トップページ>不定期刊・きょうのトピックス>不定期刊・きょうのトピックス2025年(令和7年)分>ラジオ放送一世紀
ラジオ放送一世紀(2025年〔令和7年〕3月22日公開)
今から100年前の今日、すなわち1925年(大正14年)3月22日は日本で初めてラジオ放送の本放送が始まった日である。1925年(大正14年)3月22日の午前9時30分に社団法人東京放送局(注1)(東京都港区愛宕二丁目(注2)。1924〜1926)が東京高等工芸学校(注3)(東京都港区芝浦三丁目(注2)。1922〜1944)の校舎内に設置した仮設の放送施設(注4)から本放送を開始したことにより日本の放送、言い換えれば日本のラジオ放送の歴史は始まったのである(注5)。
日本のラジオ放送は中波放送から始まったのだが、その後短波放送やエフエム放送、衛星放送、インターネット…と種類は多岐にわたるようになった。ラジオ放送の100年にわたる歴史を紹介していくのは難しいものがあるしかなりの量になるのでここでは中国地方にあるラジオ放送局の現状と中国地方のラジオ放送の歴史、ラジオ放送の将来を綴っていくことにしたい。
中国地方にあるラジオ放送局
中国地方にあるラジオ放送局(現在放送中のもののみ)は下表の通りである。
※下表ではラジオ放送局の詳細な情報はある程度省略して書いている。日本放送協会(NHK、東京都渋谷区神南二丁目)の放送局に関してはこちらで、民間中波放送局・都道府県域民間エフエム放送局についてはこちらで、鳥取県にあるコミュニティ放送局についてはこちらで、島根県にあるコミュニティ放送局についてはこちらで、岡山県にあるコミュニティ放送局はこちらで、広島県にあるコミュニティ放送局はこちらで、山口県にあるコミュニティ放送局はこちらでそれぞれ所在地や中継局の周波数について触れているので併せてご覧頂きたい。
種類 | 県名 | 放送局名・略称・所在地 | 記事 |
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公共放送 | 鳥取県 | NHK鳥取放送局 (鳥取市寺町) |
鳥取県を放送区域とする日本放送協会の放送局で、1936年(昭和11年)12月14日に現在のラジオ第一放送の本放送を開始したことをもって開局した。その後1950年(昭和25年)4月25日にラジオ第二放送が、1964年(昭和39年)12月24日にエフエム放送がそれぞれ加わり、ラジオ放送は現行の三波体制になった。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送6箇所(内訳はラジオ第一放送・ラジオ第二放送共用3箇所/ラジオ第一放送単独3箇所)・エフエム放送8箇所となっている。 鳥取県だけを放送区域としている唯一のラジオ放送局であるが鳥取県内だけで流す定期番組はニュースと気象情報ぐらいのものであり、後は中国地方全域向けの「とっとりラジオハイスクール!」(金曜日夕方に放送されている「中国! ちゅーもく! ラジオ」枠で年数回放送)を制作・放送するだけにとどまっている。 1966年(昭和41年)から使用している局舎は老朽化が進展しているため現在の局舎のすぐそばに新たな局舎を建てる計画が進められている。 |
島根県 | NHK松江放送局 (松江市灘町) |
島根県を放送区域とする日本放送協会の放送局で、1932年(昭和7年)3月7日に現在のラジオ第一放送の本放送を開始したことをもって開局した。その後1946年(昭和21年)9月1日にラジオ第二放送が、1964年(昭和39年)7月1日にエフエム放送がそれぞれ加わり、ラジオ放送は現行の三波体制になった。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送9箇所(内訳はラジオ第一放送・ラジオ第二放送共用6箇所/ラジオ第一放送単独3箇所)・ラジオ第一放送エフエム補完放送6箇所・エフエム放送15箇所となっている。なお、隠岐ラジオ第一放送エフエム補完中継局(隠岐郡隠岐の島町上西。周波数:79.4MHz)は中国地方初の中波放送のエフエム補完中継局である(2014年〔平成26年〕12月22日開局)。 島根県だけを放送区域としている唯一のラジオ放送局であるが島根県内だけで流す定期番組はニュースと気象情報ぐらいのものであり、後は中国地方全域向けの「しまねっとラジオ」(金曜日夕方に放送されている「中国! ちゅーもく! ラジオ」枠で年数回放送)を制作・放送するだけにとどまっている。 現在の局舎は2023年(令和5年)3月6日から使用しているものであり、現時点では中国地方にある日本放送協会の放送局では最新の局舎になっている。 |
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岡山県 | NHK岡山放送局 (岡山市北区駅元町) |
岡山県を放送区域とする日本放送協会の放送局で、1931年(昭和6年)2月1日に現在のラジオ第一放送の本放送を開始したことをもって開局した。その後1946年(昭和21年)9月1日にラジオ第二放送が、1964年(昭和39年)4月1日にエフエム放送がそれぞれ加わり、ラジオ放送は現行の三波体制になった。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送5箇所(内訳はラジオ第一放送・ラジオ第二放送共用3箇所/ラジオ第一放送単独2箇所)・ラジオ第一放送エフエム補完放送1箇所・エフエム放送18箇所となっている。 NHK岡山放送局が放送区域としている岡山県は政令指定都市に移行している岡山市があるのだが、NHK岡山放送局が制作・放送するラジオ番組は岡山県内向けの「ラジオdeもぎたて!」(月1〜2回放送)と、中国地方全域向けの「おからじ!」(金曜日夕方に放送されている「中国! ちゅーもく! ラジオ」枠で年数回放送)にとどまっている。 現在の局舎は2005年(平成17年)に岡山市北区丸の内二丁目からJR山陽新幹線・山陽本線・宇野線・吉備線・津山線岡山駅(岡山市北区駅元町)の西口に新築移転したものであるが、岡山市北区丸の内二丁目にあった旧局舎はRSK山陽放送(RSK、岡山市北区天神町)の旧社屋(現在はRSK山陽放送の親会社・RSKホールディングス〔岡山市北区丸の内二丁目〕が使用している)の東隣にあり、日本放送協会の放送局の社屋と都道府県域民間放送局の本社が隣接するという珍しい状況が見られた。 |
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広島県 | NHK広島放送局 (広島市中区大手町二丁目) |
広島県を放送区域とする日本放送協会の放送局で、中国地方の拠点放送局として位置付けられている。1928年(昭和3年)7月6日に現在のラジオ第一放送の本放送を開始したことをもって開局し、その後1945年(昭和20年)9月10日にラジオ第二放送が、1962年(昭和37年)9月17日にエフエム放送がそれぞれ加わり、ラジオ放送は現行の三波体制になった。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送9箇所(内訳はラジオ第一放送・ラジオ第二放送共用7箇所/ラジオ第一放送単独2箇所)・ラジオ第一放送エフエム補完放送2箇所・エフエム放送25箇所となっている。 中国地方の拠点放送局として位置付けられていることから中国地方全域に向けて流す番組をいくつも制作・放送している他、中国地方にある日本放送協会の放送局としては唯一平日(月曜日〜木曜日)の夕方に広島県内向けの番組を設定している。 また、中国地方にある日本放送協会の放送局では唯一インターネット配信サービスに加入しており、radikoではラジオ第一放送(中国地方全域で聴取可能)を(注6)、NHKネットラジオらじる★らじるではラジオ第一放送(全国で聴取可能)とエフエム放送(全国で聴取可能)をそれぞれ配信している。 |
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山口県 | NHK山口放送局 (山口市中園町) |
山口県を放送区域とする日本放送協会の放送局で、1941年(昭和16年)4月19日に現在のラジオ第一放送の本放送を開始したことをもって開局した。その後1951年(昭和26年)6月1日にラジオ第二放送が、1964年(昭和39年)4月1日にエフエム放送がそれぞれ加わり、ラジオ放送は現行の三波体制になった。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送5箇所(内訳はラジオ第一放送・ラジオ第二放送共用3箇所/ラジオ第一放送単独2箇所)・エフエム放送16箇所となっている。 山口県内だけで流す定期番組はニュースと気象情報ぐらいのものであり、後は中国地方全域向けの「YAMAGUTIC」(金曜日夕方に放送されている「中国! ちゅーもく! ラジオ」枠で年数回放送)を制作・放送するだけにとどまっている。 開局した時から1962年(昭和37年)4月14日までは山口市ではなく防府市に局舎があり(注7)、NHK防府放送局と称していたが、都道府県庁所在地にその都道府県を統括する放送局が置かれていなかった例は他に沖縄県があるだけであり(注8)、稀有な事例となっている。 |
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民間中波放送局 | 鳥取県 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
テレビ放送・ラジオ放送とも鳥取・島根両県を放送区域とするテレビ・ラジオ兼営の民間放送局で、1954年(昭和29年)3月1日にラジオ山陰という社名で開局し、テレビ・ラジオ兼営局に移行した後の1961年(昭和36年)6月1日に現行社名に改称した(同時に略称もRSBから現行のBSSに変更している)。本社・演奏所のある米子市は鳥取県に属しているが島根県と境を接している関係上ラジオ放送については開局当初から鳥取・島根両県を放送区域としている。また、日本の民間放送局としては初めて都道府県庁所在地以外の都市に本社・演奏所を置いたところでもある(注9)。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送7箇所(内訳は鳥取県3箇所/島根県4箇所)・エフエム補完放送2箇所(内訳は鳥取県1箇所/島根県1箇所)となっている。 都道府県庁所在地以外の都市に本社・演奏所を置いたことや放送区域としている鳥取・島根両県には人口の多い都市がないこと、放送区域としている鳥取・島根両県の経済基盤が脆弱だったこと、後ろ盾に地方紙がなかったことなどから開局した時から厳しい環境に置かれ続けてきた。ラジオ部門について見ると中継局の整備が進まなかったこと(注10)や終夜放送を開始したのが1990年(平成2年)春の番組改編からと遅く、しかも日曜日深夜(月曜日早朝)だけでなく土曜日深夜(日曜日早朝)にも放送休止を設定していることなどにそのことはうかがえるのだが、そういう中でも多くの方々に親しまれる番組をいくつも作ってきた。中でもサービス放送期間中の1954年(昭和29年)2月21日に始まった邦楽リクエスト番組「音楽の風車」はほとんど休むことなく毎日放送されており、中国地方の民間放送局では最長寿の番組となっている。 山陰放送は2028年(令和10年)秋にエフエム放送局に転換する民間中波放送局に名を連ねているが前記の通りエフエム補完中継局は2箇所しかない上に整備すべきエフエム補完中継局が多数に及ぶことや終夜放送の取りやめや自社制作番組の削減などの縮小策に手を付けざるを得なくなる恐れがあることなどから2028年(令和10年)秋のエフエム放送局転換は難しいのではないかと思われる。 |
岡山県 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
テレビ放送については岡山・香川両県を、ラジオ放送については岡山県をそれぞれ放送区域とするテレビ・ラジオ兼営の民間放送局で、1953年(昭和28年)10月1日に山陽放送という社名で開局した。山陰放送(BSS、米子市西福原一丁目)・中国放送(RCC、広島市中区基町)・山口放送(KRY、周南市徳山)と違ってラジオ○○という社名を用いなかったこと(注11)からテレビ・ラジオ兼営局に移行しても社名を変更する必要はなかったのだが2019年(平成31年)4月1日に認定放送持株会社体制に移行した際に社名を現行のRSK山陽放送に変更している。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送7箇所・エフエム補完放送1箇所となっているが、中波中継局の周波数を統一している点が注目されるところである。 RSK山陽放送は日本の民間中波放送局としては初めて全ての中波中継局の周波数を統一したこと(1980年〔昭和55年〕)や本局だけでなく一部の中継局についても中波ステレオ放送を導入したこと(1992年〔平成4年〕但し現在は取りやめている)、五大都市(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)以外に本社・演奏所を置いている民間放送局としては初めて認定放送持株会社体制に移行したこと(2019年〔平成31年/令和元年〕)など先進的な取り組みを見せる放送局という印象があったが、radikoでの配信開始は政令指定都市に本社・演奏所を置いている民間中波放送局(注12)としても、中波ステレオ放送を実施していた民間中波放送局(注13)としても最後になったし、エフエム補完放送開始も中国地方にある民間中波放送局(注14)としても、中波ステレオ放送を実施していた民間中波放送局(注15)としても最後になるなど近年のラジオ放送の新たな潮流に乗ることには消極的な様子が見られる。一方でradikoでの配信開始や本社の全面移転完了を契機にある程度長く続いていた平日朝の自社制作のワイド番組の刷新を図ったり月曜日の放送開始時間を起きている人があまりいない午前3時に繰り上げたりするなど聴取者を蔑ろにしているのでは…と思いたくなる番組編成を行うことがあり、そういう姿勢が影響しているのか中国地方では中国放送に次ぐ歴史を有しているにもかかわらず長寿番組があまりないという残念な状況がある。また、2023年(令和5年)秋の番組改編からは山陰放送と同じく土曜日深夜(日曜日早朝)にも放送休止を設定するようになっており、政令指定都市に本社・演奏所を置いている民間中波放送局としては唯一日曜日深夜(月曜日早朝)にも放送休止を設定しているところになっている。 RSK山陽放送は2028年(令和10年)秋にエフエム放送局に転換する民間中波放送局に名を連ねているが前記の通りエフエム補完中継局は1箇所しかない上に整備すべきエフエム補完中継局が多数に及ぶことなどから2028年(令和10年)秋のエフエム放送局転換は難しいのではないかと思われる。 |
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広島県 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
テレビ放送・ラジオ放送とも広島県を放送区域とするテレビ・ラジオ兼営の民間放送局で、1952年(昭和27年)10月1日にラジオ中国という社名で開局し、テレビ・ラジオ兼営局に移行した後の1967年(昭和42年)4月1日に現行社名に改称した(ちなみにテレビ・ラジオ兼営局に移行してからも最も長くラジオ○○という社名を用い続けた放送局になっている)。現在所有するラジオ放送の中継局は中波放送7箇所・エフエム補完放送5箇所となっているが、中波放送は広島県南東部(福山・府中・三原各中波中継局)と広島県北東部(庄原・東城・三次各中波中継局)それぞれで、エフエム補完放送は全ての中継局でそれぞれ周波数を統一している。 中国地方では最も長い歴史を有する民間放送局で、開局5日目に始めた広島東洋カープの公式戦中継は放送されなかった時期があったものの人気番組の一つとなっている他自社制作のワイド番組も長寿命のものがいくつかある。また、福山放送局(福山市北美台)が制作し、広島県全域で流す番組も存在する(中国地方にある民間中波放送局でそういう取り組みをしているところは中国放送だけ)。終夜放送の開始(1970年〔昭和45年〕)や中波ステレオ放送の導入(1992年〔平成4年〕。但し現在は取りやめている)、radikoでの配信開始(2011年〔平成23年〕。放送区域を同じくする広島エフエム放送〔HFM、広島市南区皆実町一丁目〕と同時に開始)などラジオ放送の新たな潮流に乗ることには積極的な面があり、2021年(令和3年)6月に民間中波放送局の総本山3社(TBSラジオ〔TBS、東京都港区赤坂五丁目〕・ニッポン放送〔LF、東京都千代田区有楽町一丁目〕・文化放送〔QR、東京都港区浜松町一丁目〕)がSTVラジオ(STV、札幌市中央区北一条西八丁目)・北海道放送(HBC、札幌市中央区北一条西五丁目)・秋田放送(ABS、秋田市中通七丁目)を除く民間中波放送局44社が2028年(令和10年)秋までにエフエム放送局に転換することを発表するとすぐにエフエム放送局に転換することを表明し、公式サイトに掲載した点も注目されるところである(もっともエフエム補完中継局の整備はそれからは全く進んでおらず、2028年〔令和10年〕秋のエフエム放送局転換は怪しくなっているのだが…)。 平日午後の自社制作番組の削減や週末午後の自社制作のワイド番組の全廃、日曜日深夜の放送終了時間の大幅繰り上げ、長年中国放送の番組で活躍してきた男性タレントの相次ぐ急逝、採用抑制や異動・退職に起因する男性アナウンサーの高齢化、広島東洋カープの成績低迷、放送区域としている広島県の人口減少…と最近の中国放送を取り巻く環境には気がかりな面が目立つが今後どのような展開を見せるのか注目したい放送局である。 |
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山口県 | 山口放送 (KRY、周南市徳山) |
テレビ放送・ラジオ放送とも山口県を放送区域とするテレビ・ラジオ兼営の民間放送局で、1956年(昭和31年)4月1日にラジオ山口という社名で開局し、テレビ・ラジオ兼営局に移行した後の1961年(昭和36年)6月1日に現行社名に改称した。現在所有するラジオ放送局の中継局は中波放送6箇所(但し現在運用休止中)・エフエム補完放送14箇所となっているが、エフエム補完放送は瀬戸内海・周防灘沿岸地域(周南・山口鴻ノ峯・阿東・岩国・宇部・下関・周防大島・柳井各エフエム中継局)と日本海・響灘沿岸地域(須佐田万川・豊浦・豊田・長門・萩・美祢各エフエム中継局)でそれぞれ周波数を統一している。 中国地方では山陰放送とともに県庁所在地ではなく、なおかつその地域最大の都市でもない都市に本社・演奏所を設置している都道府県域民間放送局であるが、このようになったのは山口県の県庁所在地・山口市の経済基盤が脆弱なことや山口県最大の都市・下関市は経済基盤こそ盤石だったが県土の西端にあり、山口県を統べる存在になり切れていないこと、ラジオ山口改め山口放送が本社・演奏所を置いた徳山市(1935〜2003)→周南市は下関市と同じく山口県を統べる存在になり切れてはいないが工業都市として発展していたことが挙げられる(もっとも徳山市の人口はラジオ山口開局半年前の1955年〔昭和30年〕10月1日実施の国勢調査によると7万987人であり、多いとは言えなかったのだが(注16))。 山口放送は放送区域としている山口県内を日本の大動脈であるE2A中国自動車道や国道2号線が貫通しているにもかかわらず終夜放送にはなかなか踏み切らず、下関方面からE2山陽自動車道が本社・演奏所の近くにある徳山東インターチェンジ(周南市久米)まで延びてきた(注17)1990年(平成2年)の春になってようやく開始したこと(注18)やRSK山陽放送のように全ての中波中継局の周波数を統一したら面白い存在になっていたのではないかと思われながら結局行わなかったこと(注19)、radikoでの配信は中国地方にある民間中波放送局では最後に始めたところになったこと(注20)に見られるようにラジオ放送の新たな潮流に乗ることに消極的な様子が見られたが、この評価が一変したのがエフエム補完放送制度が創設されたことを契機にエフエム補完中継局設置を積極的に行ったことである。山口放送が放送区域としている山口県は工業都市や人口10万人以上の都市がいくつもあるが卓越した中核都市(おおむね人口30万人以上。現在の倉敷市や福山市と同じくらいの人口〔40万人台〕があればなお望ましい)が形成されていないことや昭和時代末期から人口減少に悩まされ、推計ではあるが最近130万人の大台を割っていることから経営環境は厳しいものがあり、エフエム補完中継局設置を積極的に行ったことに対しては驚く方が少なくないのだが、山口放送としては中波放送には限界があること(注21)をかねてから考えており、それ故にエフエム補完中継局整備に積極的になったのではないかと思われる。 3年半で13箇所もエフエム補完中継局を整備するというあまりの積極ぶりに2010年代末期頃から「山口放送は近い将来中波放送局からエフエム放送局に転換するのではないか」という噂が出ていたが案の定2024年(令和6年)2月から始まったエフエム放送局転換実証実験では順次6箇所ある中波中継局の運用を止めることとし、2024年(令和6年)7月29日午後0時をもって全ての中波中継局の運用を停止した。山口放送公式サイトでもエフエム放送局に転換する姿勢を明確に打ち出しているところを見ると今後はいつ6箇所ある中波中継局を廃止し、完全にエフエム放送局転換を果たすのかが注目される。 |
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都道府県域 民間エフエム放送局 |
島根県 | エフエム山陰 (松江市学園南一丁目) |
鳥取・島根両県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局で、愛称はV-air。1986年(昭和61年)10月1日に開局した。現在所有する中継局は10箇所(内訳は島根県7箇所/鳥取県3箇所)となっている。 都道府県域民間エフエム放送局は原則として一つの都道府県しか放送区域とすることができず、エフエム山陰より前に開局した都道府県域民間エフエム放送局21社は全てその通りになっていた(注22)のだが、エフエム山陰だけ複数の都道府県を放送区域とすることが認められたのは民間中波放送局のラジオ山陰改め山陰放送が開局した時から(前に記したように本社・演奏所のある米子市は鳥取県に属しているが島根県と境を接しているという地理的事情もあったのだが)鳥取・島根両県を放送区域としていたことや1972年(昭和47年)に都道府県域民間テレビ放送局についても鳥取・島根両県は単一の放送区域となったこと(注23)、鳥取県・島根県それぞれに都道府県域民間エフエム放送局用の周波数を割り当てたとしても人口が少ないことや経済基盤が脆弱なことなどから経営が成り立たない恐れがあったことが背景にあったものと思われる。 開局した時は島根県側は松江・浜田の2箇所、鳥取県側は鳥取の1箇所しか中継局がなかったが山陰放送が中継局を設置できていない内陸部や島嶼部への中継局設置を進めた結果前記の通り現在所有する中継局は10箇所になっている。また、山陰放送より2年早く終夜放送を開始したこと(山陰放送と違って放送を休止するのは日曜日深夜〔月曜日早朝〕だけ)や日曜日深夜の放送終了時間も山陰放送より1時間遅く、月曜日午前1時まで放送していることなど山陰放送に対して優位に立っている面も少なくない。 人口が少なく、経済基盤が脆弱な地域を放送区域としているためジャパンエフエムネットワーク(JFNC、東京都千代田区麹町一丁目)制作の番組を流す時間帯が少なくないが、自社制作番組は充実しており、主なものを挙げると今春番組開始25周年を迎える「おがっちのレトロ本舗」や山陰地方に住みながら音楽活動を行い、全国ネットで放送された番組に出たことがある歌手・浜田真理子が喋り手を務めている「浜田真理子のご機嫌さんで。」、ある有名なバンドがアマチュア時代に出演したこともある「V-airあまばん」などがある。 |
岡山県 | 岡山エフエム放送 (岡山市北区中山下一丁目) |
岡山県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局で、愛称はエフエム岡山またはVV-FM。1999年(平成11年)4月1日に開局した。現在所有する中継局は9箇所となっている。 岡山県は中国地方第二の都市・岡山市と、中国地方第三の都市・倉敷市を擁しているが、都道府県域民間エフエム放送局の開局は486もあった免許申請者の一本化調整が難航したこともありかなり遅れ、コミュニティ放送局にも先を越される結果となった(注24)。放送区域を同じくするRSK山陽放送や香川県を放送区域としているが岡山県の人口集中地帯である岡山県南部で十分受信できる西日本放送(RNC、高松市丸の内)とエフエム香川(高松市上之町二丁目)、岡山市北区・笠岡市・倉敷市・津山市にあるコミュニティ放送局など競合相手も多く、苦戦も予想されたが「Fresh Morning OKAYAMA」(開局した時から続いている番組)や「牛嶋俊明ドリームファクトリー」、「おやすみNMB48」など10年以上続いている長寿番組がいくつもあること(反対にRSK山陽放送は1984年〔昭和59年〕放送開始の「演歌春秋」だけ。今春の番組改編を乗り切れば「土曜番長」シリーズが10年以上続く番組の仲間入りを果たすことになるが果たして…)や放送開始時間(月曜日午前5時)・放送終了時間(月曜日午前1時)は開局した時からほとんど変わっていないこと(変化があったのは「おやすみNMB48」が始まった2013年〔平成25年〕春から半年間放送終了時間が15分繰り下がった時だけ)などを見るとかなり健闘していると言える(ちなみに岡山エフエム放送より後に開局した都道府県域民間エフエム放送局(注25)は全て経営問題が起き、中には廃業に追い込まれたところもある)。 岡山県を放送区域に含めている都道府県域放送局は21世紀に入ってから本社・演奏所を移転している(注26)が岡山エフエム放送は開局した時からずっと本社・演奏所を移転しておらず、岡山県を放送区域に含めている都道府県域放送局で唯一開局した時から本社・演奏所を移転していないところとなっている。また、中継局も開局当初から一切異動がなく、中継局の異動が全くない中国地方唯一の都道府県域民間ラジオ放送局にもなっている。 |
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広島県 | 広島エフエム放送 (HFM、広島市南区皆実町一丁目) |
広島県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局で、愛称は広島エフエム。1982年(昭和57年)12月5日に開局した。現在所有する中継局は13箇所となっており、都道府県域民間エフエム放送局では最多となっている。 七大都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)の一つとされる広島市に本社・演奏所を置いていることや開局が早かったことから自社制作番組が多く、その内容も若年者向けのものや地元・広島に本拠地を置くプロスポーツチームに関するもの、クラシック音楽に関するもの、広島県内で活躍する女性を紹介するもの、育児に関するもの…と様々である。また、喋り手の年齢層が20〜80代と幅広いことや開局した時から40年以上にわたってずっと活躍している喋り手がいることも特色と言えよう。 終夜放送の開始はエフエム山陰(愛称:V-air。松江市学園南一丁目)・エフエム山口(FMY、山口市緑町)の後塵を拝し、しかも終夜放送を開始した時は現在の山陰放送・RSK山陽放送と同じように日曜日深夜(月曜日早朝)だけでなく土曜日深夜(日曜日早朝)にも放送休止時間を設定するという有様だったが現在は中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局で日曜日深夜の放送終了時間が最も遅い放送局になっている(注27)上に一週間の総放送時間も165時間で山口放送とともに最も長くなっている(注28)。 筆頭株主を広島東洋カープが務めていることや放送休止時間帯(月曜日午前2時〜午前5時)は無変調状態のまま留め置き、午前3時と午前4時に時報を鳴らしていることはあまり知られていない。 |
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山口県 | エフエム山口 (FMY、山口市緑町) |
山口県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局で、1985年(昭和60年)12月1日に開局した。現在所有する中継局は11箇所となっている。 早い時期に開局した都道府県域民間エフエム放送局であることもあって昔から自社制作番組の割合が多く、終夜放送移行も放送区域を同じくする山口放送より2年ほど早かった。中にはどういうわけかいわゆる下ネタがよく出る番組(注29)もあったほどであるが山口放送がエフエム補完中継局の設置を推進するようになった2010年代中期以降旗色が悪くなっていった。大幅な減資や相次ぐ長寿番組の終了、日曜日深夜の放送終了時間の繰り上げなどにそれは垣間見られるのだが、山口放送のエフエム補完中継局より中継局が少ないこと(山口放送…14箇所/エフエム山口…11箇所)や岩国・山口鴻ノ峯両中継局を除いてバラバラの周波数を用いていることなど山口放送に対して不利になる面が多いのが気がかりである。 中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局では唯一20年以上続いている番組が存在しないが、今春・今秋の番組改編を乗り切れば山口県で活躍している人を紹介する番組「YASUBE PRESENTS THE mouVment」が放送開始20周年を迎えることになっているのでその状態が解消されることになる。 日曜日深夜の放送終了時間は山陰放送と同じ午前0時であるが、試験放送と称して音楽をかけ続けており、原則として停波しない。 |
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コミュニティ放送局 | 鳥取県 | FM鳥取 (鳥取市幸町) |
鳥取市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 |
DARAZコミュニティ放送 (米子市法勝寺町) |
米子市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
島根県 | エフエムいずも (出雲市今市町) |
出雲市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | |
岡山県 | 岡山シティエフエム (岡山市北区中山下二丁目) |
岡山市・赤磐市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | |
笠岡放送 (笠岡市笠岡) |
浅口市・笠岡市・浅口郡里庄町を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
エフエムくらしき (倉敷市白楽町) |
倉敷市・総社市・都窪郡早島町を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
つやまコミュニティFM (津山市南新座) |
津山市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
広島県 | エフエムハムスター (広島市安佐南区祇園五丁目) |
広島市安佐南区を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | |
中国コミュニケーションネットワーク (広島市中区土橋町) |
広島市中区を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
尾道エフエム放送 (尾道市東御所町) |
尾道市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
FMはつかいち (廿日市市下平良) |
廿日市市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
FM東広島 (東広島市西条下見六丁目) |
東広島市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
エフエムふくやま (福山市西町二丁目) |
福山市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
FMみはら (三原市宮沖五丁目) |
三原市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
山口県 | エフエムきらら (宇部市新天町一丁目) |
宇部市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | |
FM山陽小野田 (山陽小野田市小野田) |
山陽小野田市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
コミュニティエフエム下関 (下関市上田中町二丁目) |
下関市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
エフエム周南 (周南市久米) |
周南市・下松市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
FMながと (長門市仙崎) |
長門市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
エフエム萩 (萩市江向) |
萩市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 | ||
ぷらざFM (防府市栄町一丁目) |
防府市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局で、 |
(参考資料:現存しないラジオ放送局)
※下表では中国地方に過去存在したラジオ放送局のうち新たな運営主体に設備などが継承されることなく廃業したところのみ掲載している。
種類 | 県名 | 放送局名 | 記事 |
---|---|---|---|
コミュニティ放送局 | 岡山県 | エフエム津山 (津山市小田中) |
岡山県北部の中心都市・津山市を主たる放送区域としていたコミュニティ放送局で、愛称はレディオつやま(2010〜2012)→MegaWAVE76.3(2012〜2020)。 2010年(平成22年)7月1日に津山市で二番目のコミュニティ放送局として開局したが、開局した時点で津山市には既に別のコミュニティ放送局(つやまコミュニティFM)が存在していたことや本局を津山市中心部に近い山の上に設置したことにより受信範囲がつやまコミュニティFMより狭まったことなどから開局当初から苦戦を強いられ、2012年(平成24年)2月29日をもって一旦放送を休止した。復活はなく、廃業するだろうとする見方が多勢を占めた中で約半年後の2012年(平成24年)8月20日に放送を再開し、サブカルチャーに特化した路線をとることにしたのだが若年者人口の少ない津山市では合わなかったことや番組を設定していたのは平日の夕方から夜にかけてと土曜日の日中(もっとも平日の夕方から夜にかけて流していた番組の再放送だけだった)に限られ、その他の時間帯はずっと音楽をかけ続けるという状態だったこと、そして津山市中心部と倉吉・真庭方面を結ぶ幹線道路(津山市道)の沿線に本社・演奏所を構えたにもかかわらずその存在を示す看板を一切設置しなかったことから状況は好転せず、2020年(令和2年)10月25日をもって放送を終了して廃業した(放送を終了したのは午後11時だったという話もあるがその詳細について触れたものが全く見つからないため正しいのかどうかは不明。但し〔こちらで触れているのだが〕夕方までは音楽を流し続ける一方で企業などの宣伝や閉局告知、時報は一切流れていなかったのは私が確認している)。 エフエム津山にとどめを刺したのは多方面に甚大な影響を及ぼした新型コロナウィルス感染症の世界的な流行であるが、開局当初から問題が多かったのは否めないところであり、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行がなかったとしてもどこまで生き延びられたかは分からない。放送免許一本化の段階で何らかの問題が起き、袂を分かったつやまコミュニティFMへの対抗意識が強かったこと(表記こそ若干異なるがつやまコミュニティFMの愛称を社名にしたことや開局計画を断念しなかったこと、開局を急いだために設備が充実できないまま開局に漕ぎ着けたこと、放送休止から閉局に移行させるのではなく多くの方々の予想に反して復活させる方向に進んだことなどにそのことは垣間見える)はうかがえるのだが何がやりたいのかさっぱり分からない上にチグハグぶり・迷走ぶりが随所に見られ、それが結果的に自らの首を絞める格好になってしまった。その最期を見届けた方があまりいない(いたとしても公にしないでいることも考えられるのだが…)というのも当然の帰結と言えるわけであるが、ただ総務省中国総合通信局(広島市中区東白島町)に運用廃止届を出しただけで閉局に関して何も声明を出さなかったエフエム津山の運営者はどのように今考えているのだろうか。 なお、公式サイト(それはこちら)は廃業約1年後の2021年(令和3年)10月下旬頃閉鎖されたが、SNSは現在も残されている(X〔旧Twitter〕…こちら/Facebook…こちら。X〔旧Twitter〕は2019年〔令和元年〕8月30日が、Facebookは2018年〔平成30年〕7月11日がそれぞれ最後の投稿となっている)。閉局をもってアカウントを削除し、閉鎖すれば良いように感じるのだが放置しているのはなぜなのだろうか。もっとも、こういうところはエフエム津山以外にもいくつかあるのだが…。 |
広島県 | 五日市コミュニティ放送 (広島市佐伯区皆賀四丁目) |
広島市西部にある行政区・佐伯区のうちの五日市地区を主たる放送区域としていたコミュニティ放送局で、愛称はエフエムななみ。 2004年(平成16年)4月18日に開局し、多数の自社制作番組を設定し、終夜放送を実施するなど精力的な番組編成を展開したが本社・演奏所を構えたのは広島市佐伯区五日市地区中心部から少し離れた娯楽施設の中で目立たなかったことや競争相手が多数に及んだこと、広島市佐伯区五日市地区は人口こそ多いが経済基盤が盤石ではなかったこと、広島市佐伯区五日市地区は広島市のベッドタウンとして人口が急増したところであり、旧来からの住民の割合が低くなっていたこと、2005年(平成17年)に広島市佐伯区に編入された湯来地区への受信環境改善は全く行わなかったこと、番組編成が住民の嗜好に合っていなかったことなどから次第に支持されなくなり、経営に影響を及ぼすようになっていった。2007年(平成19年)夏の番組改編で大幅に自社制作番組を削減したが時既に遅く、2007年(平成19年)11月30日午後10時をもって放送を終了した(エフエム津山と違ってこちらはきちんと記録し、サイトで公開している方がいる〔それはこちら〕)。 総務省中国総合通信局には2007年(平成19年)12月1日から2008年(平成20年)7月31日まで放送を休止する旨を届け出たが放送休止から3ヶ月ほど経った2008年(平成20年)2月23日に西隣の廿日市市を主たる放送区域とするコミュニティ放送局・FMはつかいちが開局したことや放送再開に向けて動いたものの新たなスポンサーの獲得がならなかったことなどから放送再開を断念し、2008年(平成20年)3月31日をもって廃業した。 五日市コミュニティ放送の敗因は身の丈に合わない番組編成を展開したことと地域に浸透させる努力が足りなかったこと、広島市佐伯区五日市地区中心部の目立つ場所に本社・演奏所を構えなかったこと、広島湾を隔てた広島市安芸区矢野地区でも十分受信できる(放送休止の約半月前の2007年〔平成19年〕11月16日に私が確認している)のに広域的視野に立とうとしなかったこと、隠れ放送区域重複に苛まれたこと(広島市佐伯区五日市地区中心部では中国コミュニケーションネットワークと〔放送時期は重ならなかったのだが〕FMはつかいちが十分受信できる)、そして印象を悪くしたくなかったのか合理化に踏み切るのが遅すぎたことが挙げられる。広島市佐伯区五日市地区中心部の置かれた環境(経済基盤が盤石とは言えない、中枢性が高いとは言えない、対抗関係にあるラジオ放送局がいくつも受信できるなど)を考えればコミュニティ放送局の経営は難しいものがあったのかもしれないのだが、同じ状況にあるFMハムスターが健闘していること(FMハムスターの場合その存在感を高める出来事があったことも大きいのだが…)を考えるとやり方さえ違えば何とか生き延びられたのでは…と思うのは私だけだろうか。 なお、五日市コミュニティ放送は中国地方では初めて廃業に追い込まれた民間放送局であり、中国地方最短命の民間放送局にもなっている(放送日数:1,322日)。 |
中国地方のラジオ放送局の歴史
ラジオ放送の始まり
ラジオ放送の始まり
民間放送の登場
(注釈)
注1:何度かの変遷を経て現在は日本放送協会になっている。
注2:分かりやすくするため現在の町字名で記している。
注3:何度かの改組を経て現在は国立大学法人千葉大学工学部(千葉市稲毛区弥生町)になっている。なお、東京高等工芸学校があったところには現在国立大学法人東京科学大学(東京都目黒区大岡山二丁目)の田町キャンパスと東京科学大学附属科学技術高等学校が建っている。
注4:社団法人東京放送局が東京都港区愛宕二丁目に設置した演奏所で放送を行うようになったのは1925年(大正14年)7月12日のことである。
注5:社団法人東京放送局が仮設の放送施設で本放送を開始した3月22日は1943年(昭和18年)に放送記念日に制定されている。
注6:radikoではNHK広島放送局のエフエム放送も配信していたことがあった(2017年〔平成29年〕10月2日〜2018年〔平成30年〕3月30日)が現在は取りやめている(首都圏局〔東京都渋谷区神南二丁目〕で流れているものを配信することになったため)。
また、radiko・NHKネットラジオらじる★らじるともNHK広島放送局のラジオ第二放送は配信したことがない(ラジオ第二放送は放送内容が全国でほぼ統一されているため)。
注7:山口県を統括する日本放送協会の放送局について山口市ではなく防府市に局舎を設置した理由として考えられるのは山口市中心部が瀬戸内海から少し離れた盆地の中にあることである。
注8:沖縄県を統括する日本放送協会の放送局はかつては沖縄県の県庁所在地・那覇市の南隣にある豊見城市に局舎を置いていたが2006年(平成18年)に那覇市に移転している。なお、名称は豊見城市に局舎があった時からNHK沖縄放送局のまま変えていない。
注9:ラジオ山陰改め山陰放送が開局するまでに開局した日本にある民間放送局は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名・略称は現在盛業中のものは現行のものを、廃業したものは廃業時点のものをそれぞれ記している。
・所在地は分かりやすくするために盛業中のものも廃業したものも現在のものを記している。
・同じ日に複数の放送局が参加した場合、放送区域を同じくしている場合は放送局名の50音順で、放送区域が異なる場合は本社のある都道府県の全国地方公共団体コード順でそれぞれ並べている。
順位 | 放送局名 | 開局年月日 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
1951年 (昭和26年) 9月1日 |
MBSラジオと開局した日は同じだが放送開始時間はCBCラジオ(CBC、名古屋市中区新栄一丁目)が先だったためCBCラジオが日本初の民間放送局となっている。 |
MBSラジオ (MBS、大阪市北区茶屋町) |
1951年 (昭和26年) 9月1日 |
||
3 | 朝日放送ラジオ (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
1951年 (昭和26年) 11月11日 |
|
4 | RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
1951年 (昭和26年) 12月1日 |
|
5 | 京都放送 (KBS、京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町) |
1951年 (昭和26年) 12月24日 |
愛称:KBS京都(京都放送と呼称することはあまりない)。 |
6 | TBSラジオ (TBS、東京都港区赤坂五丁目) |
1951年 (昭和26年) 12月25日 |
|
7 | 北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
1952年 (昭和27年) 3月10日 |
|
8 | 信越放送 (SBC、長野市問御所町) |
1952年 (昭和27年) 3月25日 |
|
9 | 文化放送 (QR、東京都港区浜松町一丁目) |
1952年 (昭和27年) 3月31日 |
|
10 | ラジオ関西 (CRK、神戸市中央区東川崎町一丁目) |
1952年 (昭和27年) 4月1日 |
|
11 | 東北放送 (TBC、仙台市太白区八木山香澄町) |
1952年 (昭和27年) 5月1日 |
|
12 | 北陸放送 (MRO、金沢市本多町三丁目) |
1952年 (昭和27年) 5月10日 |
|
13 | 北日本放送 (KNB、富山市牛島町) |
1952年 (昭和27年) 7月1日 |
|
14 | 四国放送 (JRT、徳島市中徳島町二丁目) |
1952年 (昭和27年) 7月1日 |
|
15 | 福井放送 (FBC、福井市大和田二丁目) |
1952年 (昭和27年) 7月20日 |
|
16 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
1952年 (昭和27年) 10月1日 |
|
17 | 静岡放送 (SBS、静岡市駿河区登呂三丁目) |
1952年 (昭和27年) 11月1日 |
|
18 | 新潟放送 (BSN、新潟市中央区川岸町三丁目) |
1952年 (昭和27年) 12月24日 |
|
19 | 長崎放送 (NBC、長崎市尾上町) |
1953年 (昭和28年) 3月1日 |
|
20 | 日本テレビ放送網 (NTV、東京都港区東新橋一丁目) |
1953年 (昭和28年) 8月28日 |
日本初の都道府県域民間テレビ放送局。 |
21 | 高知放送 (RKC、高知市本町三丁目) |
1953年 (昭和28年) 9月1日 |
|
22 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
1953年 (昭和28年) 10月1日 |
|
西日本放送 (RNC、高松市丸の内) |
1953年 (昭和28年) 10月1日 |
||
南海放送 (RNB、松山市本町一丁目) |
1953年 (昭和28年) 10月1日 |
||
熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
1953年 (昭和28年) 10月1日 |
||
大分放送 (OBS、大分市今津留三丁目) |
1953年 (昭和28年) 10月1日 |
||
27 | 南日本放送 (MBC、鹿児島市高麗町) |
1953年 (昭和28年) 10月10日 |
|
28 | 青森放送 (RAB、青森市松森一丁目) |
1953年 (昭和28年) 10月12日 |
|
29 | 山形放送 (YBC、山形市旅篭町二丁目) |
1953年 (昭和28年) 10月15日 |
|
30 | 秋田放送 (ABS、秋田市中通七丁目) |
1953年 (昭和28年) 11月1日 |
|
31 | ラジオ福島 (RFC、福島市下荒子) |
1953年 (昭和28年) 12月1日 |
|
32 | 近畿東海放送 (KTB、津市中央) |
1953年 (昭和28年) 12月10日 |
ラジオ東海(RTC、岐阜市上加納山)と統合して東海ラジオ放送(SF、名古屋市東区東桜一丁目)に移行したため1960年(昭和35年)4月1日に廃業した。 |
33 | アイビーシー岩手放送 (IBC、盛岡市志家町) |
1953年 (昭和28年) 12月25日 |
|
34 | 九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
1954年 (昭和29年) 1月1日 |
|
35 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
1954年 (昭和29年) 3月1日 |
上表で示した通りラジオ山陰改め山陰放送が開局するまで日本では34社の民間放送局が開局しているのだが、ラジオ山陰改め山陰放送が開局した1954年(昭和29年)3月1日時点で民間放送局の本社を有していた都道府県庁所在地は札幌市・青森市・盛岡市・仙台市・秋田市・山形市・福島市・東京都区部(3社)・新潟市・長野市・富山市・金沢市・福井市・静岡市・名古屋市・津市・京都市・大阪市(2社)・神戸市・岡山市・広島市・徳島市・高松市・松山市・高知市・福岡市(2社)・長崎市・熊本市・大分市・鹿児島市の30市となる。つまり、ラジオ山陰改め山陰放送は日本で初めて都道府県庁所在地ではない都市に本社・演奏所を設置した民間放送局だったということになる。
注10:山陰放送の中波中継局は本文でも触れた通り現在7箇所あるが、JR山陰本線の沿線にしかなく、山間部や島嶼部には全く設置されていない。また、1960年(昭和35年)には江津市に中波中継局を設置しようとしたが何らかの事情で取りやめたこともあった。
また、エフエム補完中継局も本文でも触れた通り鳥取県・島根県に1箇所ずつしかなく、島根県西部などエフエム補完放送が受信できない地域が多数残っている。
注11:但し山陽放送は開局した時から1961年(昭和36年)までラジオ山陽という愛称を用いていたことから略称はRSKとしている。
注12:政令指定都市に本社を置いている民間中波放送局のradikoでの配信開始年月日は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名は現在のものを記している。
・参加年月日はradiko.jpプレミアム開始前、すなわち2014年(平成26年)3月31日以前に配信を開始した場合は試験配信を開始した日としている。
・同じ日に複数の放送局が参加した場合、放送区域を同じくしている場合は放送局名の50音順で、放送区域が異なる場合は本社のある都道府県の全国地方公共団体コード順でそれぞれ並べている。
・radikoで無料で番組が楽しめる地域の一覧表はこちらの最下部に掲載しているので併せてご覧頂きたい。
順位 | 放送局名 | 配信開始 年月日 |
備考 |
---|---|---|---|
1 | 朝日放送ラジオ (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
|
MBSラジオ (MBS、大阪市北区茶屋町) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||
ラジオ大阪 (OBC、大阪市港区弁天一丁目) |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||
4 | CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
|
東海ラジオ放送 (SF、名古屋市東区東桜一丁目) |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
||
6 | アール・エフ・ラジオ日本 (RF、横浜市中区長者町五丁目) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
|
京都放送 (KBS、京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
愛称:KBS京都(京都放送と呼称することはあまりない)。 本局で流しているものを配信している。 |
|
ラジオ関西 (CRK、神戸市中央区東川崎町一丁目) |
2011年 (平成23年) 4月12日 |
||
9 | STVラジオ (STV、札幌市中央区北一条西八丁目) |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
本局で流しているものを配信している。 |
北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
本局で流しているものを配信している。 | |
11 | RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
|
九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
||
13 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
2011年 (平成23年) 7月20日 |
|
14 | 静岡放送 (SBS、静岡市駿河区登呂三丁目) |
2011年 (平成23年) 10月3日 |
|
15 | 熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
2012年 (平成24年) 1月30日 |
|
16 | 東北放送 (TBC、仙台市太白区八木山香澄町) |
2012年 (平成24年) 4月2日 |
|
新潟放送 (BSN、新潟市中央区川岸町三丁目) |
2012年 (平成24年) 4月2日 |
||
18 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
2014年 (平成26年) 12月1日 |
注13:中波ステレオ放送を実施したことのある民間中波放送局のradikoでの配信開始年月日は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名は現在のものを記している。
・参加年月日はradiko.jpプレミアム開始前、すなわち2014年(平成26年)3月31日以前に配信を開始した場合は試験配信を開始した日としている。
・同じ日に複数の放送局が参加した場合、放送区域を同じくしている場合は放送局名の50音順で、放送区域が異なる場合は本社のある都道府県の全国地方公共団体コード順でそれぞれ並べている。
・radikoで無料で番組が楽しめる地域の一覧表はこちらの最下部に掲載しているので併せてご覧頂きたい。
順位 | 放送局名 | 実施中継局名 | 開始年月日 | 終了年月日 | 配信開始 年月日 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | TBSラジオ (TBS、東京都港区赤坂五丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2011年 (平成23年) 1月31日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
|
ニッポン放送 (LF、東京都千代田区有楽町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2024年 (令和6年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||
文化放送 (QR、東京都港区浜松町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2012年 (平成24年) 2月6日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||
朝日放送ラジオ (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
本局 |
1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
京都中波中継局(京都市東山区今熊野総山町。周波数:1008kHz)は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている。 | |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||||
MBSラジオ (MBS、大阪市北区茶屋町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
京都中波中継局(京都市東山区今熊野総山町。周波数:1179kHz)は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている。 | |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
||||
ラジオ大阪 (OBC、大阪市港区弁天一丁目) |
本局 | 1993年 (平成5年) 3月29日 |
(実施中) | 2010年 (平成22年) 3月15日 |
京都中波中継局(京都市東山区今熊野総山町。周波数:1314kHz)は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている(つまり京都中波中継局における中波ステレオ放送の終了は京都中波中継局の廃止が理由となるが中継局廃止による中波ステレオ放送終了は初の事例となる)。 | |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2023年 (令和5年) 10月30日 |
||||
7 | CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
2021年 (令和3年) 1月11日 |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
|
東海ラジオ放送 (SF、名古屋市東区東桜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
2012年 (平成24年) 5月14日 |
2011年 (平成23年) 3月25日 |
||
9 | 和歌山放送 (WBS、和歌山市湊本町三丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 7月14日 |
(実施中) | 2011年 (平成23年) 4月12日 |
本局で流しているものを配信している。 |
10 | STVラジオ (STV、札幌市中央区北一条西八丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 8月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
本局で流しているものを配信している。 |
北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 10月7日 |
2010年 (平成22年) 3月29日 |
2011年 (平成23年) 4月20日 |
本局で流しているものを配信している。 | |
12 | RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 5月31日 |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
|
九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2007年 (平成19年) 4月2日 |
2011年 (平成23年) 4月22日 |
||
14 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月1日 |
2011年 (平成23年) 3月14日 |
2011年 (平成23年) 7月20日 |
福山・府中・三原各中波中継局の中波ステレオ放送開始時期は推定(福山・府中両中波中継局については福山中波中継局〔福山市北美台。周波数:1530kHz〕と府中中波中継局〔府中市土生町。周波数:1530kHz〕の周波数統一が実施された日を、三原中波中継局〔三原市明神三丁目。周波数:1530kHz〕は福山・府中両中波中継局との周波数統一が実施された日をそれぞれ開始年月日としている。周波数統一直後に機器調整のため周波数を統一した中波中継局について深夜・早朝に放送休止を設定していたことや自分が1994年〔平成6年〕11月26日に福山中波中継局について中波ステレオ放送が実施されていたことを確認していることを考えると周波数統一の一週間後から実施したのではないかと考えられる)。 |
福山 府中 |
1994年 (平成6年) 11月14日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
||||
三原 | 1995年 (平成7年) 2月13日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
||||
15 | 熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
本局 | 1993年 (平成5年) 10月1日 |
2008年 (平成20年) 9月29日 |
2012年 (平成24年) 1月30日 |
|
16 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月28日 |
2014年 (平成26年) 12月1日 |
|
高梁 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月21日 |
注14:中国地方にある民間中波放送局のエフエム補完放送の開始年月日は下表の通りである。
順位 | 放送局名 | 開始年月日 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 山口放送 (KRY、周南市徳山) |
2015年 (平成27年) 7月21日 |
日本で最も多くのエフエム補完中継局を有する民間中波放送局である。 |
2 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
2015年 (平成27年) 12月1日 |
|
3 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
2017年 (平成29年) 3月1日 |
|
4 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
2018年 (平成30年) 3月21日 |
注15:中波ステレオ放送を実施したことのある民間中波放送局のエフエム補完放送の開始年月日は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名は現在のものを記している。
・エフエム補完放送は2014年(平成26年)に制度化されたものであるが、それ以前にエフエム中継局を設置していた民間中波放送局については最初のエフエム中継局が開局した日をエフエム補完放送の開始年月日としている。
・同じ日に複数の民間中波放送局で開始した場合、放送区域を同じくしている場合は放送局名の50音順で、放送区域が異なる場合は本社のある都道府県の全国地方公共団体コード順でそれぞれ並べている。
順位 | 放送局名 | 中波ステレオ放送 | エフエム 補完放送 開始年月日 |
備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
実施中継局名 | 開始年月日 | 終了年月日 | ||||
1 | CBCラジオ (CBC、名古屋市中区新栄一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
2021年 (令和3年) 1月11日 |
2015年 (平成27年) 10月1日 |
|
東海ラジオ放送 (SF、名古屋市東区東桜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月4日 |
2012年 (平成24年) 5月14日 |
2015年 (平成27年) 10月1日 |
||
3 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月1日 |
2011年 (平成23年) 3月14日 |
2015年 (平成27年) 12月1日 |
福山・府中・三原各中波中継局の中波ステレオ放送開始時期は推定(福山・府中両中波中継局については福山中波中継局と府中中波中継局の周波数統一が実施された日を、三原中波中継局は福山・府中両中波中継局との周波数統一が実施された日をそれぞれ開始年月日としている。周波数統一直後に機器調整のため周波数を統一した中波中継局について数日間深夜・早朝に放送休止を設定していたことや自分が1994年〔平成6年〕11月26日に福山中波中継局について中波ステレオ放送が実施されていたことを確認していることを考えると周波数統一の一週間後から実施したのではないかと考えられる)。 |
福山 府中 |
1994年 (平成6年) 11月14日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
||||
三原 | 1995年 (平成7年) 2月13日 |
2001年 (平成13年) 10月15日 |
||||
4 | TBSラジオ (TBS、東京都港区赤坂五丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2011年 (平成23年) 1月31日 |
2015年 (平成27年) 12月7日 |
|
ニッポン放送 (LF、東京都千代田区有楽町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2024年 (令和6年) 4月1日 |
2015年 (平成27年) 12月7日 |
||
文化放送 (QR、東京都港区浜松町一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2012年 (平成24年) 2月6日 |
2015年 (平成27年) 12月7日 |
||
7 | 朝日放送ラジオ (ABC、大阪市福島区福島一丁目) |
本局 |
1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
2016年 (平成28年) 3月19日 |
京都中波中継局は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている。 |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月15日 |
||||
MBSラジオ (MBS、大阪市北区茶屋町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 3月15日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2016年 (平成28年) 3月19日 |
京都中波中継局は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている。 | |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
||||
ラジオ大阪 (OBC、大阪市港区弁天一丁目) |
本局 | 1993年 (平成5年) 3月29日 |
(実施中) | 2016年 (平成28年) 3月19日 |
京都中波中継局は2023年(令和5年)10月30日未明の放送終了をもって運用を終了し、廃止されている(つまり京都中波中継局における中波ステレオ放送の終了は京都中波中継局の廃止が理由となるが中継局廃止による中波ステレオ放送終了は初の事例となる)。 | |
京都 | 1997年 (平成9年) 4月1日 |
2023年 (令和5年) 10月30日 |
||||
10 | RKB毎日放送 (RKB、福岡市早良区百道浜二丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2010年 (平成22年) 5月31日 |
2016年 (平成28年) 3月28日 |
|
九州朝日放送 (KBC、福岡市中央区長浜一丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 4月1日 |
2007年 (平成19年) 4月2日 |
2016年 (平成28年) 3月28日 |
||
12 | 熊本放送 (RKK、熊本市中央区山崎町) |
本局 | 1993年 (平成5年) 10月1日 |
2008年 (平成20年) 9月29日 |
2016年 (平成28年) 5月1日 |
|
13 | 和歌山放送 (WBS、和歌山市湊本町三丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 7月14日 |
(実施中) | 2016年 (平成28年) 5月30日 |
|
14 | STVラジオ (STV、札幌市中央区北一条西八丁目) |
本局 | 1992年 (平成4年) 8月1日 |
2010年 (平成22年) 3月1日 |
2016年 (平成28年) 10月19日 |
|
北海道放送 (HBC、札幌市中央区北一条西五丁目) |
本局 | 1996年 (平成8年) 10月7日 |
2010年 (平成22年) 3月29日 |
2016年 (平成28年) 10月19日 |
||
16 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
本局 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月28日 |
2018年 (平成30年) 3月21日 |
|
高梁 | 1992年 (平成4年) 10月5日 |
2011年 (平成23年) 3月21日 |
注16:ラジオ山口改め山口放送が開局した1956年(昭和31年)4月1日時点で山口県には13の市があったのだが徳山市の人口は13市中第6位だった。
※ラジオ山口改め山口放送が開局した1956年(昭和31年)4月1日時点の山口県の都市の人口とその順位は下表の通りである(人口は1955年〔昭和30年〕10月1日実施の国勢調査に基づいており、その後の異動を加味している)。
順位 | 都市名 | 読み方 | 人口 | 記事 |
---|---|---|---|---|
1 | 下関市 | しものせき | 233,436人 | 左記の人口は下関市が1955年(昭和30年)11月1日に編入した豊浦郡内日村(1889〜1955)の分(2,933人)を含めている。 |
2 | 宇部市 | うべ | 160,020人 | |
3 | 防府市 | ほうふ | 96,821人 | |
4 | 岩国市 | いわくに | 90,607人 | |
5 | 山口市 | やまぐち | 81,177人 | 県庁所在地。 |
6 | 徳山市 | とくやま | 70,987人 | 国勢調査が行われた1955年(昭和30年)10月1日に徳山市は都濃郡向道村(1889〜1955)を編入しているが左記の人口は都濃郡向道村編入後のものになっている。 |
7 | 萩市 | はぎ | 57,621人 | |
8 | 小野田市 | おのだ | 54,627人 | |
9 | 下松市 | くだまつ | 43,397人 | |
10 | 美祢市 | みね | 39,271人 | |
11 | 光市 | ひかり | 37,945人 | |
12 | 柳井市 | やない | 36,641人 | |
13 | 長門市 | ながと | 31,995人 |
注17:E2山陽自動車道だけで周南市と岩国方面が往来できるようになったのは1992年(平成4年)6月25日のことである。
注18:山口放送が1990年(平成2年)春の番組改編まで終夜放送を行わなかった理由を挙げると次の通りになる。
・青少年にとって好ましくない番組を流すのはどうかという意見が根強かったこと(山口放送はテレビ部門についてもそういう姿勢で臨み、ネットを拒んだり打ち切ったりした番組がいくつかあることでも知られている)。
・終夜放送を行えるほど経営事情が良かったわけではないこと(ちなみにその頃の山口放送は平日の午前中には自社制作のワイド番組を設定していなかった)。
・終夜放送を行っていなかった時期は本社・演奏所のある徳山市の中心部の近くを高速道路が通っておらず、また中国自動車道は山口放送が受信しづらい山間部を通っていたため必要はないと考えていたこと。
・近隣にある本局の出力が高い民間中波放送局、すなわち中国放送やRKB毎日放送(RKB、福岡市早良区百道浜二丁目)、九州朝日放送(KBC、福岡市中央区長浜一丁目)が山口県内のほとんどの地域で受信できるため山口放送は終夜放送を行う必要はないと考えていたこと。
しかし放送区域を同じくするエフエム山口が1988年(昭和63年)春の番組改編で終夜放送実施に踏み切ったことや本文でも触れた通り山口放送の本社・演奏所の近くで建設が進められていたE2山陽自動車道が開通したことなどから終夜放送を行わざるを得なくなったのだろう。
注19:山口放送がRSK山陽放送のように全ての中波中継局の周波数を統一しなかった理由を挙げると次の通りになる。
・山口放送が本局(周南市大津島。周波数:765kHz)で使用している周波数は山梨放送(YBS、甲府市北口二丁目)が使用しており、場所によっては混信する恐れがあったこと(山梨放送の本局〔甲斐市龍地。周波数:765kHz〕は内陸部にあることや山梨放送が放送区域としている山梨県は高い山々で囲まれていること、山梨放送の本局の出力は5kWであることからその心配はないと思う方がいるかもしれないのだが、広島県世羅郡世羅町で栃木放送〔CRT、宇都宮市昭和二丁目〕の本局〔鹿沼市深津。周波数:1530kHz。出力:5kW〕が受信できたこと〔しかもそれは夜間ではなく日中だった〕を考えると山口県内で山梨放送が受信できる可能性は十分考えられるところである)。
・山口放送の本局が使用している周波数に近接して高い出力の中波中継局がいくつもあり、混信する恐れがあったこと(756kHzはNHK熊本放送局〔熊本市中央区花畑町〕のラジオ第一放送の本局〔熊本市北区清水東町。出力:10kW〕が、774kHzはNHK秋田放送局〔秋田市東通仲町〕のラジオ第二放送の本局〔秋田県南秋田郡大潟村西野。出力:500kW〕がそれぞれ使用している)。
・山口放送は本局だけでなく岩国・下関・萩各中波中継局についてもコールサインを付与しており、それが周波数統一に向けて最大の障害になったこと。
・RSK山陽放送のラジオ部門が放送区域としている岡山県は岡山・倉敷両市及びその周辺地域への一極集中が著しいという地理的構造を有しているが、山口放送が放送区域としている山口県は本文でも触れた通り卓越した中核都市が存在しないため周波数統一を行おうという機運が盛り上がらなかったこと(意外に思う方がいるかもしれないのだが全ての中波中継局の周波数を統一している民間中波放送局の放送区域を見るとその多くが県庁所在地及びその周辺地域への一極集中構造を有している)。
注20:中国地方にある民間中波放送局のradikoでの配信開始年月日は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名は現在のものを記している。
・参加年月日はradiko.jpプレミアム開始前、すなわち2014年(平成26年)3月31日以前に配信を開始した場合は試験配信を開始した日としている。
順位 | 放送局名 | 配信開始 年月日 |
備考 |
---|---|---|---|
1 | 中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
2011年 (平成23年) 7月20日 |
放送区域を同じくする広島エフエム放送と同時に配信開始(配信開始当時中国放送に在職していた女性アナウンサーと、広島エフエム放送に在職していた女性アナウンサー〔現在はどちらも退職している〕が出演してradikoでの配信を開始する旨の宣伝が中国放送・広島エフエム放送で流されていた)。 |
2 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
2012年 (平成24年) 1月30日 |
|
3 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
2014年 (平成26年) 12月1日 |
|
4 | 山口放送 (KRY、周南市徳山) |
2016年 (平成28年) 5月9日 |
注21:山口放送が感じた中波放送の限界を挙げると次の通りになる。
・国内外の中波放送局との混信が著しい。
・中波中継局はほとんどの場合高い鉄塔を建てなければならないし広大な敷地も必要になるがその確保が難しい。
・1990年代末期まで中波中継局設置を進めて受信環境改善を図ってきたがそれでも長門市や美祢市、柳井市など受信しづらい地域が残った。
・長門市や美祢市、柳井市などの受信しづらい地域への中波中継局設置は受信対象範囲が狭いことや受信対象人口が少ないこと、中波中継局を設置するために必要な土地を確保できないことなどから困難である。
・中波中継局の周波数統一を考えたが山口県の地理的構造などを考えると難しい。
・音質が良くない、電化された鉄道路線のそばを通る時や家電製品の電源を入れる時に雑音が入るなどの難点がある。
注22:エフエム山陰(愛称:V-air。松江市学園南一丁目)が開局するまでの都道府県域民間エフエム放送局の開局状況と放送区域は下表の通りである。
(下表をご覧頂くに当たっての注意)
・社名は現在のものを記している。
・同じ日に複数の民間中波放送局で開始した場合、放送区域を同じくしている場合は放送局名の50音順で、放送区域が異なる場合は本社のある都道府県の全国地方公共団体コード順でそれぞれ並べている。
順位 | 放送局名 | 放送区域 | 開局年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | エフエム愛知 (FMA、名古屋市中区千代田二丁目) |
愛知県 | 1969年 (昭和44年) 12月24日 |
日本初の民間エフエム放送局(厳密には東海大学超短波放送実用化試験局〔愛称:エフエム東海。東京都港区虎ノ門二丁目。1958〜1970〕が日本初の民間エフエム放送局になるのだが実験局または実用化試験局として運用されていたことなどから東海大学超短波放送実用化試験局は日本初の民間エフエム放送局とはされていない)。 |
2 | エフエム大阪 (fmo、大阪市浪速区湊町一丁目) |
大阪府 | 1970年 (昭和45年) 4月1日 |
愛称:FM OH!。 |
3 | エフエム東京 (TFM、東京都千代田区麹町一丁目) |
東京都 | 1970年 (昭和45年) 4月26日 |
愛称:Tokyo fm。 JFN系列の総本山。 東海大学超短波放送実用化試験局を前身とする放送局だが実験局または実用化試験局として運用されていたことなどから日本初の民間エフエム放送局とはされていない。但し東海大学超短波放送実用化試験局からエフエム東京に移行した際にいくつかの番組は継承されており、現在もその中の一つだった「JET STREAM」が放送され続けている(番組は1967年〔昭和42年〕7月4日放送開始)。 |
4 | エフエム福岡 (福岡市中央区清川一丁目) |
福岡県 | 1970年 (昭和45年) 7月15日 |
|
5 | エフエム愛媛 (松山市竹原町一丁目) |
愛媛県 | 1982年 (昭和57年) 2月1日 |
五大都市を擁する都道府県以外で初めて開局した都道府県域民間エフエム放送局である。 |
6 | エフエム北海道 (札幌市中央区北一条西一丁目) |
北海道 | 1982年 (昭和57年) 9月15日 |
愛称:AIR-G'。 |
7 | エフエム長崎 (長崎市栄町) |
長崎県 | 1982年 (昭和57年) 10月1日 |
|
8 | エフエム仙台 (仙台市青葉区本町二丁目) |
宮城県 | 1982年 (昭和57年) 12月1日 |
愛称:Date fm。 |
9 | 広島エフエム放送 (HFM、広島市南区皆実町一丁目) |
広島県 | 1982年 (昭和57年) 12月5日 |
愛称:広島エフエム。 都道府県域民間エフエム放送局で最も多くの中継局を有している(13箇所)。 |
10 | 静岡エフエム放送 (浜松市中央区常盤町) |
静岡県 | 1983年 (昭和58年) 4月1日 |
愛称:K-mix。 静岡県を放送区域としている都道府県域放送局では唯一浜松市に本社・演奏所を置いているが法令上の本局は浜松局(浜松市中央区大平台二丁目。周波数:78.4MHz)ではなく静岡局(静岡市清水区草薙。周波数:79.2MHz)となっている。 |
11 | エフエム沖縄 (浦添市小湾) |
沖縄県 | 1984年 (昭和59年) 9月1日 |
沖縄県を放送区域としていた民間中波放送局の極東放送(KHR、浦添市小湾。1958〜1984)が都道府県域民間エフエム放送局に鞍替えして開局した都道府県域民間エフエム放送局である。 極東放送からエフエム沖縄に継承された番組はいくつかあったが、2021年(令和3年)秋の番組改編で「スクリーンへの招待」(1973〜2021年〔昭和48年〜令和3年〕放送)が喋り手の安谷屋真理子(極東放送→エフエム沖縄の元アナウンサー)のアナウンサー業引退(理由は自身の健康問題)に伴う降板を理由に終了したことをもって全て消滅した。 |
12 | エフエム宮崎 (宮崎市高千穂通一丁目) |
宮崎県 | 1984年 (昭和59年) 12月1日 |
愛称:JOY FM。 |
13 | 福井エフエム放送 (福井市御幸一丁目) |
福井県 | 1984年 (昭和59年) 12月18日 |
愛称:エフエム福井。 |
14 | エフエム秋田 (AFM、秋田市八橋本町三丁目) |
秋田県 | 1985年 (昭和60年) 4月1日 |
|
富山エフエム放送 (富山市奥田町) |
富山県 | 1985年 (昭和60年) 4月1日 |
愛称:FMとやま。 | |
16 | 三重エフエム放送 (津市観音寺町) |
三重県 | 1985年 (昭和60年) 6月1日 |
愛称:radio CUBE FM三重。 |
17 | エフエム岩手 (FMI、盛岡市内丸) |
岩手県 | 1985年 (昭和60年) 10月1日 |
|
エフエム群馬 (前橋市千代田町二丁目) |
群馬県 | 1985年 (昭和60年) 10月1日 |
愛称:FM GUNMA。 | |
19 | エフエム熊本 (FMK、熊本市中央区千葉城町) |
熊本県 | 1985年 (昭和60年) 11月1日 |
愛称:エフエム・クマモト。 2005年(平成17年)4月1日にエフエム中九州から社名を変更したが略称は開局当時からFMKのままである(エフエム中九州時代はエフエム中九州の英訳〔FM Mid Kyuushuu〕を略したものだとしていた)。 |
20 | エフエム山口 (FMY、山口市緑町) |
山口県 | 1985年 (昭和60年) 12月1日 |
|
21 | 横浜エフエム放送 (YFM、横浜市西区みなとみらい二丁目) |
神奈川県 | 1985年 (昭和60年) 12月20日 |
愛称:FMヨコハマまたはFm yokohama 84.7、Fヨコ。 都道府県域民間エフエム放送局としては初めてどの系列にも属さない独立局として開局した(もっとも横浜エフエム放送開局時点では全国FM放送協議会〔JFN〕しか都道府県域民間エフエム放送局の系列がなかったのだが)。 |
22 | エフエム山陰 (松江市学園南一丁目) |
島根県 鳥取県 |
1986年 (昭和61年) 10月1日 |
愛称:V-air。 都道府県域民間エフエム放送局としては初めて複数の都道府県を放送区域とする放送局として開局した。 |
この後複数の都道府県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局はともに外国語放送局として開局したInterFM897(東京都千代田区麹町一丁目)と愛知国際放送(愛称:RADIO-i。名古屋市東区東桜一丁目。2000〜2010)の2社しか開局せず、民間中波放送局のようにいくつもできるというところには至らなかった(InterFM897は東京都・神奈川県に、愛知国際放送は愛知県・静岡県にそれぞれ中継局を設置。なお、愛知国際放送は経営難を理由に廃業しているが都道府県域民間放送局の初の廃業事例として知られている)。都道府県域民間エフエム放送局の開局が難航したところや経営難に見舞われたところの救済策として複数の都道府県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局を発足させることは考えられないまま今日に至っているのだが今後はどうなるのだろうか。
注23:1971年(昭和46年)時点では鳥取・島根両県の都道府県域民間テレビ放送局は鳥取県に本社・演奏所を置き、鳥取県を放送区域とする日本海テレビジョン放送(NKT、鳥取市田園町四丁目)と、鳥取県に本社・演奏所を置きながら島根県だけを放送区域とする山陰放送、島根県に本社・演奏所を置き、島根県を放送区域とする島根放送(現:山陰中央テレビジョン放送〔TSK、松江市向島町〕)の3社が存在した。日本海テレビジョン放送の放送区域を島根県に、山陰放送・島根放送の放送区域を鳥取県にそれぞれ拡張する形で放送区域統合を実施した(その際島根放送は山陰中央テレビジョン放送に改称している)のだがその背景として考えられることを挙げると次の通りになる。
・山陰放送のラジオ部門は開局した時から本社・演奏所のある鳥取県だけでなく島根県も放送区域としていたこと。
・鳥取県と島根県の統合による新たな県の発足は県民感情などの問題から実現は不可能であるが一体的にとらえられる場合が多いこと。
・鳥取県側の境港市・米子市・西伯郡では島根県側のテレビ放送を、島根県側の松江市・安来市では鳥取県側のテレビ放送をそれぞれ視聴する方が少なくなかったこと。
・山陰放送のテレビ放送とラジオ放送の放送区域を統一したかったこと(ラジオ放送は鳥取・島根両県を放送区域としていたのにテレビ放送は島根県しか放送区域としていなかった)。
・徳島県で二局目の都道府県域民間テレビ放送局開局への動きがあり、予備免許取得まで至ったのに何らかの事情で頓挫したこと(その後やはり複数都道府県域民間テレビ放送局が必要だという声が上がらなかったこともあって郵政省〔現:総務省〈東京都千代田区霞が関二丁目〉〕からのチャンネル割り当ても破棄され、結局徳島県は四国放送〔JRT、徳島市中徳島町二丁目〕しか都道府県域民間テレビ放送局がないという状態になっている。余談だが日の目を見なかった徳島県の二局目の都道府県域民間テレビ放送局と同時に予備免許を取得したのが今年12月1日に開局55周年を迎えることになっている広島ホームテレビ〔HOME、広島市中区白島北町〕である)。
・鳥取県・島根県の人口や経済基盤を考えればこれ以上の都道府県域民間テレビ放送局の開局は無理だったこと。
鳥取・島根両県の都道府県域民間テレビ放送局の放送区域統合により鳥取県ではTBSテレビ・フジテレビ両系列の番組(山陰放送がTBSテレビ系列に、島根放送改め山陰中央テレビジョン放送がフジテレビ系列にそれぞれ所属しているため)を、島根県では日本テレビ系列の番組(日本海テレビジョン放送が日本テレビ系列に所属しているため)の番組をそれぞれ視聴できるようになったのだが、どういうわけか山陰放送と日本海テレビジョン放送でテレビ朝日系列のワイドショーが同時に放送されるという状態が生じるようになった。中継局の整備が進まなかったことや視聴率が見込める番組がなかったことなどいろいろ理由は考えられるところであるが真相は不明である(現在は鳥取・島根両県ではテレビ朝日系列のワイドショーはネットされなくなったためこういう状態は見られなくなっている)。
注24:都道府県域民間エフエム放送局より先にコミュニティ放送局が開局したところは他に茨城県と岐阜県、奈良県、和歌山県がある。このうち岐阜県については都道府県域民間エフエム放送局が後に開局しているのだが、茨城県・奈良県・和歌山県には未だに存在しない(奈良県・和歌山県については都道府県域民間エフエム放送局用の周波数の割り当てが郵政省〔現:総務省〕からなされているのだが開局へのメドが立っていない)。
注25:岡山エフエム放送より後に開局した都道府県域民間エフエム放送局の状況を示すと下表の通りになる。
放送局名・所在地 | 状況 |
---|---|
新潟県民エフエム放送 (新潟市中央区万代二丁目) |
・愛称:FM PORT。 ・2000年(平成12年)12月20日新潟県二つ目の都道府県域民間エフエム放送局として開局。複数の都道府県域民間エフエム放送局を有する都道府県は五大都市を擁するところに限られており、五大都市のない新潟県が複数の都道府県域民間エフエム放送局を抱えることになったことは注目された。 ・開局当初はJ-WAVE(東京都港区六本木六丁目)を事実上の総本山とするJFL系列に属していたが(いかなる理由があったのかは分からないのだが)すぐに脱退し、三大都市(東京・名古屋・大阪)及びその周辺地域以外では唯一の独立局として運営することになった。 |
岐阜エフエム放送→ エフエム岐阜 (大垣市小野四丁目) |
・。 |
愛知国際放送 (名古屋市東区東桜一丁目) |
・。 |
Radio NEO (名古屋市瑞穂区北原町一丁目) |
・。 |
注26:岡山市に本社・演奏所を置いている都道府県域放送局の本社・演奏所の移転状況を示すと下表の通りになる(掲載順は移転順としている)。
放送局名・所在地 | 状況 |
---|---|
NHK岡山放送局 (岡山市北区駅元町) |
・2005年(平成17年)岡山市北区丸の内二丁目から現在地に移転。 ・本文でも触れたが岡山駅の西口にあり、岡山駅とは岡山市道駅元町16号線を挟んで向かい合っている。 |
テレビせとうち (TSC、岡山市北区柳町二丁目) |
・2006年(平成18年)岡山市北区野田五丁目から現在地に移転。 ・岡山市北区野田五丁目にあった初代本社・演奏所はわずか21年で使用を終了することになり、経営事情が厳しいにもかかわらず移転したことに対しては否定的な声も少なくないところであるが山陽新聞社(岡山市北区柳町二丁目)と社屋を共有する格好になったことから山陽新聞社との関係強化が背景にあるものと思われる。 |
岡山放送 (OHK、岡山市北区下石井二丁目) |
・2021年(令和3年)岡山市北区学南町三丁目から現在地に移転。 ・山陽新聞社・テレビせとうちとは岡山駅東口駅前広場から南に延びる岡山市道南方・柳町線を挟んで向かい合っている。 |
RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
・2023年(令和5年)岡山市北区丸の内二丁目から現在地に移転。 ・現在の本社・演奏所は2021年(令和3年)から使用しているが機器更新の問題から新社屋使用開始後も全面移転完了まで旧社屋はラジオ部門の一部が引き続き使用していた。 ・旧社屋での業務は2023年(令和5年)4月10日未明のラジオ放送の放送終了(午前0時15分)をもって終了したが建物はそれでお役御免とはならず、現在はRSKホールディングスが使用している。 ・現在の本社・演奏所は岡山駅からいくらか離れた場所にあるが最上部の塔屋には略称の「RSK」が記されており、JR山陽新幹線を通る列車から見えるようになっている。 |
注27:現在の中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局の日曜日深夜の放送終了時間は下表の通りである。
順位 | 放送局名 | 放送終了時間 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
午前0時 | |
エフエム山口 (FMY、山口市緑町) |
午前0時 | ||
3 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
午前0時20分 | |
4 | エフエム山陰 (松江市学園南一丁目) |
午前1時 | |
岡山エフエム放送 (岡山市北区中山下一丁目) |
午前1時 | ||
中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
午前1時 | ||
山口放送 (KRY、周南市徳山) |
午前1時 | ||
8 | 広島エフエム放送 (HFM、広島市南区皆実町一丁目) |
午前2時 |
注28:中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局の一週間の総放送時間は下表の通りである。
順位 | 放送局名 | 総放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 山陰放送 (BSS、米子市西福原一丁目) |
午前0時 | |
エフエム山口 (FMY、山口市緑町) |
午前0時 | ||
3 | RSK山陽放送 (RSK、岡山市北区天神町) |
午前0時20分 | |
4 | エフエム山陰 (松江市学園南一丁目) |
午前1時 | |
岡山エフエム放送 (岡山市北区中山下一丁目) |
午前1時 | ||
中国放送 (RCC、広島市中区基町) |
午前1時 | ||
山口放送 (KRY、周南市徳山) |
午前1時 | ||
8 | 広島エフエム放送 (HFM、広島市南区皆実町一丁目) |
午前2時 |
注29:その番組は平成時代初頭に中学生・高校生向けに週末の深夜帯に放送されていたのだが、筆名に下ネタ関係の単語(性交に関するものや性器の俗称など)を入れると喋り手の男性から退学または永久追放を宣告されるという決まりになっていた(番組の副題にschoolが入っていたことによる。なお、永久追放を宣告にする場合の基準は不明)。
また、番組の企画に下ネタ関係の事柄を想像させるクイズを出す「ビューティークイズ」というものがあった(無論答えは下ネタ関係とは縁遠いものになっている)。
注30: