部分が新規認定の県道路線に移行。

 中には狭隘箇所を抱えているところや交通量が少ないところもあるのだが、旧道処分の際に新たな県道路線に移行したところの大半は旧道になっても重要だとされている路線であることがうかがえる。
 しかし、昭和時代末期頃から県の財政事情悪化が原因なのか、バイパス開通後も重要性を有しているはずの旧道が県道にならず、通過市町村に移管される例や県または政令指定都市が管理する別の国道路線に再編される例が見られるようになった(主な例は下表参照。「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」で地方自治体への移管が決まった箇所は除く)。

(通過市町村に移管された例)

県名 路線
番号
バイパス名 全線開通
年月日
通過市町村
移管区間
備考
岡山県 53 岡山北 1998年
(平成10年)
10月28日
岡山市北区伊島北町〜
岡山市北区吉宗間
(全線)
・途中の岡山市北区津島京町三丁目で県道238号上芳賀(かみはが)・岡山線と、岡山市北区吉宗で県道237号日応寺・栢谷(かいだに)線とそれぞれ接続。
・岡山市に移管された背景には1990年代中期に表面化した岡山県の財政事情の悪化があったものと思われる。
・岡山市に移管させるのであれば県道237号日応寺・栢谷線と県道238号上芳賀・岡山線の終点を岡山北バイパスとの交点(県道237号日応寺・栢谷線…岡山市北区栢谷、県道238号上芳賀・岡山線…岡山市北区首部〔こうべ〕)にし、岡山北バイパス以東については区域から外すのが妥当なところなのだがそれは未だに実施されていない
(注20)
・更に2009年(平成21年)4月1日には岡山市が政令指定都市に移行し、県道路線も岡山市が管理するようになったため旧道の県道路線認定も県道237号日応寺・栢谷線と県道238号上芳賀・岡山線の終点の変更も実現の見込みがなくなってしまった
(注21)
広島県 2 西条 1993年
(平成5年)
4月15日
東広島市西条町下三永〜
東広島市西条町御薗宇間
・三原方面と東広島市中心部を往来する場合の最短経路となる道の一部。
・東広島市西条町御薗宇/円城寺入口交差点を境に三原方面は東広島市道に、広島方面は国道486号線に再編された。理由としては旧道のすぐ近くを国道375号線御薗宇バイパスが通ることになっていたことや旧道を県道にすると東広島市中心部を国道路線が通らなくなってしまうこと、西条バイパス全線開通の直前に東広島市を終点とする国道486号線が発足したため後釜に国道486号線を入れたほうが都合が良くなったことなどが考えられる。
185 休山 2002年
(平成14年)
3月21日
呉市西畑町〜
呉市阿賀中央三丁目間
・休山新道開通により交通量こそ少なくなったが、休山新道の迂回路として有用な存在である。
・呉市西畑町/西畑交差点を境に呉市中心部方面は県道174号瀬野・呉線に、竹原方面は呉市道に再編された。理由としては旧道は呉市で完結することや広島県の財政事情が厳しいこと、交通量が少なくなったことなどが考えられる。
安浦 1998年
(平成10年)
8月5日
呉市安浦町中切〜
呉市安浦町中央二丁目間
・呉市中心部と呉市安浦地区中心部を往来する場合の最短経路となる道の一部。
・呉市安浦町中央二丁目/中央3丁目交差点を境に呉市中心部方面は呉市道に、竹原方面は県道34号矢野・安浦線に再編された。理由としては旧道は呉市で完結することや広島県の財政事情が厳しいことなどが考えられる。
・しかし、県道34号矢野・安浦線は呉市安浦町中央北二丁目/中央北2丁目交差点〜呉市安浦町中央六丁目/西三津口交差点間に建設されたバイパス(JR呉線安浦駅〔呉市安浦町中央一丁目〕の北側を通っている)に移行することになっており、呉市安浦町中央二丁目/中央3丁目交差点以東の処遇が問題になるのは確実な状況にある。
・呉市安浦町中央二丁目/中央3丁目交差点以東の旧道は呉市安浦町中央一丁目/安浦駅前交差点で県道205号安浦停車場線と県道465号川尻・安浦線と接続しているため、もし県道34号矢野・安浦線が安浦駅北側を通るバイパスに移行した場合これらの路線の区域をどうするかが問題になる。県道205号安浦停車場線を国道185号線との交点、すなわち呉市安浦町中央一丁目/安浦バイパス東口交差点か呉市安浦町水尻一丁目/晴海大橋南詰交差点まで延伸するか、現在は呉市安浦町内海(うちのうみ)北四丁目で終点となっている県道334号小多田・安浦線を呉市安浦町中央一丁目/安浦バイパス東口交差点まで延伸するか、旧道の全部分を区域とする県道路線を発足させるかが考えられる再編方法であるが、果たしてどうなるのだろうか。
山口県 2 防府 1988年
(昭和63年)
11月22日
防府市沖今宿二丁目〜
防府市戎町一丁目間
・周南方面と防府市中心部を往来する場合の最短経路となる道の一部。
・防府市富海(旧道起点)〜防府市沖今宿二丁目/沖今宿二丁目交差点間は県道58号防府環状線に、防府市戎町(えびすまち)一丁目/戎町交差点〜防府市佐波二丁目/八王子交差点間は県道54号防府停車場線に、防府市佐波二丁目/八王子交差点〜防府市佐野/佐野交差点間は県道187号高井・大道停車場線にそれぞれ再編されたが、残る防府市沖今宿二丁目/沖今宿二丁目交差点〜防府市戎町一丁目/戎町交差点間が防府市に移管された。再編時期はバブル景気の真っ只中にあったことや地方自治体の財政事情の悪化が社会問題化していなかったことを考えればこの再編は奇異に映るのだが、人口減少や産業構造の転換、中核都市の形成が県政の課題になっていた山口県の意向があった可能性が高い。
・現在防府市は中国地方にある人口10万人以上の都市
(注22)で唯一中心部に国道路線が通っていない都市となっている。そのことを考えれば防府市佐波二丁目/八王子交差点を境に周南方面は国道262号線に、下関方面は県道25号宇部・防府線に再編したほうが良かったのでは…と思うのだがどうであろうか。
埴生 2006年
(平成18年)
7月29日
山陽小野田市山野井〜
山陽小野田市埴生間
・山陽小野田市厚狭(あさ)地区と山陽小野田市埴生(はぶ)地区を往来する場合の最短経路となる道の一部。
・山陽小野田市埴生/上市交差点を境に山口方面は山陽小野田市道に、下関・門司(もじ)方面は国道190号線に再編された。理由としては交通量が少なく、県道にする意味が見出せなかったことが考えられる。
小月 1988年
(昭和63年)
11月28日
下関市松屋東町二丁目〜
下関市松屋本町四丁目間
下関市小月西の台〜
下関市小月本町二丁目間
・下関市松屋本町五丁目/松屋ランプ交差点(交差点名標なし)〜下関市小月西の台/京泊交差点間は県道33号下関・美祢線に、下関市小月本町二丁目/小島交差点〜下関市長府才川一丁目/才川交差点(旧道終点)間は国道491号線にそれぞれ再編されたが、残る下関市松屋東町二丁目/工領(くりょう)交差点(旧道起点)〜下関市松屋本町四丁目/松屋ランプ交差点(交差点名標なし)間と下関市小月西の台/京泊交差点間〜下関市小月本町二丁目/小島交差点間は下関市に移管された。
・下関市松屋東町二丁目/工領(くりょう)交差点(旧道起点)〜下関市松屋本町四丁目/松屋ランプ交差点(交差点名標なし)間の旧道はすぐ近くを国道2号線(国道9号線重用)小月バイパスが通っていることもあって下関市に移管させるのが妥当という判断を下したものと思われる。
・理解できないのは下関市小月西の台/京泊交差点間〜下関市小月本町二丁目/小島交差点間である。この区間は下関市中心部方面と美祢方面を往来する場合の最短経路となる道の一部になるのだがなぜか県道33号下関・美祢線には編入されなかった。それどころか県道33号下関・美祢線は下関市清末千房二丁目/清末千房二丁目東交差点(交差点名標なし)〜下関市小月西の台/京泊交差点間で遠回りな経路(下関市清末中町三丁目/清末東交差点と下関市松屋本町五丁目/松屋ランプ交差点〔交差点名標なし〕を経由。下関市清末中町三丁目/清末東交差点〜下関市松屋本町五丁目/松屋ランプ交差点〔交差点名標なし〕間は国道2号線〔国道9号線重用〕小月バイパスと重用)をとっており、なぜこのようにしたのだろうかと考えたくなる。
・現在下関市清末(国道2号線〔国道9号線重用〕小月バイパス交点)〜下関市小月本町二丁目/小島交差点間に国道491号線下小月バイパスが建設されており、2020年度(平成32年度)に予定されるこのバイパスの開通後下関市小月本町二丁目/小島交差点以西の旧道について再度再編が実施される可能性が出ている。もしかしたら下関市王司上町五丁目/下関高磯簡易郵便局前交差点(交差点名標なし)〜下関市長府才川一丁目/才川交差点(旧道終点)間も下関市に移管されるかもしれないのだが、果たしてどうなるのだろうか。

(県または政令指定都市が管理する別の国道路線に再編された例)

※バイパスとの接続を目的とした路線延伸は除く。

県名 路線
番号
バイパス名 全線開通
年月日
後釜に入った
国道路線の名称
備考
岡山県 2 岡山 1999年
(平成11年)
3月24日
国道250号線 ・国道250号線は1956年(昭和31年)に発足した時(当時の名称は二級国道250号神戸・赤穂・岡山線)から岡山市を終点としていたが、備前市伊部(いんべ)/伊部東交差点以西は国道2号線と重用しており、岡山市に単独区間は存在しなかった。
・1999年(平成11年)3月24日に東端部の岡山市東区浅川〜岡山市東区福治間が開通したことにより岡山バイパスが全線開通したことを受けて2003年(平成15年)に岡山市東区浅川(旧道起点)〜岡山市北区京橋南町/新京橋西交差点間が国道250号線の単独区間となり、発足以来47年経ってようやく岡山市内に単独区間が出現した。しかし、なぜか岡山市北区天瀬/新京橋西交差点以西は国道2号線のまま残されたため国道250号線は国道2号線と再度重用した状態で正式な終点である岡山市北区東中央町/大雲寺交差点に至っていた(岡山市北区天瀬/新京橋西交差点〜岡山市北区東中央町/大雲寺交差点間も国道250号線の単独区間になったのは前に記した通り今年4月1日からである)。
玉島 1994年
(平成6年)
3月17日
国道429号線 ・1982年(昭和57年)に発足した時の国道429号線の起点は倉敷市中島/大西交差点であった。
・1994年(平成6年)3月17日に西端部の倉敷市玉島道越〜倉敷市玉島阿賀崎間が開通したことにより玉島バイパスが全線開通したことを受けて2001年(平成13年)に起点が倉敷市玉島阿賀崎まで延伸された。
・国道429号線が後釜に選ばれたのは国道2号線玉島旧道は途中で国道1路線・主要地方道4路線・一般県道3路線と接続することや国道429号線岡山方面と国道2号線玉島旧道浅口方面が一直線に接続していたこと、岡山県の財政事情の悪化により県道路線の新規認定はできなかったことが考えられる。
・玉島バイパスの全線開通当時、国道2号線玉島バイパス岡山方面と国道2号線笠岡方面が直接接続していたが、その後の国道2号線玉島・笠岡道路の整備により現在は国道2号線玉島旧道改め国道429号線と国道2号線笠岡方面が直接接続する格好になっている(国道2号線玉島バイパス岡山方面と国道2号線笠岡方面は国道2号線玉島・笠岡道路玉島西インターチェンジ〔倉敷市玉島阿賀崎〕のランプウェイを介して接続)。国道2号線玉島・笠岡道路は現在のところ玉島西インターチェンジ〜浅口金光インターチェンジ(浅口市金光町佐方)間が開通しているだけであるが、今後全線開通した時どのような路線再編が行われるのか気になるところである。
広島県 2 西条 1993年
(平成5年)
4月15日
国道486号線 ・国道486号線は国道2号線西条バイパスが全線開通する2週間前の1993年(平成5年)4月1日に発足した路線である。総社市と東広島市を内陸部を通って結ぶ路線であるが、事実上の終点は賀茂郡豊栄町清武/清武交差点となっており、発足当時東広島市内に単独区間は存在しなかった(注23)
・東広島市中心部は国道2号線と国道375号線が通っていたが、国道2号線に続いて国道375号線も中心部の東方にバイパスを建設しており、中心部を国道路線が通らなくなることは確定的な状況にあった。
・そこで国道路線は原則として市の中心部を通すという広島県の方針にのっとり、国道2号線西条旧道のうちの東広島市西条町御薗宇/円城寺入口交差点〜東広島市八本松西二丁目/溝迫交差点間を国道486号線に再編したものと思われる。
・ただ、国道2号線西条バイパスは本サイトでは東広島バイパスと総称している東広島市西条町下三永〜広島市安芸区船越南四丁目間に計画されているバイパスの一部であり
(注24)、東広島バイパスが全線開通した時には東広島市八本松西三丁目/溝迫交差点以西の旧道処分問題が浮上する可能性がある。
54 祇園 1988年
(昭和63年)
3月23日
国道183号線 ・国道183号線は1953年(昭和28年)に発足した時(当時の名称は二級国道183号広島・米子線)から広島市と米子市を結ぶ路線だったのだが、三次市粟屋町/粟屋交差点以南は国道54号線と重用しており、広島市内に単独区間は存在しなかった。
・祇園新道が全線開通してからも長らく国道54号線横川・祇園旧道の再編は実施されないできたのだが、2008年(平成20年)になってようやく国道183号線(国道261号線重用)に再編された。発足55周年を前にしてようやく広島市内にも単独区間が出現したことになるのだが、混乱を防ぐためなのか当時のラジオの交通情報ではしばらくの間「183号線、元の54号線の長束付近では…」と担当者が言っていたものであった。
・旧道が国道183号線(国道261号線重用)に再編された背景としては広島市の財政事情が厳しいことや国道54号線の一次改築の際生じた旧道をもって発足した県道277号古市・広島線との兼ね合いがあったことが考えられる。
・なお、祇園新道は既存の道路、すなわち県道37号広島・三次線や広島市道を改修した部分と改めて建設した部分で構成されており、全線開通の時期は改めて建設した部分が開通し、一応バイパスとして有用になった時としている(既存の道路の改修が完成し、全線が国道54号線になったのは1994年〔平成6年〕6月2日のことである)。
三次 1975年
(昭和50年)
5月12日
国道375号線 ・広島県北部の中心都市・三次市の中心を通る国道路線、すなわち国道54号線と国道183号線(注25)は中心部で何度も右左折を繰り返すことや十分な道幅がなかったことからバイパス建設が企図され、国道54号線三次バイパスについては1975年(昭和50年)5月12日に、国道183号線十日市バイパスについては1987年(昭和62年)4月2日にそれぞれ全線開通した。
・これにより国道54号線は三次市西郊に経路を変えたため三次市中心部を通る国道路線は国道183号線に一本化されることになるかと思われたのだが、国道54号線三次バイパス開通の少し前の1975年(昭和50年)4月1日に発足した国道375号線は国道54号線や国道183号線の旧道の一部区間を継承することになった。理由としては三次市中心部の一部を形成する三次市三次町
(注26)を国道路線が通らなくなるのはどうかという声があったことが考えられる。
・但し国道54号線三次旧道のうち国道375号線が継承したのは三次市三次町/巴橋東詰交差点〜三次市三次町/尾関大橋北詰交差点(旧道終点)間だけであり、全区間ではない
(注27)

 これ以上県道路線を増やすことはできないし、再編するにしても補助金が出る国道路線にしたほうが良いという各県の苦しい財政事情が垣間見えるのだが、一方ではそういう事情を知らない方は「なぜこの道は旧道になった後も交通量が多いのに県道にしないのか」とか「なぜスッキリした道路網にしないのか」と思うことであろう。一見理不尽または不合理または不条理に見えることをするのには何かワケがあるということを最近感じ始めたところであるが、私として残念に思うのはきちんとした説明のないまま再編が行われているということである。「そのようにすることで状況はお察し下さい」というつもりなのだろうが…。

今後の展開はどうなるのか

 現在中国地方で計画されている国土交通省が管理する国道路線のバイパス(山陰自動車道の一部に組み込まれるものを除く)は下表の通りである。

県名 路線
番号
バイパス名 区間 備考
鳥取県 29 津ノ井バイパス 鳥取市祢宜谷
岡山県 2 玉島・笠岡道路 倉敷市玉島阿賀崎〜
笠岡市西大島新田
現在のところ倉敷市玉島阿賀崎(起点)〜浅口市金光町佐方間のみ開通している。
笠岡バイパス 笠岡市西大島新田〜
笠岡市茂平
現在のところ笠岡市西大島新田〜笠岡市入江間と笠岡市カブト南町〜笠岡市茂平間の側道のみ開通している。
53 津山南バイパス 久米郡美咲町打穴中〜
津山市平福
岡山空港(岡山市北区日応寺)と津山市を結ぶ地域高規格道路空港・津山道路の一部を構成していることもあってか起点(久米郡美咲町打穴中〔うたのなか〕)は国道53号線ではなく県道159号久米・中央線と接続している(反対に終点は津山市平福で国道53号線津山バイパスと接続している)。
津山バイパス 津山市皿〜
津山市二宮
終点(津山市二宮)は国道53号線ではなく県道338号市場・津山線と接続している。終点から国道53号線に戻るまでの経路が決定していないことから本サイトでは全線開通とは見なしていない。
津山市二宮以北に延伸する用意があることはなぜか北に向けて道幅が広がっている二宮高架橋の形状からも明らかであるが、現在のところ延伸が具体化している様子はない。
バイパスとしては不完全なままであるが、国道179号線や県道338号市場・津山線、県道394号大篠・津山停車場線、津山市道を介して国道53号線に復帰することは可能である。
180 岡山環状南道路 岡山市南区藤田〜
岡山市南区大福
一宮バイパス 岡山市北区楢津〜
岡山市北区門前
ほとんどの場合総社・一宮バイパスと称されているが、現道拡幅で対処する区間(岡山市北区門前〜総社市窪木間)があるため本サイトでは一宮バイパスと総社バイパスに分けている。
現在のところ岡山市北区楢津(起点)〜岡山市北区一宮山崎間のみ開通している。
総社バイパス 総社市窪木〜
総社市井尻野
ほとんどの場合総社・一宮バイパスと称されているが、現道拡幅で対処する区間(岡山市北区門前〜総社市窪木間)があるため本サイトでは一宮バイパスと総社バイパスに分けている。
現在のところ総社市窪木(起点)〜総社市総社間のみ開通している。
岡山県
広島県
2 福山道路 笠岡市茂平〜
福山市瀬戸町山北
広島県 2 木原道路 尾道市福地町〜
三原市糸崎八丁目
安芸バイパス 東広島市八本松町飯田〜
広島市安芸区上瀬野町
現在のところ東広島市八本松町飯田(起点)〜東広島市八本松西二丁目間が県道83号志和インター線支線として開通しただけである。
東広島バイパス 広島市安芸区上瀬野町〜
広島市安芸区船越南四丁目
現在のところ広島市安芸区瀬野南町〜安芸郡海田町浜角間と安芸郡海田町南昭和町〜広島市安芸区船越南四丁目間が開通している。但し安芸郡海田町内の未開通区間は側道として整備された県道276号矢野・海田線で迂回できるため一応はバイパスとして有用になっている。
広島南道路 安芸郡海田町南昭和町〜
廿日市市地御前二丁目
現在のところ高架道路などを介して安芸郡海田町南昭和町〜廿日市市木材港南間が一本の道に繋がっている上に県道247号廿日市港線を介して国道2号線に復帰できるので一応はバイパスとして有用にはなっている。但し国道2号線に指定されているのは広島市南区宇品海岸三丁目〜広島市南区出島一丁目間及び広島市中区光南三丁目〜広島市西区観音新町四丁目間の側道(地上部の道路)だけである。
54 可部バイパス 広島市安佐北区大林町
185 安芸津バイパス 東広島市安芸津町風早〜
竹原市吉名町
現在のところ東広島市安芸津町三津〜東広島市安芸津町木谷間のみ開通している。
広島県
山口県
2 岩国・大竹道路 大竹市小方一丁目〜
岩国市山手町三丁目
山口県 188 岩国南バイパス 岩国市山手町三丁目〜
岩国市海土路町二丁目
現在のところ岩国市山手町四丁目〜岩国市海土路町(みどろまち)二丁目間のみ開通している。
国道2号線岩国・大竹道路と接続する起点はともかく、終点は国道188号線に接続していないこと(県道112号藤生〔ふじゅう〕停車場・錦帯橋線)から柳井方面に延伸する可能性がある。

 上表のバイパスはいずれも全線開通時期は今のところ未定となっているし、諸事情で全く着手されないままになっているものや計画が今後どうなるのかはっきりしていないものもあるのだが、恐らく2020年代にはこれらのバイパスの開通に伴う旧道処分が相次ぐことになるのではないのだろうか。果たしてどんな再編となるのか、今後も注目していきたいところである。

 ところで、「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」は結局今までも行われていたバイパス開通後の旧道処分でしかないではないかと思っている方も多いのではないのだろうか。実は一つの都道府県で完結する国土交通省が管理する国道路線の全区間を通過する都道府県や政令指定都市に移管することも考えられているのである。中国地方では次に挙げる路線が候補になるのではないかと思われる。

路線
番号
候補に挙げられる理由
31 ・広島県しか通らないため。
180 ・本来は岡山県・鳥取県・島根県を通る路線(注29)だが、国土交通省管理区間は岡山県で完結しているため。
185 ・広島県しか通らないため。
・広島県が管理している区間があり、管理者の統一が必要だとされているため。
188 ・山口県しか通らないため。
190 ・山口県しか通らないため。
191 ・全線が国土交通省の管理になっていないため。
・国土交通省管理区間がなぜか途中で中断しているため

・国土交通省管理区間の中断部分は山口県が管理しており、管理者の統一が必要だとされているため。

 しかし、ここまで踏み込んだ移管はまだどこでも行われていない。いずれも何十kmにも及ぶ路線であり、受け入れることになる都道府県や政令指定都市にはかなりの重荷になるからである。更に管理者が都道府県や政令指定都市に移管された場合地方自治体の財政事情などから整備が滞る恐れがあるし、沿線住民が反対の声を上げることも考えられない話ではない。
 「このようになることは目に見えていた」と私は思う。国の方針に沿ったことではないのだが、過去に鳥取県が山陰自動車道の県内区間全線開通を契機に国道9号線を山陰自動車道に移行させる考えがあることとそれまでの国道9号線を県道(無論一般県道路線になる)に移行させること、それで管理費用が増大するために既存の県道路線を整理する考えがあることを打ち出したことがあった。それが中国新聞朝刊で報じられてから間もなく10年になるのだが、山陰自動車道に並行する部分の国道9号線が県道になったという話はないことやこの10年間で廃止され、通過市町村に移管された路線はわずか四つ(注30)しかないことを考えるとそのように考えたくなるのである。通過市町村が引き取って整備するのが妥当な大義名分(注31)があるのならまだ良いのだが、ただ地方分権を推進するとか国家財政が厳しいとかいうような理由で財政事情が厳しい地方自治体に移管させようとしても進まないのは当然の帰結であろう。恐らく一つの路線を一括して移管することは今後も進まないだろうと私は考えている。
 しかし、一つだけ明らかなのは現在の国道路線の在り方を見直す必要はあるということである。政治が絡む問題であることや国家財政が厳しいこと、標識更新などで莫大な費用がかかること、再編を巡って地域住民などから反対の声が上がることなどから実現は非常に困難なのだが、私は次に挙げる理由からそれは考えられても良いのではないかと考えている。
・一級国道と二級国道を統合して一般国道を発足させたのはやはり無理があったのではないかと感じているから。
・路線によっては管理者が複数に分かれるものがあるから。
・いくら一般国道が発足したとしても国土交通省が管理している路線は直轄国道、都府県や政令指定都市が管理している路線は補助国道という分類方法が存在するから。
・国道180号線など一級国道に昇格しても良かった路線が一般国道発足によりかなわない話となり、それで損をしている面があるのではないかと考えているから。
・広域交通は高速道路が担うようになったから。
・高速道路の整備が進んだが、ほとんどの場合路線名称またはそれを略したもので呼ぶことが多く、路線番号が付けられているものは少ないから(私は見たことはないのだが路線番号が付けられていても路線番号を知る手段がないところがいくつもあるらしい)。
・バイパスが開通しても何十kmにわたってバイパスと現道の両方がずっと同じ路線になっているところが少なくないから。
・国道4号線や国道17号線などかなり離れたところにバイパスを建設した結果、現道とバイパスで経由市区郡町村が違うものが出てきたから。
・高速道路を国道路線のバイパスとして建設する例があるが、山陰自動車道のように複数の国道路線に跨るものが出てきたから。
・都市部の渋滞解消を目的としたバイパスの開通後、ある程度の規模の都市の中心部を国道路線が通らなくなったところがあるから。
 既に現行道路法の施行から60年以上の歳月が、一般国道発足から50年以上の歳月が、そして最後の国道路線再編から20年以上の歳月が流れた。無論その間に状況は大きく変わった。それに国道路線はどのように対応させていくべきなのか。そして「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」が目的としている地方分権や地方自立を実現させるために何を行っていくべきなのか。今後も展開に注目していきたいところである。

(注釈コーナー)

注1:国道9号線(国道54号線重用)湯町旧道の起点側は松江市中心部方面からしか旧道には入れないように、反対に終点側は旧道と出雲・雲南方面との往来はできないようにそれぞれ改造された。旧道と松江市中心部方面との往来は松江市玉湯町湯町/玉湯中央交差点を、旧道と出雲・雲南方面との往来は松江市玉湯町湯町/玉湯支所西交差点をそれぞれ経由しないとできないようになった。

注2:「地図・空中写真閲覧サービス」というサイトでは勝田郡奈義町上町川・滝本付近の空中写真は1972年(昭和47年)以前のものになると1947年(昭和22年)にアメリカ軍によって撮影されたものしか公開されていない。よって「地図・空中写真閲覧サービス」というサイトでは1947〜1972年(昭和22〜47年)の道路の形状の変遷が分からないということになる。

注3:反対に国道191号線の起点が終点となっている国道9号線は国道2号線との重用区間である下関市長府松小田東町から多車線区間になっていた。10km以上もの長きにわたって多車線区間になっていたのは1969年(昭和44年)まで路面電車(山陽電気軌道)が道路の中央を通っていたからである。

注4:国道191号線下関北バイパスの唯一の部分開通となったのは下関市汐入町(バイパス起点)〜下関市武久町二丁目(県道258号武久・椋野線交点)間の約1.1kmで2006年(平成18年)3月19日のことである。下関北バイパスの新規建設部分の延長は約5.4kmだからその約5分の1しかその時は開通しなかったということになる。

注5:国道191号線下関北バイパスにあるランプは下表の通りである(ランプの名称は便宜上付けたものである)。

名称 読み方 所在地 接続道路 備考
武久 たけひさ 武久町二丁目 県道258号武久・椋野線
下関市道
東進すると県道258号武久・椋野線、西進すると下関市道となる。
このランプだけ接続道路が国道191号線下関北バイパスの上を通っている。
垢田南 あかだみなみ 垢田町四丁目 下関市道 垢田沖人工島(長州出島)の最寄ランプ(但し長州出島は関係者以外の立ち入りはできない)。
垢田北 あかだきた 垢田 下関市道 接続道路は現在計画中。東進すると県道259号新下関停車場・稗田線に、西進すると響灘に沿って県道258号武久・椋野線にそれぞれ直通する道路になる予定である(開通後下関市道になるか一部分または全部分が県道になるかは未定)。
綾羅木北 あやらぎきた 綾羅木新町二丁目 下関市道 東進のみ可能(響灘のそばにあるため西進する道は設けられない)。

注6:山口県では国道2号線防府バイパス(1988年〔昭和63年〕11月22日全線開通)や国道188号線下松バイパス(1991年〔平成3年〕3月19日全線開通)が全線開通からかなりの年数が経過しているのに全線の上下4車線化への動きが起きていない。

注7:下関市のうちの豊浦・豊北(ほうほく)・安岡・吉見・吉母(よしも)各地区を指す。

注8:中国地方の国道9号線では出雲バイパス以外には鳥取バイパス・北条(ほうじょう)バイパス・山口バイパス・小郡山手バイパスがある。いずれも旧道処分は完了しており、国道9号線の区域から外されている。

注9:簸川郡斐川町は2011年(平成23年)10月1日に出雲市に編入されている。今のところこれが中国地方における最後の市区郡町村異動となっている。

注10:岡山市北区伊島北町〜岡山市北区吉宗間のいわゆる国道53号線津高旧道を指す。この道は岡山北バイパスが全線開通した後も交通量は多く、更に途中で県道238号上芳賀・岡山線と県道237号日応寺・栢谷線が接続しているにもかかわらず岡山市に移管された。

注11:1996年(平成8年)11月15日岡山県告示第670号により県道703号備前・柵原(やなはら)自転車道線が認定されたのだが、これが現在のところ最後に認定された岡山県の県道路線となっている。

注12:岡山市と広島市を通過する国道路線と県道路線は下表の通りである。

(岡山市)

行政区名 通過路線 備考
国道 主要地方道 一般県道
北区 国道30号線
国道53号線
国道180号線
国道250号線
国道429号線
国道484号線
(6路線)
県道21号岡山・児島線
県道27号岡山・吉井線
県道28号岡山・牛窓線
県道30号落合・建部線
県道31号高梁・御津線
県道40号岡山港線
県道42号岡山停車場線
県道53号御津・佐伯線
県道61号妹尾・御津線
県道70号久米・建部線
県道71号建部・大井線
県道72号岡山・賀陽線
県道73号箕島・高松線
県道76号総社・三和線
県道81号東岡山・御津線
県道96号岡山・赤穂線
(16路線)
県道151号妹尾・吉備線
県道153号早島・吉備線
県道160号三和・西菅野線
県道162号岡山・倉敷線
県道173号大元停車場線
県道174号大元停車場・上中野線
県道211号建部停車場線
県道213号福島・橋本線
県道218号玉柏・野々口線
県道219号原・藤原線
県道236号巌井・野田線
県道237号日応寺・栢谷線
県道238号上芳賀・岡山線
県道239号上芳賀・大窪線
県道241号長野・高松線
県道242号川入・巌井線
県道243号一宮・備前一宮停車場線
県道244号当新田・中仙道線
県道245号真金・吉備線
県道249号掛畑・虎倉線
県道255号仁堀中・御津線
県道270号清音・真金線
県道271号総社・足守線
県道364号矢知・赤坂線
県道367号勝尾・宇甘線
県道373号栃原・久米南線
県道386号津高・法界院停車場線
県道389号吉備津・松島線
県道400号後楽園線
県道402号原尾島・番町線
県道423号福渡停車場線
県道451号和田北・鶴田線
県道453号宮地・鹿瀬線
県道456号下籾・三明寺線
県道457号吉田・御津線
県道461号矢原・国ヶ原線
県道468号平岡・小鎌線
県道700号岡山・総社自転車道線
県道701号岡山・賀陽自転車道線
(39路線)
中区 国道2号線
国道250号線
(2路線)
県道28号岡山・牛窓線
県道45号岡山・玉野線
県道81号東岡山・御津線
県道96号岡山・赤穂線
(4路線)
県道215号江崎・金岡線
県道216号沖元・円山線
県道219号原・藤原線
県道383号九蟠・東岡山停車場線
県道384号今在家・東岡山停車場線
県道402号原尾島・番町線
(6路線)
東区 国道2号線
国道250号線
(2路線)
県道28号岡山・牛窓線
県道37号西大寺・山陽線
県道69号西大寺・備前線
県道79号佐伯・長船線
県道81号東岡山・御津線
県道83号飯井・宿線
県道96号岡山・赤穂線
(7路線)
県道177号九蟠・中野線
県道178号瀬戸停車場線
県道179号万富停車場・弓削線
県道215号江崎・金岡線
県道220号沼・瀬戸線
県道221号一日市・瀬戸線
県道224号瀬・西大寺線
県道226号牛窓・邑久・西大寺線
県道229号上阿知・本庄線
県道231号神崎・邑久線
県道232号鹿忍・片岡・神崎線
県道233号宝伝・久々井・南水門線
県道234号東片岡・宿毛線
県道235号橋詰・千手線
県道251号馬屋・瀬戸線
県道252号万富・吉井線
県道254号可真上・万富停車場線
県道383号九蟠・東岡山停車場線
県道397号寒河・本庄・岡山線
県道464号服部・射越線
(20路線)
南区 国道2号線
国道30号線
国道180号線
(3路線)
県道21号岡山・児島線
県道22号倉敷・玉野線
県道40号岡山港線
県道45号岡山・玉野線
県道61号妹尾・御津線
県道73号箕島・高松線
県道74号倉敷・飽浦線
(7路線)
県道151号妹尾・吉備線
県道152号倉敷・妹尾線
県道175号妹尾停車場線
県道212号浦安・豊成線
県道213号福島・橋本線
県道214号洲崎・米倉線
県道217号飽浦・東児線
県道244号当新田・中仙道線
県道267号藤田・妹尾線
県道399号金甲山線
県道463号長谷・小串線
(11路線)
市域全体 国道2号線
国道30号線
国道53号線
国道180号線
国道250号線
国道429号線
国道484号線
(7路線)
県道21号岡山・児島線
県道22号倉敷・玉野線
県道27号岡山・吉井線
県道28号岡山・牛窓線
県道30号落合・建部線
県道31号高梁・御津線
県道37号西大寺・山陽線
県道40号岡山港線
県道42号岡山停車場線
県道45号岡山・玉野線
県道53号御津・佐伯線
県道61号妹尾・御津線
県道69号西大寺・備前線
県道70号久米・建部線
県道71号建部・大井線
県道72号岡山・賀陽線
県道73号箕島・高松線
県道74号倉敷・飽浦線
県道76号総社・三和線
県道79号佐伯・長船線
県道81号東岡山・御津線
県道83号飯井・宿線
県道96号岡山・赤穂線
(23路線)
県道151号妹尾・吉備線
県道152号倉敷・妹尾線
県道153号早島・吉備線
県道160号三和・西菅野線
県道162号岡山・倉敷線
県道173号大元停車場線
県道174号大元停車場・上中野線
県道175号妹尾停車場線
県道177号九蟠・中野線
県道178号瀬戸停車場線
県道179号万富停車場・弓削線
県道211号建部停車場線
県道212号浦安・豊成線
県道213号福島・橋本線
県道214号洲崎・米倉線
県道215号江崎・金岡線
県道216号沖元・円山線
県道217号飽浦・東児線
県道218号玉柏・野々口線
県道219号原・藤原線
県道220号沼・瀬戸線
県道221号一日市・瀬戸線
県道224号瀬・西大寺線
県道226号牛窓・邑久・西大寺線
県道229号上阿知・本庄線
県道231号神崎・邑久線
県道232号鹿忍・片岡・神崎線
県道233号宝伝・久々井・南水門線
県道234号東片岡・宿毛線
県道235号橋詰・千手線
県道236号巌井・野田線
県道237号日応寺・栢谷線
県道238号上芳賀・岡山線
県道239号上芳賀・大窪線
県道241号長野・高松線
県道242号川入・巌井線
県道243号一宮・備前一宮停車場線
県道244号当新田・中仙道線
県道245号真金・吉備線
県道249号掛畑・虎倉線
県道251号馬屋・瀬戸線
県道252号万富・吉井線
県道254号可真上・万富停車場線
県道255号仁堀中・御津線
県道267号藤田・妹尾線
県道270号清音・真金線
県道271号総社・足守線
県道364号矢知・赤坂線
県道367号勝尾・宇甘線
県道373号栃原・久米南線
県道383号九蟠・東岡山停車場線
県道384号今在家・東岡山停車場線
県道386号津高・法界院停車場線
県道389号吉備津・松島線
県道397号寒河・本庄・岡山線
県道399号金甲山線
県道400号後楽園線
県道402号原尾島・番町線
県道423号福渡停車場線
県道451号和田北・鶴田線
県道453号宮地・鹿瀬線
県道456号下籾・三明寺線
県道457号吉田・御津線
県道461号矢原・国ヶ原線
県道463号長谷・小串線
県道464号服部・射越線
県道468号平岡・小鎌線
県道700号岡山・総社自転車道線
県道701号岡山・賀陽自転車道線
(69路線)

(広島市)

行政区名 通過路線 備考
国道 主要地方道 一般県道
安芸区 国道2号線
国道31号線
(2路線)
県道33号瀬野川・福富・本郷線
県道34号矢野・安浦線
県道84号東海田・広島線
県道85号下瀬野・海田線
(4路線)
県道151号府中・海田線
県道164号広島・海田線
県道174号瀬野・呉線
県道196号安芸中野停車場線
県道274号瀬野・船越線
県道276号矢野・海田線
県道335号津江・八本松線
(7路線)
安佐北区 国道54号線
国道183号線
国道191号線
国道261号線
(4路線)
県道5号浜田・八重・可部線
県道37号広島・三次線
県道38号広島・豊平線
県道40号安佐・豊平・芸北線
県道46号東広島・白木線
県道68号大林・井原線
県道70号広島・中島線
県道77号久地・伏谷線
(8路線)
県道176号小河原・志和線
県道177号下・佐東線
県道226号井原市停車場線
県道240号可部停車場線
県道253号南原峡線
県道267号宇津・可部線
県道268号勝木・安古市線
県道269号今井田・緑井線
県道271号八木・広島線
県道309号小河内・都志見線
県道327号古屋・吉田線
県道328号志和口・向原線
県道459号矢口・安古市線
(13路線)
安佐南区 国道54号線
国道183号線
国道191号線
国道261号線
(4路線)
県道38号広島・豊平線
県道71号広島・湯来線
県道77号久地・伏谷線
(3路線)
県道152号府中・祇園線
県道177号下・佐東線
県道265号伴・広島線
県道268号勝木・安古市線
県道269号今井田・緑井線
県道270号八木・緑井線
県道271号八木・広島線
県道277号古市・広島線
県道459号矢口・安古市線
(9路線)
国道191号線と国道261号線は単独区間なし。
佐伯区 国道2号線
国道191号線
国道433号線
国道488号線
(4路線)
県道41号五日市・筒賀線
県道42号大竹・湯来線
県道71号広島・湯来線
県道77号久地・伏谷線
(4路線)
県道177号下・佐東線
県道199号五日市停車場線
県道265号伴・広島線
県道290号原田・五日市線
県道291号長野・葛原線
県道292号川角・佐伯線
県道293号本多田・佐伯線
県道304号中筒賀・下線
県道461号白砂・玖島線
(9路線)
中区 国道2号線
国道54号線
国道183号線
国道191号線
国道261号線
(5路線)
県道37号広島・三次線
県道84号東海田・広島線
(2路線)
県道164号広島・海田線
県道243号広島港線
県道265号伴・広島線
(3路線)
国道191号線と国道261号線は単独区間なし。
西区 国道2号線
国道183号線
国道261号線
(3路線)
県道71号広島・湯来線
県道84号東海田・広島線
(2路線)
県道262号南観音・観音線
県道265号伴・広島線
県道277号古市・広島線
(3路線)
国道261号線は単独区間なし。
東区 国道54号線
国道191号線
(2路線)
県道37号広島・三次線
県道70号広島・中島線
県道84号東海田・広島線
(3路線)
県道152号府中・祇園線
県道264号中山・尾長線
県道271号八木・広島線
県道472号広島東インター線
県道473号府中・仁保線
県道474号温品・二葉の里線
(6路線)
国道191号線と県道271号八木・広島線は単独区間なし。
県道474号温品・二葉の里線は全線未開通。
南区 国道2号線
国道487号線
(2路線)
県道37号広島・三次線
県道70号広島・中島線
県道84号東海田・広島線
県道86号翠町・仁保線
(4路線)
県道164号広島・海田線
県道187号浜田・仁保線
県道243号広島港線
県道473号府中・仁保線
(4路線)
市域全体 国道2号線
国道31号線
国道54号線
国道183号線
国道191号線
国道261号線
国道433号線
国道487号線
国道488号線
(9路線)
県道5号浜田・八重・可部線
県道33号瀬野川・福富・本郷線
県道34号矢野・安浦線
県道37号広島・三次線
県道38号広島・豊平線
県道40号安佐・豊平・芸北線
県道41号五日市・筒賀線
県道42号大竹・湯来線
県道46号東広島・白木線
県道68号大林・井原線
県道70号広島・中島線
県道71号広島・湯来線
県道77号久地・伏谷線
県道84号東海田・広島線
県道85号下瀬野・海田線
県道86号翠町・仁保線
(16路線)
県道151号府中・海田線
県道152号府中・祇園線
県道164号広島・海田線
県道174号瀬野・呉線
県道176号小河原・志和線
県道177号下・佐東線
県道187号浜田・仁保線
県道196号安芸中野停車場線
県道199号五日市停車場線
県道226号井原市停車場線
県道240号可部停車場線
県道243号広島港線
県道253号南原峡線
県道262号南観音・観音線
県道264号中山・尾長線
県道265号伴・広島線
県道267号宇津・可部線
県道268号勝木・安古市線
県道269号今井田・緑井線
県道270号八木・緑井線
県道271号八木・広島線
県道274号瀬野・船越線
県道276号矢野・海田線
県道277号古市・広島線
県道290号原田・五日市線
県道291号長野・葛原線
県道292号川角・佐伯線
県道293号本多田・佐伯線
県道304号中筒賀・下線
県道309号小河内・都志見線
県道327号古屋・吉田線
県道328号志和口・向原線
県道335号津江・八本松線
県道459号矢口・安古市線
県道461号白砂・玖島線
県道472号広島東インター線
県道473号府中・仁保線
県道474号温品・二葉の里線
(38路線)

市域の面積は岡山市が789.96平方キロメートル(2015年〔平成27年〕全国都道府県市区町村別面積調による。但し岡山市南区と玉野市に跨る児島湖の湖上における境界が確定していないため児島湖の部分の面積は含めていない)、広島市が906.53平方キロメートル(2015年〔平成27年〕全国都道府県市区町村別面積調による)となっており、広島市のほうが広いのだが、通っている国道路線・県道路線の数は岡山市が99路線、広島市が63路線と圧倒的に岡山市のほうが多い。

注13:最近では愛知県や三重県、大阪府、鳥取県で都道府県道路線の整理(廃止→通過市町村への移管)が多く見られる。また、山口県では1994〜1995年(平成6〜7年)に鉄道の駅に通じる路線を大量に廃止し、通過市町村に移管させたこともあった。確かに都道府県側の考えも分からないわけではないのだが、沿線住民の感情や移管先の市町村の財政事情が蔑(ないがし)ろにされていることは否めないし、またなぜその路線なのか明確な理由も示されないことがどうかと感じているところである。

注14:但し一部区間(恵下谷ランプ〔三原市八坂町〕〜頼兼ランプ〔三原市頼兼一丁目〕間)については沿線住民の便宜を図る目的で歩道が設置されている。

注15:尾道バイパスはほぼ全線が自動車専用道路に指定されているが、松永道路は今津ランプ(福山市今津町)以西のみが自動車専用道路に指定されている。なお、松永道路の自動車専用区間のうちの高西トンネルと高須トンネルは沿線住民の便宜を図る目的で下り線(三原方面)のみ歩道が併設されている。

注16:実は広島県が管理する国道路線でも自動車専用道路に指定されているバイパスに対する旧道が再編されないまま残っているところがある。それは国道183号線高旧道(庄原市宮内町〜庄原市高町間)である。2008年(平成20年)3月9日に国道183号線高道路が開通したことにより旧道化したのだが、現在も国道183号線のまま残されている。

注17:国道2号線松永・尾道旧道は福山市松永地区(旧松永市)と尾道市の中心部を、国道2号線佐伯旧道は広島市佐伯区(旧佐伯郡五日市町。佐伯郡五日市町〔1911〜1985〕は人口が市制施行要件の5万人を超えても市制施行に踏み切らず、広島市へ編入される前には10万人近くまで増えていたことで知られる)と廿日市市の中心部をそれぞれ貫いている。

注18:広島市以外には京都市があるだけである(つまり他の20世紀中に政令指定都市に移行した都市、すなわち札幌・仙台・千葉・横浜・川崎・名古屋・大阪・神戸・福岡・北九州各市は平成の大合併を経験していない)。
※広島市は2005年(平成17年)4月25日に佐伯郡湯来(ゆき)町(1956〜2005)を、京都市は2005年(平成17年)4月1日に北桑田郡京北(けいほく)町(1955〜2005)をそれぞれ編入している。

注19:1993年(平成5年)5月11日建設省告示第1,270号で県道165号本郷・忠海線の全線が主要地方道東広島・本郷・忠海線の一部に再編されることになったことを指す。これにより県道165号本郷・忠海線は1994年(平成6年)4月1日広島県告示第408号の2で廃止され、県道33号瀬野川・福富・本郷線に編入された。

注20:岡山県では真庭市内を通る県道204号美作落合(みまさかおちあい)停車場線も終点で接続していた県道411号垂水・追分線がJR姫新線美作落合駅(真庭市西原)の駅前広場のすぐ北側を通るようになったため終点が真庭市道と接続するようになっているが未だに区域はそのままになっている。

県道204号美作落合停車場線全景。奥の白い建物の手前までが区域だが、終点で接続していた県道411号垂水・追分線はその途中で交差するようになっている。

注21:政令指定都市移行後も政令指定都市内で完結する県道路線が認定されたことはないわけではない。例えば広島市では1996年(平成8年)に広島市安佐南区と広島市安佐北区を通る県道路線、すなわち県道269号今井田・緑井線が発足している。

注22:2010年(平成22年)10月1日実施の国勢調査に基づく中国地方の人口10万人以上の都市は下に示した通りである。
・鳥取県…鳥取市・米子市
・島根県…松江市・出雲市
・岡山県…岡山市・倉敷市・津山市
・広島県…広島市・尾道市・呉市・廿日市市・東広島市・福山市・三原市
・山口県…山口市・岩国市・宇部市・下関市・周南市・防府市
どこまでを中心部とするかは諸説あるのだが、上記都市の中心部を通っている国道路線は下表の通りである。

※下表で記している人口は2010年(平成22年)10月1日実施の国勢調査による。また、人口は当時の市域のものを記しており、その後の異動は反映させていない。

県名 都市名 人口
(単位:人)
中心部を通る
国道路線
備考
鳥取県 鳥取市 197,449 国道53号線
国道373号線
国道373号線は国道53号線と重用しており、単独区間はない。
米子市 148,271 国道9号線
国道181号線
国道183号線
国道482号線
国道183号線と国道482号線は国道181号線と重用しており、単独区間はない。
島根県 松江市 194,258 国道9号線
国道54号線
国道180号線
国道431号線
国道432号線
国道54号線と国道180号線は国道9号線と重用しており、単独区間はない。
出雲市 143,796 国道184号線
岡山県 岡山市 709,584 国道30号線
国道53号線
国道180号線
国道250号線
倉敷市 475,513 国道429号線
津山市 106,788 国道53号線
国道179号線
国道429号線
国道179号線と国道429号線は国道53号線と重用しており、単独区間はない。
広島県 広島市 1,173,843 国道2号線
国道54号線
国道183号線
国道191号線
国道261号線
国道487号線
国道191号線は国道54号線と、国道261号線は国道54号線→国道183号線とそれぞれ重用しており、単独区間はない。
尾道市 145,202 国道2号線
国道184号線
中心部を通る国道2号線は広島県が管理している。
呉市 239,973 国道31号線
国道185号線
国道487号線
廿日市市 114,038 国道2号線 中心部を通る国道2号線は広島県が管理している。
東広島市 190,135 国道486号線
福山市 461,357 国道2号線
国道313号線
三原市 100,509 国道185号線
山口県 山口市 196,628 国道9号線
岩国市 143,857 国道2号線
国道187号線
国道188号線
国道189号線
国道187号線は国道2号線と重用しており、単独区間はない。
宇部市 173,772 国道190号線
国道490号線
下関市 280,947 国道9号線
国道191号線
周南市 149,487 国道2号線
国道315号線
防府市 116,611 (なし)

注23:現在は賀茂郡豊栄町(1949〜2005)は東広島市に編入されているため、もし東広島市中心部に国道486号線の単独区間が生じなかったとしても国道486号線は名実ともに東広島市を終点とする路線になる。

注24:かつては本当に東広島バイパスと呼称していたのだが、現在では西条バイパス(東広島市西条町下三永〜東広島市八本松町飯田間)→安芸バイパス(東広島市八本松町飯田〜広島市安芸区上瀬野町間)→東広島バイパス(広島市安芸区上瀬野町〜広島市安芸区船越南四丁目間)と名称が分けられている。全線開通の時期はまだはっきりしていないが、全線開通を機に名称を統一し、利用者に分かりやすくすることが望まれるところである。

注25:三次市中心部を通る国道路線としては国道54号線・国道183号線・国道375号線の他に国道184号線もあるのだが中心部に単独区間は存在しないためそこでは記していない(国道184号線の単独区間は三次市東郊の三次市南畑敷町/庄原分かれ交差点からとなる)。

注26:三次市中心部は江戸時代初頭の城下町を起源とする三次地区(JR三江線尾関山駅〔三次市三次町〕周辺の地域)と、昭和時代初頭にJR芸備線・三江線三次駅(三次市十日市南一丁目)が開業してから大きく発展した十日市地区で構成されている。但し今では十日市地区のほうが中心地としての趣が強くなっている。十日市地区に三次市の代表駅(三次駅)があることに加えて交通量の多い幹線道路(国道183号線〔国道184号線重用〕)が整備されたこと、幹線道路の整備と並行して大型商業施設がいくつも開業したことでこのようになったものと思われる。

注27:国道54号線三次旧道の残り部分は三次市粟屋町/粟屋交差点(旧道起点)〜三次市十日市中一丁目/京蘭寺交差点間は国道183号線(国道184号線重用)に、三次市十日市中一丁目/京蘭寺交差点〜三次市三次町/巴橋東詰交差点間は三次市道にそれぞれ再編されている。

注28:国道2号線尾道バイパスが尾道市福地町で西から南にほぼ直角に向きを変えるところで西方に延伸する考えがあることを感じ取った方は多いのではないかと思われるが、昭文社(東京都千代田区麹町三丁目)発行の都市地図など一部の地図でそこから西方に延びる予定線を記していたものがあった。

注29:国道180号線は松江市雑賀町が正式な終点なのだが米子市陰田町以西は国道9号線と重用しているため島根県内に単独区間は存在しない。

注30:2006〜2016年(平成18〜28年)に鳥取県が県道路線整理を目的に廃止し、市町村に移管した路線は下表の通りである。

廃止年月日/
告示番号
廃止路線名称 通過自治体 備考
2009年(平成21年)12月1日
鳥取県告示第712号
県道180号伯耆溝口停車場線
県道222号岸本停車場線
西伯郡伯耆町 県道326号大山スマートインター線(2009〜2011。現:県道326号大山高原スマートインター線)認定の見返りとしての廃止(西伯郡伯耆町への移管)とする説もある。
2012年(平成24年)7月10日
鳥取県告示第499号
県道272号智頭停車場線 八頭郡智頭町
2014年(平成26年)3月31日
鳥取県告示第231号
県道254号清水川・福成線 西伯郡南部町 2011年(平成23年)には廃止→西伯郡南部町への移管の方針が決まっていたらしく、起点付近にあった案内標識には路線番号の部分が取り外されるような細工が施されていた(そのことはこちらでも触れている。無論現在は路線番号の部分は取り外されている)。

注31:代表的な例が福山市内のJR山陽本線の駅を起点とする県道路線の福山市への移管である。県道190号福山停車場線(1960〜1974)は福山駅南口地下駐車場建設を理由に、県道191号備後赤坂停車場線(1960〜2010)と県道192号松永停車場線(1960〜2005)は駅前通りの整備を理由にそれぞれ廃止され、福山市に移管された。現在、福山駅南口地下駐車場と備後赤坂駅(福山市赤坂町赤坂)の駅前通りの整備は完成しており、松永駅北口から延びる駅前通りの整備が推進されているところである。