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今年期待されること・今年注目したいこと(2023年〔令和5年〕1月3日公開)

 新年の夜(現在は元日の夜を指すが、大晦日の夜を指す説や1月2日の夜を指す説があり、定説はない)に見る夢を初夢といい、「一富士二鷹三茄子」というように富士山や鷹、ナスの夢(どんな夢なのだろうか…?)を見ると縁起が良いとされているようですが、そこで今回の「不定期刊・きょうのトピックス」では今年中国地方で期待されることや今年注目したいことを本サイトが対象とする分野について書いてみることに致しました。どうぞご覧下さい。

今年中に開通する可能性のある中国地方を通る道路

※ここで取り上げる道路は2023年(令和5年)に開通する可能性がある中国地方を通る道路(取り上げないものもありますがご了承願います)を国土交通省公式サイトの道路開通情報などを参考に紹介しております。また、開通が2024年(令和6年)になると思われる路線は取り上げておりません。

県名 路線名称 開通予定時期 概要
鳥取県 山陰・近畿自動車道
(国道178号線岩美道路)
2023年
(令和5年)
春頃
山陰・近畿自動車道は鳥取市と宮津市を日本海に沿って結ぶ地域高規格道路(地域高規格道路における名称は鳥取・豊岡・宮津自動車道)である。今春開通が予定されているのは国道178号線岩美道路のうちの浦富インターチェンジ(鳥取県岩美郡岩美町浦富)東浜インターチェンジ(鳥取県岩美郡岩美町陸上)間約3.8kmで、前記区間の開通により国道178号線岩美道路は全線開通となる(注1)
国道178号線岩美道路はその東側で国道178号線東浜・居組道路と、その西側で国道9号線駟馳山バイパス→鳥取バイパスとそれぞれ接続しており、国道178号線岩美道路が全線開通すると何と居組インターチェンジ(兵庫県美方郡新温泉町居組)南隈交差点(鳥取市千代水一丁目)間約22.9kmが無停車で走行できるようになる。その点からすれば期待度の高い道路と言えるのだが、東方においては兵庫県北部の中心都市・豊岡市への到達、西方においては山陰自動車道との接続がともにいつ実現するか現時点でははっきりしておらず、広域的に有用な存在になるのはまだまだ先のことになっている。
また、国道178号線岩美道路の全線開通により鳥取県内の国道178号線は全区間が自動車専用道路に移行することになるのだが、現在の国道178号線がどのように再編されるのかも注目されるところである。
島根県 山陰自動車道
(国道9号線大田・静間道路)
2023年度
(令和5年度)
国道9号線大田・静間道路と国道9号線静間・仁摩道路はともに山陰自動車道の一部を構成することになる道路で、全区間、すなわち大田中央・三瓶山インターチェンジ(大田市久手町刺鹿)静間インターチェンジ(仮称。大田市静間町)仁摩・石見銀山インターチェンジ(大田市仁摩町大国)間約12.9km(注2)が開通する予定になっている。大田中央・三瓶山インターチェンジでは既に開通している国道9号線朝山・大田道路と、仁摩・石見銀山インターチェンジでは同じく既に開通している国道9号線仁摩・温泉津道路とそれぞれ接続することになっており、国道9号線大田・静間道路と国道9号線静間・仁摩道路の開通により出雲多伎インターチェンジ(出雲市多伎町久村)石見福光インターチェンジ(大田市温泉津町福光)間が一本の道で結ばれることになる。それでもまだ出雲インターチェンジ(出雲市知井宮町)出雲多伎インターチェンジ間の山陰自動車道がまだ開通していないため自動車専用道路としてはしばらくの間孤立することになる(注3)が、大田市内の国道9号線は大田市中心部の北方を通過しているが郊外型店舗がいくつも進出して交通量が多くなっていることや大田市周辺の国道9号線には有用な迂回路がないことを考えれば大田市内を迂回できる道路の開通は朗報と言えよう。
山陰自動車道
(国道9号線静間・仁摩道路)
2023年度
(令和5年度)
岡山県 国道180号線
総社バイパス
2023年
(令和5年)
1月29日
総社市中心部の国道180号線の渋滞解消を目的として企図されたバイパスで、総社市総社/北國府交差点総社市小寺間約1.9kmが開通する予定になっている。開通区間終点のある総社市小寺では総社市道と接続することになっているが、現道の迂回路として利用するには遠回りになるため有用な存在にはなり得ない可能性が高くなっている。早急に残る未開通箇所、すなわち総社市小寺総社市井尻野間の整備が望まれるところであるが、現在のところいつ頃開通するかは公表されていない。
なお、国土交通省中国地方整備局(広島市中区上八丁堀)では総社・一宮バイパスと呼称しているが、途中で国道180号線現道を拡幅して活用する箇所があるため本サイトではそこを境に岡山市寄りの部分を一宮バイパス、高梁市寄りの部分を総社バイパスとそれぞれ呼称することにしている。
広島県 国道2号線
総称東広島バイパス
2023年
(令和5年)
春頃
総称東広島バイパスとは東広島市西条町下三永/早稲木(東)交差点広島市安芸区船越南四丁目/海田ランプ間に計画されている国道2号線のバイパスで、現在は西条・安芸・東広島各バイパスに名称が分かれているがかつては東広島バイパスという一まとめの名称だったことに因んで本サイトで付けた名称である。2023年(令和5年)春に開通する予定になっているのは八本松西インターチェンジ(東広島市八本松西三丁目)瀬野西インターチェンジ(広島市安芸区瀬野南町)間の本線と安芸郡海田町中心部の本線であり、これにより約25.8kmの長大バイパスが計画策定から半世紀を経てようやく一つの道に繋がることになる。また、西条バイパスの途中にある東広島市西条町御薗宇/道照交差点から新広島バイパスの途中にある広島市南区仁保二丁目/仁保2丁目交差点までは他の道路とは全て立体交差になることになり、およそ40kmにわたって無停車で走れるようになる。
交通量や効果などを考えれば2023年(令和5年)の中国地方においては最も期待され、なおかつ注目される道路の開通になりそうである。

今年開局する可能性のあるラジオ局及び中継局

※現時点で予定のあるものはない。

今年実施される予定の選挙

県名 名称 任期満了日 備考
鳥取県
(6)
鳥取県知事 4月12日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
鳥取県議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
西伯郡日吉津村長 4月26日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
西伯郡日吉津村議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
日野郡日南町議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
日野郡日野町議会 5月19日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
島根県
(6)
島根県知事 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
島根県議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
益田市議会 9月8日
西ノ島町長 2月8日 1月24日告示→1月29日実施。
隠岐郡海士町議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
隠岐郡知夫村議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
岡山県
(14)
岡山県議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
総社市長 10月13日
岡山市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
玉野市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
津山市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
英田郡西粟倉村長 9月9日
勝田郡勝央町長 9月11日
勝田郡奈義町長 2月14日 1月31日告示→2月5日実施。
都窪郡早島町長 8月27日
英田郡西粟倉村議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
浅口郡里庄町議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
勝田郡奈義町議会 2月14日 1月31日告示→2月5日実施。
真庭郡新庄村議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
和気郡和気町議会 2月28日 2月14日告示→2月19日実施。
広島県
(14)
広島県議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
広島市長 4月11日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
尾道市長 4月26日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
廿日市市長 11月2日
三次市長 4月25日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
広島市議会 5月1日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
大竹市議会 8月31日
尾道市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
呉市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
東広島市議会 4月26日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
安芸郡海田町長 11月15日
豊田郡大崎上島町長 4月26日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
安芸郡熊野町議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
安芸郡坂町議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
山口県
(7)
山口県議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月9日)。
周南市長 5月24日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
長門市長 11月26日
宇部市議会 4月30日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
下関市議会 2月12日 1月29日告示→2月5日実施。
玖珂郡和木町議会 4月29日 統一地方選挙で実施(4月23日)。
熊毛郡平生町議会 5月31日 統一地方選挙で実施(4月23日)。

今年期待されること・今年注目したいこと

1 テレビせとうち制作のアニメ番組「しまじろうのわお!」の今後はどうなるのか

 昨年9月、乳幼児を持つ方にとって衝撃的な事件が発生した。テレビせとうち(TSC、岡山市北区柳町二丁目)が制作し、テレビ東京系列におけるアニメ番組では最長寿番組となっている「しまじろう」シリーズ(注4)の現行作品「しまじろうのわお!」が大半の地域で打ち切られたのである(放送状況は下表参照)。

状況 都道府県名 放送局名 所属系列 備考
放送継続
(14社)
日本全国 日本BS放送
(東京都千代田区神田駿河台二丁目)
愛称:BS11。
北海道 テレビ北海道
(TVh、札幌市中央区大通東六丁目)
テレビ東京
東京都
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
テレビ東京
(TX、東京都港区六本木三丁目)
テレビ東京 テレビ東京系列の総本山。
長野県 テレビ信州
(TSB、長野市若里一丁目)
日本テレビ
石川県 テレビ金沢
(KTK、金沢市古府二丁目)
日本テレビ
愛知県 テレビ愛知
(TVA、名古屋市中区大須二丁目)
テレビ東京
滋賀県 びわ湖放送
(BBC、大津市鶴の里)
(独立局)
大阪府 テレビ大阪
(TVO、大阪市中央区大手前一丁目)
テレビ東京
奈良県 奈良テレビ放送
(TVN、奈良市法蓮佐保山三丁目)
(独立局)
和歌山県 テレビ和歌山
(WTV、和歌山市栄谷)
(独立局)
鳥取県
島根県
日本海テレビジョン放送
(NKT、鳥取市田園町四丁目)
日本テレビ
岡山県
香川県
テレビせとうち
(TSC、岡山市北区柳町二丁目)
テレビ東京 「しまじろうのわお!」制作局。
福岡県 TVQ九州放送
(TVQ、福岡市博多区住吉二丁目)
テレビ東京
鹿児島県 鹿児島讀賣テレビ
(KYT、鹿児島市与次郎一丁目)
日本テレビ
打ち切り
(20社)
青森県 青森放送テレビ
(RAB、青森市松森一丁目)
日本テレビ
岩手県 岩手朝日テレビ
(IAT、盛岡市盛岡駅西通二丁目)
テレビ朝日
宮城県 東日本放送
(khb、仙台市太白区あすと長町一丁目)
テレビ朝日
秋田県 秋田放送テレビ
(ABS、秋田市中通七丁目)
日本テレビ
山形県 山形テレビ
(YTS、山形市城西町五丁目)
テレビ朝日
福島県 福島放送
(KFB、郡山市桑野四丁目)
テレビ朝日
新潟県 新潟放送テレビ
(BSN、新潟市中央区川岸町三丁目)
TBSテレビ
山梨県 テレビ山梨
(UTY、甲府市湯田二丁目)
TBSテレビ
富山県 富山テレビ放送
(BBT、富山市新根塚町一丁目)
フジテレビ
福井県 福井テレビジョン放送
(FTB、福井市問屋町三丁目)
フジテレビ
静岡県 静岡放送テレビ
(SBS、静岡市駿河区登呂三丁目)
TBSテレビ
三重県 三重テレビ放送
(MTV、津市渋見町)
(独立局)
広島県 テレビ新広島
(TSS、広島市南区出汐二丁目)
フジテレビ
山口県 テレビ山口
(TYS、山口市大内千坊六丁目)
TBSテレビ
徳島県 四国放送テレビ
(JRT、徳島市中徳島町二丁目)
日本テレビ
愛媛県 南海放送テレビ
(RNB、松山市本町一丁目)
日本テレビ
長崎県 長崎文化放送
(NCC、長崎市茂里町)
テレビ朝日
熊本県 熊本朝日放送
(KAB、熊本市西区二本木一丁目)
テレビ朝日
大分県 テレビ大分
(TOS、大分市勢家)
日本テレビ
フジテレビ
「しまじろうのわお!」をネットしていた都道府県域民間テレビ放送局では唯一のクロスネット局。
沖縄県 沖縄テレビ放送
(OTV、那覇市久茂地一丁目)
フジテレビ
放送なし
(1府5県)
岐阜県
京都府
兵庫県
高知県
佐賀県
宮崎県

 中国地方では制作局で、岡山・香川両県を放送区域としているテレビせとうちと、鳥取・島根両県を放送区域としている日本海テレビジョン放送(NKT、鳥取市田園町四丁目)は昨年10月以降も放送継続となったのに対し、広島県を放送区域としているテレビ新広島(TSS、広島市南区出汐二丁目)と、山口県を放送区域としているテレビ山口(TYS、山口市大内千坊六丁目)は昨年9月末をもって終了となり、明暗が分かれる格好になった。
 まあ日本BS放送(愛称:BS11。東京都千代田区神田駿河台二丁目)で「しまじろうのわお!」は放送されているため衛星テレビ放送が視聴できる環境さえあれば放送されなくなった地域でも「しまじろうのわお!」は引き続き楽しめるのが不幸中の幸いだった(注5)のだが、なぜこのようなことになったのか。私が考える理由は次の通りである。
・少子化の進展などによりベネッセコーポレーション(岡山市北区南方二丁目)の経営環境が悪化したこと。
・経営環境が悪化したベネッセコーポレーションは番組提供から降板すること(注6)をテレビ東京系列に属していないがネットしている都道府県域民間テレビ放送局各社に通告したこと。
・ベネッセコーポレーションによる番組提供降板通告に対してテレビ新広島やテレビ山口などの大半のネット局が反発したこと。
・ベネッセコーポレーションによる番組提供降板通告に反発したネット局は継続したほうが妥当だという認識は持っていたが、視聴率が見込めないことや収入が絶たれることなどからこれ以上のネット継続は困難であると判断したこと。
 しかもテレビ新広島の場合だが、テレビ新広島における最終回が放送された日(昨年9月25日)の新聞のテレビ欄を見ると「しまじろうのわお!」について最終回記号は付されていなかった。恐らく番組の最後で今回をもってテレビ新広島での放送は終了する旨の表示または字幕が出されたのだろうが、最終回であるとは知らずに見ていて番組の最後で終了することを知った方は少なくなかったことが予想され、視聴者はどこまでも蔑ろにされる格好になってしまった。
 スポンサーを務めている企業の経営環境悪化により番組を縮小したり最悪の場合終了したりすることは致し方ないことだと私は考えるのだが、こんなやり方は感心しない。その理由を挙げると次の通りになる。
・スポンサーを務めている企業が番組存続に向けて努力しなかったと受け取られても致し方ない状況が生じること。
・打ち切り対象地域に住んでいる方に「なぜ私が住んでいる地域を対象にしたのか。納得できない」というような感情が生じること。
・やり方が中途半端だと思うこと。
・番組を継続することにした地域と番組を終了することにした地域の選定基準が一切公表されないため不信感が残ること。
・視聴者または聴取者を蔑ろにしていること。
・短期的には良いのかもしれないが、長期的に考えた場合企業側が損をする結果になる場合が多いこと。
・縮小策をとった番組が生き永らえた例はほとんどないこと。
・番組関係者の士気を下げるなどの好ましくない効果をもたらす恐れが高いこと。
・(あり得ないと思う方が多いと思うのだが)放送再開を実現させるべく過激な行動(注7)に出る方が出る恐れがあること。
 恐らく「しまじろうのわお!」はそう遠くない将来に終了となり、そこで1993年(平成5年)暮れから続いてきた「しまじろう」シリーズ、そして1989年(平成元年)春から続いてきたテレビせとうち制作のアニメ番組の歴史(注8)は終止符を打つことになるのではないかと私は見ているのだが、もしそうなると「しまじろう」シリーズは悲惨な最期を遂げた長寿アニメ番組という烙印を押され、テレビせとうち制作のアニメ番組はその全てが不遇だったという評判を抱かれるのは確実なところであろう。誰もこんな結末を望んでいないはずなのだが、なぜそういう方向に進ませようとするのだろうか。私にはそれが分からない。
 私は「しまじろう」シリーズのファンでも何でもないのだが、やはり悲惨な最期だけは迎えさせたくない。そこで何をすれば良いのか。私はベネッセコーポレーション一社提供状態を維持したままテレビせとうち・日本BS放送共同制作番組として日本BS放送だけでの放送に移行させるのが妥当ではないかと考えている。そのように考えた理由を挙げると次の通りになる。
・テレビせとうちが属するテレビ東京系列は日本にある都道府県域民間テレビ放送局の系列では最も遅く発足した系列である上に政令指定都市を擁する府県(注9)でも系列局のないところが多く、不完全なままになっていること。
系列局がないところが多いテレビ東京及びその系列局ではテレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局のない地域にある都道府県域民間テレビ放送局に番組を売って番組を放送するようにしてきたのだが、経営上の問題などからどの都道府県域民間テレビ放送局も番組購入数を減らしている(注10)ためにそのやり方に限界が見え始めていること。
・BSテレビ東京(愛称:BSテレ東。東京都港区六本木三丁目)はテレビ東京(TX、東京都港区六本木三丁目)制作の番組はいくらか放送するが、テレビ東京以外のテレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局の番組は全くと言って良いほど放送していないこと。
・都道府県域民間テレビ放送局での放送だとどの系列も全都道府県を網羅していないことや経営上の問題から中継局を設置しないままになっているところ(注11)、諸事情によりネットしない都道府県域民間テレビ放送局がいくらか出てくること(注12)などから日本全国で視聴できないままになること。
・制作局をテレビせとうちから例えばテレビ東京やテレビ愛知(TVA、名古屋市中区大須二丁目)、テレビ大阪(TVO、大阪市中央区大手前一丁目)、東京メトロポリタンテレビジョン(MX、東京都千代田区麹町一丁目)などの経営規模の大きな都道府県域民間テレビ放送局に移すことも考えられるのだが、今回と同じ状況が生じない保証はどこにもないこと。
・複数社提供番組に移行させることも考えられるのだが、番組内容が大きく変わる恐れがあることやベネッセコーポレーションが長らく一社提供番組でやってきたという矜持を楯にそれを受け入れようとしない可能性があること、新たにスポンサーになる企業を選定するのに困難を極める恐れがあること、複数社提供番組に移行したが結局どうにもならずに終わった例があること(注13)などを考えれば難しいこと。
・既に都道府県域民間テレビ放送局と民間衛星テレビ放送局が共同で制作し、民間衛星テレビ放送局で放送されている番組が存在すること(注14)
・民間衛星テレビ放送局でも乳幼児向け番組はいくつも放送されていること(注15)
・日本BS放送で放送されている「しまじろうのわお!」における企業などの宣伝の放送状況を調べたところ、ベネッセコーポレーションの宣伝が流れる割合は4分の1になっており(注16)、ベネッセコーポレーションの広告負担割合は軽減されているのではないかと感じたこと。
・現在のところベネッセコーポレーションがしまじろうをキャラクターに起用しているこどもちゃれんじを廃止することやしまじろうに代わるこどもちゃれんじの新たなキャラクターを設定することを考えている様子はないし、もしそのようにすればベネッセコーポレーションにとって損になるのは確実であることを考えると何らかの方法で「しまじろう」シリーズを継続すべきではないかと思うこと。
・日本BS放送はアニメ番組の放送には積極的ではあるのだが深夜帯に放送されるものが主であることや経営規模が大きいとは言えないことなどを考えれば自ら「しまじろう」シリーズを制作・放送するのは難しい面があると思われること。
・もしテレビせとうちが制作から撤退した場合、貴重な収入源を失うことになり、いくら山陽新聞社(岡山市北区柳町二丁目)の後ろ盾があるとしても経営状況はかなり厳しくなる恐れが高いので引き続き「しまじろう」シリーズの制作に関与したほうが良いのではないかと思うこと。

山陽新聞社とテレビせとうちの本社が入居しているビル。
このような形になったのは2006年(平成18年)のことである。
分かりにくいかもしれないがビルの壁の中ほどには「山陽新聞社」「TSCテレビせとうち」などと書かれているのが見える。
余談だがこのビルの斜め真向かいには岡山放送(OHK、岡山市北区下石井二丁目)の本社がある。

・テレビせとうちの放送区域人口はテレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局では最少であること(注17)や放送区域としている岡山・香川両県の経済基盤が盤石とは言えないこと、社名に広域地名を用いていること(注18)などを考えればその存在を広く知らせ、収入を得る手段は残すべきだと考えること(注19)
・中国地方にある都道府県域民間テレビ局が制作し、民間衛星テレビ放送局でも放送されている番組が最近いくつか出てきている(注20)が、その流れに抗する格好で元祖的存在の「しまじろうのわお!」が放送を終了するのはどうなのかなと思うこと。
 無論この考え方に課題はないわけではない。それを挙げると次の通りになる。
・日本BS放送における現在の放送時間帯(日曜日午後5時30分〜午後6時)が妥当なのかどうか。
・衛星テレビ放送局を視聴できる環境は備わっていないが番組は見たいと思う方の対策をどのようにするのか。
・もし放送時間や放送局を変更することになった場合苦情がほとんど生じない周知はできるのかどうか。
・都道府県域民間テレビ放送局から民間衛星テレビ放送局に放送するところを移転させたことで芳しくない評価が付かないかどうか。
・やはり都道府県域民間テレビ放送局でも放送を続けるべきだという声が上がるかどうか。
・昨秋まで放送していた都道府県域民間テレビ放送局でのネット再開を求める声が上がるかどうか。
 事は簡単には行かないことは承知の上で記しているのだが、ベネッセコーポレーションとテレビせとうち、日本BS放送はどのような結論を出すのか。今後も注目していきたいところである。
 テレビ東京及びその系列局制作のアニメ番組では先頃、「しまじろう」シリーズに次いで長寿を誇っている「ポケットモンスター」シリーズ(1997年〔平成9年〕放送開始)について今春から主人公を交代させ、新生を期することが発表された。恐らくまだまだ続いていくだろうことは想像に難くないわけであるが、その一方で「しまじろう」シリーズの今後はどのようになるかという情報は未だに入ってこない。「ポケットモンスター」シリーズの今なお続く活況を尻目に終了への道を歩み、悲惨な最期を遂げた長寿アニメ番組という烙印を押されることになるのか。それとも何らかの形で継続するのか。今年は「しまじろう」シリーズの制作に関わってきたベネッセコーポレーションとテレビせとうちにとって正念場になることは確実なところであろう。

2 今年中国地方で県道路線の異動は起きるのか

 令和時代に入って3年8ヶ月が経過したのだが、この間に都道府県道路線の異動はどのくらいあったのかを示すと下表の通りになる。

都道府県名/
異動件数
異動内容 備考
北海道
(3件)
道道1180号きたひろしま総合運動公園線の認定(2020年〔令和2年〕3月31日北海道告示第10,488号)。 プロ野球球団の北海道日本ハムファイターズが今春から使用を開始する予定の本拠地球場・ES CON FIELD HOKKAIDO(北広島市Fビレッジ)が敷地内に建設されているきたひろしま総合運動公園(北広島市共栄)と国道36号線を結ぶ路線。北広島市道大曲・椴山線を編入する部分(おおよその区域はこちら)と道道1080号栗山・北広島線と重用する部分(おおよその区域はこちら)、そして新規に建設される部分で構成されている。
道道1179号苫小牧中央インター線(仮称)の道道1179号苫小牧中央インター線への改称(2020年〔令和2年〕11月24日北海道告示第11,368号)。 道道自動車道苫小牧西インターチェンジ(苫小牧市錦岡)〜苫小牧東ジャンクション・インターチェンジ(注21)(苫小牧市植苗)間に設置されることになった苫小牧中央インターチェンジ(苫小牧市高丘)と国道276号線を結ぶ路線。
道道1179号苫小牧中央インター線(仮称)は2014年(平成26年)7月18日北海道告示第10,586号に基づいて2014年(平成26年)7月4日に認定されたのだが、その時点では苫小牧中央インターチェンジは計画段階だったため路線名称は道道1179号苫小牧中央インター線(仮称)となった
(注22)。その後2020年(令和2年)11月5日に苫小牧中央インターチェンジが正式名称化したことを受けて路線名称から(仮称)を外したものである。
なお、苫小牧中央インターチェンジは2020年(令和2年)12月13日午後3時に供用を開始し、同時に道道1179号苫小牧中央インター線も開通している。
道道1181号新八雲停車場線(仮称)(注22)の認定(2021年〔令和3年〕4月9日北海道告示第10,578号)。 JR北海道新幹線新八雲駅(仮称。二海郡八雲町春日)と道道42号八雲・北檜山線を結ぶ予定の路線。
新八雲駅が区間内にある北海道新幹線新函館北斗〜札幌間が開業するのは2031年(令和13年)春の予定となっていること(但し工事の難航などにより延期される可能性がある)から新八雲駅の正式名称決定やそれを受けた路線名称の変更、そして道道1181号新八雲停車場線(仮称)の開通はかなり先のことになり、当分の間路線名称に(仮称)が付く格好になる。
なお、現在道道路線の名称で(仮称)が付くのは道道1181号新八雲停車場線(仮称)だけである。
青森県
(0件)
最終異動発生年月日は2015年(平成27年)12月25日。
岩手県
(3件)
県道184号石越停車場・白崖線の県道184号石越・白崖線への改称(2019年〔令和元年〕5月14日岩手県告示第13号)。 令和時代初の都道府県道路線の異動の一つ。
2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号(県道184号石越・白崖線の認定)と2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第304号(県道184号石越停車場・白崖線の廃止)を受けた異動であるが、なぜか宮城県側とは異なり路線名称の変更として取り扱っている。
路線異動が二つの時代(平成・令和)に跨った稀有な例ともなっている
(注23)
県道190号石森・永井線の県道190号花泉・迫線への改称(2019年〔令和元年〕5月14日岩手県告示第13号)。 令和時代初の都道府県道路線の異動の一つ。
2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号(県道190号花泉・迫線の認定)と2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第304号(県道190号石森・永井線の廃止)を受けた異動であるが、なぜか宮城県側とは異なり路線名称の変更として取り扱っている。
路線異動が二つの時代(平成・令和)に跨った稀有な例ともなっている(注23)
県道141号陸前高田停車場線の廃止(2022年〔令和4年〕3月31日岩手県告示第216号)。 JR大船渡線陸前高田駅(陸前高田市高田町。1933〜2011)と国道45号線を結んでいた路線。
東北地方太平洋沖地震(2011年〔平成23年〕3月11日)が引き起こした津波によって大船渡線気仙沼〜陸前高田〜盛間が被災したことや東日本旅客鉄道(JR東日本。東京都渋谷区代々木二丁目)が利用者が少なくなっていた前記区間の鉄道での復旧を断念したことから存在意義が消滅し、県道路線としての認定を解かれることになった。
跡地は県道38号大船渡・広田・陸前高田線と陸前高田市道になっている。
宮城県
(0件)
最終異動発生年月日は2019年(平成31年)3月29日。
秋田県
(0件)
最終異動発生年月日は2018年(平成30年)7月6日。
山形県
(1件)
県道199号余目停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕7月21日山形県告示第570号)。 JR羽越本線・陸羽西線余目駅(東田川郡庄内町余目)と県道117号余目・松山線(国道47号線旧道)を結んでいた県道路線。ただ、余目駅の(西口)駅前広場からまっすぐ延びる駅前通りをずっと進むのかと思いきや東田川郡庄内町余目/余目交差点で左折し、東田川郡庄内町余目/庄内町矢口交差点で県道117号余目・松山線と接続するという変則的な経路(そのおおよその区域はこちら)をとっていた。
廃止→東田川郡庄内町への移管の理由ははっきりしないが、東田川郡庄内町が東田川郡庄内町の代表駅である余目駅の周辺地域を整備するに当たって県道199号余目停車場線の敷地を東田川郡庄内町に移管させる必要が生じたからではないかと思われる。
跡地は庄内町道になっている。
福島県
(1件)
県道244号小塙・上郡山線の県道244号山田岡・上郡山線への改称(2022年〔令和4年〕3月29日福島県告示第211号)。 起点(双葉郡楢葉町下小塙/木戸郵便局前交差点〔信号機・交差点名標なし〕)で接続していた県道162号木戸停車場線が双葉郡楢葉町山田岡/木戸陸前新浜街道踏切西交差点(信号機・交差点名標なし)以北の経路を変更したこと(旧経路のおおよその区域はこちら(注24)/現経路のおおよその区域はこちら)と、双葉郡楢葉町山田岡/木戸陸前新浜街道踏切西交差点(信号機・交差点名標なし)双葉郡楢葉町下小塙/木戸郵便局前交差点(信号機・交差点名標なし)間の県道162号木戸停車場線だった区域を編入したことで県道162号木戸停車場線との接続点が双葉郡楢葉町山田岡/木戸陸前新浜街道踏切西交差点(信号機・交差点名標なし)になったことにより路線名称を変更した。
起点が変わったことから本来なら県道244号山田岡・上郡山線の認定→県道244号小塙・上郡山線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
茨城県
(1件)
県道271号佐貫停車場線の県道271号龍ヶ崎市停車場線への改称(2020年〔令和2年〕2月27日茨城県告示第190号に基づいて2020年〔令和2年〕3月14日実施)。 JR常磐線佐貫駅(龍ヶ崎市佐貫町。1900〜2020)が2020年(令和2年)3月14日に実施されたJRグループのダイヤ改正に合わせて龍ヶ崎市駅に改称することにしたことに伴う路線名称変更。
なお、常磐線佐貫駅改め龍ヶ崎市駅は関東鉄道竜ヶ崎線佐貫駅(龍ヶ崎市佐貫町)と駅舎を共有しているが、関東鉄道(土浦市真鍋一丁目)は引き続き佐貫駅という名称を使用しており、鉄道業者で駅名が異なるようになっている
(注25)
栃木県
(2件)
県道168号静・藤岡線の廃止(2020年〔令和2年〕3月29日栃木県告示第178号)。 栃木市岩舟町静と栃木市藤岡町甲を結んでいた県道路線。
栃木市岩舟地区中心部と栃木市藤岡地区北西部を結ぶ県道路線を下都賀西部広域農道として整備されたために良好な県道282号中・岩舟線(1974〜2020)を延伸させて発足させた県道282号中・藤岡線(2020年〔令和2年〕3月29日栃木県告示第179号により発足)に振り替えることにしたため廃止。
跡地は栃木市道になっている。
県道282号中・岩舟線の県道282号中・藤岡線への改称(2020年〔令和2年〕3月29日栃木県告示第179号)。 佐野市中町と栃木市岩舟町畳岡を結んでいた県道282号中・岩舟線を栃木市藤岡町都賀まで延伸して発足した県道路線。
栃木市岩舟町新里/岩舟総合運動公園南交差点(交差点名標なし)栃木市岩舟町畳岡/下津原交差点(県道282号中・岩舟線の終点)栃木市藤岡町都賀/藤岡町地域活動支援センター南交差点(終点。交差点名標なし)間は下都賀西部広域農道と重用しており、栃木県としては県道282号中・藤岡線の東方を並行して通っていたが道路状況が良好とは言えなかった
(注26)県道168号静・藤岡線(1961〜2020)に代わって栃木市岩舟地区中心部と栃木市藤岡地区北西部を結ぶ幹線道路として活用しようとしたものと思われる。
終点が変わったことから本来なら県道282号中・藤岡線の認定→県道282号中・岩舟線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
群馬県
(0件)
最終異動発生年月日は2018年(平成30年)6月29日。
埼玉県
(0件)
最終異動発生年月日は2017年(平成29年)5月2日。
千葉県
(1件)
県道501号王子・金町・市川線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日千葉県告示第244号)。 東京都江戸川区江戸川一丁目〜千葉県市川市押切間に計画されている旧江戸川橋梁(仮称。2031年度〔令和13年度〕開通予定)の建設を進めるべく認定された路線。
東京都側は2022年(令和4年)5月10日東京都告示第709号により認定している。
現在のところ千葉県内には区域が決定した箇所は存在しない
(注27)
東京都
(3件)
都道171号相原停車場線の廃止(2021年〔令和3年〕7月30日東京都告示第995号に基づいて2021年〔令和3年〕8月1日実施)。 JR横浜線相原駅(町田市相原町)の東口駅前広場と国道16号線八王子旧道を結んでいた路線。但し町田市相原町/相原駅入口交差点町田市相原町/相原交差点間は都道47号八王子・町田線と重用しており、実質的には相原駅東口駅前広場と都道47号八王子・町田線を結ぶ路線となっていた。
町田市が相原駅東口周辺地域を整備するに当たって都道171号相原停車場線の敷地を町田市に移管させる必要が生じたため廃止されたものと思われる。
都道171号相原停車場線の廃止により東京都内の横浜線の駅の駅前広場を起点または終点とする都道路線は皆無となった
(注28)
跡地は町田市道堺958号線になっている。
都道501号王子・金町・市川線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日東京都告示第709号)。 東京都江戸川区江戸川一丁目〜千葉県市川市押切間に計画されている旧江戸川橋梁の建設を進めるべく認定された路線。
千葉県側は2022年(令和4年)5月10日千葉県告示第244号により認定している。
既開通区間(北区王子一丁目/王子駅北交差点〔起点。交差点名標なし〕江戸川区東篠崎二丁目/篠崎ポンプ所南交差点〔交差点名標なし〕間。おおよその区域はこちら葛飾区西水元六丁目/水元五丁目三差路以西〕とこちら〔葛飾区東水元六丁目/水元五丁目三差路以南〕
(注29))は2022年(令和4年)5月10日東京都告示第710号により廃止された都道307号王子・金町・江戸川線(?〜2022)の区域をそのまま継承しているが、なぜか都道468号堀切橋・金町浄水場線(存在期間不明)だった葛飾区道を支線として加えている(おおよその区域はこちら)。
なお、都道501号王子・金町・市川線の道路種別について主要地方道としているものがいくつかあるが、本サイトは一般都道と見なしている
(注30)
都道307号王子・金町・江戸川線の廃止(2022年〔令和4年〕5月10日東京都告示第710号)。 東京都江戸川区江戸川一丁目〜千葉県市川市押切間に計画されている旧江戸川橋梁の建設を進めるべく認定された都道501号王子・金町・市川線に全区間が移行したため廃止。
跡地は都道501号王子・金町・市川線になっている。
神奈川県
(1件)
県道410号湘南台・大神線の認定(2021年〔令和3年〕3月30日神奈川県告示第223号)。 藤沢市湘南台一丁目と平塚市大神を結ぶ目的で発足した路線で、現在のところ県道での供用区間は存在しない。
現在藤沢市宮原〜高座郡寒川町宮山間と、平塚市大神で整備が進められており、前者は2026年度(令和8年度)以降に、後者は2022年度(令和4年度)にそれぞれ開通する予定になっている。ただ、まだ相模川を渡る橋梁の建設が具体化していないため全線開通の時期ははっきりしていない。
藤沢市湘南台一丁目/藤沢北警察署入口交差点藤沢市獺郷/宮原南交差点間には将来県道410号湘南台・大神線に編入されると思しき道路(おおよその区域はこちら)が既に開通しており、整備が進んだ段階で前記区間の県道410号湘南台・大神線の区域編入が行われるものと思われる。
新潟県
(0件)
最終異動発生年月日は2015年(平成27年)3月14日。
山梨県
(0件)
最終異動発生年月日は2017年(平成29年)3月16日。
長野県
(2件)
県道375号大豆島・吉田線の県道375号大豆島・東和田線への改称(2021年〔令和3年〕3月29日長野県告示第185号)。 県道375号大豆島・吉田線(1959〜2021)は長野市大豆島と長野市吉田三丁目を結ぶ路線だったが、長野市東和田/東和田西交差点以北は県道60号長野・荒瀬原線が発足した1982年(昭和57年)9月13日以降県道60号長野・荒瀬原線と重用することになり、事実上の終点は長野市東和田/東和田西交差点となっていた。更にその後長野市西尾張部/西尾張部北交差点長野市東和田/運動公園南入口交差点間に企図されたバイパスの開通により字実需の終点は国道18号線(国道406号線重用)と接続する長野市東和田/運動公園南入口交差点に移動し、国道18号線や国道406号線とも重用するようになった(注31)
県道60号長野・荒瀬原線の道路改良により県道60号長野・荒瀬原線の起点が長野市東和田/東和田西交差点から長野市平林二丁目/平林交差点に移動することになったのを契機に国道18号線や国道406号線、県道60号長野・荒瀬原線との重用区間を区域から外し、名実ともに長野市東和田/運動公園南入口交差点を終点とする路線になったため路線名称を変更したものである。
終点が変わったことから本来なら県道375号大豆島・東和田線の認定→県道375号大豆島・吉田線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
県道371号療養所・上野線の廃止(2021年〔令和3年〕4月15日長野県告示第239号)。 かつては国立長野療養所(1945〜1971)→国立療養所東長野病院(1971〜2004)という名称だった国立病院機構東長野病院(長野市上野二丁目)と県道60号長野・荒瀬原線を結んでいた路線。「療養所」という単語が入る都道府県道路線は他には北海道道264号七飯療養所線しかなく、稀有な存在であった。
終点で接続する県道60号長野・荒瀬原線が道路改良により経路を変更したため終点の長野市上野一丁目/若槻郵便局前交差点(信号機・交差点名標なし)で接続しなくなったことと県道路線として孤立することになったこと
(注32)、路線を延伸してまで存続させるのはどうかという考えが多勢を占めたことなどから長野市に移管されることになり、廃止された。
跡地は長野市道になっている。
富山県
(2件)
県道121号富山新駅停車場線の県道121号新富山口停車場線への改称(2021年〔令和3年〕3月5日富山県告示第93号)。 路線の起点にある新富山口駅(富山市下冨居二丁目)はあいの風とやま鉄道あいの風とやま鉄道線富山〜東富山間に2022年(令和4年)3月12日に開業した駅である。富山〜東富山間新駅設置計画が企図されたことを受けて新駅と県道65号富山・大沢野線を結ぶ路線として2015年(平成27年)4月1日富山県告示第168号によって認定された時点では仮称すらなかったために県道121号富山新駅停車場線という名称で発足した(注33)が、2021年(令和3年)2月17日に駅名が新富山口駅に決まったことを受けて改称したものである。
なお、新富山口駅は2022年(令和4年)3月12日に開業している。
県道52号石垣・魚津インター線の県道52号島尻・魚津インター線への改称(2022年〔令和4年〕4月1日富山県告示第145号)。 県道67号宇奈月・大沢野線魚津東バイパスの魚津市袋/袋交差点魚津市石垣新/石垣新公民館東交差点(信号機・交差点名標なし)間の開通(2021年〔令和3年〕10月28日)により生じた魚津市島尻/北陸電力片貝谷発電所北交差点(信号機・交差点名標なし)魚津市石垣/下石垣バス停北交差点(信号機・交差点名標なし)間の旧道を県道52号石垣・魚津インター線(1994〜2022)が引き継いだことにより県道52号島尻・魚津インター線に改称したものである。県道52号石垣・魚津インター線が魚津市島尻/北陸電力片貝谷発電所北交差点(信号機・交差点名標なし)魚津市石垣/下石垣バス停北交差点(信号機・交差点名標なし)間の県道67号宇奈月・大沢野線の旧道を引き継いだのは魚津市に移管すると道路の整備や維持に対する補助が国土交通省(東京都千代田区霞が関二丁目)から出なくなることや富山県としては魚津市島尻/北陸電力片貝谷発電所北交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する県道132号三箇・吉島線(この路線も実は魚津市中心部に通じているのだが…)とともに魚津市中心部と魚津市南東部を結ぶ重要な幹線道路として位置付けていることが考えられる。このように起点が変わったことから本来なら県道52号島尻・魚津インター線の認定→県道52号石垣・魚津インター線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
なお、県道52号石垣・魚津インター線も県道52号島尻・魚津インター線も路線名称に「魚津インター」という交通施設の名称が入っているが、県道52号石垣・魚津インター線も県道52号島尻・魚津インター線も北陸自動車道魚津インターチェンジ(魚津市印田)の出入口となる魚津市大海寺野/魚津I.C入口交差点で終点とならず、魚津市大海寺野/魚津I.C入口交差点から更に西進して魚津市中心部まで延びている。名称を見れば交通施設を起点または終点としているように見えるのに交通施設の入口を行き過ぎる都道府県道路線はいくつもある
(注34)ので珍しくはないのだが、なぜこのようにしたのだろうか。
石川県
(0件)
最終異動発生年月日は2013年(平成25年)3月29日。
福井県
(2件)
県道269号南越駅線の県道269号越前たけふ駅線への改称(2021年〔令和3年〕6月8日福井県告示第271号)。 2023年度(令和5年度)末の開業を目指して建設が進められているJR北陸新幹線金沢〜敦賀間の停車駅(注35)で唯一他の鉄道路線との接続がない越前たけふ駅(越前市大屋町)と国道8号線を結ぶ路線。現在のところ供用区間は存在しないが今年3月18日に開通する予定であることが2022年(令和4年)11月に発表されている。
県道269号越前たけふ駅線の前身になる県道269号南越駅線(2017〜2021)は2017年(平成29年)4月1日福井県告示第159号により発足している。その時点では越前市中心部の東方に建設されている北陸新幹線の停車駅には南越駅という仮称が付けられていたからであるが、2021年(令和3年)5月13日に越前たけふ駅が正式名称化したこと
(注36)を受けて改称したものである。
余談だが鉄道の駅を起点または終点とする都道府県道路線はほとんどの場合停車場という単語を入れている
(注37)が、駅という単語を入れたのは福井県が最初である(注38)
県道273号三方五湖レインボーライン線の認定(2022年〔令和4年〕10月1日福井県告示第385号)。 福井県南西部の三方郡美浜町と三方上中郡若狭町に跨って建設され、福井県道路公社(福井市松本三丁目。1974〜2022)が運営していた三方五湖有料道路(愛称:三方五湖レインボーライン。1968〜2022)が福井県道路公社の解散(注39)により無料開放したことを受けて発足した路線。三方五湖有料道路だった部分=県道273号三方五湖レインボーライン線の全区域と思う方がいるかもしれないのだが、実際は三方五湖有料道路だった部分(おおよその区域はこちら)と県道216号常神・三方線との重用区間(おおよその区域はこちら)で構成されている。県道216号常神・三方線は三方五湖に属している水月湖・三方湖(注40)のほとりを通っていることや舞鶴・若狭自動車道三方五湖スマートインターチェンジ(注41)(三方上中郡若狭町生倉)や国道27号線に通じている国道162号線と終点の三方上中郡若狭町田井/世久津交差点(信号機・交差点名標なし)で接続することが県道216号常神・三方線との重用区間を設けた理由ではないかと思われる。
有料道路時代の愛称をそのまま県道路線の名称にした稀有な路線でもある。
岐阜県
(4件)
県道365号和知・兼山停車場線の廃止(2019年〔令和元年〕7月12日岐阜県告示第122号)。 加茂郡八百津町和知と名古屋鉄道八百津線兼山駅(可児市兼山。1930〜2001)を結んでいた路線。
2001年(平成13年)10月1日に名古屋鉄道八百津線の全区間が廃止され、それに伴い途中にある兼山駅の営業が終了したことにより存在意義が消滅したが、通過自治体(可児市・加茂郡八百津町)との移管協議が進まなかったことなどから長らく存続していた。
今回廃止することになったのは通過自治体のうちの可児市との移管協議がようやく成立したことが背景にあるわけであるが、そのことを示すように跡地は県道381号多治見・八百津線(加茂郡八百津町和知/兼山橋北交差点可児市兼山/兼山橋南交差点可児市兼山/六角堂バス停南交差点〔信号機・交差点名標なし〕間。おおよその区域はこちら)と可児市道(可児市兼山/六角堂バス停南交差点〔信号機・交差点名標なし〕可児市兼山/兼山駅〔北口〕駅前広場〔終点〕間。おおよその区域はこちら)に再編された
(注42)
県道329号美並・和良・明宝線の認定(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第458号)。 郡上市美並町三戸と郡上市明宝畑佐を郡上市和良地区を経由して結ぶ路線。郡上市東部の山間部を南北に貫く路線でもある。
県道323号鹿倉・白山線(1977〜2021)の大部分とふるさと林道明宝・和良線を前身としている。
県道322号畑佐・和良線の廃止(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第459号)。 郡上市明宝畑佐と郡上市和良町安郷野を結んでいた路線。2012年(平成24年)に西方を並行して通るふるさと林道明宝・和良線が開通するまでは郡上市明宝地区と郡上市和良地区を結ぶ唯一の道路だったが、狭隘区間や未舗装区間、異常気象時通行規制区間、冬期閉鎖区間を抱えており、有用とは言い難い路線だった(注43)
ふるさと林道明宝・和良線が2021年(令和3年)10月27日岐阜県告示第458号で県道329号美並・和良・明宝線に認定されたことによりその代償として廃止された。
跡地は郡上市道になっている。
県道323号鹿倉・白山線の廃止(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第460号)。 郡上市和良町鹿倉と郡上市美並町白山を結んでいた路線。
路線の大部分、すなわち郡上市和良町鹿倉/鹿倉公民館バス停前交差点(信号機・交差点名標なし)郡上市美並町白山/羽佐古交差点間が2021年(令和3年)10月27日岐阜県告示第458号で認定された県道329号美並・和良・明宝線に移行したことにより廃止された。
跡地は国道256号線や県道63号美濃加茂・和良線、県道329号美並・和良・明宝線、郡上市道になっている。
静岡県
(1件)
県道418号須走・御殿場線の認定(2021年〔令和3年〕3月30日静岡県告示第347号)。 国道138号線須走道路・御殿場バイパスの全線開通(2021年〔令和3年〕4月10日)に伴う国道138号線須走・御殿場西部旧道の旧道処分に伴い発足した路線。路線発足時点では前記の通り国道138号線須走道路・御殿場バイパスは開通していなかったため区域決定と供用開始は国道138号線須走道路・御殿場バイパスの全線開通と同じ日になった(注44)
途中の御殿場市仁杉/仁杉交差点は富士山南麓を通って山梨県南巨摩郡南部町に至る国道469号線の起点となっている
(注45)
愛知県
(1件)
県道305号碧南停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日愛知県告示第154号)。 名古屋鉄道三河線碧南駅(碧南市中町五丁目)と県道43号岡崎・碧南線(県道50号名古屋・碧南線重用)を結んでいた路線。
碧南市が碧南駅の周辺地域の整備を進めるに当たって区域を碧南市に移管させる必要が生じたため廃止され、碧南市に移管された。
跡地は碧南市道になっている。
三重県
(3件)
県道572号二木島港線の廃止(2020年〔令和2年〕7月10日三重県告示第446号)。 二木島港(熊野市二木島町)と国道311号線を結んでいた路線。1961年(昭和36年)10月1日三重県告示第521号により認定された時は二木島港と一級国道42号線(1959〜1965。現:国道42号線)を結ぶ、15kmにも及ぶ長大路線だったが、その後大部分が県道23号尾鷲・二木島・熊野線(1965〜1971。現:国道311号線)に移行したため最終的には1kmに満たない路線になった。
廃止理由ははっきりしないが過疎化が進展したことなどにより三重県が県道路線として維持し続ける必要がないと判断したことや熊野市との移管協議が成立したことなどが考えられる。
跡地は熊野市道になっている。
県道766号城ノ浜・山居線の認定(2021年〔令和3年〕3月31日三重県告示第234号)。 県道766号多田ヶ瀬・山居線(1993〜2021)のうちの通行不能区間を外して発足した路線で、熊野灘臨海公園城ノ浜地区(北牟婁郡紀北町東長島)と北牟婁郡紀北町中心部を結ぶ役割を有している。
県道766号多田ヶ瀬・山居線の廃止(2021年(令和3年)3月31日三重県告示第235号)。 熊野灘臨海公園城ノ浜地区の南方にある岬(その辺りの小字が多田ヶ瀬となっている)と北牟婁郡紀北町中心部を結んでいた路線。恐らく多田ヶ瀬付近の海岸も熊野灘臨海公園城ノ浜地区の区域に編入し、熊野灘臨海公園城ノ浜地区として整備することにしたことが県道路線認定の理由ではないかと思われる(注46)のだが、熊野灘臨海公園城ノ浜地区の整備計画の縮小などが理由で通行不能区間の整備を断念したことで路線短縮となったものと思われる。
跡地(自動車通行可能区間のみ)は国道260号線や県道766号城ノ浜・山居線になっている。
滋賀県
(0件)
最終異動発生年月日は2015年(平成27年)4月1日。
京都府
(2件)
府道250号新田停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)。 JR奈良線新田駅(宇治市広野町)と府道15号宇治・淀線を結んでいた路線。
終点の宇治市広野町/広野町東裏交差点で接続していた府道15号宇治・淀線が2020年(令和2年)3月31日京都府告示第198号の5で新田駅の南方を通る新道(2016年〔平成28年〕8月6日開通)に経路を一本化したことと、宇治市が新田駅の周辺地域の整備を進めるに当たって区域を宇治市に移管させる必要が生じたことが廃止理由として考えられる。
跡地は宇治市道になっている。
府道323号木津停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)。 JR関西本線・片町線・奈良線木津駅(木津川市木津)と国道24号線を結んでいた路線。
木津川市木津駅前一丁目/木津駅西口交差点(交差点名標なし)木津川市木津一丁目/木津交差点(終点)間で重用していた府道47号天理・加茂・木津線が2020年(令和2年)3月31日京都府告示第198号の6で木津川市鹿背山/鹿背山交差点木津川市木津駅前一丁目/木津駅西口交差点(交差点名標なし)木津川市木津一丁目/木津交差点間について区域から外したこと(つまり終点が木津川市木津一丁目/木津交差点から木津川市鹿背山/鹿背山交差点に移動し、路線が短縮されたということ)と、木津川市が木津川市の代表駅である木津駅の周辺地域を整備するに当たって府道323号木津停車場線の敷地を木津川市に移管させる必要が生じたことが廃止理由として考えられる。
跡地は木津川市道になっている。
大阪府
(1件)
府道118号桜井停車場線の廃止(2021年〔令和3年〕7月9日大阪府告示第1,023号に基づいて2021年〔令和3年〕7月8日実施)。 阪急電鉄箕面線桜井駅(箕面市桜井二丁目)と国道171号線を結んでいた路線。
箕面市が桜井駅の周辺地域を整備するに当たって府道118号桜井停車場線の敷地を箕面市に移管させる必要が生じたことが廃止理由として考えられる。
跡地は箕面市道になっている。
兵庫県
(1件)
県道548号戸島・玄武洞・豊岡線の県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線への改称(2022年〔令和4年〕3月11日兵庫県告示第295号)。 県道548号戸島・玄武洞・豊岡線(?〜2022)は豊岡市城崎町戸島と豊岡市中心部を円山川右岸に沿って結ぶ路線だったが、起点の豊岡市城崎町戸島/城崎大橋東詰交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する県道9号豊岡・竹野線の改良工事(2024年度〔令和6年度〕完成予定)で起点が豊岡市城崎町楽々浦に移動することになったことにより県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線に改称したものである。但し現時点では延伸部分は予定地として2022年(令和4年)3月11日兵庫県告示第296号で区域決定しているだけであり、延伸部分はまだ供用されていない(恐らく県道9号豊岡・竹野線の改良完成と同じ時期になるものと思われる)。このように起点が変わったことから本来なら県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線の認定→県道548号戸島・玄武洞・豊岡線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
なお、兵庫県では兵庫県議会第347回定例会(2020年〔令和2年〕2月18日〜3月25日)で北近畿・豊岡自動車道但馬空港・豊岡両インターチェンジに関係する県道路線の認定及び県道路線の変更に関する議案が提出され、どちらも可決しているが、手続きが進んでいないのか未だに認定告示や変更告示は出ていない
(注47)
奈良県
(0件)
最終異動発生年月日は2017年(平成29年)1月13日。
和歌山県
(0件)
最終異動発生年月日は2016年(平成28年)12月27日。
鳥取県
(1件)
県道269号松河原・名和線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日鳥取県告示第160号)。 西伯郡大山町松河原と西伯郡大山町富長を日本海に沿って結んでいた路線。かつては一級国道9号線(1952〜1965)→国道9号線であり、改良の際生じた旧道の再編で発足した路線である(1967年〔昭和42年〕11月4日鳥取県告示第683号による)。
発足した時は西伯郡中山町と西伯郡名和町に跨る路線だったが、2005年(平成17年)3月28日に西伯郡大山・中山・名和各町が統合して改めて西伯郡大山町が発足したことにより西伯郡大山町で完結する路線になったことと鳥取県が県道路線の整理を打ち出したこと
(注48)、国道9号線と並行しており、交通量が少ないことなどから整理対象になり、廃止されたものと思われる。
跡地は大山町道になっている。
島根県
(0件)
最終異動発生年月日は2019年(平成31年)3月17日。
岡山県
(0件)
最終異動発生年月日は2006年(平成18年)4月1日。
広島県
(0件)
最終異動発生年月日は2010年(平成22年)2月8日。
山口県
(1件)
県道259号新下関停車場・稗田線の県道259号新下関停車場線への改称(2020年〔令和2年〕3月27日山口県告示第96号)。 県道259号新下関停車場・稗田線(2002〜2020)はJR山陽新幹線・山陽本線新下関駅(下関市秋根南町一丁目)と県道248号下関港・安岡線(注49)を結んでいた路線である。
下関市稗田西町(注50)/川中交番南交差点(交差点名標なし)で終点となっていた県道259号新下関停車場・稗田線を国道191号線下関北バイパス垢田北ランプ(下関市垢田)まで延伸することにしたことにより路線名称変更と相成ったわけであるが、終点が変更されたのに県道259号新下関停車場線の認定→県道259号新下関停車場・稗田線の廃止という手順を踏まなかったことや路線名称を県道259号新下関停車場・垢田線にしなかったこと
(注51)がどうかと思うところである。
なお、現在のところ下関市綾羅木本町三丁目(注50)/川中交番南交差点(交差点名標なし)〜国道191号線下関北バイパス垢田北ランプ間については未開通となっている。
徳島県
(2件)
県道204号徳島東インター線の県道204号徳島沖洲インター線への改称(2021年〔令和3年〕3月12日徳島県告示第163号)。 県道38号沖ノ洲・徳島本町線と徳島南部自動車道徳島沖洲インターチェンジ(徳島市北沖洲四丁目)を結ぶ路線。
県道204号徳島沖洲インター線の前身になる県道204号徳島東インター線(1995〜2021)は1995年(平成7年)4月1日徳島県告示第256号により発足している。その時点では徳島市東部に計画されている徳島南部自動車道のインターチェンジには徳島東インターチェンジという仮称が付けられていたからであるが、2020年(令和2年)10月2日に徳島沖洲インターチェンジが正式名称化したことを受けて改称したものである。
なお、徳島沖洲インターチェンジは2021年(令和3年)3月21日に徳島南部自動車道徳島津田インターチェンジ(徳島市津田海岸町)〜徳島沖洲インターチェンジ間が開通した時に供用を開始している
(注52)が、県道204号徳島沖洲インター線はその2日前の2021年(令和3年)3月19日に供用を開始している(2021年〔令和3年〕3月19日徳島県告示第202号による)。
県道129号津田インター線の県道129号徳島津田インター線への改称(2021年〔令和3年〕3月12日徳島県告示第164号)。 県道120号徳島・小松島線と徳島南部自動車道徳島津田インターチェンジを結ぶ路線。
県道129号徳島津田インター線の前身になる県道129号津田インター線(2015〜2021)は2015年(平成27年)4月1日徳島県告示第248号により発足している。その時点では徳島市南東部に計画されている徳島南部自動車道のインターチェンジには津田インターチェンジという仮称が付けられていたからであるが、2020年(令和2年)10月2日に徳島津田インターチェンジが正式名称化したことを受けて改称したものである。
なお、徳島津田インターチェンジは2021年(令和3年)3月21日に徳島南部自動車道徳島津田インターチェンジ〜徳島沖洲インターチェンジ間が開通した時に供用を開始している
(注52)が、県道129号徳島津田インター線はその2日前の2021年(令和3年)3月19日に供用を開始している(2021年〔令和3年〕3月19日徳島県告示第200号による)。
香川県
(0件)
最終異動発生年月日は2015年(平成27年)1月6日。
愛媛県
(0件)
最終異動発生年月日は2018年(平成30年)4月1日。
高知県
(1件)
県道392号宿毛新港インター線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日高知県告示第506号)。 国道56号線宿毛・内海道路宿毛新港インターチェンジ(仮称。宿毛市樺)と県道7号宿毛・城辺線を結ぶ路線。現在のところ区域決定箇所も供用箇所も存在しない。
福岡県
(1件)
県道428号筑前宮田停車場線の廃止(2022年〔令和4年〕3月29日福岡県告示第294号)。 JR宮田線筑前宮田駅(宮若市宮田。1937〜1989)と県道74号宮田・小竹線を結んでいた路線。
1989年(平成元年)12月23日にJR宮田線の全区間が廃止され、それに伴い終着駅だった筑前宮田駅の営業が終了したことにより存在意義が消滅したが、通過自治体(宮若市)との移管協議が進まなかったことなどから長らく存続していた。
跡地は宮若市道になっている。
佐賀県
(3件)
県道351号久間・大町線の認定(2019年〔令和元年〕7月1日佐賀県告示第35号)。 嬉野市塩田町久間甲と杵島郡白石町馬洗を結んでいた県道268号久間・白石線(?〜2019)を杵島郡大町町大町まで延伸して発足した路線。
県道268号久間・白石線の廃止(2019年〔令和元年〕7月1日佐賀県告示第38号)。 嬉野市塩田町久間甲と杵島郡白石町馬洗を結んでいた路線。
全区間が2019年(令和元年)7月1日佐賀県告示第35号で発足した県道351号久間・大町線に移行したため廃止された。
跡地は県道351号久間・大町線になっている。
県道245号諸富停車場線の廃止(2021年〔令和3年〕10月1日佐賀県告示第379号)。 国鉄佐賀線諸富駅(佐賀市諸富町為重。1935〜1987)と国道208号線を結んでいた路線。
1987年(昭和62年)3月28日に国鉄佐賀線の全区間が廃止され、それに伴い途中にある諸富駅の営業が終了したことにより存在意義が消滅したが、通過自治体(佐賀市)との移管協議が進まなかったことなどから長らく存続していた。
跡地は佐賀市道になっている。
長崎県
(1件)
県道258号平戸・江迎線の認定(2022年〔令和4年〕3月31日長崎県告示第282号)。 平戸市田平町小手田免と佐世保市江迎町栗越を結ぶ路線。
県道19号平戸・田平線田平工区
として建設されていた部分(平戸市田平町小手田免/平戸大橋入口交差点〔起点〕平戸市田平町一関免/田平中学校北交差点〔信号機・交差点名標なし〕間)と、北松広域農道(愛称:北松やまびこロート)として建設された部分(平戸市田平町一関免/田平中学校北交差点〔信号機・交差点名標なし〕佐世保市江迎町栗越/北松広域農道入口交差点〔終点。信号機・交差点名標なし〕間)で構成されている。
北松広域農道として建設された部分は既に全線開通しているが、県道19号平戸・田平線として建設されていた部分に未開通箇所が残っている。
熊本県
(0件)
最終異動発生年月日は2018年(平成30年)11月26日。
大分県
(0件)
最終異動発生年月日は2018年(平成30年)6月29日。
宮崎県
(0件)
最終異動発生年月日は2019年(平成31年)2月4日。
鹿児島県
(1件)
県道546号永野田停車場線の廃止(2019年〔令和元年〕8月30日鹿児島県告示第325号に基づいて2019年〔令和元年〕8月31日実施)。 国鉄大隅線永野田駅(鹿屋市永野田町)と県道68号鹿屋・吾平・佐多線を結んでいた路線。
1987年(昭和62年)3月14日に国鉄大隅線の全区間が廃止され、それに伴い途中にある永野田駅の営業が終了したことにより存在意義が消滅したが、通過自治体(鹿屋市)との移管協議が進まなかったことなどから長らく存続していた。
跡地は鹿屋市道になっている。
沖縄県
(3件)
県道222号真地・泉崎線の認定(2021年〔令和3年〕4月1日沖縄県告示第230号)。 那覇市真地と那覇市久茂地二丁目を結んでいた県道222号真地・久茂地線(1980〜2021)の那覇高校交差点(那覇市松尾二丁目・樋川一丁目・楚辺一丁目・松尾一丁目)以遠の経路を変更し、那覇市真地と那覇市泉崎二丁目を結ぶ路線として発足したのが本路線である。
本路線の認定と県道222号真地・久茂地線の廃止に関する議案は実は2014年(平成26年)第5回沖縄県議会定例会(2014年〔平成26年〕9月17日〜10月10日)で出され、可決されていたのだが、なぜ県道222号真地・泉崎線の認定と県道222号真地・久茂地線の廃止が実施されるまでに6年半もの歳月がかかったのか、はっきりしたことは分からない(手続きが難航したからだろうか)。
県道222号真地・久茂地線の廃止(2021年〔令和3年〕4月1日沖縄県告示第231号)。 那覇市真地と那覇市久茂地二丁目を結んでいた路線。
那覇高校交差点以遠の経路を変更して県道222号真地・泉崎線を発足することになったために廃止された。
跡地は県道222号真地・泉崎線と那覇市道になっている。
県道257号慶良間空港・阿嘉線の認定(2021年〔令和3年〕4月20日沖縄県告示第260号)。 島尻郡座間味村の中心部が存する座間味島の南方の海上にある外地島・慶留間島・阿嘉島を結ぶ路線。外地島には慶良間空港(島尻郡座間味村慶留間)があること(注53)や外地島と慶留間島、阿嘉島は既に橋で結ばれており、自動車・バイク・自転車・歩行者が往来できるようになっていることから慶良間空港(または外地島)と慶留間島・阿嘉島を結ぶ幹線道路としての役割が期待されている。
既に区域に編入されると思しき村道は開通しているのだが、現在のところ区域決定には至っていない。

 令和時代は始まってから1年も経たないうちに新型コロナウィルス感染症の世界的流行という事態に見舞われ、それは今も続いているわけであるが、そういう中であっても都道府県道路線の異動は既に大半の都道府県が経験済みということが上表からうかがえる。中には北海道日本ハムファイターズの新しい本拠地となる球場が敷地内に建設されている運動公園に通じる道道路線や現在建設中のJR北海道・北陸両新幹線の停車駅に通じる道道路線または県道路線に関する異動も見られ、興味深さを感じる次第である。
 さて、上表をご覧頂ければうかがえるように中国地方では2020年(令和2年)春に鳥取県と山口県で県道路線の異動があったのを最後に県道路線の異動は起きていない。中国地方全県で現行道路法に基づく一般県道路線の認定が完了した1960年(昭和35年)以降で全く県道路線の異動がなかったのはこれまで4度(1961年〔昭和36年〕・1989年〔昭和64年/平成元年〕・2021年〔令和3年〕・2022年〔令和4年〕)あったが、2年続けてなかったのは2021〜2022年(令和3〜4年)が初めてである。新型コロナウィルス感染症の対応に追われたことや異動を行う必要性がある出来事がなかったこと、異動に向けて動いているが通過自治体などの理解を得られていないことが主たる理由と言ったところであるが、このまま何年も…とは考えられない。そこでここでは今年中国地方で起きる可能性が高い県道路線の異動を五つ紹介することにしたい。なお、紹介するに当たって県道路線の整理を声高に叫ぶ意図はないことと予想が外れても構わないという考えで書いていることはこの場においてお断りしておく。

1 国道178号線岩美道路開通に伴う旧道処分

 「今年中に開通する可能性のある中国地方を通る道路」でも触れたように今春国道178号線岩美道路のうちの浦富インターチェンジ東浜インターチェンジ間約3.8kmが開通し、岩美インターチェンジ(鳥取県岩美郡岩美町浦富)東浜インターチェンジ間約5.7kmの国道178号線岩美道路は全線開通することになった。これにより鳥取県内の国道178号線は全線が自動車専用道路に移行することになるわけであるが、そこで注目されるのが現在の国道178号線はどのように再編されるのかということである。
 鳥取県は自動車専用道路として建設した、鳥取県管理の国道路線のバイパスの旧道については国土交通省から整備や維持に関して補助が出る国道路線として残さず、県道路線か市町村道路線に再編している。これまでの例を示すと下表の通りになる。

路線
番号
道路名 開通年月日 概要
178 東浜・居組道路 2008年
(平成20年)
11月24日
・山陰・近畿自動車道の一部を構成する道路で、東浜インターチェンジで国道178号線岩美道路と接続する。
・国道178号線東浜・居組道路の開通により生じた国道178号線七坂八峠旧道は兵庫県に跨ることや兵庫県美方郡新温泉町居組/美方警察署居組駐在所前交差点(信号機・交差点名標なし)兵庫県美方郡新温泉町居組/居組漁港前交差点(信号機・交差点名標なし)間で兵庫県道128号居組港・居組停車場線と重用していることから新たな県道路線を発足させることが予想されたが2009年(平成21年)3月31日兵庫県告示第393号及び2009年(平成21年)3月31日兵庫県告示第396号
(注54)、2009年(平成21年)3月31日鳥取県告示第221〜222号(注55)兵庫県美方郡新温泉町居組/居組インターチェンジ入口交差点(信号機・交差点名標なし)兵庫県美方郡新温泉町居組/居組漁港前交差点(信号機・交差点名標なし)間は兵庫県道128号居組港・居組停車場線に、兵庫県美方郡新温泉町居組/居組漁港前交差点(信号機・交差点名標なし)兵庫県美方郡新温泉町居組/鳥取県・兵庫県境(注56)間は新温泉町道七坂八峠線に、鳥取県岩美郡岩美町陸上/鳥取県・兵庫県境(注56)鳥取県岩美郡岩美町陸上/新陸上橋南詰交差点(信号機・交差点名標なし)間は岩美町道に、鳥取県岩美郡岩美町陸上/新陸上橋南詰交差点(信号機・交差点名標なし)鳥取県岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)間は鳥取県道256号陸上・岩井線にそれぞれ再編された。
・国道178号線七坂八峠旧道が一部を除いて県道路線にならなかったのは沿線に大きな集落がないことや交通量が少ないこと、鳥取県と同じく兵庫県でも国道178号線を山陰・近畿自動車道に移行させていること、(2020年代後半のことになるとされているが)居組インターチェンジ以東の山陰・近畿自動車道が開通すれば兵庫県美方郡新温泉町居組/居組インターチェンジ入口交差点(信号機・交差点名標なし)以東の国道178号線の再編問題が浮上し、短期間で県道路線の改編を行わなければならなくなることが考えられる。
・国道178号線七坂八峠旧道が一部を除いて県道路線にならなかったことにより兵庫県道128号居組港・居組停車場線はどの国道路線・県道路線とも接続しない孤立路線になることになった。そこで2009年(平成21年)3月31日兵庫県告示第393号で兵庫県美方郡新温泉町居組/居組インターチェンジ入口交差点(信号機・交差点名標なし)兵庫県美方郡新温泉町居組/美方警察署居組駐在所前交差点(信号機・交差点名標なし)間に支線を設定することにし、国道178号線との接続を維持した。このようにして港湾と鉄道の駅を結ぶ稀有な県道路線
(注58)は維持されたが、居組インターチェンジ以東の山陰・近畿自動車道が開通した後どのようになるのかが気になるところである。
183 生山道路 2005年
(平成17年)
7月26日
・江府・三次道路の一部を構成する道路。
・国道183号線生山道路の開通により生じた国道183号線生山旧道は日野郡日南町中心部と鳥取県西部の中心都市・米子市を最短経路で結んでいることや日野郡日南・日野両町に跨っていることから県道路線を発足させることが予想されたが、2006年(平成18年)3月31日鳥取県告示第232〜233号
(注59)日野郡日南町丸山/丸山下交差点日野郡日南町生山/日南町生山交差点間は県道8号新見・日南線に、日野郡日南町生山/日南町生山交差点日野郡日南町生山/生山駅前交差点間は県道223号生山停車場線に、日野郡日南町生山/生山駅前交差点日野郡日南町生山/日野郡日南町・日野郡日野町境(注60)間は日南町道に、日野郡日野町福長/日野郡日南町・日野郡日野町境(注60)日野郡日南町福長/諏訪交差点間は日野町道にそれぞれ再編された。
・国道183号線生山旧道が一部を除いて県道路線にならなかった理由としては鳥取県がその頃県道路線の整理を行うことを決めたこと
(注48)や日野郡日南町役場がJR伯備線生山駅(日野郡日南町生山)付近から1.6kmほど南西にある霞地区に移転したこと(注61)、日野郡日南町役場の近くに国道183号線生山道路かすみインターチェンジ(日野郡日南町霞)が設置されていること(注62)などが考えられる。ただ、いくら日野郡日南町役場が霞地区に移転したとしても生山駅周辺が日野郡日南町中心部の一角を担っていることや日野郡日南町生山地区には国道183号線生山道路の出入口が設置されていないこと(注62)を考えると日野郡日南町生山/生山駅前交差点日野郡日南町福長/諏訪交差点間について県道路線を発足させても良かったのでは…という気がする。
313 北条・倉吉道路 2007年
(平成19年)
3月10日
・北条・湯原道路の一部を構成する道路。
・国道313号線北条・倉吉道路の開通により生じた国道313号線北条旧道は2008年(平成20年)3月31日鳥取県告示第206号で区域から外され、倉吉市和田/倉吉インターチェンジ東口交差点(交差点名標なし)
倉吉市寺谷/倉吉市・東伯郡北栄町境(注63)間は倉吉市道に、東伯郡北栄町米里/倉吉市・東伯郡北栄町境(注63)東伯郡北栄町弓原/弓原橋東詰交差点(交差点名標なし)間は北栄町道にそれぞれ再編された。
・国道313号線北条旧道が通過市町村、すなわち倉吉市と東伯郡北栄町に移管されたのは鳥取県が広域交通を高規格な道路に担わせたかったことや国道313号線北条・倉吉道路は6kmほどの短い道路ながら東伯郡北栄町北条地区には二つ出入口があり、倉吉市中心部と東伯郡北栄町北条地区、そして国道9号線北条バイパスとの往来には有用な存在になっていること、そして短い間隔で並行する複数の鳥取県が管理する道路が存在するのは鳥取県の財政規模の小ささなどを考えると難しかったことが考えられる。
・なお、2022年(令和4年)5月10日から2024年(令和6年)春頃まで山陰自動車道(国道9号線北条道路)と国道313号線北条・倉吉道路の接続点となる北条ジャンクション(仮称。東伯郡北栄町弓原)を建設することになったため東伯郡北栄町弓原/弓原橋西詰交差点(交差点名標なし)北栄インターチェンジ(東伯郡北栄町弓原)間は通行止めになっている。そこで鳥取県は東伯郡北栄町に移管していた国道313号線北条旧道のうちの東伯郡北栄町北尾/北尾交差点東伯郡北栄町弓原/弓原橋東詰交差点(交差点名標なし)間について国道313号線に組み入れる措置をとった(2022年〔令和4年〕5月10日鳥取県告示第270号
(注64))。このため2年ほどの期間限定ではあるが東伯郡北栄町北尾/北尾交差点東伯郡北栄町弓原/弓原橋東詰交差点(交差点名標なし)間について国道313号線が復活する格好になっている。

 上表からうかがえる鳥取県が自動車専用道路として建設した鳥取県管理の国道路線のバイパスの旧道の処分状況の特色は年度末に実施していることと旧道の全区間を新規認定の県道路線とする再編は行っていないこと、全て市町村道路線とするか市町村道路線と既存の県道路線の延伸にするかは(詳細は判然としないが)状況次第であることといったところであろうか。
 さて、国道178号線岩美道路の全線開通により生じる国道178号線岩美旧道であるが、現在は岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ岩美インターチェンジ間の本線と、岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間の支線で構成されている。元々は岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間が本線だったのだが、岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する国道9号線が国道9号線駟馳山バイパス開通(2014年〔平成26年〕3月22日)に伴う旧道処分で2017年(平成29年)4月1日から県道328号福部・岩美線(2017年〔平成29年〕3月31日鳥取県告示第234号により発足)に再編されたために国道路線との接続がなくなったことと反対に国道178号線岩美道路岩美インターチェンジ浦富インターチェンジ間開通(2016年〔平成28年〕3月26日)により国道9号線駟馳山バイパスと接続するようになったことから2017年(平成29年)3月31日鳥取県告示第253号により岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ岩美インターチェンジ間が本線に、岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間が大岩支線(注65)にそれぞれ再編されたのである(注66)
 この国道178号線岩美旧道の特色は次の通りである。
・岩美郡岩美町中心部の外れを通っているがいくつもの国道路線・県道路線との接続があること(下表参照)。

種類 接続県道路線名 接続施設名称/
所在地
備考
本線 県道256号陸上・岩井線 岩美郡岩美町陸上/
東浜居組道路入口交差点
信号機なし(注57)
国道178号線岩美旧道本線の起点。
県道256号陸上・岩井線の起点にもなっている。
県道255号大羽尾・小羽尾線 岩美郡岩美町小羽尾/
小羽尾入口交差点
信号機・交差点名標なし。
県道255号大羽尾・小羽尾線の終点となっている。
国道178号線大岩支線
県道155号網代港・岩美停車場線
岩美郡岩美町牧谷/
浦富海水浴場東交差点
信号機・交差点名標なし。
この交差点で左折。
県道155号網代港・岩美停車場線網代港方面は国道178号線大岩支線と重用。
この交差点から県道155号網代港・岩美停車場線と重用。
国道178号線岩美旧道大岩支線の起点にもなっている。
国道178号線岩美道路
県道155号網代港・岩美停車場線
岩美郡岩美町浦富/
浦富インターチェンジ
この交差点まで県道155号網代港・岩美停車場線と重用。
浦富インターチェンジのランプウェイとは岩美郡岩美町浦富/浦富I.C交差点で接続。
国道178号線岩美道路は鳥取方面のみ開通(浜坂方面は建設中で今春開通予定)。
国道9号線
県道325号岩美インター線
岩美郡岩美町浦富/
岩美インターチェンジ
国道178号線岩美旧道本線の終点。
国道178号線岩美道路浜坂方面と国道9号線駟馳山バイパス鳥取方面とは直接接続。
国道178号線岩美道路浜坂方面と国道9号線湯村温泉方面、県道325号岩美インター線とは岩美インターチェンジのランプウェイを介して接続。
県道325号岩美インター線の終点にもなっている。
大岩支線 国道178号線本線
県道155号網代港・岩美停車場線
岩美郡岩美町牧谷/
浦富海水浴場東交差点
信号機・交差点名標なし。
国道178号線岩美旧道大岩支線の起点。
県道155号網代港・岩美停車場線JR山陰本線岩美駅(岩美郡岩美町浦富)方面は国道178号線本線と重用。
この交差点から県道155号網代港・岩美停車場線と重用。
県道155号網代港・岩美停車場線 岩美郡岩美町浦富/
浦富海岸交差点
この交差点で左折。
この交差点まで県道155号網代港・岩美停車場線と重用。
県道325号岩美インター線 岩美郡岩美町岩本/
岩本東交差点
県道325号岩美インター線の起点となっている。
県道294号網代港・大岩停車場線 岩美郡岩美町大谷/
大岩駅入口交差点
信号機・交差点名標なし。
この交差点から県道294号網代港・大岩停車場線と重用。
県道294号網代港・大岩停車場線JR山陰本線大岩駅(岩美郡岩美町大谷)方面は時限的大型車通行禁止規制がかけられている(午前7時〜午前8時30分)。
県道27号網代港線
県道294号網代港・大岩停車場線
岩美郡岩美町大谷/
大谷中央交差点
この交差点まで県道294号網代港・大岩停車場線と重用。
県道27号網代港線とは十字交差。
県道294号網代港・大岩停車場線網代港方面は県道27号網代港線網代港方面と重用。
県道27号網代港線は岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点を左折し、400mほど進んだところにある国道9号線駟馳山バイパス大谷インターチェンジ(岩美郡岩美町大谷)で終点となるが、大谷インターチェンジは鳥取方面との出入りのみ可能となっているため県道27号網代港線網代港方面と国道9号線湯村温泉方面を往来する場合は岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点で左折して国道178号線岩美旧道大岩支線→県道325号岩美インター線を経由するか岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点で右折して国道178号線岩美旧道→県道328号福部・岩美線を経由するかの二通りしか方法がない。
県道328号福部・岩美線 岩美郡岩美町大谷/
平野口交差点
信号機・交差点名標なし。
国道178号線岩美旧道大岩支線の終点。
県道328号福部・岩美線は2017年(平成29年)3月31日まで国道9号線だったが国道路線同士の交差点であるにもかかわらずなぜか信号機は設置されていないため国道9号線駟馳山バイパスが開通するまでは県道328号福部・岩美線湯村温泉方面から国道178号線岩美旧道大岩支線浜坂方面への右折と国道178号線岩美旧道大岩支線浜坂方面から県道328号福部・岩美線鳥取方面への右折には注意が必要な交差点となっていた
(注67)

・国道178号線岩美旧道の沿線には海水浴場や港湾などの主要施設があること。
・沿線地域における重要な幹線道路になっていること。
 今挙げた特色を踏まえて国道178号線岩美旧道はどのように再編されるのかという話になるのだが私は下表に示したようになるのではないかと考えている。

案名 概要
・国道178号線岩美旧道本線のうちの岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間と国道178号線岩美旧道大岩支線全線で構成する県道陸上・大谷線を発足させる(但し岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点〔信号機・交差点名標なし〕岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点間は県道155号網代港・岩美停車場線と重用するものとする)。
・その他の国道178号線岩美旧道、すなわち岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富I.C交差点間の本線と岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点間の大岩支線については重用していた県道155号網代港・岩美停車場線に再編する。
・国道178号線岩美旧道本線を岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間と岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間、国道178号線岩美旧道大岩支線を岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点間と岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間にそれぞれ分割する。
岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道陸上・牧谷線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間は県道155号網代港・岩美停車場線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道浦富・大谷線にそれぞれ再編する。
・国道178号線岩美旧道本線を岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間と岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間、国道178号線岩美旧道大岩支線を岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点間と岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点間、岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)間、岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点間、岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間にそれぞれ分割する。
岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道陸上・牧谷線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間は県道155号網代港・岩美停車場線に、岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道325号岩美インター線に、岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点間は県道294号網代港・大岩停車場線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点間と岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間は岩美町道にそれぞれ再編する。
・県道27号網代港線網代港方面と国道9号線湯村温泉方面との往来を円滑にできるようにするために大谷インターチェンジの完全化(国道9号線駟馳山バイパス湯村温泉方面との出入口設置)を行う。
・国道178号線岩美旧道本線を岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間と岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間、国道178号線岩美旧道大岩支線を岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点間と岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点間、岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)間、岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点間、岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間にそれぞれ分割する。
岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし(注57)岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道陸上・牧谷線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)浦富インターチェンジ間は県道155号網代港・岩美停車場線に、岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道325号岩美インター線に、岩美郡岩美町大谷/大岩駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点間は県道294号網代港・大岩停車場線に、岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道328号福部・岩美線の岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)岩美郡岩美町河崎/岩美消防署前交差点間を編入して県道27号網代港線に、岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点岩美郡岩美町岩本/岩本東交差点間は岩美町道にそれぞれ再編する。
岩美郡岩美町大谷/大谷中央交差点大谷インターチェンジ間の県道27号網代港線は県道大谷インター線に再編する。

 恐らく国道178号線岩美旧道の再編が行われるのは早ければ2022年度(令和4年度)末、遅くとも2023年度(令和5年度)末になるのではないかと思われる。まあどのようになるかは通過市町村となる岩美郡岩美町との協議や鳥取県の考え方次第になるのだろうが、鳥取県では近い時期に県道路線の再編が行われるのは確実な情勢にあると言えよう。

2 JR三江線関係の県道路線の再編及び通過自治体への移管

 今年4月1日で島根県西部の江津市と、広島県北部の中心都市・三次市を中国地方随一の大河・江の川に沿って結んでいたJR三江線(注68)の全区間が廃止されてから5年になる。三江線には起点の江津駅(江津市江津町)と終点の三次駅(三次市十日市南一丁目)を含めて35箇所駅があったのだが現在も盛業中の江津・三次両駅を除く、三江線の廃止とともに営業を終えた途中駅33箇所で駅前を起点または終点とする県道路線があったのは川平駅(江津市川平町南川上。1930〜2018)と石見川本駅(島根県邑智郡川本町川本。1934〜2018)の2箇所だけである。三江線は半分以上の区間が第二次世界大戦終結後に開業したこと(注69)や道路整備の進展により自動車が陸上交通の主役を担うようになり、その反対に鉄道が陸上交通の主役から降りていったこと、開業させても利用が少なくなることが明らかな鉄道の駅に通じる都道府県道路線の認定に各都道府県が消極的になっていったことなどが三江線の途中駅の駅前を起点または終点とする県道路線があまり発足しなかった理由ではないかと思われる。
 私は今三江線の途中駅で駅前を起点または終点とする県道路線があったのは川平駅と石見川本駅の2箇所だけだったと書いたのだが、どのような路線があったのかを示すと下表の通りになる。

駅名 路線名称 概要
川平 県道221号川平停車場線 ・川平駅と国道9号線を結ぶ路線で総延長は約8.3km。
・1959年(昭和34年)8月7日島根県告示第626号により発足。
・起点から240mほどは県道112号三次・江津線と重用している。但し県道112号三次・江津線との重用が終わる場所、すなわち県道221号川平停車場線の事実上の起点となる場所は分かりにくい。というのも県道112号三次・江津線は県道221号川平停車場線と分かれたところから未開通のままになっている
(注70)上に県道112号三次・江津線が分岐していくことを示す物件は全くないからである。
・川平駅と国道9号線を結ぶだけでなく、国道9号線と国道261号線を結ぶ役割を有しているが未改良箇所が少なくない。
県道298号跡市・川平停車場線 ・江津市跡市町と川平駅を結ぶ路線で総延長は約11.7km。
・1959年(昭和34年)8月7日島根県告示第626号により発足。
・終点の手前で県道112号三次・江津線と合流し、県道112号三次・江津線と重用したまま終点に至る。
・江津市跡市町と川平駅を結ぶだけでなく、県道112号三次・江津線や県道221号川平停車場線と合わせて江津市跡市町と国道261号線を結ぶ役割を有しているが大半が山間部を通る路線であることもあって未改良箇所が少なくない。
石見川本 県道222号川本停車場線 ・石見川本駅と県道31号仁摩・邑南線(県道40号川本・波多線重用)を結ぶ路線で総延長は約0.2km。
・石見川本駅の駅前広場からまっすぐ東方に延びる道が県道222号川本停車場線だろうと思う方がいるかもしれないのだが実は石見川本駅の駅前広場のすぐ横から北方に延びる道が県道222号川本停車場線である(石見川本駅の駅前広場からまっすぐ東方に延びる道は川本町道川本駅通線となっている)。
・1958年(昭和33年)6月13日島根県告示第525号により発足。
・駅名は開業から廃止まで一貫して石見川本駅だったのに県道222号石見川本停車場線とならなかった理由ははっきりしないが邑智郡川本町の南隣に邑智郡石見町(1955〜2004)があったことからもし県道222号石見川本停車場線という名称にすると県道222号石見・川本停車場線という名称だと誤解される恐れがあったことが考えられる。
・ほぼ全区間にわたって赤っぽい舗装がなされていることと中央線はないが自動車同士のすれ違いには難渋しない幅が確保されていることが主たる特色である。
・路線識別手段は終点の邑智郡川本町川本/光永寺西交差点(信号機・交差点名標なし)にある「222」と記された路線方向表示だけである
(注71)

 上表に示した三つの県道路線が三江線の廃止をもって存在意義が消滅したわけであるが、5年近く経った今も3路線とも存続している。都道府県道路線の認定・廃止は都道府県議会での議案提出→議決が必要であり、存在意義が消滅したから即刻廃止→通過自治体への移管というわけには行かないわけなのだが、なぜ5年近く経っても存続しているのか。理由を挙げると次の通りになる。
・急いで県道路線を再編する必要がないこと。
・新型コロナウィルス感染症の世界的な流行への対応に追われ、それどころではなくなったこと。
・通過自治体である江津市と邑智郡川本町に対して移管協議を行っているところであるが、なかなか妥結に至れないでいること。
・通過自治体の財政事情などに配慮してあえて県道路線のまま残す方針をとっていること。
・バイパス建設など路線再編を待たざるを得ない事情があること。
・特にどこからも苦情は出てきていないこと。
 こういう都道府県道路線は全国各地にあり、中には60年以上前に存在意義が消滅したのに存続している例もある(注72)ので島根県や江津市、邑智郡川本町の対応を静観する以外に方法はないわけであるが、もし再編が行われるとしたらどのようになるのか。私は下表に示したようになるのではないかと考えている。

駅名 概要
県道221号川平停車場線 江津市川平町南川上/川平駅入口交差点(起点。信号機・交差点名標なし)江津市松川町長良/松川橋北詰交差点(交差点名標なし)間は県道跡市・松川線に、江津市松川町長良/松川橋北詰交差点(交差点名標なし)江津市松川町下河戸/尾島橋北詰交差点(信号機・交差点名標なし)間は国道261号線に、江津市松川町下河戸/尾島橋北詰交差点(信号機・交差点名標なし)江津市黒松町/黒松出合バス停南交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道松川・黒松線にそれぞれ再編する。
・県道221号川平停車場線上河戸旧道、すなわち江津市松川町市村/尾島橋南詰交差点(信号機・交差点名標なし)江津市松川町上河戸/上河戸集会所北交差点(信号機・交差点名標なし)間は江津市に移管し、江津市道とする。
県道298号跡市・川平停車場線 ・全区間を県道跡市・松川線に再編する。
県道222号川本停車場線 ・邑智郡川本町に移管し、川本町道とする。

 上表で示した私の考え方は次の通りである。
・県道222号川本停車場線の区域の邑智郡川本町への移管は確実だろう。後は島根県と邑智郡川本町との間で行われている移管協議がどのようになるか。
・県道112号三次・江津線との重用区間の中にある江津市川平町南川上/川平駅入口交差点(起点。信号機・交差点名標なし)で路線が切り替わる
県道221号川平停車場線と県道298号跡市・川平停車場線は国道261号線を境にして国道261号線以南の部分は県道跡市・松川線に、国道261号線以北の部分は県道松川・黒松線にそれぞれ再編したほうが妥当でないか。
・県道221号川平停車場線と県道298号跡市・川平停車場線を統合して江津市跡市町と江津市黒松町を結ぶ県道跡市・黒松線または県道江津東環状線を発足させることも考えたが江津市跡市町と江津市黒松町を結ぶ路線を設定するだけの大義名分が見当たらないのでやはり国道261号線を境に路線を分割したほうが妥当ではないか。
・江津市跡市町と国道9号線(国道186号線重用)を結ぶ県道297号皆井田・江津線の整備(既に完了)も大切だが(交通量は少ないし改良もなかなか進まないだろうが)江津市跡市町と国道261号線を結ぶ道路の整備も必要ではないのか。
・県道221号川平停車場線は未改良箇所が少なくないが江津市東部を南北に貫く数少ない道路であることや山陰自動車道(国道9号線福光・浅利道路)青波・浅利両インターチェンジの近くを通っていること、青波・浅利両インターチェンジに通じる連絡道路の整備が計画されていること(注73)、国道9号線大田方面と国道261号線江津市桜江地区方面を短絡することなどを考えると引き続き県道として残し、整備するのが妥当ではないか。
 島根県で鉄道路線の廃止により営業を終えた駅に通じる県道路線の廃止事例は過去に四つ存在した。一畑電気鉄道立久恵線(注74)(1932〜1965)の廃止(1965年〔昭和40年〕2月18日(注75))により営業を終えた出雲須佐駅(出雲市佐田町反辺。1932〜1965)に通じていた県道39号掛合・出雲須佐停車場線(一般県道。1958〜1966)と県道40号頓原・出雲須佐停車場線(一般県道。1958〜1966)、県道128号波多・出雲須佐停車場線(1958〜1966)、JR大社線(1912〜1990)の廃止(1990年〔平成2年〕4月1日)により営業を終えた大社駅(出雲市大社町北荒木。1912〜1990)に通じていた県道220号大社停車場線(1958〜1995)がそれである(注76)。県道39号掛合・出雲須佐停車場線と県道40号頓原・出雲須佐停車場線、県道128号波多・出雲須佐停車場線の存在意義消滅から廃止までは1年1ヶ月ほど、県道220号大社停車場線の存在意義消滅から廃止までは5年ほどそれぞれかかっていることを考えるともしかしたら今春何らかの動きがあるのでは…とも考えたくなるのだが、前にも記したように何十年経っても存続している例もあるし相手のある話なので今年も何の動きもなく終わることも考えられる。無論私としても早く結論を出して実行すべきだなどとは一切主張するつもりはないわけであるが、果たしてこの件はどのような展開を見せるのであろうか。今後もその動向は注目していきたいと思っているところである。

3 岡山県道377号山口・押撫線の再編

 岡山県は最後の都道府県道路線の異動からの年数が最も長い都道府県であり、2010年代以降一切都道府県道路線の異動のない都道府県にもなっている(注77)。その背景としては平成時代初頭以降財政事情が悪化したことや路線の異動を行うだけの事情が生じていないこと、岡山県は財政規模が小さい市町村が多いために一度県道に認定した道路は管理し続けざるを得なくなっていることなどが考えられる。
 そんな中でもしかしたら今年を含む今後数年のうちに何らかの動きが起きるのではないかと私が見ている県道路線が存在する。それは笠岡市北部を東西に貫いている県道377号山口・押撫線である。なぜそのように考えているのか、理由を挙げると次の通りになる。
・1960年(昭和35年)10月10日岡山県告示第916号で発足した時は起点は笠岡市山口/新山保育所前交差点(信号機・交差点名標なし)にあったがその後の道路改良で笠岡市新賀/新賀橋西詰交差点(交差点名標なし)に移動したこと。しかも岡山県の道路資料を見ると県道377号山口・押撫線の起点は笠岡市新賀にあると記されており、岡山県側が起点が移動させたことを認めていることがうかがえる。
・1960年(昭和35年)10月10日岡山県告示第916号で発足した時は終点は笠岡市押撫/押撫上バス停南交差点(交差点名標なし)にあったが篠坂バイパスの全線開通(2017年〔平成29年〕4月14日)により笠岡市篠坂/日向交差点(信号機・交差点名標なし)でも終点で接続する県道3号井原・福山港線と接続するようになったこと。
・笠岡市公式サイト(それはこちら)では笠岡市道の路線網を閲覧できるようになっているのだが、それを見ると篠坂バイパスの全線開通により旧道となった笠岡市篠坂/中光坊交差点(信号機・交差点名標なし)笠岡市押撫/押撫上バス停南交差点(交差点名標なし)間について押撫63号花屋・中光坊線という市道路線を発足させていること。県道377号山口・押撫線を起点方向から走ってきた場合、笠岡市篠坂/中光坊交差点(信号機・交差点名標なし)の手前に左折後の道(県道377号山口・押撫線押撫旧道)は笠岡市立陶山小学校(笠岡市押撫)の通学路になっているので入らないようにして下さいという看板が岡山県によって設置されているのだが、この点を考えても近い将来篠坂バイパスが県道377号山口・押撫線の本線となり、県道377号山口・押撫線押撫旧道は笠岡市に移管される可能性が高いことがうかがえる。
・起点側・終点側双方の道路改良により県道377号山口・押撫線は実質的には県道377号新賀・篠坂線となったわけであるが、もし路線名称変更を行わないと起点側・終点側双方で別の県道路線と重用しているのではないかと思われるようになること。特に終点側では笠岡市篠坂/日向交差点(信号機・交差点名標なし)笠岡市押撫/押撫上バス停南交差点(交差点名標なし)間で県道3号井原・福山港線と重用しているのではないかと思われることになるが、この県道3号井原・福山港線は笠岡市篠坂/日向交差点(信号機・交差点名標なし)笠岡市押撫/押撫上バス停南交差点(交差点名標なし)間で広島県を通っている箇所があることや広島県を通っている箇所では広島県内で完結する県道379号坪生・福山線と接続する箇所(福山市坪生町/天満池東交差点〔信号機・交差点名標なし〕)があることから広島県が県道377号山口・押撫線の存在を認めなければならなくなる可能性がある。広島県はこれまで県内に単独区間を有しない県道路線の存在を認めなかったことは一度もなかったこと(注78)を考えると路線名称を変更しないという選択肢はないと言っても良いのではないのだろうか。
 岡山県には起点または終点が移動したにもかかわらず路線名称にそれを反映させようとしない傾向がある(注79)のだが、実は県道377号山口・押撫線については路線名称変更をせざるを得ない事情が存在する。それは県道377号山口・押撫線篠坂バイパスは山陽自動車道篠坂パーキングエリア(笠岡市篠坂)に併設される予定のスマートインターチェンジ(篠坂パーキングエリアスマートインターチェンジ〔仮称。笠岡市篠坂〕。2025年度〔令和7年度〕供用開始予定)と接続する道路になったことである。今県道377号山口・押撫線篠坂バイパスを通っても県道377号山口・押撫線の存在を示す物件は一切見当たらないのだが、篠坂パーキングエリアスマートインターチェンジが供用を開始し、県道377号山口・押撫線のうちの笠岡市西大戸/裸池南交差点(信号機・交差点名標なし)笠岡市篠坂/日向交差点(信号機・交差点名標なし)間の改良が完成して笠岡市西大戸/裸池南交差点(信号機・交差点名標なし)から県道34号笠岡・井原線と県道48号笠岡・美星線が接続する笠岡市小平井/追分交差点まで延びる笠岡市道(注80)とともに快適な道路に生まれ変わった時県道377号山口・押撫線の存在を示す物件を設置しないままにするということはまずあり得ないであろう(注81)。その際果たして山口・押撫線という名称のままで良いのかどうか。名称変更を行わなければ各方面で問題を引き起こすことが予想されるだけに岡山県の出方が注目されるところである。

4 国道313号線(国道486号線重用)神辺・高屋両バイパス開通に伴う旧道処分

 福山市神辺地区から井原市高屋地区にかけての国道313号線(国道486号線重用)の高規格化や渋滞解消を目的として建設が進められていた国道313号線(国道486号線重用)神辺・高屋両バイパスが全線開通したのは2018年(平成30年)4月21日のことである。それから間もなく5年が経過しようとしているのだが、そこで気になるのは国道313号線(国道486号線重用)神辺・高屋両バイパスの全線開通により旧道化した福山市神辺町下御領/湯野口交差点井原市下出部町一丁目/下出部中央交差点間の国道313号線(国道486号線重用)、すなわち国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の処遇がどうなるのかということである。
 なぜ国道313号線(国道486号線重用)神辺・高屋両バイパスの全線開通から5年近く経っても福山市神辺町下御領/湯野口交差点井原市下出部町一丁目/下出部中央交差点間の国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の処遇が決まらないままになっているのか。考えられる理由を挙げると次の通りになる。
・岡山県と広島県との間で行われている協議が難航していること。
・沿線住民が再編に反対していること。
・国道路線でなくなることにより整備や維持に必要な補助が国土交通省から受けられなくなるため岡山県・広島県とも消極的になっていること。
・岡山県・広島県とも財政事情が厳しいため新規の県道路線発足に対して消極的になっていること。
・国道313号線(国道486号線重用)御領旧道は交通量こそ大幅に減ったが路線バスが設定されているなどその重要性は変わっていないこと。
 この問題は長い目で見ないといけないのではないかとも思うわけであるが、もし国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の再編が行われるとしたらどうなるのか。私は国道313号線(国道486号線重用)御領旧道のうちの福山市神辺町下御領/湯野口交差点井原市高屋町/高屋町交差点間を新規発足の一般県道路線に、井原市高屋町/高屋町交差点井原市下出部町一丁目/下出部中央交差点間を県道3号井原・福山港線にそれぞれ再編するのが妥当ではないかと考えている。その理由を挙げると次の通りになる。
・交通量こそ大幅に減ったが路線バスが設定されているなどその重要性は変わっていないこと。
・井原鉄道井原線より北の地域を通る幹線道路の管理者が岡山県や広島県ではなく井原市や福山市になるのはどうかと考えること。
・もし国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の全区間を県道路線に再編した場合、短い間隔で福山市神辺地区と井原市を結ぶ国道路線・県道路線が並行していることをどうかと思う声が上がる可能性はあるのだが短い間隔で国道路線・県道路線が並行しているところはいくつもあることや発足目的や経由地はそれぞれ異なるので住み分けができると考えられることから問題はないと考えること。
・国道313号線(国道486号線重用)御領旧道は福山市神辺町下御領/国分寺前交差点で県道102号下御領・井原線及び県道181号下御領・新市線と、福山市神辺町上御領/上御領交差点で県道189号福山・上御領線と、井原市高屋町/高屋町交差点で県道3号井原・福山港線と、井原市下出部町/高屋大橋東詰交差点(信号機・交差点名標なし)で県道103号七曲・井原線とそれぞれ接続しているが、もし国道313号線(国道486号線重用)御領旧道のうちの福山市神辺町下御領/湯野口交差点井原市高屋町/高屋町交差点間を新規発足の一般県道路線に、井原市高屋町/高屋町交差点井原市下出部町一丁目/下出部中央交差点間を県道3号井原・福山港線にそれぞれ再編した場合、県道3号井原・福山港線以外の県道路線は起点・終点・路線名称を変えずに済むようになること。
福山市神辺町下御領/湯野口交差点福山市神辺町下御領/国分寺前交差点間について県道102号下御領・井原線に再編することを考えたことがある(そのことはこちらで書いている)がもしそのようにすると国道313号線(国道486号線重用)神辺バイパスと県道102号下御領・井原線は福山市神辺町上御領/中島交差点でも接続するため好ましいとは言えなくなるしそのことをとやかく言う方(無論私はそういうことは言わないが)が出てくる恐れがあること。
・国道313号線(国道486号線重用)御領旧道と接続する県道路線のうちの県道3号井原・福山港線と県道103号七曲・井原線はともに国道313号線(国道486号線重用)御領旧道と接続する手前にある狭隘箇所を迂回する都市計画道路が井原市によって企図されている(県道3号井原・福山港線…出部・大江線/県道103号七曲・井原線…祢り木・宮之元線)のだが、交通量が少ないなどの事情から着手される見込みが立っていないこと。
 岡山県は最後の都道府県道路線の異動からの年数が最も長い都道府県であり、広島県がそれに次いでいる(注77)。だから前にも記したように国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の再編はまだまだ時間がかかるかもしれない。しかし、いつかは福山市神辺地区〜井原市間の国道313号線(国道486号線重用)は神辺・高屋両バイパスに一本化しなければならないだろうし、その際国道313号線(国道486号線重用)御領旧道の重要性は念頭に置かなければならないだろう。どのような結論を岡山・広島両県は出すのか。今後も注目していくことにしたい。

5 仏通寺に通じる県道路線の発足

 仏通寺(三原市高坂町許山)は三原市西部にある古刹であり、三原市の観光名所の一つにもなっている。その仏通寺の境内を通過しているのが県道50号本郷・久井線仏通寺旧道である。県道50号本郷・久井線仏通寺バイパス開通(2007年〔平成19年〕9月23日)によって旧道になってから昨秋で15年が経ったのだが、整備や維持に関する補助が国土交通省から出る関係上現在も県道50号本郷・久井線のまま留め置かれている。
 しかし、最近になって県道50号本郷・久井線仏通寺旧道は近い将来何らかの動きがあるのではないかと私は考えるようになった。その理由を挙げると次の通りになる。
・県道50号本郷・久井線仏通寺旧道は三原市高坂町許山/第三仏通寺山林道南入口交差点(信号機・交差点名標なし)三原市久井町坂井原/トチ谷西交差点(信号機・交差点名標なし)(注82)が2015年(平成27年)7月15日から道路損壊を理由に通行止めになっていること(注83)
・県道50号本郷・久井線仏通寺旧道を県道50号本郷・久井線のまま留め置く理由の一つとなっていた仏通寺境内手前までの上下2車線化は完成したこと。
・2020年代に入ってから県道50号本郷・久井線仏通寺旧道から広島県が管理する道路であることを示す物件がほとんど撤去されたこと。

 

県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の東側通行止め地点の写真(右:2019年〔令和元年〕11月1日撮影/左:2021年〔令和3年〕6月6日撮影)。
左の写真に見える重量制限があることを示す標識と多くの屈曲があることを示す標識が右の写真ではなくなっていることがうかがえる。

県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の久井側入口にあった電光掲示板の跡地(2021年〔令和3年〕6月6日撮影)。
電光掲示板は広島県が管理する道路の異常気象時通行規制区間で見られるものであり、その先の道路情報を表示していた。

県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の久井側入口にあった県道標識が取り付けられていた柱(2021年〔令和3年〕6月6日撮影)。
県道標識を撤去した代わりにその先の道が通行止めであることを示す看板が取り付けられた。
看板には管理者名が記されており、今も広島県が管理していることがうかがえる。

 まあ三原市高坂町許山/第三仏通寺山林道南入口交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する第三仏通寺山林道を経由すれば県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の半永久封鎖区間は迂回できるので不便は特にないのだが、三原市高坂町許山/第三仏通寺山林道南入口交差点(信号機・交差点名標なし)三原市久井町坂井原/トチ谷西交差点(信号機・交差点名標なし)間の通行止め解除も、第三仏通寺山林道の県道50号本郷・久井線への編入も考えられないことや県道50号本郷・久井線仏通寺旧道から広島県が管理する道路であることを示す物件がほとんど撤去されたことを考えると広島県としてはいずれは県道50号本郷・久井線仏通寺旧道について何らかの再編策をとるのは確実ではないかと私は見ているところである。
 では県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間、すなわち三原市高坂町真良/高坂大橋南詰交差点(信号機・交差点名標なし)三原市高坂町許山/第三仏通寺山林道南入口交差点(信号機・交差点名標なし)間はどのように再編されることになるのか。考えられるものを挙げると次の通りになる。
・県道50号本郷・久井線支線
・県道344号大草・三原線
・新規発足の県道路線(ここでは仏通寺公園線という名称とする)
・三原市道
 どの考え方にも一長一短があるのでどの考え方が広島県や三原市にとって最適なのかは分からないのだが、私としては県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間と第三仏通寺山林道を一体の道路と考え、県道仏通寺公園線に再編したほうが好ましいのではないかと考えている。一般県道になるため国土交通省からの整備・維持に関する補助が出なくなるという難点はあるのだが仏通寺や昇雲の滝(三原市久井町土取)と言った観光名所に通じることや県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間と第三仏通寺山林道を三原市の管理とするのは三原市にとって重荷になること、県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の通行可能区間において県道50号本郷・久井線であることを示す物件(県道標識)は全て撤去されており、再度県道50号本郷・久井線であることを示す物件を設置すればそのようにするのなら撤去しなければ良かったのではないかというような批判が出る恐れがあること、県道344号大草・三原線は未改良箇所もあるが三原市大和地区と三原市中心部を結ぶ幹線道路であり、改良が進む見込みのない道路に区域を変更するのは妥当ではないことがそのように考える理由である。まあ県道50号本郷・久井線仏通寺旧道から広島県が管理していることを示す物件をほとんど撤去したのは地理に詳しくない方が迷って通ることを防ぐことや県道50号本郷・久井線仏通寺旧道は通行再開の見込みのない区間を抱えており、三原市本郷地区と三原市久井地区を結ぶ幹線道路としての役割は終わっていることを示したいことが背景にあるのかもしれないのだが、広島県では一般道路として建設した国道路線・県道路線のバイパスの旧道は全て別の国道路線・県道路線・市町村道路線に再編していること(注84)を考えると旧道になってから15年以上の歳月が流れた県道50号本郷・久井線仏通寺旧道について近い将来何らかの再編が行われるのは確実なところではないかと見ているところである。広島県と三原市がどのような結論を出すのか、今後も注目していきたいところである。

 この他にも異動が起きる可能性のあるところはあるのだが、果たして今年中国地方で県道路線の異動はあるのか。それとも全く起こらず、3年続けて起きずに終わるのか。なるべくなら新規発足路線が出て欲しいところなのだが果たして…。

3 エフエム補完中継局の整備はどのような動きを見せるのか

 現在中国地方にある中波放送のエフエム補完中継局は下表の通りとなっている(周波数の単位は全てMHz)。

県名 放送局名 中継局名 所在地 周波数 開局年月日 備考
鳥取県 NHK鳥取放送局 現在のところ開局計画はない。
山陰放送 鳥取 東伯郡湯梨浜町白石 92.2 2017年
(平成29年)
3月1日
島根県 NHK松江放送局
(ラジオ第一)
赤名 飯石郡飯南町下赤名 87.5 2015年
(平成27年)
12月17日
隠岐 隠岐郡隠岐の島町上西 79.4 2014年
(平成26年)
12月22日
中国地方初のエフエム補完中継局。
来島 飯石郡飯南町野萱 89.2 2015年
(平成27年)
12月17日
頓原 飯石郡飯南町佐見 88.0 2015年
(平成27年)
12月17日
日原 鹿足郡津和野町枕瀬 80.3 2019年
(平成31年)
1月9日
浜田 浜田市三隅町室谷 81.7 2021年
(令和3年)
3月11日
山陰放送 松江 松江市枕木町 87.1 2018年
(平成30年)
10月1日
岡山県 NHK岡山放送局
(ラジオ第一)
高梁 高梁市松山 89.6 2021年
(令和3年)
3月1日
RSK山陽放送 岡山 岡山市南区郡 91.4 2018年
(平成30年)
3月21日
広島県 NHK広島放送局
(ラジオ第一)
大崎 豊田郡大崎上島町中野 90.9 2022年
(令和4年)
3月31日
尾道 尾道市向島町 93.6 2022年
(令和4年)
2月28日
中国放送 広島 広島市南区黄金山町 94.6 2015年
(平成27年)
12月1日
久井 世羅郡世羅町小世良 94.6 2017年
(平成29年)
10月1日
西条 東広島市八本松町篠 94.6 2020年
(令和2年)
3月1日
福山 福山市千田町千田 94.6 2016年
(平成28年)
10月1日
三次 三次市粟屋町 94.6 2018年
(平成30年)
9月30日
山口県 NHK山口放送局 現在のところ開局計画はない。
山口放送 周南 防府市牟礼 92.3 2015年
(平成27年)
7月21日
山口鴻ノ峯 山口市上宇野令 92.3 2018年
(平成30年)
11月12日
阿東 山口市阿東地福下 92.3 2017年
(平成29年)
9月23日
岩国 岩国市御庄 92.3 2017年
(平成29年)
4月23日
宇部 宇部市小串 92.3 2018年
(平成30年)
4月11日
下関 下関市みもすそ川町 92.3 2017年
(平成29年)
5月21日
周防大島 大島郡周防大島町西安下庄 92.3 2018年
(平成30年)
12月5日
須佐田万川 萩市須佐 86.4 2018年
(平成30年)
8月29日
豊浦 下関市豊浦町厚母郷 86.4 2017年
(平成29年)
10月23日
豊田 下関市豊田町江良 86.4 2021年
(令和3年)
8月24日
長門 長門市日置上 86.4 2016年
(平成28年)
4月18日
萩市椿東 86.4 2016年
(平成28年)
8月2日
美祢 美祢市伊佐町伊佐 86.4 2015年
(平成27年)
11月29日
柳井 光市塩田 92.3 2016年
(平成28年)
10月12日

 中国地方には日本放送協会(NHK。本部:東京都渋谷区神南二丁目)の放送局が5局、民間中波放送局が4社あるのだが、NHK鳥取・山口両放送局以外は既に1箇所はエフエム補完中継局を有していることが上表からうかがえる。
 中国地方における中波放送のエフエム補完放送の歴史は2014年(平成26年)にNHK松江放送局(松江市灘町)がラジオ第一放送の隠岐エフエム中継局(島根県隠岐郡隠岐の島町上西。周波数:79.4MHz)を設置したことに始まる。翌2015年(平成27年)には山口放送ラジオ(KRY、周南市徳山)が中国地方にある民間中波放送局として初めてエフエム補完中継局を設置し、2018年(平成30年)にはRSK山陽放送ラジオ(RSK、岡山市北区天神町)が岡山エフエム中継局(岡山市南区郡。周波数:91.4MHz)を設置したことで中国地方各県に1箇所はエフエム補完中継局が存在する状態になった。更に中国地方にある民間中波放送局4社、すなわち山陰放送ラジオ(BSS、米子市西福原一丁目)・RSK山陽放送ラジオ・中国放送ラジオ(RCC、広島市中区基町)・山口放送ラジオは2028年(令和10年)秋までにエフエム放送局に移行する民間中波放送局に名を連ねており(注85)、今後もエフエム補完中継局は増加するのは確実な情勢にある。
 さて、今年は民間中波放送局のエフエム放送局移行について注目される年になりそうである。その理由を挙げると次の通りになる。
・今年秋に民間中波放送局のエフエム放送局移行に関する実証実験が行われることになっていること。中国地方にある民間中波放送局でこの実験に参加する可能性が高いのは14箇所もエフエム補完中継局を設置している山口放送ラジオだけになる可能性が高い(注86)
・日本とは日本海・玄界灘を挟んで隣接している大韓民国で中波放送縮小の動きが起きていること。大韓民国の中波放送は日本でも受信できるところが多いのだが、音質が悪いことや施設が老朽化していること、聴取者が減っていることなどから中波中継局を廃止する動きがここ数年活発化しているのだという。大韓民国でもエフエム放送への移行が進んでいるのだが、この動きは2028年(令和10年)秋以降も中波放送を続けるとしている日本放送協会(注87)や一部の民間中波放送局にどのような影響を及ぼすのだろうか。
 今のところ中国地方ではエフエム補完中継局の新規開局の動きはないわけであるが、では今年エフエム補完中継局の新規開局の動きが起きる可能性があるのはどこなのか。ここからは中波中継局の設置状況や地理的条件などから考えた予想を放送局ごとに紹介することにしたい。なお、日本放送協会についてはラジオ第一放送だけを対象としていること(注88)と予想が外れても構わないという考えで書いていること、そして過去に本企画で書いたことと違うことを書く場合があることをご了承願いたい。

(NHK鳥取放送局)

 NHK鳥取放送局(鳥取市寺町)のラジオ第一放送の中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
鳥取 鳥取市安長 1368 平地 洪水 千代川が近くを流れている。
倉吉 倉吉市北野 1026 平地
智頭 八頭郡智頭町智頭 1323 丘陵地
日野 日野郡日野町下黒坂 1584 平地
米子 米子市上後藤五丁目 963 平地
若桜 八頭郡若桜町浅井 1026 平地 洪水 八東川が近くを流れている。

 前に記した通りNHK鳥取放送局は現在ラジオ第一放送のエフエム補完中継局は有していないし、またラジオ第一放送のエフエム補完中継局の開局計画も存在しない。放送区域としている鳥取県に万遍なく中継局を設置していることや受信困難地域があまりないこと、津波で被災する恐れのある中波中継局がないことが理由として考えられる。
 現状では開局の可能性は著しく低いと言わざるを得ないわけであるが、もしNHK鳥取放送局がラジオ第一放送のエフエム補完中継局を所有することになったとしたらどこに設置されることになるのか。私の予想は下表の通りになる。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
鳥取市 ・本局(鳥取市安長)は鳥取市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水で被災する恐れがあるとされていること。

 日本放送協会としてもNHK鳥取放送局の放送施設の災害対策は考えていないわけではないのだろうが現状では優先順位は低いのではないかと思われる。日本放送協会は本局付近の中波放送のエフエム補完中継局の設置を原則として認めていないこと(注89)や災害対策で中波放送のエフエム補完中継局を設置するとしても現状では津波で被災する恐れのあるところしか進めていないこと、鳥取市周辺より人口が多い中波中継局は多数あることが主たる理由であるが果たしてNHK鳥取放送局がラジオ第一放送のエフエム補完中継局を所有する日は来るのだろうか。

(NHK松江放送局)

 NHK松江放送局のラジオ第一放送の中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
松江 出雲市小山町 1296 平地 洪水 中継局は神戸川・斐伊川からいくらか離れたところにあるが出雲市公式サイトで公開されている被災予想地図では中継局付近は洪水で被災する恐れがあるとしている。
石見 邑智郡邑南町矢上 846 丘陵地
川本 邑智郡川本町川本 1368 山の中腹
江津 江津市江津町 1323 平地 洪水
津波
日本海のすぐ近くにある。
また、江の川からいくらか離れたところにあるが江津市公式サイトで公開されている被災予想地図では中継局付近は洪水で被災する恐れがあるとしている。
津和野 鹿足郡津和野町鷲原 999 平地 洪水 津和野川が近くを流れている。
浜田 浜田市殿町 1026 丘陵地
匹見 益田市匹見町匹見 1584 平地
益田 益田市中吉田町 1341 平地 洪水 益田川が近くを流れている。
六日市 鹿足郡吉賀町沢田 1323 平地

 また、NHK松江放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てMHz)。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
赤名 飯石郡飯南町下赤名 87.5 松江(本局) 受信環境改善
隠岐 隠岐郡隠岐の島町上西 79.4 松江(本局) 受信環境改善
来島 飯石郡飯南町野萱 89.2 松江(本局) 受信環境改善
頓原 飯石郡飯南町佐見 88.0 松江(本局) 受信環境改善
日原 鹿足郡津和野町枕瀬 80.3 津和野
益田
六日市
受信環境改善
浜田 浜田市三隅町室谷 81.7 江津
浜田
益田
災害対策
受信環境改善

 中国地方にある中波放送局としては初めてエフエム補完放送を実施したNHK松江放送局であるが、管内にあるラジオ第一放送のエフエム補完中継局の数は6箇所となっており、これはNHK鹿児島放送局(鹿児島市本港新町)の10箇所に次いで多い(注90)。中波中継局から離れている山間部や国内外の放送局との混信で受信しづらい地域が少なくない沿岸部・島嶼部における受信環境改善がNHK松江放送局にとっては課題になっていることをうかがわせている。
 現在のところNHK松江放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局の設置計画は存在しないが、もし今後NHK松江放送局管内でラジオ第一放送のエフエム補完中継局が整備されることになったとしたらどこに設置されることになるのか。私の予想は下表の通りになる。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
松江市
出雲市
安来市
・本局(出雲市小山町)は出雲市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水で被災する恐れがあるとされていること。
大田市 ・本局や江津中波中継局(江津市江津町)からいくらか離れていること。
・日本海に面しており、国内外の放送局との混信が起きる恐れが高いこと。
・山陰自動車道の整備が進んでいること。
・三瓶山(標高:1,125.8m)や石見銀山遺跡などの著名な観光地を有していること。
邑智郡美郷町 ・川本中波中継局(邑智郡川本町川本)からいくらか離れていること。
・川本中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
仁多郡奥出雲町 ・本局からいくらか離れていること。
・本局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。

 上表に掲げた地域で有力だと思うのは松江市・出雲市・安来市(本局の災害対策)と大田市(受信環境改善)であるが、恐らく実現するとしてもかなり先のことになるのではないかと思われる。その理由を挙げると次の通りである。
・NHK松江放送局は既にラジオ第一放送のエフエム補完中継局を6箇所有していること。
・日本放送協会にはまだラジオ第一放送の受信環境改善が必要なところが多数あること。
・日本放送協会は本局を補完するエフエム中継局の設置は原則として認めていないこと。
・災害対策で中波放送のエフエム補完中継局を設置するとしても現状では津波で被災する恐れのあるところしか進めていないこと。
・人口規模を考えると優先させるべきところは多数あること。
 また、6箇所あるエフエム補完中継局のうち3箇所は飯石郡飯南町に設置されていることが特筆されるが、このようになったのは飯石郡飯南町でラジオ第一放送のエフエム補完中継局の設置計画が進められていた時はまだ市区町村などが免許を持つ中継局を整備する受信障害対策中継局制度が中波放送には適用されていなかったことが背景にあったものと思われる(注91)。受信障害対策中継局制度を適用するかどうかは市区町村の考え方次第であるが、上表で掲げた地域のうち邑智郡美郷町や仁多郡奥出雲町は受信障害対策中継局制度を適用して受信環境改善を図ることも考えられるところである。果たしてどのような動きを見せるのか気になるところである。

(NHK岡山放送局)

 NHK岡山放送局(岡山市北区駅元町)のラジオ第一放送の中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
岡山 岡山市南区藤田 603 平地 高潮
洪水
津波
笹ヶ瀬川が近くを流れている。
また、明治時代に干拓されてできた平地に設置されている。
久世 真庭市久世 1323 山裾
津山 津山市伏見町 927 平地 洪水 吉井川が近くを流れている。
新見 新見市金谷 1341 平地 洪水 高梁川が近くを流れている。
北房 真庭市上水田 1584 山の中腹

 また、NHK岡山放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てMHz)。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
高梁 高梁市松山 89.6 岡山(本局)
新見
北房
受信環境改善

 NHK岡山放送局の中波放送の中継局は対抗関係にあるRSK山陽放送ラジオとは異なって放送区域としている岡山県に万遍なく設置する方法を採っていない。平地の多い南部は本局(岡山市南区藤田)だけとしたのに対して山間部の多い北部は久世・津山・新見・北房の4箇所に設置しており、山間部における受信環境改善に重きを置いたことがうかがえる。
 しかし、そのような設置方針を採った結果、中部で受信しづらい地域がいくつか生じることになった。その中で最大の人口集積地となっているのが高梁市である。高梁川の中流域にある高梁市では本局か新見・北房両中波中継局を受信するしかなかったのだがどの中継局も山の向こうにあることから受信しづらい地域が少なくなかった。対抗関係にあるRSK山陽放送ラジオが高梁市に中継局を設置したことからNHK岡山放送局に対しても中波中継局設置を求める声が多数寄せられたことは想像に難くないのだが中継局設置に必要な土地を確保できなかったことや受信可能範囲が地形的な事情により狭まることなどから見送られ続けたのではないかと思われる。
 それを解決したのがエフエム中継局設置による受信環境改善が可能になったことで、NHK岡山放送局は高梁市中心部の南方に聳え、NHK-FMと岡山エフエム放送(愛称:エフエム岡山またはVV-FM。岡山市北区中山下一丁目)の高梁中継局が設置されている鶏足山(標高:585.5m)に2021年(令和3年)3月にエフエム補完中継局を設置した。高梁市は地形が複雑であるために全域とは行かなかったのだが主たる地域(注92)ではNHK岡山放送局のラジオ第一放送がきれいに受信できるようになった。
 現在のところNHK岡山放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局の設置計画は存在しないが、もし今後NHK岡山放送局管内でラジオ第一放送のエフエム補完中継局が整備されることになったとしたらどこに設置されることになるのか。私の予想は下表の通りになる。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
岡山市 ・本局(岡山市南区藤田)は岡山市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水や津波で被災する恐れがあるとされていること。
井原市 ・本局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
津山市 ・津山中波中継局(津山市伏見町)は津山市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水で被災する恐れがあるとされていること。
新見市 ・新見中波中継局(新見市金谷)は新見市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水で被災する恐れがあるとされていること。
真庭市川上地区
真庭市中和地区
真庭市八束地区
真庭市湯原地区
・久世中波中継局(真庭市久世)との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・米子自動車道が通過していること。
・蒜山高原や湯原温泉などの著名な観光地を有していること。
和気郡和気町 ・本局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・山陽自動車道が通過していること。

 NHK岡山放送局の中波放送で最大の課題となっているのがやはり本局の災害対策である。本局は明治時代に造成された干拓地にあるのだが、それ故に洪水や高潮、津波で被災し、送信不能に陥る恐れがある。その時に備えて本局を補完する中継局を整備することが責務だと言えるのだが、現状では何度も記しているように日本放送協会は本局を補完するエフエム中継局の設置は原則として認めていないのがどうかと思うところである。岡山市は政令指定都市であることや中国・四国地方随一の交通の要衝となっていることを考えると重要性は高いので日本放送協会としてもどのようにするか考えていることであろうが災害はいつ起きるか分からないことを考えると早急にどのようにするかを決める必要があるように思われる。
 また、NHK岡山放送局では津山・新見両中波中継局も洪水被害に遭う恐れがあるという問題もある。津山市も新見市も岡山県における重要な拠点都市となっていることを考えると津山・新見両中波中継局を補完するエフエム補完中継局も必要なところであろう。ただ、同じような問題を抱えているところは全国各地にあることを考えると実現するとしてもかなり先のことになるものと思われる。
 一方、私として気になったのはNHK岡山放送局の中波放送の中波中継局は対抗関係にあるRSK山陽放送ラジオより少ないということである(NHK岡山放送局…5箇所/RSK山陽放送ラジオ…7箇所)。民間中波放送局のほうが日本放送協会より中波中継局が多くなっている数少ない都道府県の一つとなっている(注93)のだが、岡山県民の大半が住んでいる岡山県南部において中波中継局が本局だけというのは果たして十分なのだろうかと考えたくなってくる。NHK岡山放送局がどのようにこの問題をとらえているのかは分からないが本局が受信しづらい人口集積地における受信環境改善も課題になるのは確実なところであろう。有力な候補地としては井原市と和気郡和気町を挙げているのだが果たして…。

(NHK広島放送局)

 NHK広島放送局(広島市中区大手町二丁目)のラジオ第一放送の中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
広島 広島市安佐南区西原四丁目 1071 平地 洪水 太田川が近くを流れている。
尾道 尾道市向島町 999 平地 高潮
津波
瀬戸内海(尾道水道)のすぐ近くにある。
呉市阿賀町 1026 丘陵地
庄原 庄原市東本町二丁目 1161 丘陵地
世羅 世羅郡世羅町本郷 1224 山頂
東城 庄原市東城町川西 792 平地
福山 福山市久松台三丁目 1161 丘陵地
府中 府中市土生町 1026 丘陵地 中国放送ラジオ府中中波中継局(府中市土生町)との共同中継局。
三次 三次市十日市町 1584 丘陵地

 また、NHK広島放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てMHz)。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
大崎 豊田郡大崎上島町中野 90.9 尾道
災害対策
尾道 尾道市向島町 93.6 尾道
福山
府中
災害対策
受信環境改善

 ともに2022年(令和4年)春に開局した大崎・尾道両エフエム中継局は中国地方にある日本放送協会の中波放送のエフエム補完中継局としては初めて90MHz台の周波数を使用した点が特筆される。大崎・尾道両エフエム中継局のある広島県の瀬戸内海沿岸部は開けているが故に多数のエフエム放送が受信できるという状況にあり、従来のエフエム放送が使用していた周波数帯(76.0〜90.0MHz)を使用するのが難しくなっていたことが背景にあったものと思われる。
 ではなぜ大崎・尾道両エフエム中継局は整備されたのか。主たる理由は広島県南東部における最重要拠点の尾道中波中継局(尾道市向島町)が被災した場合、福山市から呉市までの瀬戸内海沿岸地域でNHK広島放送局のラジオ第一放送が流せなくなることを防ぐためである。尾道中波中継局は下の写真をご覧頂ければうかがえるようにピロティ形式の局舎の上に鉄塔を建てる格好を採っており、浸水被害に遭わないようにしているのだが、それでもエフエム補完中継局を設置することにしたというのは念には念を入れようとしたことがあるのだろう。

 ただ、今回のラジオ第一放送の大崎・尾道両エフエム中継局の開局についてどうかと思った点がある。それを挙げると次の通りになる。
・NHK広島放送局はラジオ第一放送の大崎・尾道両エフエム中継局の開局について積極的に周知を図ろうとしていないこと。まだ90MHz台の電波が受信できるラジオ受信機が普及していないことやラジオ放送が受信できる高速道路や国道路線のトンネルでは90MHz台の周波数を用いた放送局はトンネル内再送信の対象になっていないこと、人口が集中している広島市及びその周辺での開局ではないことが理由として考えられるのだが、対抗関係にある中国放送ラジオはエフエム補完中継局開局の際は特別番組を編成するなど大々的に宣伝していることや使用している周波数は94.6MHzに統一され、それは今や中国新聞朝刊のラジオ欄でも記されるようになったことを考えると物足りないものがある。
・大崎・尾道両エフエム中継局が受信できる地域の市区町村(尾道市・呉市・竹原市・東広島市・福山市・三原市・豊田郡大崎上島町)が大崎・尾道両エフエム中継局の開局について全く取り上げていないこと。周辺に既に中波中継局のある尾道エフエム中継局(尾道市向島町。周波数:93.6MHz)はともかくとして、大崎エフエム中継局(豊田郡大崎上島町中野。周波数:90.9MHz)の開局は中波中継局が近くになく、NHK広島放送局のラジオ第一放送が受信しづらかった竹原市や東広島市安芸津地区、呉市東部(蒲刈・川尻・下蒲刈・豊浜・安浦・豊各地区)、豊田郡大崎上島町に住む方にとって朗報になったはずの出来事である。なのになぜ取り上げないでいるのだろうか。確かに広島県の瀬戸内海沿岸部ではまだ中国放送ラジオのエフエム補完中継局の整備が進んでいないために90MHz台の電波を用いたエフエム放送が浸透していないということもあるのだろうが…。
 周知活動に課題を残したNHK広島放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局の開局であったが、現在のところNHK広島放送局のラジオ第一放送のエフエム補完中継局の設置計画は存在しない。しかし、設置の可能性があるところはないというわけではない。もし今後NHK広島放送局管内でラジオ第一放送のエフエム補完中継局が整備されることになったとしたらどこに設置されることになるのか。私の予想は下表の通りになる。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
広島市 ・本局(広島市安佐南区西原四丁目)は広島市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水で被災する恐れがあるとされていること。
東広島市中心部 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・広島市のベッドタウンとして、学園都市として大きく発展し、現在は広島市・福山市・呉市に次ぐ人口を有する都市になっていること。
・山陽自動車道と東広島・呉自動車道が通過していること。
・中国放送ラジオがエフエム補完中継局を設置していること。
神石郡神石高原町 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・広島県東部を南北に縦貫する幹線道路(国道182号線〔国道314号線重用〕と県道25号三原・東城線)が通過していること。
山県郡安芸太田町 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・中国自動車道が通過していること。
山県郡北広島町 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・中国自動車道と浜田自動車道が通過していること。

 上表に掲げた市区郡町村の中で最も有力なのはやはり広島市であろう。中国地方における日本放送協会の基幹放送局の本局が被災し、送信不能になることは避けたいことや本局のある広島市安佐南区は過去に集中豪雨で甚大な被害が出た地域を有することがその理由であるが、日本放送協会は本局を補完するエフエム中継局の設置は原則として認めていないことや災害対策でもエフエム補完中継局の設置を認めているのは津波で被災する恐れがある場合に限っていること、そしてNHK広島放送局のラジオ放送はインターネット再送信の対象になっていること(ラジオ第一放送…radiko・NHKネットラジオらじる★らじる/エフエム放送…NHKネットラジオらじる★らじる)から実現するのはかなり先のことになるのではないかと思われる。
 その他の市区町村では東広島市が可能性が高いのではないかと思うのだが、もし広島県のどこかで実現したとしても今回の大崎・尾道両エフエム中継局の開局の際の積極性の見られなかった周知活動について反省し、多くの人々に知られるよう努めて頂きたいと思うところである。

(NHK山口放送局)

 NHK山口放送局(山口市中園町)のラジオ第一放送の中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
山口 防府市西浦 675 平地 洪水
高潮
津波
佐波川がすぐ近くを流れている。
また、瀬戸内海のすぐ近くにある。
岩国 岩国市旭町三丁目 585 平地 洪水
高潮
津波
今津川がすぐ近くを流れている。
下関 下関市向洋町一丁目 1026 丘陵地
須佐 萩市須佐 1368 丘陵地
萩市椿東 963 平地 高潮 新川がすぐ近くを流れている。

 前に記した通りNHK山口放送局は現在ラジオ第一放送のエフエム補完中継局は有していないし、またラジオ第一放送のエフエム補完中継局の開局計画も存在しない。日本放送協会としては現状のままで良いと判断したことが背景にあるのだろうが問題点がないわけではない。それは次の通りである。
・浸水被害に遭う恐れのある中継局があること。本局(防府市西浦)や岩国・萩両中波中継局が該当する。
・中継局の設置が十分とは言えないこと。現状の中継局設置で十分だと考えていたのか、技術的な問題があったのかは分からないが、上表で示した中継局設置状況を見る限り山口市中心部や長門市・美祢市・柳井市など中継局との間に山がある人口集積地で受信しづらいところが生じている可能性が考えられる。
 対抗関係にある山口放送ラジオがエフエム補完中継局設置に積極的になっている現状を考えるといずれはNHK山口放送局も中波放送のエフエム補完中継局設置への動きが起きるのではないかと思うのだが、ではもしNHK山口放送局管内でラジオ第一放送のエフエム補完中継局が整備されることになったとしたらどこに設置されることになるのか。私の予想は下表の通りになる。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
山口市中心部 ・本局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
岩国市中心部
岩国市由宇地区
玖珂郡和木町
・岩国中継局(岩国市旭町三丁目)は岩国市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水や高潮、津波で被災する恐れがあるとされていること。
防府市 ・本局は防府市公式サイトで公開されている被災予想地図では洪水や高潮、津波で被災する恐れがあるとされていること。
長門市 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・国内外の放送局との混信が起きやすくなっていること。
・山陰自動車道の整備が進んでいること。
・青海島や俵山温泉、湯本温泉などの著名な観光地を有していること。
萩市中心部 ・中継局(萩市椿東)は浸水被害に遭う恐れがあること。
・国内外の放送局との混信が起きやすくなっていること。
美祢市 ・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・中国自動車道が市内を通過していること。
・秋吉台や秋芳洞などの著名な観光地を有していること。
柳井市
大島郡周防大島町
・近隣にある中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。

 NHK山口放送局の中波放送で最大の課題となっているのがやはり本局の災害対策である。本局は海と川に近いところにあるのだが、それ故に洪水や高潮、津波で被災し、送信不能に陥る恐れがある。その時に備えて本局を補完する中継局を整備することが責務だと言えるのだが、現状では何度も記しているように日本放送協会は本局を補完するエフエム中継局の設置は原則として認めていないのがどうかと思うところである。また、NHK山口放送局が放送区域としている山口県は人口の多い都市(おおむね30万人以上)がないという問題もあり、それ故優先順位が低くされる可能性もあるところである。ただ、災害はいつ起きるか分からないので日本放送協会としても早急にどのようにするのかを決める必要があるように思われる。
 本局以外では中継局付近について浸水被害の恐れのある岩国市と萩市、地形的に受信しづらい地域がある長門市・美祢市・柳井市が可能性が高いと見ているのだが、日本放送協会は中波放送を維持する方針を採っていることや他にも受信環境改善を求める地域はあることを考えると対抗関係にある山口放送ラジオほどきめ細かくエフエム補完中継局を設置するということはないのではないのだろうか。いずれにせよ当面は動向を見守るしか方法はない。

(山陰放送ラジオ)

 山陰放送ラジオの中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

県名 中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
鳥取県 米子 米子市彦名町 900 平地 浸水 中海のすぐ近くにある。
鳥取 鳥取市里仁 1431 平地 洪水 千代川がすぐ近くを流れている。
倉吉 倉吉市和田東町 1557 丘陵地
島根県 出雲 出雲市高松町 1431 平地 洪水 神戸川がすぐ近くを流れている。
大田 大田市大田町大田 1485 丘陵地
浜田 浜田市瀬戸ヶ島町 1557 丘陵地 浜田沖にある馬島の高台に設置されている。
益田 益田市中島町 1431 平地 洪水 高津川と益田川に挟まれたところにある。

 また、山陰放送ラジオのエフエム補完中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てMHz)。

県名 中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
鳥取県 鳥取 東伯郡湯梨浜町白石 92.2 鳥取
倉吉
混信対策
受信環境改善
島根県 松江 松江市枕木町 87.1 米子(本局)
出雲
混信対策
受信環境改善

 山陰放送ラジオのエフエム補完放送は本社周辺地域、すなわち鳥取県西部・島根県東部を対象とした中継局ではなく、鳥取県東部・中部を対象とした中継局を設置したことで始まっている。なぜ鳥取県西部・島根県東部を対象とした中継局ではなく、鳥取県東部・中部を対象とした中継局を先に開局させたのか、山陰放送は理由を一切明かしていないのだが、山陰放送の本社は鳥取県にあることや鳥取県の県庁所在地は米子市ではなく鳥取市にあることが背景にあったのではないかと思われる。
 本社周辺地域でもエフエム補完放送が始まったのは鳥取県東部・中部におけるエフエム補完中継局となる鳥取エフエム中継局(東伯郡湯梨浜町白石。周波数:92.2MHz)が開局してから1年半以上経った2018年(平成30年)秋のことである。これにより中国地方各県の県庁所在地、すなわち鳥取市・松江市・岡山市・広島市・山口市で民間中波放送局のエフエム補完放送が楽しめるようになったのだが、山陰放送ラジオのエフエム補完中継局の整備は松江エフエム中継局(松江市枕木町。周波数:87.1MHz)の開局(2018年〔平成30年〕10月1日)を最後に途絶えている。山陰放送ラジオは沿岸部にしか中波中継局を設置していないことや国内外の放送局との混信に苛まれてきたこと、そして北海道から長崎県までの日本列島北岸部を放送区域に収めている民間中波放送局はその多くがエフエム補完中継局設置に積極的になっていることを考えれば積極的になっても良いように思うのだがなぜエフエム補完放送に対して消極的になったのか。考えられる理由を挙げると次の通りになる。
・山陰放送ラジオは鳥取県と島根県を放送区域としているためどちらかの県に重きを置くことができなくなっていること。
・山陰放送ラジオが放送区域としている鳥取県と島根県は経済基盤が脆弱である上に人口減少が止まらないままになっていること。
・山陰放送の本社がある米子市は山陰地方随一の交通の要衝であり、商業も盛んであるが、鳥取県の県庁所在地にはなっていないし、人口も松江市・鳥取市・出雲市より少ないという難点を抱えていること。
・新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響を受けたこと。
・日本海沿岸地域を放送区域に収めているが故に国内外の放送局との混信が起きる恐れが高く、周波数設定に苦慮していること。
・もしエフエム補完中継局整備を進めていった場合、自社制作番組の削減や終夜放送の取りやめ、月曜日早朝の放送開始時間の繰り下げ、土曜日深夜・日曜日深夜の放送終了時間の繰り上げなどに手を付けなければならなくなり、それで聴取者離れが起きることを危惧していること。
・山陰放送ラジオは早い時期にラジオ放送のインターネット再送信サービスのradikoに参入している(中国地方にある都道府県域民間ラジオ放送局では中国放送ラジオ・広島エフエム放送〔HFM、広島市南区皆実町一丁目〕に次ぐ)が、受信困難な地域ではエフエム補完中継局の設置に期待するのではなくradikoで山陰放送ラジオの番組を楽しんで頂きたいという考えが今も根強く残っていること。
・山陰放送が放送区域としている鳥取県と島根県は高齢化がいち早く進展したところであり、中波放送取りやめに対して反対する声が少なくないこと。
 しかし、山陰放送ラジオは前記の通り2028年(令和10年)秋までにエフエム放送局に移行する民間中波放送局に名を連ねていることや国内外の放送局との混信に苛まれている地域が多いこと、山間部を中心に受信困難な地域が多いこと、そして中波・エフエム二波体制を続けるのは経営環境を考えれば難しいことを考えればこのまま鳥取・松江両エフエム中継局だけという状況で推移することは考えられない。2028年(令和10年)秋まで残された時間はそう多くはないのだが、では今後どの地域でエフエム補完中継局が整備されることになるのか。私の予想は下表の通りである。

県名 地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
鳥取県 鳥取市用瀬地区
八頭郡智頭町
・鳥取中波中継局(鳥取市里仁。周波数:1431kHz)及び鳥取エフエム中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・鳥取自動車道が通過していること。
・対抗関係にあるエフエム山陰(愛称:V-air。松江市学園南一丁目)が中継局を設置していること。
日野郡日南町
日野郡日野町
・本局(米子市彦名町。周波数:900kHz)及び松江エフエム中継局との間に山があり、受信しづらい地域が少なくないこと。
・米子自動車道が通過していること。
島根県 大田市 ・松江市と浜田市のほぼ中間に位置していること。
・日本海に面しており、国内外の放送局との混信が起きる恐れが高いこと。
・山陰自動車道の整備が進んでいること。
・三瓶山や石見銀山遺跡などの著名な観光地を有していること。
・対抗関係にあるエフエム山陰が中継局を設置していること。
浜田市 ・日本海に面しており、国内外の放送局との混信が起きる恐れが高いこと。
・浜田中波中継局(浜田市瀬戸ヶ島町。周波数:1557kHz)は日本海にある島に設置されており、塩害による老朽化の進展が懸念されること。
・もし設置するとすればエフエム山陰浜田中継局(浜田市三隅町室谷。86.6MHz)とNHK松江放送局ラジオ第一放送浜田エフエム中継局(浜田市三隅町室谷。周波数:81.7MHz)がある大麻山(標高:599m)に設置される可能性が高いのだが、もしそこに設置されれば浜田市だけでなく隣接する江津市や益田市でも受信可能になり、結果浜田・益田両中波中継局を代替する存在になること。
・山陰自動車道と浜田自動車道が通過していること。
飯石郡飯南町 ・本局及び出雲・大田両中波中継局、松江エフエム中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・高速道路はないが陰陽連絡国道の一つである国道54号線が通過していること。
邑智郡邑南町 ・大田・浜田両中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・浜田自動車道が通過していること。
・対抗関係にあるエフエム山陰が羽須美地区に中継局を設置していること。
邑智郡川本町 ・大田・浜田両中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・警察署などの官公庁が設置されており、邑智郡の中心地となっていること。
・高速道路はないが広島市と大田市・江津市を往来するのに通る方の少なくない国道261号線が通過していること。
邑智郡美郷町 ・大田中波中継局(大田市大田町大田。周波数:1485kHz)との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・高速道路はないが大田市と広島県を結ぶ道路がいくつも通っていること。
・対抗関係にあるエフエム山陰が邑智地区と大和地区に中継局を設置していること。
隠岐郡海士町
隠岐郡隠岐の島町
隠岐郡西ノ島町
隠岐郡知夫村
・日本海に面しており、国内外の放送局との混信が起きる恐れが高いこと。
・対抗関係にあるエフエム山陰とNHK松江放送局(ラジオ第一放送のエフエム中継局)が既に中継局を設置していること。
・景勝地が多く、夏場を中心に観光で訪れる方が多いこと。
鹿足郡津和野町 ・益田中波中継局(益田市中島町。周波数:1431kHz)との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・津和野地区は津和野城跡(鹿足郡津和野町後田)などの著名な観光地を有していること。
・高速道路はないが陰陽連絡国道の一つである国道9号線が通過していること。
鹿足郡吉賀町 ・益田中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・中国自動車道が通過していること。
仁多郡奥出雲町 ・本局及び出雲中波中継局(出雲市高松町。周波数:1431kHz)、松江エフエム中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・高速道路はないが陰陽連絡国道の一つである国道314号線と国道432号線が通過していること。
・鬼の舌震(仁多郡奥出雲町三成)や奥出雲おろちループ(仁多郡奥出雲町八川)などの著名な観光地を有していること。

 上表を作成していて山陰放送ラジオは島根県側に受信困難地域が多いことに気付かされたのだが、受信困難地域は過疎化に悩まされている地域でもあり、経営基盤が脆弱な山陰放送としてはそこまでは手が回らないだろう。そんな中で近い時期にエフエム補完中継局が整備される可能性が高いのは島根県側の浜田市と隠岐郡だと私は考えている。NHK松江放送局がラジオ第一放送のエフエム中継局を設置したところと重なるのだが、もしそれらの地域でエフエム中継局が整備されれば効果はかなりのものになると推察される。特に浜田中波中継局は2021年(令和3年)9月に機器の不具合により送信不能に陥ったことがあることや海のそばにあり、塩害による老朽化が著しいことを考えれば早急に検討に入っても良いように思われる。
 浜田市・隠岐郡に続くのは島根県中部にあり、松江・浜田両エフエム中継局から離れたところにある大田市になるのではないかと思うのだが、その後になると費用対効果の問題や経営事情が絡んでくるために非常に予想は難しい。中波放送局からエフエム放送局に転換するまでの時間が少なくなっていることを考えれば2028年(令和10年)秋時点の山陰放送ラジオのエフエム補完中継局は鳥取・松江・大田・隠岐・浜田の5箇所に留まる可能性も出てくるわけであるが、この状況をどのようにとらえ、乗り切るのだろうか。山陰放送は今のところ何の声明も出していないのだがどのような行動をとるのか、今後の展開に注目したいところである。

(RSK山陽放送ラジオ)

 RSK山陽放送ラジオの中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
岡山 岡山市北区撫川 1494 平地 洪水 足守川がすぐ近くを流れている。
落合 真庭市杉山 1494 山の中腹
笠岡 笠岡市神島外浦 1494 山頂
高梁 高梁市松原町松岡 1494 山の中腹
津山 津山市林田 1494 丘陵地
新見 新見市新見 1494 山の中腹
備前 和気郡和気町田土 1494 山の中腹

 上表をご覧頂ければうかがえることであるが、RSK山陽放送ラジオの中波中継局は次に挙げる特徴を持っている。
・災害に遭う恐れがある中継局は本局(岡山市北区撫川。周波数:1494kHz)だけであること。
・本局以外の中継局はいずれも山の中腹か山頂に設置していること。
・全ての中継局の周波数を1494kHzに統一していること。
・放送区域としている岡山県内の拠点となる都市に万遍なく設置していること。
 そういう特徴があるせいかRSK山陽放送ラジオのエフエム補完放送への取り組みは非常に鈍いものがある。現在RSK山陽放送ラジオが所有するエフエム補完中継局は下表に示した1箇所だけである。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
岡山 岡山市南区郡 91.4 岡山(本局)
笠岡
高梁
備前
災害対策
受信環境改善

 RSK山陽放送ラジオがエフエム補完放送に対して積極的にならない理由は前に挙げたこと以外にもいくつもある。それを挙げると次の通りになる。
・総務省(東京都千代田区霞が関二丁目)がエフエム補完放送を企図した理由の一つには都市部で高層建築物が林立して受信しづらくなった地域が生じたことがあるのだが、岡山県の場合高層建築物が林立している都市が少ないこと。
・RSK山陽放送ラジオは中波放送の周波数を統一していることを売りにしている面があることからそれ以外の周波数を使うことに消極的になっていること。
・RSK山陽放送は免許一本化調整が難航し、開局が20世紀末までずれ込んだ岡山県を放送区域とする都道府県域民間エフエム放送局・岡山エフエム放送に出資していることから岡山エフエム放送を窮地に追い立たせるようなことはしたくないと思っていること。
・RSK山陽放送はテレビ部門もラジオ部門も競争相手が多いことや放送区域人口が減少していること、経済基盤が盤石ではないことなどから厳しい経営環境に置かれていること。
・新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響を受けたこと。
・RSK山陽放送は2021年(令和3年)に岡山市北区丸の内二丁目から岡山市北区天神町に本社・演奏所を移転させたのだが、それでかなりの費用を使ったため元々積極的ではなかったエフエム補完放送の充実は後回しにしていること。
・RSK山陽放送は2021年(令和3年)に岡山市北区丸の内二丁目から岡山市北区天神町に本社・演奏所を移転させたのだが、ラジオ部門の大部分は現在も岡山市北区丸の内二丁目にある旧本社に残っており、岡山市北区天神町にある新本社に業務を統合するまで無駄な費用は極力出したくないと考えていること。
・radikoへの参入は政令指定都市に本社を置く民間中波放送局としても(注94)、中波ステレオ放送を実施していた民間中波放送局としても(注95)最後になったし、中国地方にある民間中波放送局としては中国放送ラジオ・山陰放送ラジオの次になったことからも見られるようにRSK山陽放送ラジオには新しいことに積極的になろうとしない傾向が見られること。
 しかし、RSK山陽放送ラジオは前記の通り2028年(令和10年)秋までにエフエム放送局に移行する民間中波放送局に名を連ねていることや対抗関係にあるNHK岡山放送局がラジオ第一放送の受信環境改善を目的として高梁市にエフエム中継局を設置したこと、そして中波・エフエム二波体制を続けるのは経営環境を考えれば難しいことを考えればこのまま岡山エフエム中継局だけという状況で推移することは考えられない。2028年(令和10年)秋まで残された時間はそう多くはないのだが、では今後どの地域でエフエム補完中継局が整備されることになるのか。私の予想は下表の通りである。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
岡山市北区建部地区
岡山市北区御津地区
・岡山市と津山市の中間点にあるが岡山方面・津山方面とも山があるため本局及び津山中波中継局(津山市林田。周波数:1494kHz)が受信しづらい地域があること。
・高速道路はないが岡山市と津山市・鳥取市を結ぶ国道53号線が通過していること。
井原市 ・笠岡中波中継局(笠岡市神島外浦。周波数:1494kHz)との間に山があるため受信しづらい地域があること。
・対抗関係にある岡山エフエム放送が中継局を設置していること。
笠岡市 ・設置から60年以上が経過している笠岡中波中継局の老朽化が進展していること。
倉敷市児島地区 ・本局及び岡山エフエム中継局との間に山があるため受信しづらい地域があること。
・瀬戸中央自動車道が通過していること。
・鷲羽山(標高:112.7m)や瀬戸大橋などの著名な観光地を有していること。
・対抗関係にある岡山エフエム放送が中継局を設置していること。
高梁市 ・設置から40年以上が経過している高梁中波中継局(高梁市松原町松岡。周波数:1494kHz)の老朽化が進展していること。
・対抗関係にあるNHK岡山放送局がラジオ第一放送のエフエム補完中継局を設置したこと。
津山市 ・設置から60年以上が経過している津山中波中継局の老朽化が進展していること。
新見市 ・設置から60年以上が経過している新見中波中継局(新見市新見。周波数:1494kHz)の老朽化が進展していること。
備前市
和気郡和気町
・今秋設置50周年を迎える備前中波中継局(和気郡和気町田土。周波数:1494kHz)の老朽化が進展していること。
真庭市落合地区
真庭市勝山地区
真庭市久世地区
真庭市北房地区
・設置から40年以上が経過している落合中波中継局(真庭市杉山。周波数:1494kHz)の老朽化が進展していること。
真庭市川上地区
真庭市中和地区
真庭市八束地区
真庭市湯原地区
・落合中波中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・米子自動車道が通過していること。
・蒜山高原や湯原温泉などの著名な観光地を有していること。

 RSK山陽放送ラジオは前に記したように本局以外の中波中継局はいずれも山頂か山の中腹に設置されている。つまり、既存の中波中継局の置き換えでエフエム補完中継局を整備し、受信環境改善を図るという手段が使えるのである。落合中波中継局については真庭市中心部の東方に聳える笹向山(標高:419m)、笠岡中波中継局については笠岡市中心部の南方に聳える栂丸山(標高:306m)、高梁中波中継局については高梁市中心部の南方に聳える鶏足山、津山中波中継局については津山市中心部の北方に聳える黒沢山(標高:668m)か天狗寺山(標高:831.5m)、新見中波中継局については新見市中心部の東方に聳える鳶ヶ巣山(標高:537m)、備前中波中継局については備前市中心部の南方に聳える笹尾山(標高:271m)がそれぞれ中波中継局に代わるエフエム補完中継局の設置場所になるのではないかと考えている(注96)のだが、RSK山陽放送ラジオが5年近く止まっているエフエム補完中継局整備に乗り出すのはラジオ部門の新本社への移転、すなわち本社の移転が完了してからになるのではないのだろうか。旧本社は使用を始めてから60年以上になっていることや旧本社〜新本社間の移動にある程度の費用がかかることを考えればいつまでも二本社体制は続けられないし、笠岡・高梁・津山・新見・備前・真庭などある程度の拠点性を持ち、なおかつRSK山陽放送ラジオの中波中継局がある都市に住む方から早期のエフエム補完中継局開局を求める声が上がっている可能性があることを考えれば今年はRSK山陽放送ラジオにとって正念場になるのではないのだろうか。
 今年中にRSK山陽放送ラジオの二番目のエフエム補完中継局が開局するかどうかは分からないが、もし整備されるとすれば岡山市・倉敷市に次ぐ人口を有し、岡山県北部の中心都市である津山市が有力ではないのだろうか。その後井原市・笠岡市・高梁市・新見市・備前市・真庭市などで整備し、エフエム放送に転換する2028年(令和10年)秋を迎えるのではないかと思うのだが、注目したいのはそれらの中継局で使用される周波数がどうなるかということである。周波数を91.4MHzに統一して展開するのか、それとも別々の周波数を用いるのか。どちらも一長一短があるだけにその点が気になる。
 RSK山陽放送ラジオを取り巻く環境は厳しいが、開局70周年を迎える今年、RSK山陽放送ラジオはどのような動きを見せるのか。聴く機会はあまりないのだがRSK山陽放送ラジオの今後は注目していきたいところである。

(中国放送ラジオ)

 中国放送ラジオの中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
広島 江田島市沖美町美能 1350 平地 高潮
津波
瀬戸内海(広島湾)のすぐ近くにある。
庄原 庄原市西本町二丁目 1458 丘陵地 洪水 戸郷川がすぐ近くを流れている。
東城 庄原市東城町川西 1458 平地 洪水 成羽川がすぐ近くを流れている。
福山 福山市北美台 1530 丘陵地 敷地内には福山支社(福山市北美台。中国放送は福山放送局と呼称している)がある。
府中 府中市土生町 1530 丘陵地 NHKラジオ第一府中中波中継局(府中市土生町)との共同中継局。
三原 三原市明神三丁目 1530 平地 洪水 沼田川がすぐ近くを流れている。
三次 三次市南畑敷町 1458 平地 洪水 馬洗川がすぐ近くを流れている。

 上表をご覧頂ければうかがえることであるが、中国放送ラジオの中波中継局は次に挙げる特徴を持っている。
・海や川のそばに設置されているところが多い(7箇所中5箇所)。
・RSK山陽放送ラジオのように全ての中波中継局の周波数を統一することは本局(江田島市沖美町美能。周波数:1350kHz)の出力が高いこと(20kW)などから断念したが高速道路の整備に合わせて備南地区(福山・府中・三原各中波中継局)と備北地区(庄原・東城・三次各中波中継局)でそれぞれ周波数統一を行っている。
・中継局は放送区域としている広島県内に万遍なく設置しているというわけではなく、いわゆる東高西低の状態になっている。
・拠点性の高い市町村や高速道路が通過している市町村でも地形的な問題や技術的な問題などから設置を見送ったところが少なくない。
 中国放送ラジオは今春放送開始50周年を迎える「おはようラジオ」や今春放送開始20周年を迎える「平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま」、開局5日目(1952年〔昭和27年〕10月5日)に早くも始めた広島東洋カープ公式戦中継などの人気番組を多く擁していることなどから受信環境改善は最重要課題と位置付けられてきた。しかし、中波放送の技術では限界が生じていた。そんな中でエフエム補完放送が企図されたわけであるが、中国放送ラジオとしては次に挙げる方針でエフエム補完放送に取り組んだ。
・中波放送では周波数統一は地区ごとに行わざるを得なかったが、エフエム補完放送では周波数を統一する。
・広島県内の地域の中心都市である広島市・福山市・三次市に加えて拠点性が高く、高速道路が通過しているが諸事情で中波中継局設置を見送ってきた東広島市・世羅郡世羅町にも中継局を設置する。
 その結果、現在稼働中の中国放送ラジオのエフエム補完中継局は下表の通りとなっている(周波数の単位は全てMHz)。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
広島 広島市南区黄金山町 94.6 広島(本局) 災害対策
受信環境改善
久井 世羅郡世羅町小世良 94.6 府中
三原
受信環境改善
西条 東広島市八本松町篠 94.6 広島(本局)
三原
受信環境改善
福山 福山市千田町千田 94.6 福山
府中
三原
受信環境改善
三次 三次市粟屋町 94.6 庄原
三次
災害対策
受信環境改善

 2020年(令和2年)春に西条エフエム中継局(東広島市八本松町篠。周波数:94.6MHz)を開局させたのを最後に現在のところ新たな開局計画は浮上していないのだが、今後どの地域でエフエム補完中継局が整備されることになるのか。私の予想は下表の通りである。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
広島市安佐北区 ・対抗関係にある広島エフエム放送が可部地区に中継局を設置していること。
広島市安佐南区 ・対抗関係にある広島エフエム放送が佐東地区に中継局を設置していること。
江田島市
呉市中心部
・本局が海のそばにあるため高波などの災害に遭う可能性があること。
・呉市は広島県では広島市・福山市に次ぐ人口を有しているにもかかわらずこれまで中国放送ラジオの中継局設置は見送られてきたこと。
・対抗関係にある広島エフエム放送が中継局を設置していること。
尾道市中心部
尾道市因島地区
尾道市向島地区
尾道市向東地区
福山市内海地区
福山市沼隈地区
福山市松永地区
三原市中心部
・三原中波中継局(三原市明神三丁目。周波数:1530kHz)は沼田川のそばにあるため浸水被害に遭う可能性があること。
・久井・福山両エフエム中継局のどちらも受信できない地域が少なくないこと。
・尾道市は広島県南東部を代表する都市の一つであるにもかかわらず中国放送ラジオの中継局設置は見送られてきたこと。
・広島エフエム放送とNHK広島放送局ラジオ第一放送が尾道市中心部の南方に聳える高見山に中継局を設置していること。
呉市蒲刈地区
呉市川尻地区
呉市下蒲刈地区
呉市豊浜地区
呉市安浦地区
呉市豊地区
竹原市
東広島市安芸津地区
豊田郡大崎上島町
・本局及び三原中波中継局、広島・久井・西条各エフエム中継局のいずれからも離れているため受信しづらい地域が少なくないこと。
・広島エフエム放送とNHK広島放送局ラジオ第一放送が大崎上島の最高峰・神峰山(標高:452.3m)に中継局を設置していること。
庄原市高野地区 ・庄原・三次両中波中継局及び三次エフエム中継局(三次市粟屋町。周波数:94.6MHz)との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・松江自動車道が通過していること。
庄原市東城地区 ・東城中波中継局(庄原市東城町川西。周波数:1458kHz)は成羽川のそばにあるため浸水被害に遭う可能性があること。
・三次エフエム中継局との間に山があるため受信できない地域が少なくないこと。
・中国自動車道が通過している他国道182号線と国道314号線が分岐するところとなっており、交通の要衝になっていること。
神石郡神石高原町 ・東城・福山・府中各中波中継局及び久井・福山両エフエム中継局のいずれからも離れているため受信しづらい地域が少なくないこと。
・広島県東部(備後地区)を南北に貫く幹線道路(国道182号線と広島県道25号三原・東城線)が通過していること。
山県郡安芸太田町 ・中国自動車道が通過していること。
・本局及び広島エフエム中継局(広島市南区黄金山町。周波数:94.6MHz)との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・国道186号線と国道191号線、国道433号線、国道434号線が通過しており、交通の要衝になっていること。
山県郡北広島町 ・中国自動車道と浜田自動車道が通過していること。
・本局及び広島エフエム中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
・中国自動車道と浜田自動車道の接続点がある他国道261号線や国道433号線(国道434号線重用)、島根県道/広島県道5号浜田・八重・可部線が通過しており、交通の要衝になっていること。

 対抗関係にある広島エフエム放送が現在51社ある都道府県域民間エフエム放送局で最も多くの中継局(13箇所)を抱えていることからもうかがえるように広島県は地形が複雑であり、なおかつ拠点性を有する人口集積地がいくつもあるのが地理的な特徴である。故に中国放送ラジオが今後エフエム補完中継局を整備するのではないかと考える箇所は多数に及ぶ。その中で2028年(令和10年)までに整備される可能性が高いと思うのは尾道市・呉市・庄原市東城地区・豊田郡大崎上島町・山県郡北広島町ではないかと考えている。特に呉市は広島県では広島市・福山市に次ぐ人口を有しながらこれまで中国放送ラジオは一切中継局を設置してこなかったことや呉市西方の瀬戸内海に浮かぶ能美島にある本局が高波などの災害に遭う可能性があることを考えれば中国放送ラジオの状況が整えば次期開局予定地に選ばれる可能性が高いのではないのだろうか。
 ただ、中国放送ラジオのエフエム補完中継局設置には問題がないわけではない。それを挙げると次の通りになる。
・同じ周波数(94.6MHz)を使い続けられるかどうか。久井・福山両エフエム中継局が受信できるところが多い尾道市付近に中継局を設置することにした場合この問題が浮上してくる可能性がある。例えば四国放送ラジオ(JRT、徳島市中徳島町二丁目)は徳島・池田・日和佐各エフエム中継局は同じ周波数(93.0MHz)を使用しているが徳島・日和佐両エフエム中継局の間に設置された阿南エフエム中継局(阿南市椿町。周波数:93.9MHz)は徳島・池田・日和佐各エフエム中継局とは違う周波数を用いている。徳島・池田・日和佐各エフエム中継局と同じ周波数を用いて阿南エフエム中継局を開局させた場合、何らかの不都合が起きることが判明したから阿南エフエム中継局については周波数を変えたのではないかと思うのだがこういう問題が起きる恐れがあることはどのように考えているのだろうか。
・福山支社の取り扱いをどのようにするのか。平日午後の自社制作のワイド番組では福山支社から広島県南東部の情報を紹介するコーナーが設定されている他、福山支社が制作して広島県全域で放送する番組も日曜日の朝に設定されている。エフエム放送に転換した場合、福山支社の放送発信機能は廃止するのか、福山支社の放送発信機能は廃止して中国放送と関係が深い(注97)エフエムふくやま(愛称:レディオBINGO。福山市西町二丁目)にそういう機能を移管するのか、それとも福山支社の放送発信機能は残すのか。福山市は最近人口減少傾向にはあるが人口は中国地方では広島市・岡山市・倉敷市に次いで多いことや広島市からある程度離れていること、地域の中心都市となっていることなどを考えれば福山支社の存在は蔑ろにはできないはずなのだがこの点をどのようにするか考える時期が来たのではないのだろうか。
・中波放送の存続を望む声が上がらないかどうか。広島県は中国地方最大の都市・広島市を擁する一方で山間部や島嶼部など過疎化や高齢化に悩まされている地域が少なくない。そういう地域ではエフエム放送に馴染みが薄く、費用対効果の問題から中継局設置は後回しになったり見送られたりする場合があるのでそういう地域に住む高齢者を中心に中国放送ラジオのエフエム放送移行に反対する声が上がる可能性がある。ただ、対抗関係にある広島エフエム放送が開局して40年経った現在、エフエム放送に馴染みのある高齢者が増えているのも事実であり、もしかしたらそういう声は少数にとどまるかもしれないのだが…。
・中継局整備と引き換えにして番組の大幅な整理に踏み切らないかどうか。手を付けるとすれば令和時代に入ってからBクラス(4位以下)が続いている広島東洋カープの公式戦中継の削減や終夜放送の取りやめ、現在は月曜日午前1時30分となっている日曜日深夜の放送終了時間の繰り上げなどが考えられるが、日曜日深夜の放送終了時間の繰り上げはあり得るかもしれないがその他の事柄について実施すれば聴取者から反対する声が上がるのは確実であろう。
・対抗関係にある広島エフエム放送を窮地に追い立たせてしまわないかどうか。広島エフエム放送の現状を見ると金曜日午前中の自社制作のワイド番組が聴取率において「おはようラジオ」や「平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま」の後塵を拝し続けたからか制作されなくなったし、開局した時からずっと続いてきた平日午後の自社制作のワイド番組も2021年(令和3年)春の番組改編で火曜日・水曜日について制作を取りやめ、1年後復活させたが半年で火曜日については制作を取りやめるなどどうかと思う面が少なくない。広島エフエム放送は同じ周波数を用いた中継局が一切なく、その点で中国放送ラジオに対して不利になっているわけであるが、中国放送とは中継局を共有するなど決して関係がないというわけではない。その点をどのように考えているのだろうか。
 このように課題は山積していると言ったところであるが、中国放送ラジオについて評価したいのは2021年(令和3年)6月に民間中波放送局47社中44社が2028年(令和10年)秋にエフエム放送局に転換することを発表すると早速中国放送ラジオもエフエム放送局に転換するが今秋実施予定の第一次実証実験には参加しないことと2025年(令和7年)秋までは月曜日早朝の放送休止以外の理由で停波させる中波中継局は出さないことを発表したことである(その声明文〔PDF文書〕はこちら)。現状では第一次実証実験に参加すれば批判が殺到するのは確実であるし、各地で相次いでいる中波中継局の廃止(注98)とエフエム放送局への転換で生じる聴取者の不安を解消させたかったことがこの声明文を出した背景にあるのだが、いわゆる上から目線な態度(注99)をとる放送局が多い中できちんと自らの今後を発表したことはもっと注目されても良いのではないのだろうか。
 山口放送ラジオに比べれば中国放送ラジオのエフエム補完放送の取り組みはまだまだといったところである。現状は厳しいものがあるが今後どのように展開させていくのか。中国放送ラジオの一聴取者として注目していきたいところである。

(山口放送ラジオ)

 山口放送ラジオの中波中継局は下表の通りである(周波数の単位は全てkHz。また本局については赤太字で記している)。

中継局名 所在地 周波数 立地条件 想定される災害 備考
周南 周南市大津島 765 平地 高潮
津波
瀬戸内海(周防灘)のすぐ近くにある。
山口 山口市黒川 765 平地
岩国 岩国市尾津町一丁目 918 丘陵地
下関 下関市上田中町一丁目 918 丘陵地
須佐田万川 萩市須佐 765 丘陵地
萩市椿東 1458 平地 洪水
高潮
松本川がすぐ近くを流れている。

 山口放送ラジオは上表からうかがえるように中波中継局の数は6箇所と山陰放送ラジオ・RSK山陽放送ラジオ・中国放送ラジオ(いずれも7箇所)より少なくなっている。その理由を挙げると次の通りになる。
・放送区域面積が中国地方にある民間中波放送局4社の中で最小であること(下表参照。面積の単位は平方キロメートル。面積は2022年〔令和4年〕10月1日現在の「全国都道府県市区町村別面積調」に基づいている)。

放送局名 放送区域と
している
都道府県名
放送区域面積 備考
山陰放送ラジオ 鳥取県
島根県
10,214.99 面積の内訳は鳥取県が3,507.13平方キロメートル、島根県が6,707.86平方キロメートルとなっている。
放送区域面積と島根県の面積には隠岐郡隠岐の島町に属しているが大韓民国の実効支配下にある竹島(大韓民国側の名称は独島)の面積(0.20平方キロメートル)を含めている。
RSK山陽放送ラジオ 岡山県 7,114.77 玉野市と香川県香川郡直島町に跨る石島(香川県側の名称は井島)の西岸部に境界未定箇所があるため面積は参考値を記している。
なお、中国地方には市区町村境の未定箇所は2箇所あるが、いずれも岡山県にある(もう1箇所は岡山市南区と玉野市に跨る児島湖)。
中国放送ラジオ 広島県 8,479.00
山口放送ラジオ 山口県 6,112.50

・地形的・技術的な問題から中波中継局を設置するのが難しいところがいくつもあったこと。
・沿岸部を中心に国内外の放送局との混信が起きるところが多いこと。
 山口放送ラジオの中波中継局が現行の6局体制になったのは1998年(平成10年)3月4日のこと(須佐田万川中波中継局〔萩市須佐。周波数:765kHz〕が開局したことによる)であるが、中波中継局の設置はそこで打ち止めとなってしまった。長門市・美祢市・柳井市など設置したいと思うところはあったことであろうが今記したようにいろいろ問題があったことなどから実現せずじまいになったものと思われる。
 また、RSK山陽放送ラジオが全ての中波中継局の周波数を1494kHzに統一したことから山口放送ラジオについても全ての中波中継局の周波数を765kHzに統一して欲しいという声が聴取者からいくらか寄せられたのではないかと思うのだが、これも山口放送は取り組まなかった。理由としては本局(周南市大津島)及び山口・須佐田万川両中波中継局が使用している765kHzは山梨放送ラジオ(YBS、甲府市北口二丁目)が全ての中波中継局で使用していること(注100)と、近接する周波数(756kHzと774kHz)はともに日本放送協会が使用しており(注101)、混信する恐れが高かったことが考えられる。
 つまり、山口放送にとってみれば中波放送は限界に達していたということになるのだろうが、そこに出てきたのがエフエム補完放送制度の創設であった。山口放送はいち早くエフエム補完放送に取り組み、中国地方にある民間中波放送局としては初めてエフエム補完中継局を開局させた。下表に示した通りそれから3年半ほどで何と13箇所もエフエム補完中継局を設置したのだが、山口放送にとってみればラジオ放送の受信環境改善は長年の課題だったことがうかがえる。

月日 中継局名 備考
2015年
(平成27年)
7月21日 周南
11月29日 美祢 山口放送ラジオがエフエム補完放送で用いているもう一つの周波数である86.4MHzを用いて開局した初めてのエフエム補完中継局となった。
2016年
(平成28年)
4月18日 長門
8月2日 中波中継局を設置しているところとしては初めてのエフエム補完中継局となった。
10月12日 柳井
2017年
(平成29年)
4月23日 岩国
5月21日 下関
9月23日 阿東
10月23日 豊浦
2018年
(平成30年)
4月11日 宇部
8月29日 須佐田万川
11月12日 山口鴻ノ峯 この中継局の開局をもって中波中継局を設置しているところについてはエフエム補完中継局の整備が完了した。
12月5日 周防大島 この中継局の開局をもって山口放送ラジオの中継局数はSTVラジオ(STV、札幌市中央区北一条西八丁目)・北海道放送ラジオ(HBC、札幌市中央区北一条西五丁目)の中継局数(いずれも18箇所〔内訳は中波中継局17箇所/エフエム中継局1箇所〕)を超えて日本で最も中継局数の多い民間中波放送局の座に就いた。

 その後下関市豊田地区にも中継局が設置され、民間ラジオ放送局として最多のエフエム中継局を擁することになった山口放送ラジオのエフエム補完中継局は下表の通りとなっている(周波数の単位は全てMHz)。

中継局名 所在地 周波数 近隣にある
中波中継局
設置理由 備考
周南 防府市牟礼 92.3 周南(本局) 災害対策
受信環境改善
山口鴻ノ峯 山口市上宇野令 92.3 山口 受信環境改善
阿東 山口市阿東地福下 92.3 山口
受信環境改善
岩国 岩国市御庄 92.3 岩国 受信環境改善
宇部 宇部市小串 92.3 周南(本局)
山口
下関
受信環境改善
下関 下関市みもすそ川町 92.3 下関 受信環境改善
周防大島 大島郡周防大島町西安下庄 92.3 周南(本局)
岩国
受信環境改善
須佐田万川 萩市須佐 86.4 須佐田万川
受信環境改善
豊浦 下関市豊浦町厚母郷 86.4 下関 受信環境改善
豊田 下関市豊田町江良 86.4 下関 受信環境改善
長門 長門市日置上 86.4 下関
受信環境改善
萩市椿東 86.4 須佐田万川
災害対策
受信環境改善
美祢 美祢市伊佐町伊佐 86.4 山口
下関
受信環境改善
柳井 光市塩田 92.3 周南(本局)
岩国
受信環境改善

 山口放送ラジオのエフエム補完中継局の整備は瀬戸内海側の中継局(周南・山口鴻ノ峯・阿東・岩国・宇部・下関・周防大島・柳井の8箇所。いずれも周波数は92,3MHz)と日本海側の中継局(須佐田万川・豊浦・豊田・長門・萩・美祢の6箇所。いずれも周波数は86.4MHz)で周波数を分けていることが主たる特色と言える。厳密に瀬戸内海側・日本海側と分けているわけではない(注102)のだが、中国放送ラジオのように周波数を統一しなかったのは92.3MHzを使用すると88〜108MHzをエフエム放送の使用周波数帯としている海外の放送局と混信する恐れが高かったことが考えられる。また、山口市・下関市・萩市は同じ放送局が運営する複数のエフエム補完中継局を有している稀有な市区町村になっていることも注目されるところである(中国地方では他に島根県飯石郡飯南町があるのみ)。
 山口放送ラジオの悲願であった受信環境改善と周波数集約はエフエム補完中継局の積極的な整備によって実現できたわけであるが、ではもし今後山口放送ラジオがエフエム補完中継局を整備するとすればどの地域になるのか。私の予想は下表の通りである。

地域名 設置計画が浮上するのではないかと考える理由
岩国市錦地区
岩国市本郷地区
岩国市美川地区
岩国市美和地区
・中国自動車道と陰陽連絡国道の一つである国道187号線が通過していること。
・中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
宇部市小野地区
宇部市厚東地区
宇部市二俣瀬地区
宇部市楠地区
・中国自動車道と国道2号線、更に陰陽連絡国道の一つである国道490号線が通過していること。
・中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
周南市鹿野地区
周南市都濃地区
・中国自動車道と陰陽連絡国道の一つである国道315号線が通過していること。
・中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
萩市旭地区
萩市川上地区
・陰陽連絡国道の一つである国道262号線が通過していること。
・中国自動車道と萩市、山陰自動車道を結ぶ目的で企図され、地域高規格道路に指定されている小郡・萩道路の整備が進められていること。
・中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。
萩市福栄地区
萩市むつみ地区
・萩市中心部と島根県鹿足郡津和野町津和野地区を最短距離で結ぶ県道13号萩・津和野線が通過していること。
・中継局との間に山があるため受信しづらい地域が少なくないこと。

 上表に掲げた地区は既存の中波中継局・エフエム補完中継局との間に山があるため受信しづらい地域があることや幹線道路が通っていること、ある程度の集積があること、山口放送公式サイト内のエフエム補完放送に関するページに掲載されている各中継局の受信範囲地図では対象外になっていることを条件として選定したものであるが、いずれも過疎化に悩まされている地域であることや地区内を通る幹線道路の交通量が多いとは言えないこと、費用対効果が見込めない恐れがあることなどから山口放送としても慎重に臨むのではないかと思われる。ただ、2021年(令和3年)夏に開局した豊田エフエム中継局(下関市豊田町江良。周波数:86.4MHz)は開局数日前まで開局するという情報が一切出てこなかったことや豊田エフエム中継局がある下関市豊田地区は上表に掲げた地区と同じような地理的環境にあることを考えるともしかしたら水面下で開局準備を進めているところがあるかもしれない。
 放送区域内に14箇所もエフエム補完中継局を設置し、更に中波中継局に対応するエフエム補完中継局を全て整備した山口放送は今秋実施される予定となっている民間中波放送局のエフエム放送局移行に関する実証実験に参加するのは確実であろう。そこで得られた結果を基に2028年(令和10年)秋のエフエム放送局への転換に向けて進むことになるのだろうが、課題はないわけではない。それを挙げると次の通りになる。
・90.1MHz以上の周波数が受信できるラジオ受信機がどれだけ普及するか。
・中波放送維持を求める声がどれだけ出るか。
・同じ周波数で整備を進めたことで不都合が起きていないかどうか。
・終夜放送の取りやめや日曜日深夜の放送終了時間繰り上げ、月曜日早朝の放送開始時間繰り下げなどに手を付けないかどうか。
・対抗関係にあるエフエム山口(FMY、山口市緑町)を窮地に追い立たせないかどうか。
・中波中継局の廃止やエフエム放送への転換の際に十分な周知を行い、苦情をあまり出さないようにできるかどうか。
 エフエム放送局への転換の先鋒的存在になっている山口放送。民間中波放送局のエフエム放送局移行に関する実証実験が行われるとされる今年、どのような動きを見せるのか。山口放送の今後からは目が離せない。

(エフエム補完放送の課題)

 私は最近自宅で中国放送ラジオを聴く場合は福山エフエム中継局(福山市千田町千田。周波数:94.6MHz)を受信して聴くことがほとんどとなっている。こちらで書いたように中国放送ラジオ福山エフエム中継局は見えるかどうかという場所に住んでいるのだが十分きれいに受信できるし音質は良いし中波放送では7年ほどで取りやめになったステレオ放送になっているのでその点は評価しているところである。
 しかし、記すまでもないことであるが中波放送のエフエム補完放送に関しては課題がないわけではない。それを示すと下表の通りになる。

立場 課題
日本放送協会 ・エフエム補完中継局を整備する目的が国内外の放送局との混信に悩まされていることや津波で被災する恐れがあることに限られていること。
・原則として本局を補完するエフエム中継局は認めていないこと
(注103)
・NHK-FMの立場が微妙なものになる恐れがあること。
・2025年度(令和7年度)をもって廃止されるという噂のあるラジオ第二放送が軽んじられている感が否めないこと。
・主たる収入源となっているテレビ放送の受信料収入が人口減少などの要因により減り、そのことで投資が抑制される恐れがあること。
民間中波放送局 ・総務省がエフエム補完放送を強制している感が否めないこと。
・総務省の要請を受けて本局付近の中継局だけ開局させたがそれっきりというところが少なくないこと。
・エフエム補完放送に関して何の説明もしない放送局が少なくないこと。
・エフエム補完放送の取り組みに対して放送局間で著しい温度差が生じていること。
・中波放送を維持すべきだという声が出る可能性があること。

・対抗関係にある都道府県域民間エフエム放送局の経営に甚大な影響を及ぼす恐れが高いこと。
・エフエム補完中継局の整備と同時並行で大幅な合理化に踏み切る恐れがあること。
・大韓民国の放送局で大半の中波中継局を廃止する動きがあることから大韓民国の放送局に追随しているのではないかと疑われる恐れがあること。
・放送局の統廃合や経営破綻、廃業が起きる恐れがあること。
・聴取者が中波放送の取りやめを機に離れていく恐れがあること。
・現在のところ都道府県域民間エフエム放送局では政見放送が流せないため
(注104)公職選挙法の改正が必要になること。
・放送局の都合が優先され、聴取者が蔑ろにされているのではないかというような疑念が浮上する恐れがあること。
・エフエム放送でも遠距離受信はできないわけではないが、基本的に遠距離受信を楽しむことができなくなってしまうこと。
・費用対効果が見込めないなどの事情により中継局が整備できない地域に関してはradikoで番組を楽しんで頂きたいというような態度をとる可能性があること。
日本放送協会/
民間中波放送局
共通
・車載ラジオ受信機(カーラジオ)について90.1MHz以上の周波数を用いている中継局の電波を受信できるものが普及していないだけでなく未だにかつてのエフエム放送の使用周波数帯(76.0〜90.0MHz)しか受信できない車載ラジオ受信機が売られていること。
・高速道路や主な国道路線のラジオ放送が受信できるようになっているトンネルでエフエム補完中継局の電波が受信できないままになっていること。
・周知活動が十分とは言えない状況があること。
・周波数を知る手段が整備されているとは言い難いこと。
・混信対策が考えられていないこと。
・ラジオ放送の未来があまり議論されておらず、将来が不透明なままになっていること。
・中波中継局の大半は設置からかなりの年数が経過していることから老朽化が進展していること。
・中波中継局はある程度広い敷地を確保し、なおかつ高い鉄塔を建てなければならないので費用がかさむこと。
・エフエム放送を受信するほうが中波放送を受信するよりも電池の消耗が速くなること。

 民間中波放送局47社中44社がエフエム放送局に転換することを予定している2028年(令和10年)秋にどんな光景が見られるのか今は皆目見当が付かない状況にあるわけであるが、私として望みたいことは次の通りである。
・中波放送局からエフエム放送局への転換は期限を区切らず、各放送局の方針や経営状況、エフエム補完中継局の整備状況に任せること。民間中波放送局47社中44社がエフエム放送局に転換することを予定している2028年(令和10年)秋まで5年以上あるのだが、それまでに中継局を多数整備しなければならない放送局は少なくないし、中継局の整備に当たってはやはり放送局の経営事情が大きく関わってくる。中波放送局からエフエム放送局への転換の時期を2028年(令和10年)秋としたのは放送免許の更新の時期に当たることが理由のようなのだが、radikoへの参入や終夜放送の実施などと同じように任意で行うべきものなのだから「転換時期としている2028年(令和10年)秋はあくまでも目安。放送局の事情によってはそれより前にやっても後にやっても構わない」というような声明は出せないものであろうか。
・エフエム補完中継局の整備や中波放送局からエフエム放送局への転換などについて放送局は説明責任を果たすこと。STVラジオ・北海道放送ラジオ・秋田放送ラジオ(ABS、秋田市中通七丁目)以外の民間中波放送局は中波放送局からエフエム放送局に転換することを決めているが、中波放送局からエフエム放送局に移行するまでにどのようなことをするのかを明らかにしてないところや「一日も早く私が住んでいる○○市にエフエム補完中継局を設置して欲しい」というような要望や「なぜエフエム補完放送を進めないのか。中波放送局からエフエム放送局に転換することを決めているのに何をしているのか」というような苦情、「いつになったら私の住んでいる××市にエフエム補完中継局を設置するのか。ずっと待っているのだが…」というような疑問に対して一切対応しないでいるところが多いように思う。「なぜそのようにするかは分かるでしょ。そのくらいは考えなさいよ」というような上から目線も甚だしい態度をとるのではなく、聴取者に寄り添う姿勢は示せないものであろうか。そのようにしないと聴取者離れを一層加速させることを放送局側は考えて頂きたいものであるのだが…。
・エフエム補完放送の普及に合わせて周辺の整備も行うこと。私としてどうかと思うのは未だに自動車用品店でかつてのエフエム放送の使用周波数帯しか受信できない車載ラジオ受信機が売られていることやラジオ放送が受信できるようになっているトンネルでエフエム補完中継局の電波が受信できないままになっていること、都道府県域民間エフエム放送局では政見放送が流せないことである。立派なものを作ったけれど周辺整備が遅れたために効果が発揮できなかったという話はよくあることであるが、ラジオ業界では平成時代初頭に登場した中波ステレオ放送やエフエム文字多重放送が程なくして廃れていったことを考えるとそれらの二の舞だけは避けなければならない。まあエフエム補完放送は総務省が推進していることや放送局は総務省からの補助を受けて中継局を建設していることを考えれば中波ステレオ放送やエフエム文字多重放送のようにはならないのではないかと思うのだが…。
・中波放送・エフエム放送とも極力周波数を統一し、放送区域内で周波数を合わせ直す回数を減らすように努めること。放送区域内の中継局の周波数を統一することは一部の民間中波放送局でしか行われていないこと(注105)だと思う方がいるかもしれないのだが、市区町村を放送区域とするコミュニティ放送局で本局と中継局の周波数が異なる例は一切ないし民間中波放送局のエフエム補完放送で同じ周波数だけで中継局を整備しているところも山梨放送ラジオや中国放送ラジオなどいくらかある。このように考えると周波数を統一するのはどの放送局でもできることではないかと考えたくなる。無論周波数統一には課題がないわけではないが利便性が大きく向上することや使用周波数が削減でき、電波混雑を解消できること、混信が回避できるようになること、どの民間中波放送局よりも歴史が浅く、経営環境が厳しい都道府県域民間エフエム放送局の打開策の一つになり得ることなどを考えれば考えても良いように思われる。
・受信障害対策中継局制度の導入を考えること。中国地方では2021年(令和3年)に三原市を放送区域としているコミュニティ放送局・FMみはら(愛称:FOR LIFE RADIO。三原市宮沖五丁目)が導入しただけであるが、どの市区町村も財政事情が厳しいことやラジオ放送を聴く人が少なくなっていることなどから導入に積極的な市区町村は多くはない。しかし、いわゆる平成の大合併で広大な行政区域を有する市区町村が各地で発足したことやラジオ放送の中継局が費用対効果が見込めないことなどから設置されず、結果受信しづらい地域を多く抱えている市区町村が少なくないこと、幹線道路が通っているのに地形的な問題でラジオ放送が受信しづらい市区町村が少なくないこと、そしてラジオ放送は自動車で移動する方にとっては貴重な情報源になっていることを考えればもっと導入に向けた動きが起きても良いのではないのだろうか。受信障害対策中継局の設置に関しても総務省から補助が出ることになっているのでどうかなと思っている市区町村は検討しても良いように思われる。
・放送局の周波数を知る手段を増やすこと。自動車に乗っている時の過ごし方が多様化したことから自動車に乗っている時ラジオ放送をかける方は昔ほど多くはないかもしれないが、自分がいるところで受信できる放送局の周波数が分からないことで困ったという方は少なくないのではないのだろうか。何かあった時情報を得られるようにするためにも恒久的な休憩所(サービスエリア・パーキングエリア・道の駅・駐車場など)や自治体境、ラジオ放送が受信できるトンネルの入口などにその辺りで受信できるラジオ局の周波数を記した標識を設置すればもっと多くの方に注目され、聴かれるようになるのではないのだろうか。
・もし中波放送を継続するのであれば日本放送協会と中継局を共同化することを考えること。中波中継局は用地を広くとらざるを得ないことや高い鉄塔を建てなければならないこと、民間放送・日本放送協会とも収入が減ることを考えれば同じ地域に電波を送る中継局は一つにまとめ、費用を折半することは考えられても良いのではないのだろうか。共同中波中継局は中国地方には府中市にしかないが、状況如何によってはまだ増える可能性も考えられるところである。
・エフエム放送の使用周波数帯についてどのようにするのか結論を出すこと。現在は76.0〜95.0MHzとなっているが、現在それを76.0〜108.0MHzにするのかどうかの議論が続けられている。海外の放送局では108.0MHzがエフエム放送に使用されている周波数の上限になっていることやテレビ放送のデジタル化に伴いアナログテレビ放送の1〜3chに相当する部分の周波数(90.1〜108.0MHz)が使えるようになったこと(注105)、99.0〜108.0MHzはテレビ放送がデジタル化された後移動受信用基幹放送(V-Lowマルチメディア放送)が使っていたが現在は使用されなくなっていること(注106)、今後もコミュニティ放送局の開局や中波放送局のエフエム補完中継局の整備により需要が増えると予想されていることなどを考えると76.0〜108.0MHzにするのは好ましいように思われるが長らく議論が続いているもののなかなか結論が出ないままになっている。コミュニティ放送局は増えつつはあるがまだ存在しないところが少なくないことや経営難などの事情により廃業に追い込まれたところが少なくないこと(注107)、中波放送局のエフエム補完中継局の整備は放送局間で著しい温度差が生じていること、市販のラジオ受信機はともかく車載ラジオ受信機は99.1MHz以上の周波数を受信できるものが未だに製造・販売されていないこと、今後の少子・高齢化などによる人口減少により反対に需要が減ることも考えられることなどが背景にあるものと思われるが、多くの国々でエフエム放送の使用周波数の上限は108.0MHzとなっていることを考えると需要がどうなるかはともかくとして日本もそれに合わせる必要があるのではないのだろうか。
・この放送局と言えばこれ!! というようなものを持つように努めること。看板アナウンサーや長寿番組、独自性などいろいろ挙げられるところであるが、「聴取率が見込めないから…」とか「価値観は数年で激変してしまうから…」とか「他の放送局と同じことをしないと遅れていると見なされてしまうから…」などと言って積極的になれないところが多いのではないのだろうか。もしそういうものが一つでもあれば放送区域内外から注目される存在になり、放送局の利益にも繋がることになると思うのだがどうであろうか。
・放送局の多様化を認めること。私としてどうかと思っているのは同じことをしないと遅れているとか変わっていると見なす風潮が根強いことである。終夜放送の実施やradikoへの参加、エフエム補完放送の実施などいくつも挙げられるのだが、例えば都道府県域民間エフエム放送局でスポーツ中継や高齢者向け番組が設定されるとか「私どもの放送局は○○には手を付けません」と宣言するというようなことをする放送局が出たらそれはそれで注目される存在になる。特に都道府県域民間エフエム放送局は民間中波放送局がエフエム放送局に転換すると厳しい状況に叩き込まれるところが多いことや深夜・早朝・週末はどこも同じ番組ばかりでどうかと思うような状況が生じていることを考えると困難は伴うかもしれないのだが考えても良いように思う。
・radikoをもっと活用するように努めること。radikoについては本来の放送より数秒ずれることや地域別放送に対応していないこと、諸事情により流せない番組があること、まだその存在を知らない方が少なくないことなどの課題があるが、参加している放送局の放送区域内であれば無料で使えることを考えるとこれほど便利なものはないと言える。radikoに参加しているから中継局の設置はしなくても良いということになっては困るのだが、中継局設置と同時並行でradikoを用いて番組を楽しむことができることを広く知らせる必要があるのではないのだろうか。
・ラジオ放送の将来について真剣に考えること。今後放送業界がどのようになっていくのか皆目見当が付かない状態になっているのだが、放送波の問題や放送区域の在り方、経営破綻した際の廃業を回避するための対策、デジタル化、インターネットとの関係など考えなければならないことはいくつも挙げられる。確かに中波ステレオ放送やエフエム文字多重放送などすぐに廃れてしまったものが多いことや聴取者人口が減っていることなどからそういう問題に積極的に取り組むのはどうかと思う方が少なくないかもしれないのだが、今後も生き残り、多くの方々に親しまれるためには何をなすべきか考える時期が来たように思う。無論将来を検討するに当たっては聴取者など一般市民の意見も取り入れ、多くの方々が納得するものを作り上げることは忘れてはならない。

 日本でラジオ放送が始まって間もなく一世紀が経過する。日本初のラジオ放送は中波放送だったから日本の中波放送の歴史も間もなく一世紀が経過することになる。今年放送開始70周年を迎える日本のテレビ放送は白黒からカラーへ、アナログ放送からデジタル放送へ、モノラル放送から音声多重放送へ、VHF電波からUHF電波へそれぞれ移行し、進化を遂げたが、ラジオ放送はどうなるのだろうか。今秋から始まるとされる民間中波放送局のエフエム放送局移行に関する実証実験はラジオ放送の転機の一つになる可能性もあるわけであるが、その今後はできる限り注目し続けていきたいと思う次第である。

(注釈コーナー)

注1:国道178号線岩美道路は岩美インターチェンジ東浜インターチェンジ間に企図された道路であり、岩美インターチェンジ浦富インターチェンジ間約1.9kmについては2016年(平成28年)3月26日に開通している。

注2:内訳は国道9号線大田・静間道路が約5.0km、国道9号線静間・仁摩道路が約7.9kmとなっている。

注3:出雲インターチェンジ〜出雲多伎インターチェンジ間の山陰自動車道、すなわち国道9号線出雲・湖陵道路(出雲インターチェンジ湖陵インターチェンジ〔仮称。出雲市湖陵町三部〕間。延長:約4.4km)と国道9号線湖陵・多伎道路(湖陵インターチェンジ出雲多伎インターチェンジ間。延長:約4.5km)はともに2024年度(令和6年度)開通予定となっている。もし国道9号線出雲・湖陵道路と国道9号線湖陵・多伎道路が開通すると大栄東伯インターチェンジ(鳥取県東伯郡琴浦町槻下)石見福光インターチェンジ(大田市温泉津町福光)間が自動車専用道路で結ばれることになり、利便性が大幅に向上することになる。

注4:「しまじろう」シリーズの題名の変遷は次の通りである。
・「しましまとらのしまじろう」(1993〜2008年〔平成5〜20年〕放送)
・「はっけん たいけん だいすき! しまじろう」(2008〜2010年〔平成20〜22年〕放送)
・「しまじろうヘソカ」(2010〜2012年〔平成22〜24年〕放送)
・「しまじろうのわお!」…(2012年〔平成24年〕放送開始)
なお、全編がアニメ番組だったのは「しましまとらのしまじろう」だけであり、「はっけん たいけん だいすき! しまじろう」「しまじろうヘソカ」「しまじろうのわお!」は実写部分が入るため純粋なアニメ番組ではなくなっている。

注5:テレビ新広島の場合、「しまじろうのわお!」のネットは昨年9月25日放送の第537回をもって最終回となったのだが、同じ日の夕方に日本BS放送ではテレビ新広島では放送されることのない最初の回となる第538回が放送されており、その事実に気付いていれば一話も欠かさず見続けることはできるようになっている。但しテレビ新広島など「しまじろうのわお!」のネットを取りやめた都道府県域民間テレビ放送局が今後は日本BS放送でご覧頂くように呼びかけたかどうかは定かではなく、その事実を知らない方も多数いるのではないかと思われる(商売敵になることや衛星テレビ放送を見られる環境を備えていない方が少なくないことを考えればそういう案内はしなかったのではないかと思うのだが…)。

注6:日本BS放送では現在もベネッセコーポレーションは番組提供を続けているが、テレビ東京系列に属していない都道府県域民間テレビ放送局においては少なくともテレビ信州(TSB、長野市若里一丁目)とテレビ金沢(KTK、金沢市古府二丁目)で番組提供を行わなくなったとの情報を私は得ている。

注7:次に挙げるようなことが考えられる。
・「番組を再開しないと危害(爆破・殺害・放火など)を加える」などと言うこと(脅迫となり、記すまでもなく触法行為となる)。
・「番組の打ち切りで深く傷付いた。慰謝料X万円を支払え」などと言うこと(恐喝となり、記すまでもなく触法行為となる)。
・「番組を再開しないと自殺する」などと言うこと。
・電子メールなどで番組再開を要望したのに無視したため放送局やスポンサーを務める企業に押しかけ、番組の放送再開を勝ち取るべく直談判しようとすること。
・電子メールなどで番組再開を要望したのに無視したため放送局やスポンサーを務める企業に押しかけ、触法行為(職員などを殺傷する、放火する、暴れる、器物を損壊する、暴言を吐くなど)に及ぶこと。
・電子メールなどで番組再開を要望したのに無視したため放送局やスポンサーを務める企業に押しかけ、壁や掲示板などに放送局やスポンサーを務める企業を誹謗・中傷するようなことを書いた紙を貼りまくること。
・電子メールなどで番組再開を要望したのに無視したため放送局やスポンサーを務める企業に危険物(爆発物や刃物など)を入れた郵便物を送り付けること。
・インターネットの掲示板や自分がアカウントを所有するSNS、自分が運営しているサイト・ブログなどで番組を打ち切った放送局やその番組のスポンサーを誹謗・中傷するようなことや危害を加えることを予告するようなことを書き込むこと。
・インターネットの掲示板や自分がアカウントを所有するSNS、自分が運営しているサイト・ブログなどであまりにもぶっ飛んだ主張(非現実的なものや過激なもの、ごく一部の人しか支持しないものなど)を書き込むこと。
「こういうことはあり得ないしやったとしても誰もそういうことをした人を英雄扱いはしない。ただそういうことをした人はバカにされるだけだ」と思う方が多いのではないかと思うのだが、残念ながら日本でも放送局を標的としたテロ事件がいくつか起きている。それを挙げると次の通りになる。
・ニッポン放送(LF、東京都千代田区有楽町一丁目)への爆発物送付事件(1993年〔平成5年〕7〜8月に2件発生)。いずれも長寿深夜番組「オールナイトニッポン」で喋り手を務める女性タレント(一件目は女優、二件目は女性歌手)に宛てたものだった。
・日本テレビ放送網(NTV、東京都港区東新橋一丁目)への爆発物送付事件(1994年〔平成6年〕12月21日/1997年〔平成9年〕7月16日)。1994年(平成6年)の事件はその年高視聴率を記録した日本テレビ放送網制作のドラマで主演を務めた女優に、1997年(平成9年)の事件は日本テレビ放送網の女性アナウンサーにそれぞれ宛てたものであり、いずれの事件も負傷者を出している。
これらの事件はいずれも未解決のまま(1997年〔平成9年〕に日本テレビ放送網で起きた事件以外は既に公訴時効が成立している。唯一公訴時効が成立していない1997年〔平成9年〕に日本テレビ放送網で起きた事件も物証が乏しいなどの事情から捜査は行き詰まっており、警視庁〔東京都千代田区霞が関二丁目〕の公式サイト〔それはこちら〕の未解決事件の情報提供を呼びかけているページには掲載されていない)であり、動機は不明のままとなっているのだが、放送局の方針やそこが制作・放送する番組が気に入らないから爆発物を送って誰かを殺傷し、財産に損害を与えてしまえという発想はどうなのだろうと思いたくなる。
ただ、私として思うのは放送局はもう少し視聴者または聴取者の目線に立って頂きたいということである。今回のテレビ新広島・テレビ山口などにおける「しまじろうのわお!」打ち切りの件では前記放送局での最終回が放送された日の新聞のテレビ欄には一切最終回記号が付されなかったことや番組の最後で今回をもって終了する旨の表示がなされたことで初めて最終回である旨を示したこと、(商売敵になることや衛星テレビ放送を見られる環境を備えていない方が少なくないことを考えての措置ではあったのだろうが)今後は日本BS放送で日曜日午後5時30分〜午後6時に放送されているのでそちらでご覧頂きたい旨の案内を行わなかったことがどうかと思うわけであるが、そこまで視聴者や聴取者を蔑ろにして何が良いというのだろうか。確かに番組のネット維持に努めなかったベネッセコーポレーションの態度もどうかとは思うのだが、視聴者や聴取者を蔑ろにする態度をとり続けるのであれば視聴者や聴取者に見限られ、ますます窮地に追い立たされる恐れがあることを考えて頂きたいのである。
そこで私として放送局に望むのは次に挙げる点である。
・回答するのがどうかと思うようなものでない限り視聴者または聴取者からの意見や疑問、要望にはきちんと答えること。
・自分の考えに合わないものは排除したり無視したりするというような姿勢をとらないように努めること。
・番組の打ち切りなど視聴者または聴取者がどうかと思うことに対しては機密事項に触れない範囲内で理由を説明すること。
・「視聴率または聴取率が芳しくなかったから」とか「大人の事情があったから」というような言葉でごまかさないように努めること。
・要望などですぐにでもできるようなことはすぐに取りかかること。
・番組の最終回については少なくとも最終回放送の半月前までに周知するように努めること。
・番組の最終回については突発的な打ち切りでない限り最終回記号を付すように努めること。
・スポンサーを務めている企業が経営環境の悪化などを理由にスポンサーを降板することになった場合、打ち切りを回避するためにも代替スポンサーを見つけて番組継続に努めること。
・もし他の方法で番組を引き続き視聴または聴取できるのであればその旨を最終回放送時に示すこと(但し放送区域のほとんどの地域で可能なものに限る)。
・視聴者または聴取者から放送再開を求める声がある程度出た場合、前向きに検討するように努めること(但し視聴率が見込めないものや放送しても意味がないものなどはその旨を伝えて却下するものとする)。
・クラウドファンディングスポンサー制度を導入し、視聴者または聴取者がスポンサーになれるようにすること。
・番組審議会の一部を公開生放送化し、そこでSNSなどを用いて視聴者または聴取者からの意見を募るようにすること。
都道府県域民間放送の今後は非常に不透明な状況にあるが、そこで生き残るためには何をなすべきなのか、真剣に考えるべき時期が来たと私は思うのだが果たして…。

注8:「しまじろう」シリーズ開始前のテレビせとうち制作のアニメ番組は次の通りである。
・「アイドル伝説えり子」(1989〜1990年〔平成元〜2年〕放送)
・「アイドル天使ようこそようこ」(1990〜1991年〔平成2〜3年〕放送)
・「ゲッターロボ號」(1991〜1992年〔平成3〜4年〕放送)
・「花の魔法使いマリーベル」(1992〜1993年〔平成4〜5年〕放送)
・「無責任艦長タイラー」(1993年〔平成5年〕放送)
放送期間は「アイドル伝説えり子」「ゲッターロボ號」「花の魔法使いマリーベル」は1年間、「アイドル天使ようこそようこ」は10ヶ月間、「無責任艦長タイラー」は6ヶ月間となっている。1年未満で終了した作品が二つもあることや地域によっては放送されずじまいになった作品があること(例えば山口県ではテレビ山口で「アイドル天使ようこそようこ」と「花の魔法使いマリーベル」は放送されていたがその他の作品は放送されていない)など「しまじろう」シリーズ開始前の作品は不遇だった感が否めない。

注9:テレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局の放送区域に含められていない、政令指定都市を擁する府県としては宮城県(仙台市)・新潟県(新潟市)・静岡県(静岡市・浜松市)・京都府(京都市)・兵庫県(神戸市)・広島県(広島市)・熊本県(熊本市)がある。このうち宮城県・静岡県・京都府・兵庫県・広島県については過去に系列局を新設しようという構想が浮上したことがあるが実現しないままになっている。

注10:特に顕著だと言えるのはテレビ東京及びその系列局制作のアニメ番組である。広島県を放送区域とする都道府県域民間テレビ放送局の場合、テレビ東京及びその系列局制作のアニメ番組で放送されているのは広島ホームテレビ(HOME、広島市中区白島北町)が放送している「ポケットモンスター」シリーズだけになっている。

注11:例えば福山市の北東隣にある井原市はテレビせとうちの中継局は未だに設置されないままになっており(アナログ時代に計画はあったが経営事情が厳しかったことにより見送りになり、デジタル時代では一切計画されていない)、テレビせとうちを視聴するためには地元のケーブルテレビ業者・井原放送(井原市井原町)に加入するしか方法がない状態が続いている。

注12:本文で掲げた表でも示した通り「しまじろうのわお!」は岐阜県・京都府・兵庫県・高知県・佐賀県・宮崎県を放送区域としている都道府県域民間テレビ放送局では放送されていない。

注13:ラジオ番組での話になるのだが、情報番組「トゥナイト2」(テレビ朝日系。1994〜2002年〔平成6〜14年〕放送)随一の人気女性レポーターとして知られるせがわきりを喋り手に擁し、七大都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)に本社のあるJFN系列に属する都道府県域民間エフエム放送局7社(エフエム北海道〔愛称:AIR-G'。札幌市中央区北一条西二丁目〕・エフエム仙台(愛称:Date fm。仙台市青葉区本町二丁目)・エフエム東京〔愛称:Tokyo fm。東京都千代田区麹町一丁目〕・エフエム愛知〔FMA、名古屋市中区千代田二丁目〕・エフエム大阪〔愛称:FM OH!。大阪市浪速区湊町一丁目〕・広島エフエム放送・エフエム福岡〔福岡市中央区清川一丁目〕)に限って放送する番組として始まった「RADIO MAGAZINE WHAT'S IN?」(1996〜2006年〔平成8〜18年〕放送)がその有名な例である。スポンサーを務めていたソニー・マガジンズ(現:エムオン・エンタテインメント〔東京都港区六本木三丁目〕)の経営環境の悪化により2003年(平成15年)春をもってエフエム仙台と広島エフエム放送でのネットが打ち切られたのだが、それからいくらか経ってからソニー・マガジンズ一社提供番組からソニー・マガジンズと清涼飲料水製造会社のチェリオコーポレーション(京都市南区上鳥羽石橋町)の複数社提供番組に移行したのである。ソニー・マガジンズの経営環境が更に悪化したことが背景にあるものと思われるのだが複数社提供番組移行は功を奏さず、結局エフエム仙台・広島エフエム放送でのネット打ち切りから3年後に番組終了に追い込まれている。複数社提供番組に移行したことが成功しなかった原因としては2004年(平成16年)3月末をもってせがわきりが番組を降板したことやソニー・マガジンズはエフエム仙台・広島エフエム放送でのネット打ち切りの際に不手際をいくつも引き起こしたこと、もしエフエム仙台や広島エフエム放送のネット復帰を念頭に置いた策だったとしたら屈辱を味わわされたエフエム仙台・広島エフエム放送にとってみれば未練がましいことでしかないこと、チェリオコーポレーションの知名度が高いとは言えなかったことなどが挙げられる。

注14:現在ジャパネットブロードキャスティング(愛称:BSJapanext。東京都中央区新川一丁目)で放送されている「パネルクイズ アタック25」が有名な例である。朝日放送テレビ(ABC、大阪市福島区福島一丁目)が制作し、テレビ朝日系列に属する都道府県域民間テレビ放送局で長年放送されていた「パネルクイズ アタック25」は2021年(令和3年)9月26日をもって46年半の歴史に終止符を打ったのだが、その半年後の2022年(令和4年)3月27日からジャパネットブロードキャスティング・朝日放送テレビ共同制作の「パネルクイズ アタック25Next」としてジャパネットブロードキャスティングで放送されている。

注15:BS日本(愛称:BS日テレ。東京都港区東新橋一丁目)の「それいけ! アンパンマンくらぶ」やBSフジ(東京都港区台場二丁目)の「ガチャムク」、ジャパネットブロードキャスティングの「ベイビーシャークのわくわくショー」などが挙げられる。

注16:その時の宣伝の放送状況は次の通りである。
・ベネッセコーポレーションが販売しているこどもちゃれんじの宣伝…4本(15秒×4本=60秒)
・日本BS放送が放送する番組の宣伝…2本(15秒×1本+30秒×1本=45秒)
・八幡物産(米子市二本木)が製造・販売している健康食品の宣伝…1本(60秒×1本=60秒)
・チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー日本支店(東京都中野区東中野三丁目)が販売している自動車保険の宣伝…2本(15秒×1本+30秒×1本=45秒)
・コンサート(日本BS放送主催のものだったかどうかは未確認)の宣伝…1本(30秒×1本=30秒)
27分30秒間となる「しまじろうのわお!」の放送時間で宣伝の放送に割り当てられた時間は4分間となるのだが、ベネッセコーポレーションの宣伝が流れたのはそのうちの4分の1に相当する1分間しかなかったことが今記したことからうかがえる。

注17:テレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局各社の放送区域人口は下表の通りである(人口は2020年〔令和2年〕10月1日実施の国勢調査による)。

放送局名 放送区域に
含めている
都道府県名
人口 備考
テレビ北海道 北海道 5,224,614人
テレビ東京 茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
43,653,441人 内訳は茨城県286万7,009人/栃木県193万3,146人/群馬県193万9,110人/埼玉県734万4,765人/千葉県628万4,480人/東京都1,404万7,594人/神奈川県923万7,337人。
テレビ愛知 愛知県 7,542,415人
テレビ大阪 大阪府 8,837,685人
テレビせとうち 岡山県
香川県
2,838,676人 内訳は岡山県188万8,432人/香川県95万244人。
TVQ九州放送 福岡県 5,135,214人

参考までに政令指定都市があるがテレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局が存在しないかテレビ東京系列に属する都道府県域民間テレビ放送局の放送区域に含められていない府県の放送区域人口は下表の通りである(人口は2020年〔令和2年〕10月1日実施の国勢調査による)。

府県名 人口 備考
宮城県 2,301,996人
新潟県 2,201,272人
静岡県 3,633,202人
京都府 2,578,087人
兵庫県 5,465,002人
広島県 2,799,702人
熊本県 1,738,301人

注18:テレビせとうち以外の「せとうち」または「瀬戸内」という単語が入っている主な企業名・自治体名・学校名を挙げると下表の通りになる。

所在県名 名称 概要
岡山県 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部 ・笠岡市西部の臨海埋立地に1991年(平成3年)に開業したゴルフ場。
・名称にある「JFE」はJFEスチール(東京都千代田区内幸町二丁目)のことである。JFEスチールの大規模な製鉄所が広島県福山市東部にあることはよく知られているが、岡山県笠岡市西部にも製鉄所の敷地があり、その東側(敷地跡地)に建設されたゴルフ場である。無論所在地の表記は笠岡市鋼管町である。
・開催されない年もあったのだが、毎年7月にイギリスで開催される全英オープン選手権の日本代表選手最終選考会となる全英への道 ミズノオープンが毎年5月に開催されるゴルフ場として知られている。
・2022年(令和4年)11月にはBS朝日(東京都港区六本木六丁目)で毎週月曜日の夜に放送されている「極上! ゴルフ場探訪」で3回にわたって紹介されている。
瀬戸内市 ・岡山市の東隣にある自治体で、2004年(平成16年)11月1日に邑久郡牛窓・邑久・長船各町が統合して発足した。
・邑久郡に属する自治体だけで統合を行い、発足した自治体であるが、自治体の名称が邑久市とならなかったのは「邑久」が自治体名として使われていたからだと思われる。それまでの自治体とは関係はないが地域を象徴する地名を自治体名に用いることで新生を期したかったという思いがあったのだろう。
・市名は市域の東部から南部にかけての地域が瀬戸内海に面していることに由来する。瀬戸内海に面していることを生かした観光施設が牛窓地区や邑久地区東部にいくつも建てられている。
・岡山市とは国道2号線(国道250号線重用)や岡山県道28号岡山・牛窓線、岡山県道397号寒河・本庄・岡山線(愛称:岡山ブルーライン)、JR赤穂線で結ばれていることもあって岡山市のベッドタウンとしての性格も有している。
・長船地区は西国街道(山陽道)と吉井川が交差するところだったこともあり、中世には商業集積が見られ、更に刀剣の名産地として知られるようになった。中世に商業集積が見られたところの大字は福岡というのだが、実はこの福岡が九州地方最大の都市である福岡市、更には福岡市を県庁所在地とする福岡県の地名の由来になっている(江戸時代初頭に福岡に居城、すなわち福岡城〔福岡市中央区城内〕を築いた黒田如水〔黒田孝高とも称する。1546〜1604〕の先祖が福岡に住んでいた)。
・邑久地区東部の瀬戸内海に浮かぶ長島はハンセン病患者の療養所が設置されていることで知られている。
・瀬戸内市出身の有名人としては大正時代に画家として活躍した竹久夢二(1884〜1934)がいる。
広島県 せとうち銀行 ・呉相互銀行(呉市本通二丁目。1951〜1989)が1989年(平成元年)に普通銀行に転換した際に発足した銀行(そのような銀行を当時は第二地方銀行と称していた)。
・広島県を主たる営業区域とする地方銀行としては唯一広島市以外に本店を置く銀行として知られていたが、2004年(平成16年)5月1日に呉相互銀行と同じく第二地方銀行だった広島総合銀行(広島市中区胡町。1989〜2004。前身は広島相互銀行〔広島市中区胡町。1951〜1989〕)と合併し、もみじ銀行(広島市中区胡町)に移行したため消滅した。
瀬戸内産交 ・呉市蒲刈町田戸に本社を置いている路線バス事業者。
・本土と下蒲刈島を結ぶ安芸灘大橋(全長:1,175m)の開通(2000年〔平成12年〕1月18日)を契機に呉市中心部・広地区と呉市東部の瀬戸内海に浮かび、本土と橋で結ばれている島々(大崎下島・上蒲刈島・下蒲刈島・豊島)を結ぶバス路線を運営する会社として防予汽船(現:防予フェリー〔柳井市柳井〕)によって設立された。
・その後上蒲刈島と豊島を結ぶ豊島大橋(全長:903.2m)の開通(2008年〔平成20年〕11月18日)を契機とした路線再編により呉市中心部と呉市東部の瀬戸内海に浮かび、本土と橋で結ばれている島々を結ぶバス路線はさんようバス(豊田郡大崎上島町東野)に移管したため現在は中国労災病院(呉市広多賀谷一丁目)と呉市東部の瀬戸内海に浮かび、本土と橋で結ばれている島々を結ぶバス路線をさんようバスとともに運行している。
・この他中国労災病院と呉市川尻地区を結ぶ呉市生活バスの運行も担っている。
瀬戸内海汽船 ・広島市南区宇品海岸一丁目に本社を置いている海運業者。
・現在は広島〜呉〜松山間のフェリーボートや高速船を運行している(フェリーボート・高速船とも全ての便が呉市を経由するわけではなく、広島〜松山間直行便もある)他、広島湾を航行するクルーズ船を所有している。
広島県瀬戸内高等学校 ・広島市東区尾長西二丁目にある、学校法人松本学園が運営している私立高等学校。
・1901年(明治34年)に現在の東広島市で小学校教員養成を目的として創設した私立松本学校を始祖とし、その後幾多の変遷を経て現在の校名になったのは1972年(昭和47年)のことである。現在の校名になった時点では男子校だったが、2002年(平成14年)から共学校に転換している。
・硬式野球部とサッカー部はこれまでに何度か全国大会出場を果たしている。
・120年以上の歴史を有していることもあり、有名人を多数輩出している。スポーツ選手だけでなく芸能人や作家などその分野は多岐に及んでいる。
香川県 瀬戸内海放送 ・岡山・香川両県を放送区域とする、テレビ朝日系列に属する都道府県域民間テレビ放送局。
・1967年(昭和42年)11月1日に予備免許を取得した時は新日本放送という社名だったが翌1968年(昭和43年)2月19日に現行社名に変更した。
・1969年(昭和44年)4月1日に開局した時は香川県だけを放送区域としていたが1979年(昭和54年)からは岡山県も放送区域に含めている。
・2021年(令和3年)1月18日に本社は高松市西宝町一丁目から高松市上之町二丁目に移転した。新本社には同じ日に高松市西宝町一丁目(瀬戸内海放送旧本社の東隣)から移転してきたエフエム香川(高松市上之町二丁目)が入居している(エフエム香川の筆頭株主を瀬戸内海放送が務めていることが背景にあるものと思われる)。
・余談だが広島ホームテレビが1969年(昭和44年)11月18日に予備免許を取得した時に用いていた社名は瀬戸内海放送であった(1969年〔昭和44年〕12月25日に現行社名に変更して翌1970年〔昭和45年〕12月1日に開局している)。
愛媛県 瀬戸内運輸 ・今治市東門町一丁目にある路線バス事業者で、せとうちバスという愛称で知られている。
・路線バスの営業範囲は愛媛県東部(いわゆる東予地方)となっている。
・高速バス路線もいくつか持っており、中国地方関係では広島市と今治市を結ぶ路線と、福山市と今治市を結ぶ路線が存在する。
鹿児島県 大島郡瀬戸内町 ・九州本土の南方の海上にある奄美大島の南西部にある自治体で1956年(昭和31年)9月1日に大島郡古仁屋町及び実久・鎮西・西方各村が統合して発足した。
・町名は奄美大島と加計呂麻島の間にある大島海峡を瀬戸内と呼称することに由来する。
・行政区域は奄美大島の南西部と、奄美大島の南方にあるいくつかの島々で構成されている。中心部と島々の往来は旅客船が担っている。
・大島郡瀬戸内町出身の有名人としては「ワダツミの木」などのヒット曲を持つ歌手の元ちとせがいる。
エフエムせとうち ・2012年(平成24年)4月25日に開局した、大島郡瀬戸内町を放送区域としていたコミュニティ放送局。
・特定非営利活動法人が運営するコミュニティ放送局で、大島郡瀬戸内町役場(大島郡瀬戸内町古仁屋)に本社・演奏所を設置し、町内3箇所(古仁屋〔本局〕・阿室釜・与路島。いずれも周波数は76.8MHz)に中継局を設置していた。
・自社制作番組の他には南日本放送ラジオ(MBC、鹿児島市高麗町)や他の奄美大島にあるコミュニティ放送局が制作した番組が放送され、終夜放送を実施していた。
・しかし、コミュニティ放送の目的に合わない放送を展開していたこと(詳細は不明)が問題視され、大島郡瀬戸内町が新たなコミュニティ放送局を公募することにしたのだが、その際エフエムせとうちの運営者は名乗りを挙げなかったため2021年(令和3年)2月28日をもって放送を終了し、8年10ヶ月間の歴史に終止符を打っている(鹿児島県におけるコミュニティ放送局の廃業はエフエムせとうちが初の事例となっている)。ただ、放送終了に関する報道はあったのだが放送区域人口が少ないことや監督省庁の総務省九州総合通信局(熊本市西区春日二丁目)が廃業に関する報道発表を一切行わないこと、公式ブログ(それはこちら)は廃業4年半前の2016年(平成28年)8月30日を最後に更新されなくなったことなどからどのような形で終焉を迎えたのかは分かっていない。
・奄美大島にある自治体(奄美市・大島郡笠利町・大島郡瀬戸内町・大島郡龍郷町・大島郡宇検村)は全てコミュニティ放送局の本社・演奏所・中継局のいずれかを有していたのだが、エフエムせとうちの廃業により大島郡瀬戸内町がいずれも有しなくなったため大島郡瀬戸内町はコミュニティ放送局の施設のない奄美大島唯一の自治体となった(但しそれは2022年〔令和4年〕1月26日にせとうちラジオ放送〔愛称:せとラジ。大島郡瀬戸内町古仁屋〕が開局したことにより解消されている)。
・廃業から2年近く経っているのだが、公式ブログ(それはこちら)は未だに残っている。公式サイトや公式ブログ、公式SNSを放置したまま廃業したコミュニティ放送局はいくつもあるのだが、そういうコミュニティ放送局はほとんどの場合経営難に見舞われて廃業に追い込まれていることを考えると経営難が起きた上に運営者間で何らかの問題が起き、そこからコミュニティ放送局の目的に合わない放送を行うようになったのでは…と考えたくなる。まあ真相は恐らく永久に明かされないことであろうが…。
せとうちラジオ放送 ・2022年(令和4年)1月26日に開局した、大島郡瀬戸内町を放送区域とするコミュニティ放送局でせとラジという愛称を持っている。
・エフエムせとうち(大島郡瀬戸内町古仁屋。2012〜2021)と同じ周波数(76.8MHz)を用いて開局したのだが、本社・演奏所は大島郡瀬戸内町役場ではなくせとうち海の駅(大島郡瀬戸内町古仁屋)に設置されたことやエフエムせとうちが中継局を設置していた与路島(大島郡瀬戸内町中心部から見て加計呂麻島の更に向こうにある島)には中継局を設置しなかったこと(つまり中継局は古仁屋〔本局〕・阿室釜の2箇所となる)など異なる点がいくつもある。無論運営者も異なっており、せとうちラジオ放送はエフエムせとうちの後継的企業と位置付けられていない。
・自社制作番組の他には南日本放送ラジオやエフエム鹿児島(愛称:μFM。鹿児島市東千石町)、他の奄美大島にあるコミュニティ放送局が制作した番組が放送され、終夜放送を実施している。

瀬戸内海またはせとうちと言えば中国地方と四国地方を分ける海の名称として広く知られているが、そこから遠く離れた鹿児島県の奄美諸島にも「瀬戸内」という地名があるのは興味深いところである(上表でも記した通り大島海峡を瀬戸内と呼称していることが由来となっている)。

注19:私の友人で下関市立大学学園祭情報局〜中国地方最古参の市立四年制大学の学園祭のきのう・きょう・あす〜」というサイトを運営している中島孝祐さんから聞いた話なのだがある年―テレビせとうちが開局した1985年(昭和60年)以降のことになるのだが―の下関市立大学(下関市大学町二丁目)の学園祭のパンフレットで「テレビ瀬戸内」という誤記があったのを見たことがあるという。

注20:ジャパネットブロードキャスティングで中国放送テレビ制作の「元就。」が、BSよしもと(大阪市中央区難波千日前)で日本海テレビジョン放送制作の「ガンバレルーヤの週末移住バラエティ 冠ルーヤ」と山陰中央テレビジョン放送(TSK、松江市向島町)制作の「かまいたちの掟」がそれぞれ放送されている。

注21:苫小牧東ジャンクション・インターチェンジは正式名称は苫小牧東インターチェンジであり、一般道路(道道91号苫小牧東インター線)と接続しているのだが、道央自動車道と日高自動車道の接続点になっていることから本サイトでは苫小牧東ジャンクション・インターチェンジと表記することにしている。

注22:北海道では正式名称が決まっていないインターチェンジや鉄道の駅に通じる道道路線については認定した時に「北海道道X号○○インター線(仮称)」または「北海道道Y号××停車場線(仮称)」というように(仮称)を付けるようにしている。

注23:複数の都府県に跨る都道府県道路線の場合、路線認定の時期が都府県により異なる例がいくつか見られるのだが、路線異動が二つの時代どころか三つの時代を跨ぐことになった県道路線が中国地方には存在する。鳥取県が1976年(昭和51年)12月28日に路線認定を行った鳥取県道303号大高下・口波多線がそれである。路線名称から岡山県津山市阿波字大高下と鳥取県八頭郡智頭町口波多を結ぶ目的で認定されたことがうかがえるのだが、岡山県側は今日に至るまでこの鳥取県道303号大高下・口波多線の路線認定を見送り続けている。岡山県側が頑なに存在を認めようとしない理由を挙げると次の通りになる。
・津山市阿波地区と鳥取県を結ぶ県道路線としては鳥取市佐治地区に至る岡山県道/鳥取県道117号鱒返・余戸線と、鳥取市用瀬地区に至る岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線があるのだが、いずれも鳥取・岡山県境付近が未開通のままになっていること。
・鳥取県道303号大高下・口波多線も鳥取・岡山県境付近が未開通のまま路線認定がなされたこと。
・その結果津山市阿波地区と鳥取県を結ぶ県道路線は三つもありながらことごとく鳥取県に通り抜けられないという問題を抱えることになり、岡山県側に鳥取県側に対する不信感が生じたこと。
・鳥取県における岡山県道/鳥取県道117号鱒返・余戸線の路線認定は鳥取県道303号大高下・口波多線と同時だったこと(1976年〔昭和51年〕12月28日鳥取県告示第1,043号による)で岡山県側に鳥取県側に対する不信感が生じたこと。
・岡山・津山方面と鳥取方面を自動車で往来する場合、鳥取県道303号大高下・口波多線が認定された1976年(昭和51年)時点では津山市阿波地区から離れたところを通っている国道53号線が主流になっていたこと。
・反対に津山市阿波地区のすぐ南方を通り、岡山・津山方面からも鳥取方面からも津山市阿波地区に赴くのに必ず通ることになる岡山県道/鳥取県道6号津山・智頭・八東線は次第に利用されなくなり、主流の座を降りたこと。
・21世紀に入ると鳥取自動車道や美作・岡山道路が整備され、それらの道路を通って岡山方面と鳥取方面を往来する方が増えたために岡山方面と鳥取方面を結ぶ交通路の主流が津山市阿波地区から更に離れていったこと。
・岡山県道/鳥取県道117号鱒返・余戸線と岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線、鳥取県道303号大高下・口波多線の整備は費用対効果などを考えれば鳥取県・岡山県とも消極的にならざるを得なかったこと。
結局岡山県側の路線認定は見送られたまま時代は昭和から平成、令和と移っていったのだが、いつまでこの状態は続くのだろうか。私は岡山県道/鳥取県道118号加茂・用瀬線だけでも開通させ、津山市阿波地区の袋小路状態を解消することや鳥取県道303号大高下・口波多線について何らかの動機付けを行い、開通させようという機運を高めることが解決策になるのではないかと思うのだが果たして…。

注24:福島県道162号木戸停車場線の旧経路(おおよその区域はこちら)を見て、JR常磐線木戸駅(福島県双葉郡楢葉町山田岡)と国道6号線を結ぶ路線としては遠回りではないかと感じた方がいるかもしれないのだが、発足当初の福島県道162号木戸停車場線は福島県双葉郡楢葉町下小塙/木戸郵便局前交差点(信号機・交差点名標なし)で一級国道6号線(1952〜1965)→国道6号線と接続していたのが一級国道6号線→国道6号線が木戸駅の西方に付け替わった時に一級国道6号線→国道6号線だった区域を編入し、福島県双葉郡楢葉町山田岡まで延伸されたからではないかと考えている。現に福島県道162号木戸停車場線から福島県道244号山田岡・上郡山線に変わったところにある踏切の名称は木戸陸前新浜街道踏切となっており、そこで常磐線と交差する道が幹線道路だったことを感じさせる。

注25:駅舎を同じくしながら鉄道業者で駅名が異なる例は広島県にもいくつかある。JR山陽本線新井口駅(広島市西区井口一丁目)と広島電鉄宮島線商工センター入口駅(広島市西区草津南三丁目)、JR山陽本線五日市駅(広島市佐伯区五日市駅前一丁目)と広島電鉄宮島線広電五日市駅(広島市佐伯区旭園)がよく知られている。

注26:栃木県道168号静・藤岡線には上下2車線化されてはいるが規格が低い箇所や大型車の通行が禁じられている箇所があった。

注27:千葉県側では区域は決定していないが、東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線に編入されると思しき道路は存在する。市川市押切/押切交差点市川市押切/行徳駅入口交差点間の千葉県道6号市川・浦安線旧道(おおよその経路はこちら)がそれである。ただ、千葉県道6号市川・浦安線旧道はその東方を並行して通る千葉県道6号市川・浦安線現道が開通して半世紀以上経った現在も他の県道路線や市川市道、浦安市道に再編されないところを見ると何らかの事情(整備や維持に対する補助が出なくなるのを避けたことや沿線住民が再編に反対していることが考えられる)があって千葉県道6号市川・浦安線のまま存続していることが考えられ、東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線は市川市押切/押切交差点が終点になる可能性も残されている。

注28:過去には町田駅(町田市原町田一丁目)や八王子駅(八王子市旭町)の駅前広場を起点とする都道路線が存在した。

注29:東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線の既開通区間について水元五丁目三差路(葛飾区東水元六丁目・水元五丁目・西水元六丁目)で分割したのは経路があまりにも複雑なために「Googleマップ」の経路表示では一度に表示することができなかったためである。
また、水元五丁目三差路の所在地表記が水元五丁目三差路以西分と水元五丁目三差路以南分で異なるのは本サイトの方針(こちらに記載しているので併せてご覧頂きたい)による。

注30:東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線を一般都道または一般県道と見なした理由は次の通りである。
国土交通省公式サイト内の旧江戸川橋梁(仮称)新設事業に関する新規事業採択時評価結果(PDF文書)」では東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線の道路種別を一般都道(東京都)及び一般県道(千葉県)としていること。
・東京都区部で完結しない主要地方道路線の路線番号は1桁か2桁にするのが通例であるにもかかわらずそのようにしなかったこと。
・500番台の路線番号を付けた東京都道路線は全て一般都道であること(ちなみにこれまでの500番台の路線番号を付けた東京都道路線は全て神奈川県に跨る路線である)。
東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線の道路種別を主要地方道としている理由としては主要地方道であった東京都道307号王子・金町・江戸川線の区域しか現在は供用されていないことと千葉県側の区域決定が一切なされていないことが考えられるのだが、では東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線の千葉県側の区域が決定した時、そして東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線を受け皿道路として建設される旧江戸川橋梁が開通し、東京都道/千葉県道501号王子・金町・市川線が全線開通した時はどうするのだろうか。千葉県の主要地方道路線の路線番号は1桁か2桁であることや千葉県の主要地方道路線の路線番号で未使用なのは94〜99号だけであること(つまり1〜93号は全て使用されているということ)という条件があることを考えれば東京都道/千葉県道94号王子・金町・市川線になるのではないかと思うのだが果たして…。

注31:事実上の終点が長野市東和田/運動公園南入口交差点に移動した後の長野県道375号大豆島・吉田線は長野市東和田/運動公園南入口交差点長野市東和田/東和田交差点間は国道18号線(国道406号線重用)と、長野市東和田/東和田交差点長野市東和田/東和田西交差点間は国道406号線と長野市東和田/東和田西交差点長野市吉田三丁目/吉田三丁目18街区北交差点(終点。信号機・交差点名標なし)間は長野県道60号長野・荒瀬原線とそれぞれ重用していた。

注32:起点または終点で接続する国道路線または都道府県道路線の経路変更でどの国道路線または都道府県道路線とも接続しなくなったがそれでも存続している都道府県道路線も存在する。伊予鉄道郡中線・高浜線・横河原線松山市駅(松山市湊町五丁目)の北口駅前広場を起点とする愛媛県道191号松山停車場線が代表的な例である。発足当初は終点の松山市千舟町五丁目/千舟町5丁目交差点で国道33号線と接続していたのだが、国道33号線が付け替わったことにより現在はどの国道路線または県道路線とも接続しない路線となっている。素人目には国道33号線だった道を編入して松山市南堀端町/松山市役所前交差点(交差点名標なし)まで延伸すれば良いように思うのだがなぜそのようにしなかったのだろうか。

注33:2015年(平成27年)4月1日富山県告示第168号では富山県道131号高岡新駅停車場線(2015〜2017)も認定されている。あいの風とやま鉄道あいの風とやま鉄道線西高岡〜高岡間に新駅を設置する計画が企図されたことを受けてその新駅と国道8号線を結ぶ路線として認定したものである。この富山県道131号高岡新駅停車場線は認定から2年ほど経った2017年(平成29年)2月15日に新駅の名称が高岡やぶなみ駅(高岡市羽広)と決まったことを受けて2017年(平成29年)3月17日富山県告示第134号で富山県道131号高岡やぶなみ停車場線に改称して現在に至っている。
なお、高岡やぶなみ駅は2018年(平成30年)3月17日に開業している。

注34:中国地方では島根県道22号松江停車場線や広島県道83号志和インター線、広島県道216号戸手停車場線が代表的な例である。

注35:北陸新幹線金沢〜敦賀間には起点となる駅と終点となる駅を含めて金沢・小松・加賀温泉・芦原温泉・福井・越前たけふ・敦賀と7箇所駅が設置されることになっているが、越前たけふ駅以外はいずれもJR北陸本線などの鉄道路線と接続している。
※参考までにこれらの駅を起点または終点とする県道路線は下表の通りになっている。

県名 駅名 読み方 所在地 駅を起点または終点とする
県道路線
備考
石川県 金沢 かなざわ 金沢市木ノ新保町 県道13号金沢停車場線
県道146号金沢停車場南線
県道159号金沢停車場北線
小松 こまつ 小松市土居原町 かつては県道14号小松停車場線(?〜1993)が存在したが1993年(平成5年)4月1日石川県告示第207号により廃止されている(理由は不明)。
加賀温泉 かがおんせん 加賀市作見町 県道292号加賀温泉停車場線
福井県 芦原温泉 あわらおんせん あわら市春宮一丁目 県道122号芦原温泉停車場線
県道123号芦原温泉停車場・北野線
福井 ふくい 福井市中央一丁目 県道11号福井停車場線
県道128号福井停車場・米松線
県道228号福井停車場・勝見線
越前たけふ えちぜんたけふ 越前市大屋町 県道269号越前たけふ駅線
敦賀 つるが 敦賀市鉄輪町一丁目 県道13号敦賀停車場線
県道271号敦賀駅東線

注36:越前市中心部にある福井鉄道福武線の終着駅は越前武生駅(越前市府中三丁目)という名称なのだが、越前市中心部の東方に建設されている北陸新幹線の停車駅の名称が越前たけふ駅に決まったことを受けて今年3月にたけふ新駅に改称することになった(改称期日は今のところ未決定)。
※福井鉄道福武線越前武生駅は1924年(大正13年)2月24日に武生新駅として開業し、2010年(平成22年)3月25日に現在の越前武生駅に改称するという歴史を有している。読み方上は開業当時の駅と同じになるのだが、やはり「武生」が読みにくいことからたけふ新駅とすることにしたのだろうか。

注37:まれに駅前広場を起点または終点としているのに路線名称にそれが反映されていないものがある。長野県道430号為栗・和合線(JR飯田線為栗駅〔長野県下伊那郡天龍村平岡〕の駅前広場が起点。但し途中にある天竜橋〔全長:117m〕は自動車の通行ができないため自動車で為栗駅に行くことはできない)や島根県道297号皆井田・江津線(JR山陰本線都野津駅〔江津市都野津町〕の駅前広場が終点)がその代表的な事例である。

注38:全国を見ても宮城県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線と福井県道269号南越駅線→福井県道269号越前たけふ駅線、福井県道271号敦賀駅東線があるだけである。その状況を示すと下表の通りとなる。

県名 県道路線名称 概要
宮城県 県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線 ・名称から宮城県北部の栗原市と登米市に跨って展開している湖沼・伊豆沼のほとりとJR東北新幹線くりこま高原駅(栗原市志波姫新熊谷)を結ぶ路線と考える方が多いのだが、実は伊豆沼のほとりと国道398号線を結ぶ県道路線であり、くりこま高原駅の駅前広場は通っていない(2022年〔令和4年〕版宮城県管内図〔路線図〕による)。
・くりこま高原駅の駅前広場に行くには栗原市志波姫新熊谷/くりこま高原駅入口交差点(信号機・交差点名標なし)で接続する栗原市道鴻の巣線を通る必要がある。注34で触れた、名称を見れば交通施設を起点または終点としているように見えるのに交通施設の入口を行き過ぎる都道府県道路線の一つとなっている。
・県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線が発足したのは2019年(平成31年)3月29日のことである。2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第303号により認定され、2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第305号により全線の区域が決定している。
・前身路線は県道250号くりこま高原停車場線(?〜2019)と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線(?〜2019)である(ともに2019年〔平成31年〕3月29日宮城県告示第304号により廃止)。名称からくりこま高原駅の駅前広場が起点だろうと考える方が多いのだが、実は県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線の起点はくりこま高原駅の駅前広場ではなく、くりこま高原駅の南東約270mのところにある丁字路(栗原市志波姫新熊谷/吉四郎北交差点〔信号機・交差点名標なし〕)付近にあった(2015年〔平成27年〕12月に作成・発行された宮城県北部土木事務所栗原地域事務所〔栗原市築館藤木〕の管内図による)。無論県道250号くりこま高原停車場線も県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線もくりこま高原駅の駅前広場には乗り入れていないのだが、なぜ駅からいくらか離れた場所が起点になっているのか、はっきりしたことは分からない。
・前記の宮城県北部土木事務所栗原地域事務所の管内図には県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線の実延長(管内実延長となっているがどちらも栗原市しか通らないので管内実延長=実延長となる)も記されているのだが、それによると県道250号くりこま高原停車場線が1,838.9m、県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線は4,726.9mとなっている。一方、2019年(平成31年)3月29日宮城県告示第305号によると県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線の敷地の延長は6,565.8mとなっており、県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線の実延長の合計と合致する。この点から県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線は県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線を統合して発足した路線であることがはっきりする。
・東北新幹線は宮城県内に駅を4箇所(白石蔵王・仙台・古川・くりこま高原)設置しているのだが、現時点で県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線は宮城県内の東北新幹線停車駅を名称に入れた唯一の県道路線となっている。くりこま高原駅と同じく東北新幹線のみの駅となっている白石蔵王駅(白石市大鷹沢三沢)の駅前広場を起点または終点とする県道路線は存在しないし、仙台・古川両駅については過去に駅前広場を起点または終点とする県道路線があったようであるが(時期など詳細は分からないのだが)既に廃止されているからである。
福井県 県道269号南越駅線→
県道269号越前たけふ駅線
・JR北陸新幹線越前たけふ駅と国道8号線を結ぶ路線。
・2017年(平成29年)4月1日福井県告示第159号で県道269号南越駅線という名称で発足。越前市中心部の東方に北陸新幹線のみの駅として計画された駅について南越駅という仮称が与えられていたことから県道269号南越駅線という名称になったものである。
・その後2021年(令和3年)5月13日に越前市中心部の東方に北陸新幹線のみの駅として計画された駅の名称を越前たけふ駅とすることが決まったことにより2021年(令和3年)6月8日福井県告示第271号で県道269号越前たけふ駅線に改称された。
・現時点で供用区間は存在しないが今年3月18日に開通することが発表されている。ただ、越前たけふ駅が途中駅となる北陸新幹線金沢〜敦賀間の開業は2023年度(令和5年度)末の予定となっており、当面の間は道路はあるが駅のない県道○○駅線となることになる。
県道271号敦賀駅東線 ・JR北陸新幹線・北陸本線・小浜線敦賀駅(敦賀市鉄輪町一丁目)の東口駅前広場と国道8号線敦賀バイパスを結ぶ路線。
・2017年(平成29年)4月1日福井県告示第159号により発足。敦賀駅の駅前広場を起点または終点とする県道路線としては西口駅前広場と国道8号線敦賀旧道を結ぶ県道13号敦賀停車場線が既に存在するので敦賀駅は東口・西口双方の駅前広場にそこを起点または終点とする都道府県道路線を持つ駅となった。
・現在のところ一部区間が開通しているだけであるが、北陸新幹線金沢〜敦賀間が開業する2023年度(令和5年度)末までに全線開通する予定で建設が進められている。

上表から福井県道269号南越駅線と福井県道271号敦賀駅東線が鉄道の駅を起点または終点とする都道府県道路線で初めて駅という単語を入れた路線となったことがうかがえる。
宮城県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線と福井県道269号南越駅線、福井県道271号敦賀駅東線はいずれも平成時代末期に発足した都道府県道路線であるが、今後このような名称を持つ都道府県道路線が増えるかどうかと言えば正直なところ分からないと言ったところである。新規に鉄道路線が建設されることはほとんどないことや都道府県道○○停車場線が認定されることは滅多にないこと、「停車場」という単語が定着しており、「駅」という単語を入れることに対して抵抗感を抱く方が少なくないことがそのように考える理由である。

注39:福井県道路公社は解散時点で三方五湖有料道路と、福井県東部の勝山市にある法恩寺山有料道路(1992〜2022)を運営していた。法恩寺山有料道路の料金償還期限到来を契機に三方五湖有料道路と法恩寺山有料道路の無料開放を実施し、運営する道路がなくなった福井県道路公社を解散することにしたわけであるが、三方五湖有料道路と法恩寺山有料道路では移管先が異なっている(三方五湖有料道路…福井県/法恩寺山有料道路…勝山市)。恐らく通過自治体が複数になるか一つだけになるかで対応を変えたのではないかと思うのだがどうであろうか。

注40:水月湖・三方湖以外の三方五湖に属している湖には久々子湖・菅湖・日向湖がある。

注41:舞鶴・若狭自動車道三方五湖スマートインターチェンジは舞鶴・若狭自動車道三方五湖パーキングエリア(福井県三方上中郡若狭町生倉)に併設されている。但し三方五湖パーキングエリア開業(2014年〔平成26年〕7月20日)と同時に三方五湖スマートインターチェンジも開業したわけではなく、三方五湖パーキングエリア開業から約3年8ヶ月後の2018年(平成30年)3月24日に開業している。

注42:岐阜県道365号和知・兼山停車場線(?〜2019)の岐阜県加茂郡八百津町和知/兼山橋北交差点可児市兼山/兼山橋南交差点間について岐阜県道381号多治見・八百津線に編入するための区域変更告示は2019年(平成31年)4月19日岐阜県告示第257号によってなされている。
※前記告示により岐阜県道381号多治見・八百津線は複数の終点が生じる結果になった(従来経路の終点は岐阜県加茂郡八百津町八百津/善恵寺南交差点〔終点。信号機・交差点名標なし〕。新経路の終点は岐阜県加茂郡八百津町和知/兼山橋北交差点なお、従来経路は岐阜県加茂郡八百津町錦織/伊佐治病院東交差点〔信号機・交差点名標なし〕岐阜県加茂郡八百津町八百津/善恵寺南交差点〔終点。信号機・交差点名標なし〕間で岐阜県道358号井尻・八百津線と重用しているため事実上の終点は岐阜県加茂郡八百津町錦織/伊佐治病院東交差点〔信号機・交差点名標なし〕となる)。ただ、岐阜県道365号和知・兼山停車場線廃止から1年以上が経過した2021年(令和3年)9月に撮影された新経路周辺の「Googleストリートビュー」を見ると未だに岐阜県道365号和知・兼山停車場線に関する路線識別手段(県道標識・路線番号入り案内標識・路線方向表示)は残されており、岐阜県加茂郡八百津町和知/兼山橋北交差点可児市兼山/兼山橋南交差点間について岐阜県道381号多治見・八百津線に編入したのは岐阜県加茂郡八百津町との移管協議が成立するまでの暫定措置という感が否めない。

注43:1978年(昭和53年)に発行されたコンパニオン道路地図帖中部北陸編(ワラヂヤ出版〔大阪市西区新町三丁目。1872〜2002〕刊)を見ると岐阜県道322号畑佐・和良線の郡上市明宝地区・和良地区境付近には通行不能である旨を示す赤い×印が打たれている。そのことからすれば1978年(昭和53年)時点では自動車の通行ができなかったがその後最低限自動車が通行できる状態にまで整備がなされた可能性が考えられる。但し通行不能である旨を示す赤い×印が打たれていても実際は通れたところ(例:広島県道80号東広島・向原線の東広島市・安芸高田市境付近)はいくつか存在するし、45年も前の話なので実際のところは分からない。
なお、岐阜県道322号畑佐・和良線の様子を取り上げたサイト・ブログはいくつか存在するので興味のある方はご覧頂きたい。

注44:静岡県道418号須走・御殿場線の区域決定告示は2021年(令和3年)4月9日静岡県告示第400号で、供用開始告示は2021年(令和3年)4月9日静岡県告示第402号でそれぞれなされている。

注45:国道469号線は今のところ時期は未定だが御殿場市中畑/ぐみ沢IC交差点から南に延びる国道469号線御殿場バイパスが全線開通した時には起点を御殿場市中畑/ぐみ沢IC交差点に移動させる可能性が高いためこの状態は暫定的なものであると考えられる。

注46:三重県北牟婁郡紀北町東長島字多田ヶ瀬を起点とする県道路線は実は三重県道766号多田ヶ瀬・山居線が最初ではない。1973年(昭和48年)5月4日三重県告示第279号により認定された三重県道766号多田ヶ瀬・名倉線(1973〜1993)が最初である。その後1993年(平成5年)に三重県北牟婁郡紀北町中心部における国道260号線の経路変更により三重県道766号多田ヶ瀬・名倉線を廃止して三重県道766号多田ヶ瀬・山居線が発足し(1993年〔平成5年〕4月1日三重県告示第208号で三重県道766号多田ヶ瀬・山居線を認定し、1993年〔平成5年〕4月1日三重県告示第208号で三重県道766号多田ヶ瀬・名倉線を廃止)、2021年(令和3年)まで存続した。

注47:兵庫県道548号戸島・玄武洞・豊岡線と兵庫県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線はいずれも但馬空港・豊岡両インターチェンジのある豊岡市を通る路線ではあるが、兵庫県議会第347回定例会で出された議案とは関係ないものと思われる。兵庫県道548号戸島・玄武洞・豊岡線と兵庫県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線はいずれも円山川の東方を通っているのに対して北近畿・豊岡自動車道は豊岡市内ではずっと円山川の西方を通っていることや兵庫県道548号戸島・玄武洞・豊岡線と兵庫県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線はいずれも豊岡市中心部までの路線であり、豊岡市南郊にある但馬空港・豊岡両インターチェンジまで延伸することはないと思われることがそのように考える理由である。

注48:鳥取県が県道路線の整理方針を明らかにしたのは2006年(平成18年)のことである。背景には国道9号線のバイパスとして建設されている部分の多い山陰自動車道に国道9号線の県内区間(恐らく鳥取市千代水三丁目/南隈交差点米子市陰田町/陰田町交差点間になるものと思われる)を移行させ、国道9号線だった道を一般県道路線に再編しようとしたことがある。既に北条バイパスを介する格好にはなるのだが鳥取県内の山陰自動車道は一本の道に繋がっているのでその動向は注視しているところなのだが今のところ再編への動きは全く見られない。まあ90kmほどある道路を国土交通省から整備・維持に関する補助が全く出なくなる一般県道に再編すること自体私はどうかと思っているのだが…。

注49:国道191号線山の田旧道である。山口県道248号下関港・安岡線になったのは国道191号線下関北バイパスの全線開通(2015年〔平成27年〕3月28日)のわずか3日後の2015年(平成27年)3月31日のことである(2015年〔平成27年〕3月31日山口県告示第133号による。山口県道248号下関港・安岡線の認定→山口県道248号下関港・垢田線〔1958〜2015〕の廃止という手順を踏まず、山口県道248号下関港・垢田線の山口県道248号下関港・安岡線への改称という形をとっている)。

注50:川中交番南交差点(交差点名標なし。下関市稗田西町・綾羅木本町三丁目)の所在地表記が川中交番南交差点(交差点名標なし)以東分と川中交番南交差点(交差点名標なし)以西分で異なるのは本サイトの方針(こちらに記載しているので併せてご覧頂きたい)による。

注51:私が山口県道259号新下関停車場線について山口県道259号新下関停車場・垢田線にしたほうが良かったのではないかと思う理由は次の通りである。
・路線名称を見てもどこに至る路線なのかが分からないこと。
・新下関停車場線という名称の県道路線は過去に存在したこと(1994〜2016年〔平成6〜28年〕に存在。当時の名称は山口県道255号新下関停車場線だった。現在は山口県道255号田倉・新下関停車場線になっている)。
・1994〜2016年(平成6〜28年)に存在した新下関停車場線と、現在の新下関停車場線は路線番号が異なる上に経路が同じなのは下関市秋根南町一丁目/新下関駅東口駅前広場(起点)下関市秋根南町一丁目/新下関駅東口駅前広場入口交差点(交差点名標なし)間だけであること。

注52:徳島南部自動車道徳島津田インターチェンジ〜徳島沖洲インターチェンジ間が開通した時点では徳島津田・徳島沖洲両インターチェンジはどの高速道路とも接続しておらず、高速道路としては孤立していた。徳島南部自動車道徳島津田インターチェンジ〜徳島沖洲インターチェンジ間開通のちょうど1年後の2022年(令和4年)3月21日に徳島南部自動車道徳島沖洲インターチェンジ〜徳島ジャンクション(徳島市川内町富久)間が開通したことにより徳島南部自動車道と他の高速道路が繋がり、徳島津田・徳島沖洲両インターチェンジと神戸・高松・松山・高知方面が高速道路だけで往来できるようになった。

注53:慶良間空港には現在は定期便は就航していない。ただ、チャーターヘリの発着があることや救急患者の搬送に使用することから職員を配置して稼働している。

注54:2009年(平成21年)3月31日兵庫県告示第393号では兵庫県道128号居組港・居組停車場線の支線設定が、2009年(平成21年)3月31日兵庫県告示第396号では国道178号線七坂八峠旧道の区域除外がそれぞれ示されている。

注55:2009年(平成21年)3月31日鳥取県告示第221号では鳥取県道256号陸上・岩井線の延伸、2009年(平成21年)3月31日鳥取県告示第222号では国道178号線の東浜・居組道路への一本化がそれぞれ示されている。

注56:兵庫県・鳥取県境の所在地表記が兵庫県側と鳥取県側で異なるのは本サイトの方針(こちらに記載しているので併せてご覧頂きたい)による。

注57:鳥取県岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし)付近の「Googleストリートビュー」を見ると2018年(平成30年)10月撮影分までは信号機があったことが確認できるのだが、その次の2022年(令和4年)4月撮影分を見ると信号機が撤去されていることと交差点名標が残されていること、そして鳥取県道256号陸上・岩井線浜坂・岩井方面から鳥取県岩美郡岩美町陸上/東浜居組道路入口交差点(信号機なし)に入る場合は一時停止しなければならなくなったことが確認できる。恐らく国道178号線岩美道路の建設に合わせて交差点の形状を変えなければならなくなったことやそもそも交通量が少なかったことから信号機を撤去したものと思われる。

注58:兵庫県には港湾と鉄道の駅を結ぶ県道路線がいくつか存在する。居組漁港(兵庫県美方郡新温泉町居組)とJR山陰本線居組駅(兵庫県美方郡新温泉町居組)を結ぶ兵庫県道128号居組港・居組停車場以外には兵庫県道127号浜坂港・浜坂停車場線(浜坂漁港〔兵庫県美方郡新温泉町芦屋〕とJR山陰本線浜坂駅〔兵庫県美方郡新温泉町浜坂〕を結ぶ路線)と兵庫県道129号別府港・加古川停車場線(別府港〔加古川市別府町港町〕とJR山陽本線・加古川線加古川駅〔加古川市加古川町篠原町〕を結ぶ路線)がある。

注59:2006年(平成18年)3月31日鳥取県告示第232号では岡山県道/鳥取県道8号新見・日南線及び鳥取県道223号生山停車場線の延伸、2006年(平成18年)3月31日鳥取県告示第233号では国道183号線の生山道路への一本化がそれぞれ示されている。

注60:鳥取県日野郡日南町・鳥取県日野郡日野町境の所在地表記が鳥取県日野郡日南町側と鳥取県日野郡日野町側で異なるのは本サイトの方針(こちらに記載しているので併せてご覧頂きたい)による。

注61:移転した理由は鳥取県西部地震(2000年〔平成12年〕10月6日)で被災し、使用不能になったことである。

注62:本文でも触れた通り反対に国道183号線生山道路は鳥取県日野郡日南町生山には一切出入口を設置していない。利便性を考えれば米子方面との出入りのみ可能な出入口を設置しても良いように思うのだが、それが実現するのは恐らく米子方面の江府・三次道路の整備についてメドが立ってからではないかと思われる。

注63:倉吉市・鳥取県東伯郡北栄町境の所在地表記が倉吉市側と鳥取県東伯郡北栄町側で異なるのは本サイトの方針(こちらに記載しているので併せてご覧頂きたい)による。

注64:2022年(令和4年)5月10日鳥取県告示第270号で国道313号線に暫定的に組み入れられたのは記すまでもなく鳥取県東伯郡北栄町北尾/北尾交差点鳥取県東伯郡北栄町弓原/弓原橋東詰交差点(交差点名標なし)間だけではない。北栄インターチェンジ鳥取県東伯郡北栄町下神/北栄IC入口交差点鳥取県東伯郡北栄町北尾/北尾交差点間も国道313号線に組み入れられている(このうち鳥取県東伯郡北栄町下神/北栄IC入口交差点鳥取県東伯郡北栄町北尾/北尾交差点間は鳥取県道250号亀谷・北条線及び鳥取県道320号羽合・東伯線と重用している)。
なお、北栄インターチェンジ鳥取県東伯郡北栄町下神/北栄IC入口交差点鳥取県東伯郡北栄町北尾/北尾交差点鳥取県東伯郡北栄町弓原/弓原橋東詰交差点(交差点名標なし)間の国道313号線暫定編入区間の供用開始は2022年(令和4年)5月10日鳥取県告示第272号によってなされている。

注65:鳥取県岩美郡岩美町牧谷/浦富海水浴場東交差点(信号機・交差点名標なし)鳥取県岩美郡岩美町浦富/浦富海岸交差点鳥取県岩美郡岩美町大谷/平野口交差点(信号機・交差点名標なし)間の国道178号線について大岩支線という名称を付けたのは岩美郡大岩村(1889〜1954。現在の鳥取県岩美郡岩美町岩本・大谷に相当する地域にあった)だった地域を主に通っていることによる。
※岩美郡大岩村は発足した時(1889年〔明治22年〕6月1日)は岩井郡(1701〜1896)に属していたが1896年(明治29年)4月1日に岩井・邑美・法美各郡が統合して岩美郡が発足した時に岩美郡に所属郡を変更している。

注66:2017年(平成29年)3月31日鳥取県告示第253号により発足した国道178号線岩美旧道の本線と大岩支線の供用開始はともに2017年(平成29年)3月31日鳥取県告示第255号によってなされている。

注67:その理由は次の通りである。
・国道9号線駟馳山バイパス開通前の鳥取県道328号福部・岩美線は鳥取方面と湯村温泉方面を往来する自動車などが多く通っていたこと。
・鳥取県道328号福部・岩美線は岩美郡岩美町太田/本庄橋交差点鳥取市福部町細川/細川交差点間約4.1kmについて信号機付き交差点が全くないこと。
・鳥取県道328号福部・岩美線は集落や店舗、事業所が少ない地域を通っていること。
・信号機付き交差点や集落、店舗、事業所が少ない地域を通っているためついつい速度を上げて走る自動車が少なくないこと。
鳥取県道328号福部・岩美線は国道178号線岩美旧道大岩支線以外にも鳥取砂丘(鳥取市浜坂)に通じる鳥取県道319号鳥取砂丘・細川線と鳥取市福部町細川/駟馳山峠南口交差点(信号機・交差点名標なし)で接続しているのだが、そこにも信号機はない。なぜ鳥取県公安委員会(鳥取市東町一丁目)は重要な交差点に信号機を付けなかったのかは分からないのだが、それで事故はどのくらい起きたのだろうか。その点が気になる。

注68:三江線は名称からすれば三次市と江津市を結ぶ路線となるのだが、本文で「島根県西部の江津市と、広島県北部の中心都市・三次市を中国地方随一の大河・江の川に沿って結んでいた」と書いたのはJR山陰本線江津駅(江津市江津町)を起点、三次駅を終点としていたからである(つまり三江線の下り方向は江津→三次となる)。このようになったのは三江線が山陰本線の支線に位置付けられていたためである。

注69:三江線の開業状況を示すと下表の通りになる。

区間 開業年月日 距離 備考
江津〜川戸 1930年
(昭和5年)
4月20日
13.9km 開業当時の路線名称は三江線(1955年〔昭和30年〕3月31日に三江北線、1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線にそれぞれ改称)。
開業当時江津駅は石見江津駅と称していた(1970年〔昭和45年〕6月1日江津駅に改称)。
開業当時の途中駅は川平駅だけだったが1958年(昭和33年)7月14日に江津〜川平間に江津本町・千金両駅が設置されている。
川戸〜石見川越 1931年
(昭和6年)
5月20日
8.4km 開業当時の路線名称は三江線(1955年〔昭和30年〕3月31日に三江北線、1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線にそれぞれ改称)。
開業当時途中駅は一切なかったが1949年(昭和24年)11月15日に田津駅(江津市桜江町田津。1949〜2018)が設置されている。
石見川越〜石見川本 1934年
(昭和9年)
11月8日
10.3km 開業当時の路線名称は三江線(1955年〔昭和30年〕3月31日に三江北線、1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線にそれぞれ改称)。
開業当時の途中駅は因原駅(島根県邑智郡川本町因原。1934〜2018)だけだったが1949年(昭和24年)11月15日に鹿賀駅(江津市桜江町鹿賀。1949〜2018)が設置されている。
石見川本〜石見簗瀬 1935年
(昭和10年)
12月2日
10.1km 開業当時の路線名称は三江線(1955年〔昭和30年〕3月31日に三江北線、1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線にそれぞれ改称)。
開業当時の途中駅は乙原駅(島根県邑智郡美郷町乙原。1935〜2018)だけだったが1958年(昭和33年)7月14日に石見川本〜乙原間に竹駅(島根県邑智郡美郷町乙原。1958〜2018)が、1962年(昭和37年)1月1日に石見川本〜竹間に木路原駅(島根県邑智郡川本町川本。1962〜2018)がそれぞれ設置されている。
石見簗瀬〜浜原 1937年
(昭和12年)
10月20日
7.4km 開業当時の路線名称は三江線(1955年〔昭和30年〕3月31日に三江北線、1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線にそれぞれ改称)。
開業当時の途中駅は粕淵駅(島根県邑智郡美郷町粕渕。1937〜2018)だけだったが1967年(昭和42年)4月1日に石見簗瀬〜粕淵間に明塚駅(島根県邑智郡美郷町明塚。1967〜2018)が設置されている。
浜原〜口羽 1975年
(昭和50年)
8月31日
29.6km 三江線の最終開業区間であり、路線名称は開業時から廃止時まで三江線のままであった。
途中には沢谷・潮・石見松原・石見都賀・宇都井・伊賀和志の各駅が設置された。
口羽〜式敷 1963年
(昭和38年)
6月30日
13.6km 開業当時の路線名称は三江南線(1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線に改称)。
途中には江平・作木口・香淀の各駅が設置された。
式敷〜三次 1955年
(昭和30年)
3月31日
14.8km 開業当時の路線名称は三江南線(1975年〔昭和50年〕8月31日に三江線に改称)。
開業当時途中には船佐・粟屋・尾関山の各駅が設置され、その後1956年(昭和31年)7月10日に式敷〜船佐間に信木・所木両駅が、1969年(昭和44年)4月25日に長谷駅(三次市粟屋町。1969〜2018)がそれぞれ設置された。
なお、長谷駅は日本国有鉄道(東京都千代田区丸の内一丁目。1949〜1987)が三江南線→三江線を運営していた時には仮乗降場として扱われていたため市販の地図や時刻表には掲載されず、西日本旅客鉄道(JR西日本。大阪市北区芝田二丁目)が発足する前の日の1987年(昭和62年)3月31日に正式に駅になったという歴史を持っている。

上表から第二次世界大戦終結前に開業したのは江津〜浜原間50.1km、第二次世界大戦終結後に開業したのは浜原〜三次間58.0kmとなり、第二次世界大戦終結後に開業した区間が長いことがうかがえる。

注70:広島県道/島根県道112号三次・江津線の未開通区間は江津市桜江町後山〜江津市川平町平田間と江津市川平町平田〜江津市川平町南川上間である。江津市川平町平田で未開通区間は200mほど途切れているのだがそのわずかな開通区間に行くには狭い江津市道を4km近く走らなければならない。
なお、江津市川平町平田にあるわずかな開通区間周辺にはかつては瀬尻という集落があったのだが狭い江津市道を4kmも走らないとそこにたどり着けないなど交通が不便だったことから他地域に移住する人が相次ぎ、2006年(平成18年)に無人化している。

注71:島根県道222号川本停車場線唯一の路線識別手段である路線方向表示を撮った写真が下に示したものである(2017年〔平成29年〕11月26日撮影)。

注72:兵庫県道186号花屋敷停車場線が該当する。兵庫県道186号花屋敷停車場線の起点にあった阪急電鉄宝塚本線花屋敷駅(川西市花屋敷二丁目。1910〜1962)はその西方約400mのところに花屋敷・雲雀丘両駅を統合する形で雲雀丘花屋敷駅(宝塚市雲雀丘一丁目。1961年〔昭和36年〕1月16日開業)が設置されたことから1962年(昭和37年)5月1日に廃止されたのだが、それから60年以上経った今も通過自治体である川西市に移管されることなく存続している。

注73:このうち浅利インターチェンジ(仮称。江津市松川町下河戸)に通じる道路については浅利インターチェンジが江津工業団地(江津市松川町下河戸)の中に建設されることや江津工業団地と国道261号線江津市桜江地区方面を短絡する道路が必要であるということから既に江津市道として整備されている。
また、島根県発行の資料によると青波インターチェンジ(仮称。江津市後地町)と島根県道221号川平停車場線を結ぶ県道路線の整備が企図されている。その県道路線は島根県道221号川平停車場線になるのか、近くを通る島根県道177号大田・井田・江津線になるのか、それとも青波インター線という県道路線を認定する考えでいるのか、はっきりしたことは分かっていない。

注74:一畑電気鉄道立久恵線は一畑電気鉄道(現:一畑電車〔出雲市平田町〕)が運営していた鉄道路線で唯一電化されたことのない路線であった。

注75:一畑電気鉄道立久恵線は集中豪雨で被災したことにより1964年(昭和39年)7月19日以降運休していた。復旧させずに廃止したのは過疎地に通じる鉄道路線であり、利用が減少していたことや復旧させても費用対効果が見込めないと判断したこと、モータリゼーションが進展し始めていたこと、並行して通っていた島根県道/広島県道11号出雲・三次線(1955〜1993。現:国道184号線)の整備が進んでいたことなどが考えられる。
ちなみに災害に遭ったことを契機に廃止に追い込まれた鉄道路線は多数あるが、中国地方では一畑電気鉄道立久恵線が唯一の事例になっている。

注76:島根県道39号掛合・出雲須佐停車場線と島根県道40号頓原・出雲須佐停車場線、島根県道128号波多・出雲須佐停車場線は1966年(昭和41年)3月29日島根県告示第430号により、島根県道220号大社停車場線は1995年(平成7年)4月4日島根県告示第342号によりそれぞれ廃止されている。

注77:その状況を示すと下表の通りになる。

※令和時代に異動があった都道府県については本文で詳細について触れているため「備考」欄は空欄にしている。

順位 都道府県名 最終異動
発生年月日
異動内容 備考
古い順 新しい順
1 47 岡山県 2006年
(平成18年)
4月1日
県道124号宮原・上月線の県道124号宮原・力万線への改称(2006年〔平成18年〕3月31日岡山県告示第199号に基づいて2006年〔平成18年〕4月1日実施)。 終点の地名表記が兵庫県佐用郡上月・佐用・南光・三日月各町の統合に伴う兵庫県佐用郡佐用町再発足(2005年〔平成17年〕10月1日)で兵庫県佐用郡上月町力万から兵庫県佐用郡佐用町力万に変わったことに伴う路線名称変更。
兵庫県側では2006年(平成18年)4月1日兵庫県告示第418号の2で路線名称変更がなされている。
県道368号吉永・南光線の県道368号吉永・下徳久線への改称(2006年〔平成18年〕3月31日岡山県告示第199号に基づいて2006年〔平成18年〕4月1日実施)。 終点の地名表記が兵庫県佐用郡上月・佐用・南光・三日月各町の統合に伴う兵庫県佐用郡佐用町再発足で兵庫県佐用郡南光町下徳久から兵庫県佐用郡佐用町下徳久に変わったことに伴う路線名称変更。
兵庫県側では2006年(平成18年)4月1日兵庫県告示第418号の2で路線名称変更がなされている。
2 46 広島県 2010年
(平成22年)
2月8日
県道191号備後赤坂停車場線の廃止(2010年〔平成22年〕2月8日広島県告示第88号)。 JR山陽本線備後赤坂駅(福山市赤坂町赤坂)の駅前通りとなっていた当該路線を福山市が整備することになったため廃止。
跡地は福山市道赤坂駅前線になっているが県道時代の路盤は福山市道赤坂駅前線の整備に当たってそのほとんどが埋められ、ごく一部しか見られなくなっている(そのことはこちらで触れているので興味のある方はご覧頂きたい)。
県道191号備後赤坂停車場線の廃止により福山市内のJR山陽本線の駅の駅前広場を起点または終点とする県道路線は皆無となった(過去には県道190号福山停車場線〔1960〜1974〕と県道192号松永停車場線〔1960〜2005〕が存在したがいずれも福山市の都市計画の都合により廃止され、福山市に移管されている)。
3 45 石川県 2013年
(平成25年)
3月29日
県道326号金沢・羽咋自転車道線の認定(2013年〔平成25年〕3月29日石川県告示第147号)。 能登半島を縦貫する自動車専用道路・能登有料道路(1973〜2013)が無料開放されるに当たって河北郡内灘町〜羽咋市間で並行して建設されていた自転車道(有料道路時代は県道60号金沢・田鶴浜線の一部になっていた)が独立して発足した路線。
路線の起点は河北郡内灘町にあるのだがなぜか路線名称は金沢・羽咋自転車道線となっている。
4 44 香川県 2015年
(平成27年)
1月6日
県道186号大屋富・築港・宇多津線の県道186号大屋冨・築港・宇多津線への改称(2015年〔平成27年〕1月6日香川県告示第6号)。 起点の地名表記は坂出市大屋冨町だったのに1970年(昭和45年)に発足した時路線名称がなぜか大屋富・築港・宇多津線となっていたものを大屋冨・築港・宇多津線に訂正したものである。
5 43 新潟県 2015年
(平成27年)
3月14日
県道254号上小沢・脇野田停車場線の県道254号上小沢・上越妙高停車場線への改称(2015年〔平成27年〕3月14日新潟県告示第303号)。 JR信越本線脇野田駅(上越市大和二丁目。1921〜2015)が2015年(平成27年)3月14日に実施されたJRグループのダイヤ改正に合わせてJR北陸新幹線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン上越妙高駅(上越市大和二丁目)に改称したことに伴う路線名称変更。
県道362号後谷・黒田・脇野田停車場線の県道362号後谷・黒田・上越妙高停車場線への改称(2015年〔平成27年〕3月14日新潟県告示第303号)。
6 43 滋賀県 2015年
(平成27年)
4月1日
県道345号志賀インター線の認定(2015年〔平成27年〕4月1日滋賀県告示第105号)。 国道161号線志賀バイパス・湖西道路志賀インターチェンジ(大津市荒川)と県道558号高島・大津線(国道161号線旧道)を結ぶ路線。但し起点→終点の方向は県道558号高島・大津線→志賀インターチェンジとなっている。
滋賀県では初めての高速道路(ここでは名神高速道路・新名神高速道路・北陸自動車道を指す)以外の自動車専用道路のインターチェンジを起点または終点とする県道路線でもある。
7 41 青森県 2015年
(平成27年)
12月25日
県道287号奥津軽いまべつ停車場線の認定(2015年〔平成27年〕12月25日青森県告示第918号)。 青森県では初めての新幹線停車駅の駅前広場を起点または終点とする県道路線。
路線の起点にあるJR北海道新幹線奥津軽いまべつ駅(東津軽郡今別町大川平)は2016年(平成28年)3月26日に北海道新幹線新青森〜新函館北斗間が開業した際に開業した駅であり、路線発足時点では名称は決まっていたがまだ開業していなかった。
県道244号今別停車場線の廃止(2015年〔平成27年〕12月25日青森県告示第919号)。 廃止理由は不明だが2015年(平成27年)12月25日青森県告示第918号で県道244号今別停車場線がある東津軽郡今別町を通る県道287号奥津軽いまべつ停車場線が認定されていることを考えると東津軽郡今別町が県道287号奥津軽いまべつ停車場線を認定するのと引き換えに県道244号今別停車場線の区域を引き取って管理することにしたことが背景にあったものと思われる。
跡地は今別町道になっている。
8 40 和歌山県 2016年
(平成28年)
12月27日
県道752号和歌山・阪南線の認定(2016年〔平成28年〕12月27日和歌山県告示第1,498号)。 大阪府・和歌山県境付近で建設が進められていた国道26号線のバイパス・第二阪和国道の全線開通(2017年〔平成29年〕4月1日)を前に発足させた県道路線。無論区域決定は路線認定時点では行われず、第二阪和道路の全線開通前日となる2017年(平成29年)3月31日に行っている(2017年〔平成29年〕3月31日和歌山県告示第440号による)。
バイパス全線開通前に旧道を区域とする都道府県道路線を発足させた例はあまりなく、私が知る範囲では国道191号線三隅バイパスの全線開通(1994年〔平成6年〕3月30日)の前日に発足した山口県道287号長門・三隅線(1994年〔平成6年〕3月29日山口県告示第257号により発足)があるくらいである。
路線名称や旧道の状況からして大阪府に跨る路線であることがうかがえるが、無論大阪府側も―府道752号和歌山・阪南線という名称になるのだが―2016年(平成28年)12月27日大阪府告示第2,043号で路線認定を、2017年(平成29年)3月31日大阪府告示第609号で区域決定をそれぞれ行っている。
9 39 奈良県 2017年
(平成29年)
1月13日
県道157号箸尾停車場線の廃止(2017年〔平成29年〕1月13日奈良県告示第354号)。 廃止理由は不明。北葛城郡広陵町による近畿日本鉄道田原本線箸尾駅(北葛城郡広陵町萱野)の周辺地域の整備や奈良県による県道路線の整理、終点で接続する県道14号桜井・田原本・王寺線の経路変更、箸尾駅の利用者減少による存在意義消滅などいろいろ考えられるがいずれの説も決め手を欠いている。
なお、奈良県の告示番号は年度始めの最初の告示を第1号としているため県道157号箸尾停車場線廃止の告示番号は一桁または二桁ではなく三桁になっている。
跡地は広陵町道になっている。
10 38 山梨県 2017年
(平成29年)
3月16日
県道43号六郷インター線の認定(2017年〔平成29年〕3月16日山梨県告示第56号)。 路線の起点にある中部横断自動車道六郷インターチェンジ(西八代郡市川三郷町宮原)は2017年(平成29年)3月19日に中部横断自動車道六郷インターチェンジ〜増穂インターチェンジ(南巨摩郡富士川町大椚)間が開通した際に供用を開始したインターチェンジであり、路線発足時点では名称は決まっていたがまだ供用は開始していなかった。
主要地方道の路線指定は1993年(平成5年)以降一切行われていないので本来なら六郷インター線は一般県道になるはずなのだが、山梨県はなぜか主要地方道として取り扱っている。それは2016年(平成28年)1月14日山梨県告示第17号により発足した県道42号韮崎・南アルプス・富士川線にも言えることであるが、山梨県としては重要だと思う路線は主要地方道として路線認定を行い、いつ行われるか全く分からない次期主要地方道再編に備えようとしているのだろうか。その点が気になる。
11 37 埼玉県 2017年
(平成29年)
5月2日
県道403号松原団地停車場線の県道403号獨協大学前停車場線への改称(2017年〔平成29年〕5月2日埼玉県告示第586号)。 東武鉄道伊勢崎線松原団地駅(草加市松原一丁目。1962〜2017)が2017年(平成29年)4月1日に獨協大学前駅(草加市松原一丁目)に改称したことを受けての路線名称変更。
12 36 愛媛県 2018年
(平成30年)
4月1日
県道265号卯之町停車場線の廃止(2018年〔平成30年〕4月1日愛媛県告示第342号)。 西予市が西予市の代表駅であるJR予讃線卯之町駅(西予市宇和町卯之町二丁目)の周辺地域を整備するに当たって県道265号卯之町停車場線の敷地を西予市に移管させる必要が生じたことが廃止理由として考えられる。
跡地は西予市道になっている。
13 34 群馬県 2018年
(平成30年)
6月29日
県道367号海老瀬・飯野線の県道367号海老瀬・下五箇線への改称(2018年〔平成30年〕6月29日群馬県告示第193号)。 県道367号海老瀬・下五箇線は県道367号海老瀬・飯野線(1959〜2018)の邑楽郡板倉町海老瀬/小保呂交差点以南の経路を変更して発足した路線。
終点が変わったことから県道367号海老瀬・下五箇線の認定→県道367号海老瀬・飯野線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
大分県 2018年
(平成30年)
6月29日
県道704号菅原・戸畑線の県道704号菅原・山浦線への改称(2018年〔平成30年〕6月29日大分県告示第420号)。 県道704号菅原・戸畑線(1973〜2018)の道路改良(2017年〔平成29年〕3月29日完成)により終点が玖珠郡玖珠町戸畑から玖珠郡玖珠町山浦に移転したことに伴う路線名称変更。
終点が変わったことから県道704号菅原・山浦線の認定→県道704号菅原・戸畑線の廃止という手順を踏むはずなのだが、改称という形にした理由は不明。
なお、県道704号菅原・戸畑線の道路改良により生じた旧道のうちの国道210号線旧道だった部分は玖珠川に架かる橋が撤去されたり道の駅慈恩の滝くす(玖珠郡玖珠町山浦)の敷地に転用されたり新道の下敷きになったりしたため各所で分断されており、全区間をたどることはできなくなっている。
15 33 秋田県 2018年
(平成30年)
7月6日
県道322号○后坂・藤里峡公園線の県道322号きみまち阪公園・素波里湖線への改称(2018年〔平成30年〕7月6日秋田県告示第351号)。 ○には「溪」という字の部首をさんずいからぎょうにんべんに変えた字(つまり「溪」という字の左側部分をさんずいからぎょうにんべんに変えた字ということになる)が入るが機種依存文字になるため○で代用している(ちなみに機種依存文字が名称に入っている都道府県道路線は他に山形県・新潟県・長崎県で見られる)。
県道322号○后坂・藤里峡公園線(1972〜2018)と県道322号きみまち阪公園・素波里湖線は区域はほぼ同じなのだが、路線名称を変更した理由は不明である。まさか機種依存文字の使用を取りやめたかったわけではないだろうが…。
16 32 熊本県 2018年
(平成30年)
11月26日
県道347号寺田・岱明線の認定(2018年〔平成30年〕11月26日熊本県告示第977号)。 県道347号寺田・岱明線は国道208号線玉名バイパスの全線開通(2011年〔平成23年〕2月26日)により生じた旧道(国道208号線玉名旧道)をもって発足した路線。国道208号線玉名バイパスの全線開通から国道208号線玉名旧道の再編まで7年以上の歳月がかかった理由は不明だがどのようにするかがなかなか決まらなかったのだろうか。
区域決定は2019年(平成31年)3月22日熊本県告示第287号によってなされている。
17 31 宮崎県 2019年
(平成31年)
2月4日
県道408号矢岳高原・京町線の認定(2019年〔平成31年〕2月4日宮崎県告示第73号)。 県道408号西川北・京町温泉停車場線(?〜2019)の一部区間をもって発足した県道路線。
えびの市昌明寺/吉田温泉橋北交差点(信号機・交差点名標なし)えびの市水流/水流西交差点(信号機・交差点名標なし)間は県道102号木場・吉松・えびの線と、えびの市水流/水流西交差点(信号機・交差点名標なし)えびの市向江/えびの市京町交差点(終点)間は国道447号線とそれぞれ重用しているのだが、県道408号西川北・昌明寺線または県道408号矢岳高原・昌明寺線という名称にならなかったのはえびの市の観光名所の一つである矢岳高原とえびの市西部(西諸県郡真幸町〔1950〜1966〕だった地域)の中心部となる京町(京町はえびの市向江の小字の一つ)を結ぶ県道路線であることを強調したかったことや路線の起点が矢岳高原の代表的観光施設である矢岳高原ベルトンオートキャンプ場(えびの市西川北)の入口(場所はこちら)に設定されたことが考えられる。
県道408号西川北・京町温泉停車場線の廃止(2019年〔平成31年〕2月4日宮崎県告示第74号)。 終点直前の数十mの単独区間が県道53号京町・小林線の敷地に転用されたこととそれに伴いえびの市昌明寺/吉田温泉橋北交差点(信号機・交差点名標なし)以南について単独区間が消滅したこと、路線の終点にあるJR吉都線京町温泉駅(えびの市向江)がわずかに北東方向に移転したことなどにより廃止。
後継路線が2019年(平成31年)2月4日宮崎県告示第73号により発足した県道408号矢岳高原・京町線となるのだが、起点は百貫山(標高:693.0m)山頂の北西約750m地点にある三差路(場所はこちら)ではなく矢岳高原ベルトンオートキャンプ場の入口(場所はこちら)となっている。宮崎県としては矢岳高原ベルトンオートキャンプ場の入口以北の部分については交通量が少ないなどの事情で引き続き県道として管理するのは妥当ではないと考えたのだろう。
跡地は国道447号線や県道53号京町・小林線、県道102号木場・吉松・えびの線、県道408号矢岳高原・京町線、えびの市道になっている。
18 30 島根県 2019年
(平成31年)
3月17日
県道340号多伎インター線の県道340号出雲多伎インター線への改称(2019年〔平成31年〕2月15日島根県告示第99号に基づいて2019年〔平成31年〕3月17日実施)。 県道340号多伎インター線(2006〜2019)の終点にある山陰自動車道(国道9号線湖陵・多伎道路及び多伎・朝山道路)多伎インターチェンジ(仮称。出雲市多伎町久村)について2018年(平成30年)1月12日に出雲多伎インターチェンジ(出雲市多伎町久村)を正式名称にすることを決めたことに伴う路線名称変更。
改称実施日は山陰自動車道(国道9号線多伎・朝山道路)出雲多伎インターチェンジ〜大田朝山インターチェンジ(大田市朝山町朝倉)間が開通した日でもあり、出雲多伎インターチェンジの供用開始に合わせた格好になっている。
19 29 宮城県 2019年
(平成31年)
3月29日
下記の30路線(内訳は主要地方道9路線/一般県道21路線)の認定(2019年〔平成31年〕3月29日宮城県告示第303号)。
(主要地方道)
・県道2号石巻・鮎川線
・県道15号古川・登米線
・県道16号石巻・鹿島台・色麻線
・県道26号気仙沼・唐桑線
・県道30号河北・桃生線
・県道32号古川・松山線
・県道33号石巻・河北線
・県道52号亘理・村田・蔵王線
・県道65号気仙沼・本吉線
(一般県道)
・県道103号金山・新地停車場線
・県道109号白川・犬卒都婆・向山線
・県道110号大河原・高倉線
・県道162号清水・下狼塚線
・県道165号古川・岩出山線
・県道176号若柳・築館線
・県道178号花山・一迫線
・県道179号文字上・尾松線
・県道180号文字・下細倉線
・県道181号大鳥・沢辺線
・県道182号栗駒・金成線
・県道184号石越・白崖線
・県道185号有壁・若柳線
・県道190号花泉・迫線
・県道191号鹿又・広渕線
・県道192号石巻・雄勝線
・県道202号東和・登米線
・県道238号釜谷・大須・雄勝線
・県道241号竹谷・大和線
・県道242号大迫・松山線
・県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線
県道16号石巻・鹿島台・色麻線は県道16号石巻・鹿島台・大衡線と県道148号本町・大衡線を統合して発足。
県道52号亘理・村田・蔵王線は県道52号亘理・村田線と県道222号寄井・蔵王線を統合して発足。
県道103号金山・新地停車場線は福島県に跨る路線であるが、福島県側では異動告示は全くなされていない。
県道109号白川・犬卒都婆・向山線は県道109号北白川停車場・犬卒都婆線と県道112号北白川停車場・向山線を統合して発足。
県道110号大河原・高倉線は県道110号大河原・高倉線と県道232号上代・寺前線を統合して再発足。
県道162号清水・下狼塚線は県道162号西古川停車場・下狼塚線と県道163号西古川停車場・清水線を統合して発足。県道162号西古川停車場・下狼塚線と県道163号西古川停車場・清水線の重用区間だった部分(JR陸羽東線西古川駅〔大崎市古川新堀〕の駅前通り。おおよその区域はこちら)は県道162号清水・下狼塚線西古川駅支線として引き続き宮城県が管理している。
県道184号石越・白崖線は県道184号石越停車場・白崖線のうちの登米市石越町南郷/石越駅西口駅前広場登米市石越町南郷/石越駅入口交差点(交差点名標なし)登米市石越町北郷/遠沢西交差点(交差点名標なし)間の区域を外して発足。登米市石越町南郷/石越駅西口駅前広場登米市石越町南郷/石越駅入口交差点(交差点名標なし)間は登米市道に、登米市石越町南郷/石越駅入口交差点(交差点名標なし)登米市石越町北郷/遠沢西交差点(交差点名標なし)間は県道4号中田・栗駒線にそれぞれ再編されている。県道184号石越・白崖線は岩手県に跨る路線であるが、岩手県側では2019年(令和元年)5月14日岩手県告示第13号で県道184号石越停車場・白崖線を県道184号石越・白崖線に改称するという形で異動が行われている。
県道190号花泉・迫線は県道190号石森・永井線
と県道200号中田・迫線を統合して発足。県道190号花泉・迫線は岩手県に跨る路線であるが、岩手県側では2019年(令和元年)5月14日岩手県告示第13号で県道190号石森・永井線を県道190号花泉・迫線に改称するという形で異動が行われている。
県道191号鹿又・広渕線は県道191号鹿又停車場・広淵線と県道231号鹿又停車場線を統合して発足。県道191号鹿又停車場・広淵線と県道231号鹿又停車場線の重用区間だった部分(JR石巻東線鹿又駅〔石巻市鹿又〕の駅前通り。おおよその区域はこちら)は県道191号鹿又・広渕線鹿又駅支線として引き続き宮城県が管理している。
県道241号竹谷・大和線は県道229号竹谷・幡谷線と県道241号大和・幡谷線を統合して発足。
県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線は県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線を統合して発足。但し注38で触れたようにどちらの路線もJR東北新幹線くりこま高原駅西口駅前広場を起点としておらず、重用区間も存在しないため支線の発足はなかった。
その他の路線、すなわち県道2号石巻・鮎川線と県道15号古川・登米線、県道26号気仙沼・唐桑線、県道30号河北・桃生線、県道32号古川・松山線、県道33号石巻・河北線、県道65号気仙沼・本吉線、県道165号古川・岩出山線、県道176号若柳・築館線、県道178号花山・一迫線、県道179号文字上・尾松線、県道180号文字・下細倉線、県道181号大鳥・沢辺線、県道182号栗駒・金成線、県道185号有壁・若柳線、県道192号石巻・雄勝線、県道202号東和・登米線、県道238号釜谷・大須・雄勝線、県道242号大迫・松山線は既存路線の再認定であるが、そのようにした理由は不明である。
下記の44路線(内訳は主要地方道9路線/一般県道35路線)の廃止(2019年〔平成31年〕3月29日宮城県告示第304号)。
(主要地方道)
・県道2号石巻・鮎川線
・県道15号古川・登米線
・県道16号石巻・鹿島台・大衡線
・県道26号気仙沼・唐桑線
・県道30号河北・桃生線
・県道32号古川・松山線
・県道33号石巻・河北線
・県道52号亘理・村田線
・県道65号気仙沼・本吉線
(一般県道)
・県道103号金山・新地停車場線
・県道109号北白川停車場・犬卒都婆線
・県道110号大河原・高倉線
・県道112号北白川停車場・向山線
・県道113号船岡停車場線
・県道120号坂元停車場線
・県道148号本町・大衡線
・県道162号西古川停車場・下狼塚線
・県道163号西古川停車場・清水線
・県道165号古川・岩出山線
・県道169号川渡停車場線
・県道176号若柳・築館線
・県道178号花山・一迫線
・県道179号文字上・尾松線
・県道180号文字・下細倉線
・県道181号大鳥・沢辺線
・県道182号栗駒・金成線
・県道184号石越停車場・白崖線
・県道185号有壁・若柳線
・県道190号石森・永井線
・県道191号鹿又停車場・広淵線
・県道192号石巻・雄勝線
・県道200号中田・迫線
・県道202号東和・登米線
・県道203号有壁停車場線
・県道208号大島線
・県道222号寄井・蔵王線
・県道229号竹谷・幡谷線
・県道231号鹿又停車場線
・県道232号上代・寺前線
・県道238号釜谷・大須・雄勝線
・県道241号大和・幡谷線
・県道242号大迫・松山線
・県道250号くりこま高原停車場線
・県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線
県道16号石巻・鹿島台・大衡線と県道148号本町・大衡線は統合して県道16号石巻・鹿島台・色麻線に移行したため廃止。
県道52号亘理・村田線と県道222号寄井・蔵王線は統合して県道52号亘理・村田・蔵王線に移行したため廃止。
県道103号金山・新地停車場線は福島県に跨る路線であるが、福島県側では異動告示は全くなされていない。
県道109号北白川停車場・犬卒都婆線と県道112号北白川停車場・向山線は統合して県道109号白川・犬卒都婆・向山線に移行したため廃止。
県道110号大河原・高倉線と県道232号上代・寺前線は統合して改めて発足した県道110号大河原・高倉線に移行したため廃止。
県道113号船岡停車場線は起点を同じくし、全区間で重用していた県道116号船岡停車場・船迫線に編入されたため廃止。
県道120号坂元停車場線は県道44号角田・山元線に編入されたため廃止。
県道162号西古川停車場・下狼塚線と県道163号西古川停車場・清水線は統合して県道162号清水・下狼塚線に移行したため廃止。
県道169号川渡停車場線は大崎市に移管することになったため廃止(終点で接続していた国道47号線〔国道108号線重用〕の経路変更によりどの国道路線または県道路線とも接続しない孤立路線になっていたことや起点があったJR陸羽東線川渡温泉駅〔大崎市鳴子温泉〕の利用者が少なくなっていたことが背景にあるものと思われる)。
県道184号石越停車場・白崖線は路線を短縮して県道184号石越・白崖線に移行したため廃止。県道184号石越停車場・白崖線は岩手県に跨る路線であるが、岩手県側では2019年(令和元年)5月14日岩手県告示第13号で県道184号石越停車場・白崖線を県道184号石越・白崖線に改称するという形で異動が行われている。
県道190号石森・永井線と県道200号中田・迫線は統合して県道190号花泉・迫線に移行したため廃止。県道190号石森・永井線は岩手県に跨る路線であるが、岩手県側では2019年(令和元年)5月14日岩手県告示第13号で県道190号石森・永井線を県道190号花泉・迫線に改称するという形で異動が行われている。
県道191号鹿又停車場・広淵線と県道231号鹿又停車場線は統合して県道191号鹿又・広渕線に移行したため廃止。
県道203号有壁停車場線は県道187号大門・有壁線に編入されたため廃止。
県道208号大島線は県道218号大島・波板線に編入されたため廃止。
県道229号竹谷・幡谷線と県道241号大和・幡谷線は統合して県道241号竹谷・大和線に移行したため廃止。
県道250号くりこま高原停車場線と県道268号くりこま高原停車場・伊豆沼線は統合して県道268号伊豆沼・くりこま高原駅線に移行したため廃止。
その他の路線、すなわち県道2号石巻・鮎川線と県道15号古川・登米線、県道26号気仙沼・唐桑線、県道30号河北・桃生線、県道32号古川・松山線、県道33号石巻・河北線、県道65号気仙沼・本吉線、県道165号古川・岩出山線、県道176号若柳・築館線、県道178号花山・一迫線、県道179号文字上・尾松線、県道180号文字・下細倉線、県道181号大鳥・沢辺線、県道182号栗駒・金成線、県道185号有壁・若柳線、県道192号石巻・雄勝線、県道202号東和・登米線、県道238号釜谷・大須・雄勝線、県道242号大迫・松山線は名称はそのままに再認定されるため廃止されたのだがそのようにした理由は不明である。
20 28 鹿児島県 2019年
(令和元年)
8月31日
県道546号永野田停車場線の廃止(2019年〔令和元年〕8月30日鹿児島県告示第325号に基づいて2019年〔令和元年〕8月31日実施)。
21 27 茨城県 2020年
(令和2年)
3月14日
県道271号佐貫停車場線の県道271号龍ヶ崎市停車場線への改称(2020年〔令和2年〕2月27日茨城県告示第190号に基づいて2020年〔令和2年〕3月14日実施)。
22 26 山口県 2020年
(令和2年)
3月27日
県道259号新下関停車場・稗田線の県道259号新下関停車場線への改称(2020年〔令和2年〕3月27日山口県告示第96号)。
23 25 栃木県 2020年
(令和2年)
3月29日
県道168号静・藤岡線の廃止(2020年〔令和2年〕3月29日栃木県告示第178号)。
県道282号中・岩舟線の県道282号中・藤岡線への改称(2020年〔令和2年〕3月29日栃木県告示第179号)。
24 22 愛知県 2020年
(令和2年)
3月31日
県道305号碧南停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日愛知県告示第154号)。
京都府 2020年
(令和2年)
3月31日
府道250号新田停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)。
府道323号木津停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日京都府告示第197号)。
鳥取県 2020年
(令和2年)
3月31日
県道269号松河原・名和線の廃止(2020年〔令和2年〕3月31日鳥取県告示第160号)。
27 21 山形県 2020年
(令和2年)
7月21日
県道199号余目停車場線の廃止(2020年〔令和2年〕7月21日山形県告示第570号)。
28 20 徳島県 2021年
(令和3年)
3月12日
県道204号徳島東インター線の県道204号徳島沖洲インター線への改称(2021年〔令和3年〕3月12日徳島県告示第163号)。
県道129号津田インター線の県道129号徳島津田インター線への改称(2021年〔令和3年〕3月12日徳島県告示第164号)。
29 18 神奈川県 2021年
(令和3年)
3月30日
県道410号湘南台・大神線の認定(2021年〔令和3年〕3月30日神奈川県告示第223号)。
静岡県 2021年
(令和3年)
3月30日
県道418号須走・御殿場線の認定(2021年〔令和3年〕3月30日静岡県告示第347号)。
31 17 三重県 2021年
(令和3年)
3月31日
県道766号城ノ浜・山居線の認定(2021年〔令和3年〕3月31日三重県告示第234号)。
県道766号多田ヶ瀬・山居線の廃止(2021年(令和3年)3月31日三重県告示第235号)。
32 16 北海道 2021年
(令和3年)
4月9日
道道1181号新八雲停車場線(仮称)の認定(2021年〔令和3年〕4月9日北海道告示第10,578号)。
33 15 長野県 2021年
(令和3年)
4月15日
県道371号療養所・上野線の廃止(2021年〔令和3年〕4月15日長野県告示第239号)。
34 14 沖縄県 2021年
(令和3年)
4月20日
県道257号慶良間空港・阿嘉線の認定(2021年〔令和3年〕4月20日沖縄県告示第260号)。
35 13 大阪府 2021年
(令和3年)
7月8日
府道118号桜井停車場線の廃止(2021年〔令和3年〕7月9日大阪府告示第1,023号に基づいて2021年〔令和3年〕7月8日実施)。
36 12 佐賀県 2021年
(令和3年)
10月1日
県道245号諸富停車場線の廃止(2021年〔令和3年〕10月1日佐賀県告示第379号)。
37 11 岐阜県 2021年
(令和3年)
10月27日
県道329号美並・和良・明宝線の認定(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第458号)。
県道322号畑佐・和良線の廃止(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第459号)。
県道323号鹿倉・白山線の廃止(2021年〔令和3年〕10月27日岐阜県告示第460号)。
38 10 兵庫県 2022年
(令和4年)
3月11日
県道548号戸島・玄武洞・豊岡線の県道548号楽々浦・玄武洞・豊岡線への改称(2022年〔令和4年〕3月11日兵庫県告示第295号)。
39 8 福島県 2022年
(令和4年)
3月29日
県道244号小塙・上郡山線の県道244号山田岡・上郡山線への改称(2022年〔令和4年〕3月29日福島県告示第211号)。
福岡県 2022年
(令和4年)
3月29日
県道428号筑前宮田停車場線の廃止(2022年〔令和4年〕3月29日福岡県告示第294号)。
41 6 岩手県 2022年
(令和4年)
3月31日
県道141号陸前高田停車場線の廃止(2022年〔令和4年〕3月31日岩手県告示第216号)。
長崎県 2022年
(令和4年)
3月31日
県道258号平戸・江迎線の認定(2022年〔令和4年〕3月31日長崎県告示第282号)。
43 5 富山県 2022年
(令和4年)
4月1日
県道52号石垣・魚津インター線の県道52号島尻・魚津インター線への改称(2022年〔令和4年〕4月1日富山県告示第145号)。
44 2 千葉県 2022年
(令和4年)
5月10日
県道501号王子・金町・市川線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日千葉県告示第244号)。
東京都 2022年
(令和4年)
5月10日
都道501号王子・金町・市川線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日東京都告示第709号)。
都道307号王子・金町・江戸川線の廃止(2022年〔令和4年〕5月10日東京都告示第710号)。
高知県 2022年
(令和4年)
5月10日
県道392号宿毛新港インター線の認定(2022年〔令和4年〕5月10日高知県告示第506号)。
47 1 福井県 2022年
(令和4年)
10月1日
県道273号三方五湖レインボーライン線の認定(2022年〔令和4年〕10月1日福井県告示第385号)。

注78:過去には島根県道/広島県道県道11号出雲・三次線(1956〜1993。県内では国道54号線〔国道184号線重用〕と重用)や広島県道/山口県道/島根県道119号佐伯・六日市線(1960〜1983。県内では主要地方道広瀬・廿日市線〔1954〜1965〕と重用。但し1965年〔昭和40年〕に主要地方道広瀬・廿日市線が廃止されたことにより単独区間を有するようになった)があった。
また、現在は島根県道/広島県道7号浜田・作木線(県内では広島県道/島根県道4号甲田・作木線と重用)がある。

注79:その代表的な事例が倉敷市林と都窪郡早島町早島を結んでいる岡山県道165号藤戸・早島線である。この岡山県道165号藤戸・早島線は1960年(昭和35年)3月18日岡山県告示第335号により発足した時は倉敷市藤戸町天城と都窪郡早島町早島を結ぶ路線だったのだが、1982年(昭和57年)に主要地方道玉野・福田線発足に伴い廃止された岡山県道268号白尾・藤戸線(1960〜1982)の区域を編入したことにより現在の形になった。しかし、なぜか岡山県は現在に至るまで岡山県道165号藤戸・早島線の廃止と岡山県道165号林・早島線の認定を行わないままでいる。倉敷市林は藤戸地区ではなく児島地区に属していることを考えれば路線名称としては不適切であり、岡山県道165号藤戸・早島線の廃止と岡山県道165号林・早島線の認定を行ったほうが良いとは思うのだが何があって岡山県は40年以上にわたってこの状態を放置しているのだろうか。

注80:笠岡市西大戸/裸池南交差点(信号機・交差点名標なし)から笠岡市小平井/追分交差点まで延びる笠岡市道は岡山県道289号東大戸・金浦線と接続する笠岡市大河/大河東橋西詰交差点(信号機・交差点名標なし)を境に路線が分かれている。笠岡市大河/大河東橋西詰交差点(信号機・交差点名標なし)以東は大井南1号線、笠岡市大河/大河東橋西詰交差点(信号機・交差点名標なし)以西は西大戸・堂ノ内線となっている。いずれも全区間が上下2車線化されている。

注81:私がそのように考えるのは山陽自動車道福山SAスマートインターチェンジ(福山市津之郷町津之郷)が供用を開始した時(2018年〔平成30年〕3月21日)に福山SAスマートインターチェンジに通じる道路の一つである広島県道463号津之郷・山守線について県道標識が設置されるなど案内の充実が図られたことが背景にある。

 

広島県道463号津之郷・山守線の県道標識(左)と路線番号入り案内標識(右)。
いずれも福山SAスマートインターチェンジ供用開始を契機に設置された。

注82:厳密には三原市久井町坂井原/トチ谷西交差点(信号機・交差点名標なし)から200mほどは通行することはできる。

注83:三原市高坂町許山/第三仏通寺山林道南入口交差点(信号機・交差点名標なし)三原市久井町坂井原/トチ谷西交差点(信号機・交差点名標なし)間の広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道については広島県は交通情報サイト「ひろしま道路ナビ(道路防災情報システム)」で復旧予定時期(現在は今年3月下旬)を示しているのだが復旧予定時期が近付くと延期することを繰り返している。復旧させる考えがないのであれば復旧予定時期を示さないほうが良いように感じるのだがなぜ広島県は復旧予定時期を示しているのだろうか。

 

2017年(平成29年)9月15日に撮影した広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の東側通行止め開始地点の写真。
工事看板には2018年(平成30年)2月15日まで災害復旧工事を行うと記されている。

2019年(令和元年)11月1日に撮影した広島県道50号本郷・久井線仏通寺旧道の東側通行止め開始地点の写真。
2017年(平成29年)9月15日にはあった工事看板はなくなっている。
結局復旧は断念されたのだろうか。

注84:最近行われたのは庄原市に存在した国道183号線高旧道の再編である。地域高規格道路に指定されている江府・三次道路の一部を構成する国道183号線高道路が2008年(平成20年)3月9日に開通してから長らく新旧両道が国道183号線のまま留め置かれていたが、2021年(令和3年)9月24日広島県告示第880号で国道183号線は高道路に集約され、国道183号線高旧道は広島県道222号高停車場線と庄原市道に再編されている。国道183号線高道路の開通から国道183号線高旧道の再編まで13年半もかかった理由ははっきりしないが、国道183号線高旧道の再編を巡って長らく協議が続いたからではないかと私は見ているところである。

注85:本文でも触れているのだが民間中波放送局47社のうち2028年(令和10年)秋以降も中波放送を継続することを表明しているのはSTVラジオ・北海道放送ラジオ・秋田放送ラジオの3社である。

注86:山口放送ラジオ以外の中国地方にある民間中波放送局各社(山陰放送ラジオ・RSK山陽放送ラジオ・中国放送ラジオ)がエフエム放送局移行に関する実証実験に参加しないと考えている理由は次の通りである。
・山陰放送ラジオは2箇所、RSK山陽放送ラジオは1箇所しかそれぞれエフエム補完中継局を設置していないためにエフエム補完放送でこれらの放送局の番組が楽しめない地域が少なくないこと。
・中国放送ラジオは5箇所エフエム補完中継局を設置しているがそれでも呉市・竹原市・豊田郡・山県郡などでエフエム補完中継局設置が進んでいないためにエフエム補完放送でこれらの放送局の番組が楽しめない地域が少なくないこと。
私がエフエム放送局移行に関する実証実験に参加しないと考えている放送局のうち中国放送ラジオは今秋実施される予定の実証実験には参加しないことと2025年(令和7年)秋までは中波放送が楽しめなくなる地区は出さないことを2021年(令和3年)6月15日に公にしており(そのことを記した文書〔PDF文書〕はこちら)、中国放送ラジオの実証実験不参加は既に確定している。

注87:日本放送協会の中波放送は2025年度(令和7年度)にラジオ第二放送を廃止することになっているため2028年(令和10年)秋時点ではラジオ第一放送だけになっている。ただ、ラジオ第一放送も本文で触れた通りエフエム補完中継局の設置が各地で行われていることや民間中波放送局と同じ問題(施設の老朽化・受信困難地域の存在・国内外の放送局との混信対策・災害対策など)を抱えていること、受信料収入が人口減少などの要因により減っていくことなど課題を多く抱えており、現状のまま推移するかどうかは分からない。

注88:ラジオ第二放送を対象にしなかった理由は注87で触れた通り2025年度(令和7年度)に廃止することにしていることとラジオ第二放送のエフエム補完中継局は本部と鹿児島・沖縄両放送局しか所有していないことである。

注89:現在のところ日本放送協会のある都市で中波放送のエフエム補完中継局が設置されているのは福井市だけである。福井市内にあるNHK福井放送局(福井市宝永三丁目)のラジオ第一放送のエフエム補完中継局は3箇所あるのだがいずれも福井市郊外の日本海沿岸地域にあり、福井市中心部を対象としたものとはなっていない。NHK福井放送局の中波放送の本局(福井市下馬三丁目)も近くを足羽川が流れていることから浸水被害に遭う恐れがあるのだが今のところ本局を対象としたエフエム補完中継局の設置計画は浮上していない。

注90:日本放送協会の中波放送のエフエム補完中継局の数は下表の通りである。

放送局名 中継局数 備考
帯広 1
釧路 2
盛岡 1
秋田 3
本部 2 所有するエフエム補完中継局は全てラジオ第一・ラジオ第二共用中継局となっている。
長野 2
金沢 2
福井 3
静岡 1
名古屋 1 所有するエフエム補完中継局は名古屋放送局(名古屋市東区東桜一丁目)のある愛知県ではなく岐阜県にある(名古屋放送局の中波放送は岐阜県も放送区域に含めているため)。
大阪 2 所有するエフエム補完中継局は大阪放送局(大阪市中央区大手前四丁目)のある大阪府ではなく和歌山県にある(大阪放送局の中波放送は和歌山県も放送区域に含めているため)。
松江 6
岡山 1
広島 2
徳島 1
松山 2
高知 5 うち1箇所は現在開局準備中(今年3月頃開局予定)。
長崎 2
大分 3
宮崎 2
鹿児島 10 うち2箇所はラジオ第一・ラジオ第二共用中継局となっている。
沖縄 3 うち2箇所はラジオ第一・ラジオ第二共用中継局となっている。
合計 57

注91:受信障害対策中継局制度が中波放送に適用されるようになったのは2017年(平成29年)のことである。民間中波放送局のエフエム補完放送が各地で始まったことを受けての措置と思われるが、日本放送協会の中波放送で受信障害対策中継局を設置しているのは福島県・兵庫県にある4町村(福島県…大沼郡昭和村・双葉郡広野町・双葉郡葛尾村/兵庫県…美方郡香美町)に過ぎない。中波放送の受信が困難な地域を持つ市区町村は多数あるが本文で記したように財政事情が厳しいことやラジオ放送を聴く人が少なくなっていることが積極的になる市区町村が出てこない理由として考えられるところである。

注92:高梁市中心部や高梁市成羽地区中心部を指す(受信可能範囲はNHK岡山放送局公式サイトによる)。

注93:複数の民間中波放送局によって放送区域に含められている都道府県(北海道・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・岐阜県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・福岡県・沖縄県)を除いた各県の状況は下表の通りである。

県名 中波中継局数 備考
日本放送協会
(ラジオ第一)
民間中波放送局
青森県 7 6
岩手県 9 7
宮城県 4 4
秋田県 8 6
山形県 6 6
福島県 9 5
新潟県 8 8
山梨県 2 3
長野県 11 8
富山県 1 1
石川県 4 4
福井県 5 3
静岡県 6 12
鳥取県 6 3
島根県 9 4
岡山県 5 7
広島県 9 7
山口県 5 6
徳島県 4 4
香川県 2 4
愛媛県 9 6
高知県 10 5
佐賀県 3 4
長崎県 6 6
熊本県 5 10
大分県 6 6
宮崎県 7 7
鹿児島県 6 5

上表から得られる結果は下表の通りである。

状況 県数 該当する県の名称
日本放送協会のほうが
中継局が多い
12 青森県・岩手県・秋田県・福島県・長野県・福井県・鳥取県・島根県・広島県・愛媛県・高知県・鹿児島県
日本放送協会と民間中波放送局の
中継局数が同じ
9 宮城県・山形県・新潟県・富山県・石川県・徳島県・長崎県・大分県・宮崎県
民間中波放送局のほうが
中継局が多い
7 山梨県・静岡県・岡山県・山口県・香川県・佐賀県・熊本県

上表から民間中波放送局のほうが日本放送協会より中波中継局が多い県はいくらかあることがうかがえる。

注94:政令指定都市に本社を置く民間中波放送局のradikoへの参加年月日は下表の通りである。

※都市名の前に◎を付けているところは道府県庁所在地である。

道府県名 政令
指定都市名
所属道府県に本社を置く
民間中波放送局
radiko
参加年月日
備考
北海道 札幌市 STVラジオ
(STV、札幌市中央区北一条西八丁目)
2011年
(平成23年)
4月20日
北海道放送
(HBC、札幌市中央区北一条西五丁目)
2011年
(平成23年)
4月20日
宮城県 仙台市 東北放送
(TBC、仙台市太白区八木山香澄町)
2012年
(平成24年)
4月2日
埼玉県 さいたま市
千葉県 千葉市
神奈川県 ◎横浜市
川崎市
相模原市
RFラジオ日本
(RF、横浜市中区長者町五丁目)
2011年
(平成23年)
4月12日
新潟県 新潟市 新潟放送
(BSN、新潟市中央区川岸町三丁目)
2012年
(平成24年)
4月2日
静岡県 ◎静岡市
浜松市
静岡放送
(SBS、静岡市駿河区登呂三丁目)
2011年
(平成23年)
10月3日
愛知県 名古屋市 CBCラジオ
(CBC、名古屋市中区新栄一丁目)
2011年
(平成23年)
3月25日
東海ラジオ放送
(SF、名古屋市東区東桜一丁目)
2011年
(平成23年)
3月25日
京都府 京都市 京都放送
(KBS、 京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町)
2011年
(平成23年)
4月12日
大阪府 ◎大阪市
堺市
朝日放送ラジオ
(ABC、大阪市福島区福島一丁目)
2010年
(平成22年)
3月15日
MBSラジオ
(MBS、大阪市北区茶屋町)
2010年
(平成22年)
3月15日
大阪放送
(OBC、大阪市港区弁天一丁目)
2010年
(平成22年)
3月15日
兵庫県 神戸市 ラジオ関西
(CRK、神戸市中央区東川崎町一丁目)
2011年
(平成23年)
4月12日
岡山県 岡山市 RSK山陽放送
(RSK、岡山市北区天神町)
2014年
(平成26年)
12月1日
広島県 広島市 中国放送
(RCC、広島市中区基町)
2011年
(平成23年)
7月20日
福岡県 ◎福岡市
北九州市
RKB毎日放送
(RKB、福岡市早良区百道浜二丁目)
2011年
(平成23年)
4月22日
九州朝日放送
(KBC、福岡市中央区長浜一丁目)
2011年
(平成23年)
4月22日
熊本県 熊本市 熊本放送
(RKK、熊本市中央区山崎町)
2012年
(平成24年)
1月30日

注95:中波ステレオ放送を実施していた民間中波放送局とradikoへの参加年月日は下表の通りである。

放送区域 放送局名/
略称・所在地
実施
中継局名
中波
ステレオ放送
開始年月日
中波
ステレオ放送
終了年月日
radiko
参加年月日
備考
北海道 STVラジオ
(STV、札幌市中央区北一条西八丁目)
本局 1992年
(平成4年)
8月1日
2010年
(平成22年)
3月1日
2011年
(平成23年)
4月20日
北海道放送
(HBC、札幌市中央区北一条西五丁目)
本局 1996年
(平成8年)
10月7日
2010年
(平成22年)
3月29日
2011年
(平成23年)
4月20日
東京都 TBSラジオ
(TBS、港区赤坂五丁目)
本局 1992年
(平成4年)
3月15日
2011年
(平成23年)
1月31日
2010年
(平成22年)
3月15日
中継局は本局以外存在しない。
ニッポン放送
(LF、千代田区有楽町一丁目)
本局 1992年
(平成4年)
3月15日
(実施中) 2010年
(平成22年)
3月15日
中継局は本局以外存在しない。
文化放送
(QR、港区浜松町一丁目)
本局 1992年
(平成4年)
3月15日
2012年
(平成24年)
2月6日
2010年
(平成22年)
3月15日
中継局は本局以外存在しない。
岐阜県
愛知県
三重県
CBCラジオ
(CBC、名古屋市中区新栄一丁目)
本局 1992年
(平成4年)
4月4日
2021年
(令和3年)
1月11日
2011年
(平成23年)
3月25日
東海ラジオ放送
(SF、名古屋市東区東桜一丁目)
本局 1992年
(平成4年)
4月4日
2012年
(平成24年)
5月14日
2011年
(平成23年)
3月25日
京都府
大阪府
朝日放送ラジオ
(ABC、大阪市福島区福島一丁目)
本局
1992年
(平成4年)
3月15日
2010年
(平成22年)
3月15日
2010年
(平成22年)
3月15日
全中継局で実施。
京都 1997年
(平成9年)
4月1日
2010年
(平成22年)
3月15日
MBSラジオ
(MBS、大阪市北区茶屋町)
本局 1992年
(平成4年)
3月15日
2010年
(平成22年)
3月1日
2010年
(平成22年)
3月15日
全中継局で実施。
京都 1997年
(平成9年)
4月1日
2010年
(平成22年)
3月1日
大阪放送
(OBC、大阪市港区弁天一丁目)
本局 1993年
(平成5年)
3月29日
(実施中) 2010年
(平成22年)
3月15日
全中継局で実施。
京都 1997年
(平成9年)
4月1日
(実施中)
和歌山県 和歌山放送
(WBS、和歌山市湊本町三丁目)
本局 1996年
(平成8年)
7月14日
(実施中) 2011年
(平成23年)
4月12日
岡山県 RSK山陽放送
(RSK、岡山市北区天神町)
本局 1992年
(平成4年)
10月5日
2011年
(平成23年)
3月28日
2014年
(平成26年)
12月1日
高梁 1992年
(平成4年)
10月5日
2011年
(平成23年)
3月21日
広島県 中国放送
(RCC、広島市中区基町)
本局 1992年
(平成4年)
10月1日
2011年
(平成23年)
3月14日
2011年
(平成23年)
7月20日
福山・府中・三原各中継局の開始時期は推定(便宜上福山・三原両中継局の周波数が変更された日を開始年月日としている)。
福山
府中
1994年
(平成6年)
11月14日
2001年
(平成13年)
10月15日
三原 1995年
(平成7年)
2月13日
2001年
(平成13年)
10月15日
福岡県 RKB毎日放送
(RKB、福岡市早良区百道浜二丁目)
本局 1992年
(平成4年)
4月1日
2010年
(平成22年)
5月31日
2011年
(平成23年)
4月22日
九州朝日放送
(KBC、福岡市中央区長浜一丁目)
本局 1992年
(平成4年)
4月1日
2007年
(平成19年)
4月2日
2011年
(平成23年)
4月22日
熊本県 熊本放送
(RKK、熊本市中央区山崎町)
本局 1993年
(平成5年)
10月1日
2008年
(平成20年)
9月29日
2012年
(平成24年)
1月30日

注96:本文で挙げた山は実は全てエフエム放送の中継局が設置されているところであることから設置予想地として挙げたものである。その状況を示すと下表の通りになる。

市名 山名 中継局を設置している
エフエム放送局
備考
笠岡市 栂丸山 NHK-FM
岡山エフエム放送
笠岡放送
笠岡放送(愛称:エフエムゆめウェーブ。笠岡市笠岡)は浅口市・笠岡市・浅口郡里庄町を放送区域としているコミュニティ放送局。
高梁市 鶏足山 NHKラジオ第一放送
NHK-FM
岡山エフエム放送
津山市 黒沢山 NHK-FM
岡山エフエム放送
天狗寺山 つやまコミュニティFM つやまコミュニティFM(愛称:エフエムつやま。津山市南新座)は津山市を放送区域としているコミュニティ放送局。
新見市 鳶ヶ巣山 NHK-FM
岡山エフエム放送
備前市 笹尾山 NHK-FM
岡山エフエム放送
真庭市 笹向山 NHK-FM
岡山エフエム放送

なお、2020年(令和2年)に経営難などの事情から廃業に追い込まれた、津山市を放送区域とするもう一つのコミュニティ放送局・エフエム津山(愛称:レディオつやま〔2010〜2012〕→MegaWAVE76.3〔2012〜2020〕。津山市小田中。2010〜2020)は本局を津山市中心部の南方に聳える神南備山(標高:355.9m)に置いていた(エフエム津山についてはこちらで詳しく触れているので興味のある方はご覧頂きたい)。神南備山について本文で触れず、なおかつ上表に入れなかったのは黒沢山や天狗寺山よりはるかに標高が低いこととエフエム津山が既に廃業していることが理由である。

注97:そのことはエフエムふくやまの自社制作番組には中国放送福山支社制作のラジオ番組に出演していた方が多く出ていることや中国放送のアナウンサーだった男性(残念ながら数年前に逝去している)が番組を持っていたことがあることでもうかがえる。

注98:エフエム補完放送制度が創設された2014年(平成26年)以降に廃止された中波中継局は下表の通りである。

※周波数の単位は全てkHz。

放送局・中継局名 所在地 周波数 放送終了
年月日
備考
IBC岩手放送
前沢中波中継局
奥州市前沢区赤坂 1062 2018年
(平成30年)
10月1日
エフエム補完中継局が整備されたことと施設が老朽化していたことにより廃止。
2018年(平成30年)10月1日未明の放送終了(午前1時)をもって停波。
北日本放送
高岡中波中継局
高岡市伏木矢田 738 2016年
(平成28年)
2月29日
エフエム補完中継局が整備されたことにより廃止。
2016年(平成28年)2月29日未明の放送終了(午前0時15分)をもって停波。
高岡中波中継局が廃止されたことにより北日本放送ラジオ(KNB、富山市牛島町)の中波中継局は本局(富山市新屋。周波数:738kHz)のみになっている。
CBCラジオ
岐阜中波中継局
各務原市川島北山町 639 2018年
(平成30年)
10月31日
エフエム補完中継局が整備されたことにより廃止。
放送休止の設定のない平日に停波・廃止することになったため日付が2018年(平成30年)11月1日に変わる直前での停波となった。
NHK京都放送局
ラジオ第一放送本局
京都市上京区
智恵光院丸太町下ル主税町
621 2015年
(平成27年)
2月2日
旧演奏所(京都市上京区智恵光院丸太町下ル主税町)の敷地内に設置。
2015年(平成27年)2月21日に新演奏所(京都市中京区烏丸通御池下ル虎屋町)に移転することになっていたことや京都府はNHK大阪放送局(大阪市中央区大手前四丁目)のラジオ第一放送の放送区域に組み入れられていること、そして京都市及びその周辺地域ではNHK大阪放送局のラジオ第一放送の本局(堺市美原区丹上。周波数:666kHz)が十分受信できることから整理対象となり、廃止された。
ラジオ第一放送は定期的な放送休止の設定がないため放送終了当日は午前1時をもって番組の放送を終了させ、以後日付が2015年(平成27年)2月3日に変わる直前まで621kHzでの放送は終了した旨の告知を流し続けて停波した。
なお、NHK京都放送局はラジオ第二放送も1973年(昭和48年)3月20日に廃止されているので現在は中波放送については制作・発信機能は一切有していない。

注99:例えば次のようなことが挙げられる。
・聴取者がどうかと思う恐れのあることに対して一切説明責任を果たさない。
・聴取者がどうかと思う恐れのあることに対して何の説明もなく実施する。
・ある事柄をしないことについて「なぜ我々がそのようにしているのか分かりますよね?」というような態度をとる。
・聴取者からの意見・要望・苦情・疑問に対して一切取り合わない。

注100:山口県で山梨放送ラジオが受信できるわけはないのではないかと思う方がいるかもしれないのだが、私は広島県世羅郡世羅町を自分の車で走っていた時に何と栃木放送(CRT、宇都宮市昭和二丁目)の本局(鹿沼市深津。周波数:1530kHz)を受信した経験をしていることから山口県で山梨放送ラジオが受信できる可能性はあるのではないかとして書いた次第である。

注101:756kHzはNHK熊本放送局(熊本市中央区花畑町)のラジオ第一放送の本局(熊本市北区清水東町)が、774kHzはNHK秋田放送局(秋田市東通仲町)のラジオ第二放送の本局(秋田県南秋田郡大潟村西野)がそれぞれ使用している。NHK熊本放送局のラジオ第一放送の本局の出力は10kW、NHK秋田放送局のラジオ第二放送の本局は500kWとなっており、山口県内で受信できる可能性は十分考えられるところである。

注102:美祢市と下関市豊田地区が該当する。どちらも内陸部に位置する美祢市と下関市豊田地区は瀬戸内海沿岸に中心部のある都市との関係が深い。下関市豊田地区は下関市の一部になっているし、美祢市はともに瀬戸内海沿岸に中心部がある宇部市や山陽小野田市と同じ都市圏でくくられることが多い。

注103:但し現在NHK高知放送局(高知市本町三丁目)のラジオ第一放送の本局(高知市高須三丁目。周波数:990kHz)を補完する高知エフエム中継局(高知市神田。周波数:92.8MHz)の整備が進められており、今春開局する予定になっている。NHK高知放送局のラジオ第一放送の本局についてエフエム補完中継局を整備することにしたのは本局がいつ起きるか分からない南海トラフ巨大地震で引き起こされる津波で被災する恐れがあるからである。

注104:政見放送が流せる放送局の種類は公職選挙法第150条により規定されている。

注105:但しアナログテレビ放送の1chを使用しているところではテレビ放送の受信障害が生じることから86.0MHz以上の周波数が設定できないようになっていた。例えば広島県南東部ではNHK総合テレビ尾道アナログ中継局(尾道市向島町。1960〜2011)が1chを使用していたのだが、そのことから尾道市及びその周辺地域ではエフエム放送について86.0MHz以上の周波数が設定できなくなっていた。広島エフエム放送福山中継局(福山市西深津町七丁目。周波数:82.1MHz)が開局前のサービス放送開始前の段階では周波数は87.5MHzに設定されていたのにサービス放送開始前になって変更せざるを得ず、1982年(昭和57年)11月20日に開始したサービス放送では福山中継局だけ電波が出せなかったのはそのためである(他には四国地方のNHK-FMの中継局と混信する恐れがあることが分かったことも考えられるがテレビ放送のデジタル化の後に開局したFMみはらが広島エフエム放送福山中継局が当初使用する予定だった周波数とは0.1MHzしか違わない87.4MHzを用いていることを考えると広島エフエム放送が開局した1982年〔昭和57年〕には認められなかったがFMみはらが開局した2018年〔平成30年〕には認められたあることが関係しているのは明らかであろう)。
※結局広島エフエム放送福山中継局については1982年(昭和57年)11月25日から現在使用している周波数、すなわち82.1MHzでサービス放送を開始し、開局の日(1982年〔昭和57年〕12月5日)を無事迎えている。なお、広島エフエム放送の開局日は福山中継局の周波数変更問題が起きる前から1982年(昭和57年)12月5日としており、福山中継局の周波数変更問題が起きたから1982年(昭和57年)12月5日になったわけではない。

注106:有名なものとしてはエフエム東京が中心になって推進していたi-dio(2016〜2020)がある。受信できる機器が普及しなかったことや中継局設置が遅れたこと、エフエム東京がi-dioを巡って不正会計を行っていたことなどが原因でわずか4年ほどで終了している。

注107:これまでに廃業に追い込まれたコミュニティ放送局は下表の通りである。

※廃業順位は放送終了年月日基準としており、廃業確定年月日基準とはしていない(各地にある総合通信局の中には廃業に関する報道発表を行っていないところがあるため)。

順位 放送局名 開局年月日 放送終了
年月日
主たる廃業理由 備考
1 エフエムこんぴら
(香川県仲多度郡琴平町榎井)
1997年
(平成9年)
2月3日
1998年
(平成10年)
11月30日
経営難 別称:FMこんぴら。
日本で初めて廃業に追い込まれたコミュニティ放送局となった。
2 沖縄市エフエムコミュニティ放送
(沖縄市中央一丁目)
1997年
(平成9年)
3月1日
2004年
(平成16年)
3月31日
経営難 愛称:FM Champla!。
沖縄地方初のコミュニティ放送局であった。
FMコザ(沖縄市中央三丁目)が業務を継承したがコールサインが異なるため本サイトでは沖縄市エフエムコミュニティ放送とFMコザはそれぞれ別の放送局と見なしている。
ある地方における最初のコミュニティ放送局が廃業した最初の事例になっている。
3 高松シティエフエム
(高松市天神前)
1997年
(平成9年)
1月25日
2005年
(平成17年)
3月31日
放送区域が重なるコミュニティ放送局への吸収合併 愛称:FM MARINO。
放送区域を同じくするエフエム高松コミュニティ放送(愛称:MAN de GAN815〔1996〜2005〕→FM815。高松市常磐町一丁目)に吸収合併されたため廃業。
合併によるコミュニティ放送局の廃業は現在に至るまでこの高松シティエフエムが唯一の事例となっている。
4 宮崎シティエフエム
(宮崎市橘通東一丁目)
1999年
(平成11年)
3月14日
2005年
(平成17年)
10月31日
経営難
放送免許更新見送り
後継者の不在
愛称:City FM77。
宮崎市では二番目のコミュニティ放送局であり、先発局である宮崎サンシャインエフエム(愛称:サンシャインFM。宮崎市大淀四丁目)への対抗意識は強いものがあったのだが、すぐに息切れした上に経営者の逝去や経営難などの要因から放送免許更新見送り→廃業に追い込まれてしまった。
5 イセハラエフエム放送
(伊勢原市板戸)
2001年
(平成13年)
1月28日
2006年
(平成18年)
3月31日
経営難 愛称:プリズムステーションまたはiFM85.7。
6 エフエムたまな
(玉名市田崎)
1998年
(平成10年)
2月22日
2006年
(平成18年)
4月30日
経営難
親会社の経営不振
愛称:ほっとラジオ。
7 仙台市民放送
(仙台市宮城野区原町三丁目)
1999年
(平成11年)
9月25日
2007年
(平成19年)
1月19日
経営難 愛称:FMじょんぱ。
8 FMニセコ放送
(北海道虻田郡倶知安町北一条西)
2006年
(平成18年)
12月18日
2007年
(平成19年)
9月22日
経営難 別称:FMニセコ。
開局からわずか279日で廃業に追い込まれた、最短命のコミュニティ放送局である。
9 五日市コミュニティ放送
(広島市佐伯区皆賀四丁目)
2004年
(平成16年)
4月18日
2007年
(平成19年)
11月30日
経営難 愛称:エフエムななみ。
10 エフエム・セト
(丸亀市土器町東三丁目)
1996年
(平成8年)
12月26日
2008年
(平成20年)
4月13日
経営難 別称:FMセト。
四国地方初のコミュニティ放送局であるエフエム・サン(坂出市京町一丁目)の子会社だったこともあった。
11 名古屋シティエフエム
(名古屋市中村区乾出町二丁目)
1998年
(平成10年)
4月23日
2008年
(平成20年)
6月13日
放送区域内の高層建築物の増加による受信環境悪化 愛称:SHANANA! FMまたはCityFM761。
名古屋シティエフエムの後身的存在となるのがMID-FM(愛称:MID-FM761。名古屋市中区新栄一丁目)となるのだが、放送区域やコールサインが異なることなどから本サイトでは名古屋シティエフエムとMID-FMはそれぞれ別の放送局と見なしている。
12 南区コミュニティエフエム
(札幌市南区澄川三条六丁目)
2006年
(平成18年)
7月7日
2008年
(平成20年)
12月5日
経営難 愛称:GREEN FM。
自社制作番組は2008年(平成20年)11月末をもって全て終了し、以後はJ-WAVE(東京都港区六本木六丁目)の番組の再送信を流し続けるだけになっていた。
J-WAVEの番組の再送信の最中に破産手続きに入ったことと停波することを社長が宣言する放送が挿入され、その数十分後に放送を終了するという異例の最期を遂げている。
13 名古屋中エフエムラヂオ放送
(名古屋市中区大須三丁目)
1998年
(平成10年)
5月29日
2009年
(平成21年)
3月31日
経営難 愛称:FM DANVO(1998〜2006)→Transamerica(2006〜2009)。
14 BIWA WAVE
(近江八幡市鷹飼町)
2005年
(平成17年)
5月1日
2009年
(平成21年)
5月28日
経営難 愛称:B-WAVE。
電波法違反行為で2008年(平成20年)1月に11日間の運用休止処分を受けたことを契機に経営が悪化し、エフエムひこねコミュニティ放送(愛称:エフエムひこね。彦根市立花町)の支援を受けたこともあったがエフエムひこねコミュニティ放送が支援から撤退したことで命運は尽きることになってしまった。
15 エフエム多摩放送
(多摩市一ノ宮三丁目)
1995年
(平成7年)
5月31日
2010年
(平成22年)
3月31日
経営難 愛称:エフエム多摩G-WIND。
16 かにかも放送
(可児市広見七丁目)
2004年
(平成16年)
6月6日
2010年
(平成22年)
7月15日
経営難
放送免許更新見送り
愛称:FMでんでん。
放送終了年月日は本サイトからリンクを貼っている「TOPPY.NET-INSIDE NAGOYA-」の一コーナー「TOPPYのくびったけブログ」の2010年(平成22年)8月22日の記事「電波も停まったFMでんでん―かにかも放送」による。もっとも、自社制作番組は2009年(平成21年)12月31日をもって全て終了しており、2010年(平成22年)1月1日以降は音楽がずっと流れるだけになっていた。
放送が止まった後は無変調状態が1ヶ月ほど続き、停波したという(前記サイトによる)。
臨時ホームページと銘打たれ
た公式サイト(それはこちら)は廃業から12年以上経った現在も残されている。
17 貝塚コミュニティ放送
(貝塚市近木)
2006年
(平成18年)
4月1日
2010年
(平成22年)
9月30日
経営難 愛称:FM826 SENSHU JOLLY FM。
出力がわずか2wだったことから受信可能範囲が狭く、それで経営難に陥ったことも考えられるところである。
18 福岡コミュニティ放送
(福岡市早良区百道浜二丁目)
2000年
(平成12年)
3月3日
2010年
(平成22年)
10月31日
経営難
親会社の不祥事
放送免許更新見送り
愛称:FM MiMi(2000〜2006)→StyleFM(2006〜2010)。
19 天神エフエム
(福岡市中央区今泉一丁目)
1996年
(平成8年)
10月1日
2010年
(平成22年)
12月31日
経営難に陥っていた都道府県域民間エフエム放送局の業務継承 愛称:FREE WAVE。
福岡コミュニティ放送と天神エフエムの廃業により福岡市はコミュニティ放送局のない政令指定都市となった(その後2013年〔平成25年〕1月11日にコミュニティメディアパートナーズ福岡〔愛称:コミュニティラジオ天神またはCOMI×TEN。福岡市中央区大名一丁目〕が開局したためその状態は2年ほどで解消している)。
20 東京コミュニケーション放送
(渋谷区道玄坂二丁目)
1996年
(平成7年)
4月28日
2013年
(平成25年)
1月11日
経営難 愛称:SHIBUYA-FM。
21 さかいhill-front forum
(堺市東区北野田)
2010年
(平成22年)
6月6日
2015年
(平成27年)
3月31日
本社・演奏所を置いていた場所の指定管理者変更 愛称:エフエムさかい。
廃業理由は左記の通りだが、公式サイトで番組表や所在地データを掲載しないなど運営に積極さが見られなかったことや放送区域としていた堺市東区は大阪市のベッドタウンとして人口が増えた地域であり、地元意識が高くなかったことなどから堺市東区民に親しまれる存在になり切れず、廃業する以外方法はなくなったことも十分考えられるところである。
さかいhill-front forumの廃業後堺市ではコミュニティ放送局は開局しておらず、堺市は2021年(令和3年)1月15日以降コミュニティ放送局のない唯一の政令指定都市になっている。堺市―どの行政区でも構わないのだが―でコミュニティ放送局開局への動きが起きることを期待したいのだが、大阪市周辺で最近コミュニティ放送局の廃業が相次いでいることや競争相手があまりにも多いことを考えるとその機運が高まるかどうかは分からない。
22 エフエムわいわい
(神戸市長田区海運町三丁目)
1996年
(平成8年)
1月17日
2016年
(平成28年)
3月31日
インターネット放送への移行 愛称:FMわぃわぃ。
23 やまがたシティエフエム
(山形市中桜田三丁目)
2002年
(平成14年)
10月21日
2016年
(平成28年)
7月22日
経営難 愛称:Vigo FM。
公式には2016年(平成28年)7月21日をもって放送を終了し、廃業したことになっているが、実は2016年(平成28年)7月22日午前0時23分9秒まで放送を行っている(そのことを記録した動画はこちら。その動画を見ると音楽〔洋楽。曲名不明〕が流れていたがその曲が終わらないうちに突然切れている)。よって、本サイトでは2016年(平成28年)7月22日に放送を終了したとしている。
24 市川エフエム放送
(市川市八幡二丁目)
1998年
(平成10年)
9月20日
2016年
(平成28年)
11月30日
経営難 別称:市川エフエム。
25 FMしまじり(初代
(南城市佐敷津波古)
2013年
(平成25年)
2月28日
2018年
(平成30年)
2月28日
南城市との契約期間満了 愛称:FMなんじょう。
南城市との契約期間満了により南城市での放送を取りやめたFMしまじりは沖縄県島尻郡与那原町に移り、そこで改めてFMしまじり(沖縄県島尻郡与那原町上与那原)というコミュニティ放送局を立ち上げている。このため本サイトは南城市にあったコミュニティ放送局についてはFMしまじり(初代)、沖縄県島尻郡与那原町にあるコミュニティ放送局はFMしまじり(二代目)とそれぞれ表記することにしている。
26 長崎シティFM
(長崎市江戸町)
2005年
(平成17年)
12月11日
2020年
(令和2年)
4月30日
経営難 長崎県の県庁所在地であり、40万都市である長崎市を放送区域とするコミュニティ放送局でありながら廃業に関する報道が一切なされなかったこと(監督官庁の総務省九州総合通信局が廃業に関する報道発表を一切行わないことにしているのも一因と言える)や公式サイト(2021年〔令和3年〕8月頃閉鎖)が2013年(平成25年)秋以降一切更新されなかったことから廃業することは広く知られることはなく、一部のブログやSNSで触れられるだけに留まった。
長崎市の東隣にある諫早市を放送区域としているコミュニティ放送局・エフエム諫早(愛称:レインボーFM。諫早市宇都町)と共同で番組を流すなど厳しい環境にあっても頑張っていた感があったのだが長崎市内におけるコミュニティ放送局としては先発局となる長崎市民エフエム放送(長崎市大黒町)に様々な面で劣っていたことや公式サイトの更新が途絶えたことなどで次第に見向きもされなくなり、前記のような悲惨な結末を迎えるに至ったものと思われる。
27 エフエム津山
(津山市小田中)
2010年
(平成22年)
7月1日
2020年
(令和2年)
10月25日
経営難 愛称:レディオつやま(2010〜2012)→MegaWAVE76.3(2012〜2020)。
津山市では二番目のコミュニティ放送局であり、先発局のつやまコミュニティFMへの対抗意識は強いものがあったのだが、つやまコミュニティFMに様々な面で劣っていたことや方針が二転三転したこと、幹線道路沿線に本社・演奏所を設置しているのにその存在を示すものを全く設置しなかったこと、平日の夕方と土曜日の日中にしか番組を設定せず、後はずっと音楽を流し続けるだけだったことなどから津山市民に親しまれる存在になり切れなかった。
長崎シティFMの場合と違って監督官庁の総務省中国総合通信局(広島市中区東白島町)の報道発表を受けて地元紙の山陽新聞が廃業を報道したのだが、どのような形で放送を終了したのか記録したものは未だに見つかっておらず、悲惨な結末を迎えた放送局の一つとなった。
公式サイトは廃業1年後の2021年(令和3年)秋頃閉鎖されたが、SNS(Twitter…こちら/Facebook…こちら)は廃業の数年前から投稿がなされなくなっているものの現在も残されている。
なお、エフエム津山に関してはこちらで詳しく触れているので興味のある方はご覧頂きたい。
28 エフエムせとうち
(鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋)
2012年
(平成24年)
4月25日
2021年
(令和3年)
2月28日
経営難 エフエムせとうちがコミュニティ放送局の趣旨に反した放送を展開しているとの住民からの訴えを受けた鹿児島県大島郡瀬戸内町がコミュニティ放送局の運営見直しを行い、新たな事業者を公募したところエフエムせとうちは名乗りを挙げなかったことから廃業した。
公式ブログ(それはこちら)は現在も残されているが、2016年(平成28年)8月30日を最後に更新が途絶えている。経営難に陥って廃業に追い込まれたコミュニティ放送局の中にはサイト・ブログ・SNSを更新せずに長期間放置する傾向が見られるのでエフエムせとうちも経営難に陥ったこと(それがコミュニティ放送局の趣旨に反した放送を展開するようになった要因ではないかと考えられるが不明)が考えられるのだが真相は不明のままである。
エフエムせとうちの廃業により鹿児島県大島郡瀬戸内町は奄美大島に行政区域を有する市町村で唯一コミュニティ放送局に関する施設(本社・演奏所・中継局)のない市町村となったが、エフエムせとうちの廃業から11ヶ月経った2022年(令和4年)1月26日にせとうちラジオ放送が開局したことで解消されている。
29 FMオホーツク
(北見市幸町二丁目)
2008年
(平成20年)
6月1日
2022年
(令和4年)
2月11日
経営難
親会社の経営不振
後継者の不在
略称:FM OK。
放送に必要な資格を持っていた社長が2022年(令和4年)1月27日に逝去したため放送継続が困難になり放送休止。放送再開に向けて動いていたようであるが結局2022年(令和4年)8月9日をもって廃業した。
その後親会社の不動産会社が経営破綻していることを考えると親会社の経営不振や後継者の不在が主たる廃業理由として考えられる。NHK北見放送局(北見市北斗町二丁目)の業務縮小や札幌テレビ放送・STVラジオ(STV、札幌市中央区北一条西八丁目)の北見市における拠点廃止といった動きがFMオホーツクの放送休止と時を同じくして起きたことを考えると放送再開に向けた動きが起きても良かったのでは…と考えたくなるのだが逝去した社長あっての放送局という性格が強かったことが致命傷になったと言えるのではないのだろうか。
FMオホーツクの廃業により北見市は北海道の日本放送協会の放送局のある都市(他には旭川・帯広・釧路・札幌・函館・室蘭がある)で唯一コミュニティ放送局のない都市になってしまった。コミュニティ放送局を再興させようという動きが出てくることを期待したいのだが…。
30 エフエムひらかた
(枚方市岡東町)
1997年
(平成9年)
1月15日
2022年
(令和4年)
2月28日
枚方市の方針変更 別名:きくFM。
枚方市が災害情報をSNSで発信するようにしたことや委託金を払うことを2021年度(令和3年度)をもって取りやめることにしたこと、経営譲渡を検討したが結局断念したことなどから廃業に追い込まれた。